「秋バテ」という言葉を耳にしたことはありますか?
夏バテと似ていますが、聞きなれない方が多いと思います。
秋バテとはどういうものなのでしょうか。
また、秋バテにならずに済む方法はあるのでしょうか。
本記事では、
- 秋バテの症状とは
- 秋バテの原因はなに?
- 対策と予防方法
- 秋バテにおすすめな食材
について詳しく解説していきます。
この記事が、秋バテについて知りたい方や、秋バテにならないためにどうすれば良いか知りたい方の参考になりましたら幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。
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秋バテの症状とは?
秋バテは、夏から秋に移り変わる季節の変わり目に、身体に様々な不調が出てくる状態をいいます。
秋バテの症状には、以下のようなものがあります。
だるい・疲れやすい | 頭痛 | 肩こり | 食欲不振・胃もたれ |
不眠 | 立ちくらみ | 便秘・下痢 |
暑く湿度の高い夏の気候から、9月や10月は、涼しく乾燥した秋の気候へ変化します。
1日の寒暖差がとても大きい季節になるため、体はついていくのがやっとの状態です。
秋バテでみられる上記の症状は、夏の疲労蓄積や急激な気候の変化に体がついていかないことで生じます。
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秋バテの原因は自律神経の乱れ?
まず結論からお伝えすると、秋バテの原因は自律神経の乱れにあります。
自律神経は、
- 興奮したり活動したりという、いわゆる元気の源である信号を出す交感神経
- リラックスしたり眠くなったりする、いわゆる休息する信号を出す副交感神経
の2つで成り立っています。
この自律神経が整っていることで、人間は活動と休息がバランスよく行え、日常生活を送ることができます。
しかし、冷房や食べ物で体を冷やすことや、秋の気温差の激しい環境に身をおくことで、徐々に自律神経のバランスは乱れます。
その結果、秋バテを引き起こすのです。
ではなぜ自律神経が乱れてしまうのでしょうか。
自律神経の乱れを引き起こす原因には、大きく分けて2つのパターンがあります。
①内蔵冷えパターン
まず始めは、内臓冷えパターンです。
夏の暑さに耐えるため、また節電のために冷房を控え、冷たい食べ物や飲み物をとりすぎていませんか?
内臓冷えパターンは、冷たい食べ物や飲み物をとりすぎることで内臓が冷え、胃腸の消化吸収機能が低下しています。
②冷房冷えパターン
2つ目は、冷房冷えパターンです。
これは、冷房を効かせた部屋で長時間過ごすことで、外気温との温度差に体が耐えられず、疲れやだるさが起こっている状態です。
夏は暑さ故に、外からも中からも身体を冷やしてしまう傾向にあります。
身体が冷えることで、
- 内臓の働きや免疫力の低下
- 血液循環が悪くなる
など、結果的に体に不調をきたしてしまいます。
自律神経のバランスを乱さないよう、冷たい物の摂りすぎや部屋の冷やしすぎには注意しましょう。
「秋バテ」という言葉をご存じでしょうか?「夏バテ」はよく聞くけど、「秋バテ」という言葉は知らない、という方も多いかと思います。「過酷な暑さが落ち着いて、涼しい気候になったはずなのに、身体がだるい…」「疲れがとれない…」[…]
秋バテの原因を理解して対策しよう
秋バテの原因は、先述したとおり自律神経の乱れにあります。
自律神経が乱れる原因には、生活習慣の乱れや気温差による、身体への疲労の蓄積があります。
したがって、自律神経を整えることが、秋バテ対策に繋がります。
秋バテの対策としては、以下のようなものがあります。
- 生活リズムを整える
- 多くの栄養素をとり入れる
- 体を温める
- 紫外線予防をする
それぞれ、詳しい対策をご紹介します。
生活リズムを整える
まず、生活習慣を整えましょう。
生活習慣を整えることで、ホルモンが正常に分泌され自律神経を整えることができます。
具体的には、
- 夜更かしをしない(日の光を浴びる)
- 身体を動かす
といったことが挙げられます。
特に、毎日20分程度の有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)を習慣化するとよいでしょう。
有酸素運動をすることで、体内に蓄積している活性酸素(疲れや老けの原因)が分解されます。
多くの栄養素をとる
体は当然、口から入る食物によって形成されます。
暑いからといって、冷たいものやあっさりしたものばかり口にしていませんか?
