多くの方が関節痛による腰の痛みに悩んでいます。
高齢者では、腰の痛みで寝たきりになってしまう心配もあります。
どのようにしたら関節痛による腰の痛みを改善できるのでしょうか。
本記事では関節痛による腰の痛みについて以下の点を中心にご紹介します。
- 関節痛による腰の痛みはなぜおこるのか
- 腰の関節痛を和らげる方法とは
- 腰痛防止のためのグッズとは
関節痛による腰の痛みについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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関節痛とは?
関節痛には「炎症を伴う痛み」と「炎症を伴わない痛み」があります。
炎症を伴う痛みは「関節炎」です。
関節炎は、痛みだけでなく患部が赤く腫れあがります。
炎症による関節痛の場合は、関節組織の破壊を伴うケースもあり、早急に対処が必要です。
炎症を伴わない痛みは筋肉痛や神経痛であることがほとんどです。
関節組織が破壊されることは少ないと考えられています。
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関節痛による腰の痛みの原因
関節痛による腰の痛みには、さまざまな原因があります。
更年期が原因の関節痛
50歳を過ぎるころから更年期を迎えます。
更年期以降になると、男性も女性も加齢の影響で筋骨格系の老化が進みます。
とくに女性は、腰回りの骨を支える筋力が弱いため、腰の関節痛が出やすくなります。
また女性の場合、更年期になると女性ホルモンであるエストロゲンが激減します。
エストロゲンが減少することにより、関節を支えている軟骨や筋肉が衰えます。
さらに関節内部の水分が減少し、血液循環が悪くなって腰の関節痛を悪化させます。
生活環境による腰の痛み
腰に負担のかかる姿勢が多い職場環境、生活環境が原因となります。
前かがみでの作業が多い、重い荷物を持つことが多い、立ちっぱなしが多いなどです。
接客業や販売員、警備員、宅配業者などの腰の関節痛は職業病ともいわれます。
その他の原因による関節痛の痛み
怪我の後遺症で腰に関節痛が残ることがあります。
「変形性腰椎症」「腰椎椎間板ヘルニア」「ぎっくり腰」などもあります。
症状によっては、薬物療法、手術療法、リハビリ療法などが行われます。
腰の関節痛の治し方は?原因別の対処法
腰の関節痛の原因がわかったところで、原因別に対処法を考えていきましょう。
更年期が原因の関節痛
更年期の腰の関節痛は、血行にあります。
適度な運動やストレッチでこわばった腰の関節を緩めることで、関節痛が和らぎます。
お風呂でじっくり温めることで血行がよくなり、関節痛が改善することがあります。
また、肥満は体重の重みが腰に集中して、腰に負担をかけてしまいます。
肥満気味の方は適切な運動と食事制限など、適正体重にするよう生活習慣を改善しましょう。
生活環境による腰の痛み
同じ姿勢を続けていると、筋肉が緊張したままとなり、腰の関節痛が出やすくなります。
同じ姿勢が続く場合には、こまめな休息に加えストレッチをして体をほぐしましょう。
また、立ち仕事の場合には、お腹に力を入れて背筋を伸ばした姿勢を維持しましょう。
前かがみや腰の反らし過ぎは、腰に負担をかけてしまいます。
一度、立った姿勢を鏡に映してみるなどしてチェックしてみるとよいでしょう。
その他の原因による関節痛の痛み
怪我の後遺症や慢性的な腰の関節痛については、病院で診てもらうことをおすすめします。
腰の関節痛では、原因が腰だと思っていたら内臓疾患だったということもあります。
怪我の後遺症の場合には、神経が原因かもしれません。
MRIなどの画像検査などで詳しく調べてもらいましょう。
関節痛による腰の痛みに効く薬
腰の関節痛で悩んでいるときには、市販の薬に頼る方も多いでしょう。
