花粉が飛ぶ季節は目のかゆみや鼻の症状で不快な思いをする人が多くいます。
目のかゆみの症状は目の充血、涙とあわせて花粉症の目の3大症状の1つです。
花粉症で目がかゆいときはどうするのが良いのでしょうか?
花粉症で目がかゆくなる理由は何なのでしょうか?
本記事では花粉症による目のかゆみについて以下の点を中心にご紹介します。
- 花粉症で目がかゆいときの対処法について
- 花粉症で目がかゆくなる理由について
- 花粉症による目のかゆみを抑えるための点眼について
花粉症による目のかゆみについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは
花粉症とは、スギやヒノキなどの食物の花粉を原因とするアレルギー症状をいいます。
花粉が原因のアレルギー症状にはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがあります。
花粉症は医学的にはアレルギー性鼻炎のうちの「季節性アレルギー鼻炎」に分類されます。
花粉症の症状は目と鼻にあらわれやすく、目の場合は
- かゆみ
- 充血
- 涙
が3大症状としてあらわれます。
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花粉症で目がかゆいときの対処法
花粉症で目がかゆいときの対処法について以下の2つを挙げます。
- 目を冷やす
- 人工涙液で洗浄する
それぞれの対処法についてご紹介します。
目を冷やす
タオルなどで目を冷やすのは目のかゆいときの対処法として有効です。
かゆみを落ち着かせる方法として簡単にできて1番良い方法といえます。
目がかゆいからといってこすり過ぎると目元の皮膚や眼球を傷つけることになります。
目のかゆみの原因物質であるヒスタミンに反応する神経は目の周りに多く存在します。
目の周りを冷やすことでかゆみを和らげることができるのです。
目の周りを冷やすには以下のような方法があります。
- 清潔なタオルを流水に浸して冷やして使う
- 清潔なタオルで保冷剤を包んで目に当てて使う
人工涙液で洗浄する
目がかゆいときに人工涙液で目を洗うのは特にアレルギー性のかゆみに有効です。
人工液で目を洗うと、花粉などの異物を一緒に洗い流すことができます。
一方、水道水での洗眼は塩素などが含まれているためあまりおすすめできません。
人工涙液は防腐剤を使わないものを選ぶようにしましょう。
防腐剤に使われているベンザルコニウム塩化物は角膜を傷つけることがあるからです。
また、洗い過ぎは目の機能を正常に保つための涙を奪いすぎる恐れもあります。
花粉症による目がかゆくなる理由
花粉症で目がかゆくなる理由は、アレルギー性結膜炎によるものです。
アレルギー性結膜炎のうち花粉症で起こるものを季節性アレルギー性結膜炎といいます。
季節性アレルギー性結膜炎を引き起こす抗原には空中を浮遊し目の中に入ってくる
- スギやヒノキ、シラカバ(北海道などの地域)
- カモガヤやブタクサ
などの樹木や草花の花粉があります。
アレルギー性結膜炎で目がかゆくなるのはヒスタミンという化学伝達物質のせいです。
スギ花粉などの抗原が目に入るとIgE抗体が作られマスト細胞と結合します。
さらにスギ花粉が入ってくるとIgEと反応してマスト細胞からヒスタミンを放出させます。
放出されたヒスタミンは結膜の近くにある神経や血管を刺激しかゆみが起こるのです。
花粉症による目のかゆみを抑えるための点眼
花粉症による目のかゆみを抑えるための効果的な点眼の仕方を紹介します。
目のかゆみを抑えるための点眼の仕方は以下の用法通りに点眼することです。
- 1日2回点眼の場合:朝と夕の2回点眼として、昼間のかゆくない状態を保つ
- 1日4回点眼の場合:朝、昼、夕、就寝前の4回点眼しかゆくない状態を保つ
正しい点眼はかゆい時の「かゆみ止め」ではなく、「かゆみの発生を抑える」ことです。
抗アレルギー点眼薬をライフスタイルに応じて決まった回数・タイミングで点眼しましょう。
発症期間中は症状の有無にかかわらず用法を守って点眼を続けることを「プロアクティブ点眼」といいます。
出典:【「プロアクティブ点眼」とは】
花粉症による目のかゆみを抑えるための薬
花粉症による目のかゆみを抑えるための主な内服薬(飲み薬)を以下にご紹介します。
【目のかゆみを抑える主な内服薬(先発&ジェネリック医薬品)】
先発医薬品 | ジェネリック医薬品 |
アレグラ錠60mg | フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg |
アレロック錠5 5mg | オロパタジン塩酸塩錠5mg |
クラリチン錠10mg | ロラタジン錠10mg |
アレジオン錠20 20mg | エピナスチン塩酸塩錠20mgなど |
エバステル錠10mg | エバスチン錠10mg |
オノンドライシロップ10% | プランルカスト ドライシロップ10% |
ジルテックドライシロップ1.25% | セチリジン塩酸塩DS1.25% |
花粉症で目がかゆくならないようにするには
花粉症で目がかゆくならないようにするにはメガネを活用することが有効です。
メガネの着用で目に入る花粉量を減らすことができます。
目に入る花粉数とメガネの効果は以下の表のように報告されています。
【目に入る花粉数とメガネの効果】
結膜上の花粉数(個) | |
メガネなし | 791 |
通常のメガネ | 460 |
花粉症用メガネ | 280 |
出典:【的確な花粉症の 治療のために(第2版)(表4)】
尚、花粉の季節ではコンタクトレンズの使用は控え、メガネに変えるのが良いでしょう。
コンタクトレンズでは花粉がレンズと結膜の間で擦れてしまうからです。
花粉症で目がかゆいのまとめ
ここまで花粉症の目のかゆみについてお伝えしてきました。
花粉症による目のかゆみについての要点を以下にまとめます。
- 花粉症で目がかゆいときは目を冷やしたり人工涙液で洗浄するのが有効
- 花粉症で目がかゆくなるのは花粉が目に入るとヒスタミンが放出されて神経や血管を刺激してかゆみが起こるため
- 花粉症による目のかゆみを抑える点眼は用法を守って点眼を続ける「プロアクティブ点眼」
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。