栄養バランスの取れた食事を摂ることで、体の調子が整い秋バテ対策になります。
具体的には、
- かぼちゃやさつまいもなどの緑黄色野菜
- 鮭やきのこなどのビタミン・ミネラル
を多く含む食材を、積極的にとるようにしましょう。
体を温める
「冷えは万病のもと」というように、体が冷えると様々な不調がもたらされます。
夏は熱中症予防のためにも冷房は必須ですが、冷房をかけながらできる冷房冷え対策を行っていきましょう。
例えば、
- 冷房の温度を高め(27度程度)に設定し、扇風機やサーキュレーターを併用する
- 夏用の靴下やレッグウォーマーを使用する
といった対策が考えられます。
また、夏は冷たい物を摂ることで内側から身体を冷やしがちです。
- 37~39度のぬるめのお湯にしっかり浸かる
- マッサージやストレッチ・ヨガなどで体のコリをほぐす
といった対策で、全身の血行を促しましょう。
紫外線予防をする
夏の暑い日や秋晴れの日に外で過ごしていると、屋内で過ごすよりもぐったりと疲れてしまいませんか?
その疲れの原因の1つが、紫外線なのです。
紫外線は、全身の免疫システムに影響を及ぼし、体力を奪ってしまう力を持っています。
紫外線を浴びすぎると、体の回復スピードが遅くなり、疲労が蓄積してしまいます。
帽子や日除けで紫外線対策を行いましょう。
秋バテと夏バテの違いは?
名前の似ている夏バテと秋バテ。
2つの違いについてご説明します。
原因
夏バテの原因には、
- 室内と室外の温度差による自律神経の乱れ
- 発汗による体内の水分やミネラル不足
- 食欲減退による栄養バランスの乱れ
などが挙げられます。
秋バテの原因には、
- 夏の生活習慣や疲労の蓄積による、自律神経のバランスの乱れ
- 内臓冷えや冷房冷えによる体調不良
などが挙げられます。
症状
症状は、夏バテと秋バテでほぼ共通しています。
具体的には以下のとおりです。
だるい・疲れやすい | 頭痛 | 肩こり | 食欲不振・胃もたれ |
不眠 | 立ちくらみ | 便秘・下痢 |
予防法・対処法
夏バテも秋バテも、自律神経のバランスを整えることが予防法・対策法においても重要です。
どちらにも共通している予防法・対処法は以下のとおりです。
- 適度な運動
- 生活リズムを整える
- 冷え対策を行う
就寝時も冷房は適宜使用したほうがよいですが、冷房のつけっぱなしは夏バテ・秋バテの原因にもなります。
タイマー機能を使って途中で止めるようにするなど、体を冷やしすぎないようにしましょう。
また、夏バテは水分やミネラルが体内から出ていってしまうことも原因のため、適宜水分・塩分補給を行いましょう。
暑さのため食欲がない場合は、梅干しやレモンなどで食べやすい工夫をしてみるとよいでしょう。
秋に自律神経が乱れる理由とその対策
ここまで、秋バテの症状や原因について触れてきました。
これまでの内容を踏まえ、秋に自律神経が乱れる理由とその対策についてご説明します。
秋に自律神経が乱れる時、次の3つの順で体調が悪くなっていきます。
- 夏の暑さや湿気で身体に疲れが蓄積される
- 身体が回復しないまま秋を迎える
- 気温の変化に対応できずに自律神経が乱れてしまう
ひとつずつ詳しく解説していきます。
①夏の暑さや湿気で身体に疲れが蓄積される
夏は疲れやすく、疲れの解消もしにくい季節です。
以下のような原因により疲労がどんどん蓄積され、どんどん活力を失う負のループに陥りがちです。
- 高気温・高湿度
- 高湿度と冷たいものの摂りすぎで胃腸の消化吸収機能が低下する
対策
負のループを断ち切るための対策をご紹介します。
- 屋外での活動時、熱中症対策をしっかり行う
- 温度差の激しい屋内・屋外の行き来の頻度を抑える
- 冷たい食べ物・飲み物ばかりで体を冷やさない