まずは整形外科を受診することをおすすめします。
腰痛以外の大きな病気が隠れていないか確認しましょう。
関節痛に効く漢方薬
腰の関節痛では、体を温めることが大切です。
漢方では、体を温めて痛みに作用する以下のような生薬があります。
附子(ぶし)は血流を改善し、鎮痛作用があります。
芍薬(しゃくやく)は冷えによる腰の関節痛に効果があります。
甘草(かんぞう)は他の生薬をサポートし、鎮痛効果があります。
関節痛に効く市販薬
市販薬には、いろいろな種類があるので、症状に合わせた薬を選ぶことが大切です。
腰痛に効く飲み薬
腰の関節痛に効果のある飲み薬は、症状に合わせて選びましょう。
とくに、急性の関節痛と慢性の関節痛の場合には、薬効が異なります。
急性の腰の関節痛の場合には、強い成分の薬をおすすめします。
具体的な成分としては「ロキソプロフェン」配合の薬です。
効果が比較的早く出ることと、胃腸への負担が少ないのが特徴です。
慢性の腰の関節痛の場合には、温めることで血行を改善します。
筋肉の緊張を和らげる内服薬を服用することをおすすめします。
また、傷んだ神経を回復させるビタミン剤も併用するとよいでしょう。
腰痛に効く塗り薬
外用薬には「貼り薬」と「塗り薬」があります。
貼り薬は「テープ剤」と「パップ剤」がありますが、かぶれる心配があります。
長期間の使用や皮膚が弱くかぶれが心配な方は、塗り薬がおすすめです。
代表的な成分としては「フェルビナク」や「インドメタシン」があります。
フェルビナクは、鎮痛効果が強く、副作用も少ない塗り薬です。
インドメタシンの鎮痛効果はそれほどではありませんが、安価で長期的に使いやすい塗り薬です。
関節痛による腰の痛みに効く食べ物
腰の関節痛を軽減するためには、毎日の食事も重要です。
関節痛を和らげる栄養素や食べ物を紹介しましょう。
骨や軟骨を強くして関節痛を和らげる食べ物
骨や軟骨を強くする栄養素の代表はカルシウムです。
カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨の形成に必須のマグネシウムも必要です。
また、軟骨を生成するためにはコンドロイチンも大切な栄養素です。
カルシウムを十分摂取するためには、乳製品はもちろん、煮干しなどの小魚も積極的に摂りましょう。
ビタミンDはキノコ類、マグネシウムは大豆製品、コンドロイチンは牡蠣がおすすめです。
筋肉を強化して腰痛を防ぐ食べ物
腰の関節痛を予防するためにも、筋肉増強が必要です。
筋肉のもとはタンパク質ですから、積極的に摂るようにしましょう。
また、タンパク質を吸収しやすいアミノ酸にするのがビタミンB6です。
タンパク質を十分摂取するためには、肉、魚、大豆製品を積極的に摂りましょう。
ビタミンB6は赤味の魚、レバー、バナナなどに多く含まれます。
鎮痛効果のある食べ物で関節痛を和らげる
腰の関節痛を和らげるためには、鎮痛効果のある食べ物も積極的に摂りましょう。
薬のように即効性はありませんが、慢性的な腰痛の方にはおすすめです。
鎮静効果のある栄養素は、ビタミンB群です。
そのなかでも、ビタミンB12は末梢神経のダメージを修復する働きがあります。
また、ビタミンEも血流をよくして腰の関節痛を和らげる働きがあります。
ビタミン12を多く含む食べ物はイワシ、サンマなどの青魚です。
そのほかにもアサリやシジミなどの貝類にも多く含まれています。
ビタミンEは大豆製品、アーモンド、抹茶などに多く含まれています。
疲労回復食材を取り入れ関節痛に打ち勝つ
腰の関節痛を感じるときは、疲労が蓄積されているときです。
できるだけ早く疲労を回復したいものです。
そのためには、疲労回復効果のある食べ物を積極的に摂取しましょう。
疲労回復に効果のある栄養素は、ビタミンB群の仲間であるビタミンB1です。
その他にも、血行をよくするDHAやEPAにも効果があります。
ビタミンB1を多く含む食べ物は、豚肉やウナギ、海藻などです。
土用の丑の日にウナギを食べる慣習もうなづけます。
DHAやEPAはイワシやサバなどの青魚に多く含まれています。
関節痛による腰痛予防のためのグッズ
腰の関節痛を改善・予防するためには、グッズを活用するのもひとつの方法です。
おすすめの腰痛予防のためのグッズを紹介しましょう。
デスクワークが多い方に
デスクワークが多く、腰の関節痛に悩む方はクッション、サポートチェアがおすすめです。
持ち運びができるクッションなら、職場にも持って行けます。
また、長距離運転する方は、車専用の腰痛予防のためのクッションもあります。
立ち仕事が多い方に
立ち仕事やかがむ仕事が多い方には、サポーターがおすすめです。
インナーマッスルを鍛えるのが一番効果がありますが、時間がかかります。
インナーマッスルの代わりに腰回りをサポートしてくれるので、負担が軽くなります。
腰のストレッチに
腰の関節痛には、ストレッチが大切です。
ストレッチを効果的に行うためのグッズが「ストレッチポール」です。
ストレッチポールに乗って、ゆらゆらと身体を揺らすだけです。
揺れることで、腸腰筋が緩まり血流がよくなります。
冷え性の方には温熱シート
腰が冷えると、筋肉が固まって腰の関節痛が悪化します。
腰の冷えからくる腰の関節痛には、温熱シートがおすすめです。
腰に直接貼ることで、腰回りの血流をよくして痛みを軽減します。
就寝時に腰をしっかりサポート
寝ている時間は1日の3分の1です。
腰の関節痛は寝具に原因があるかもしれません。
腰の負担を軽減し体の疲れを取るためには、マットレスを交換することをおすすめします。
復元性を兼ね備えた高反発素材のマットレスは、腰の沈み込みを防ぎます。
体圧を均一にするので、負担がかかりやすい腰回りにも過度な沈み込みがありません。
腰の痛みに効くストレッチと運動方法
腰の関節痛には、ストレッチなどの運動が大切です。
無理をしてしまうと、腰痛を悪化させてしまいます。
病院に通っている場合には、医師に相談しながらストレッチを行いましょう。
腸腰筋のストレッチ
腰をお腹側から支えているのが腸腰筋です。
腰の関節痛は腸腰筋が固くなっている可能性があるので、ストレッチをしましょう。
- 右足を前に、左足を後ろに大きく広げて立ちます。
- 右ひざを深く曲げ、上半身を下げながら股関節を伸ばします。
- この姿勢を20~30秒キープします。
- 左右の足で3~4回行いましょう。
腰を丸めるストレッチ
腰回りの筋肉をゆるめるストレッチです。
ただし、腰椎椎間板ヘルニアの場合は痛みが増すことがあるので避けましょう。
- 椅子に座って、膝を抱えるように上体を前に曲げます。
- 30秒程度そのままの姿勢をキープ。
- 3~4回繰り返します。
胸のストレッチ
腰を丸めるストレッチのあとは、胸のストレッチをしましょう。
猫背の改善にもつながります。
- 肩幅に足を開いて立ちます。両腕を背中に回して握ります。
- 顔を上に向けたら、肘を伸ばして胸を張ります。
- 両腕を握ったままで斜めに押し下げ、体からできるだけ離します。
- 10~30秒程度キープしましょう。これを3回程度繰り返します。
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関節痛による腰の痛み・まとめ
ここまで関節痛による腰の痛みについて紹介してきました。
要点を以下にまとめます。
- 関節痛による腰の痛みの原因は、更年期、生活環境、怪我、病気など
- 腰の関節痛を和らげる方法は、薬だけでなく食事やストレッチも効果的
- 腰痛防止のためのグッズは、症状に合わせてクッションやサポーターを選ぶ
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。