- ぬるめのお湯に浸かり、疲れをとる
また、命に関わるため、屋外での活動時はしっかり熱中症対策をとりましょう。
なるべく疲労を溜めないことも大切ですが、溜まった疲労はお風呂でスッキリさせましょう。
②身体が回復しないまま秋を迎える
秋バテは、夏の疲労から体が回復しきっていないうちに、秋になって急激に気候が変化することによって、体に追い打ちがかけられている状態です。
秋バテを起こさないためには、夏の疲れは夏のうちにとっておく必要があります。
夏の疲労そのままに秋を迎えないように、次の対策を心掛けましょう。
対策には、以下のようなものが挙げられます。
- しっかりと質のよい睡眠をとる
- 栄養価の高い食べ物を摂る
- マッサージやストレッチなど、リラックスする時間をつくる
良質な睡眠をとる
まず、回復するには睡眠が大切です。
しかし、ただ眠ればいいという訳ではありません。
しっかりと疲労をとるための睡眠には、質が大切なのです。
質のよい睡眠とは、
- 布団に入ってから、時間をかけずに眠れる
- 途中で目が覚めない
- 夢を見ない
- スッキリと目覚める
- 日中に疲労感がない
という点が目安になります。
寝室も、テレビ・照明を消したり、適切な温度・湿度を保ったり、環境を整えることが重要です。
また、スマートフォンを寝るギリギリまで見ていると、神経が興奮して寝付きにくくなるため要注意です。
栄養価の高い食べ物をとる
体の回復を促すためには、栄養価の高い食べ物をとることも必要です。
少量でも栄養価が高い食べ物の例として、
- 卵
- 大豆製品
- 牛乳
- ブロッコリー
- 玄米
- 甘酒
が挙げられます。
どれもタンパク質やビタミン・ミネラルが豊富に含まれている食材です。
また、甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれる米麹の甘酒がおすすめです。
「酒」とつきますがアルコールは一切含まれていませんので、お子様や妊娠・授乳中の方でも飲むことができます。
リラックスする時間をつくる
就寝前や入浴後などのゆったりした時間帯に、マッサージやストレッチをして、体の凝りをほぐしてあげましょう。
リラックスできる時間をとることで、副交感神経が優位になり、スムーズに眠りにつくことができます。
③気温の変化に対応できずに自律神経が乱れてしまう
秋は、日中と夜の気温差が激しくなる季節です。
やっと涼しくなり気持ちのよい季節でもありますが、気温差に体がついていかず体調を崩しやすい季節でもあります。
夏からの疲労が蓄積されて回復力の弱まった体では、秋の気温差に耐えられずに自律神経が乱れてしまいます。
秋服への衣替えなどを早めに済ませて、体調管理に気を付けましょう。
対策
朝や夕方は肌寒くなる日も増えますので、1枚羽織るものを持ち歩くようにしましょう。
また、気温差に対応するために、サウナを活用するという方法もあります。
サウナに入ると血流が増えて体に取り込まれる酸素量も増えるため、疲労回復に繋がります。
さらに、サウナには交互浴という入り方もあります。
交互浴とは、サウナ浴と冷水浴を交互に行うことです。
交互浴によって温度の変化に体が慣れ、自律神経が鍛えられるといわれています。
「夏バテはもうこりごりで、秋バテを防ぎたい!」と思っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
秋バテ対策におすすめな食材
秋バテの対策・予防には栄養価の高い食事が必要です。
ここでは、秋バテ対策におすすめな食材の詳細と、おすすめの調理法についてご紹介します。
ポイントは、旬の食材をいただくことです。
山芋
山芋は、広くスタミナ食として知られています。
- でんぷん分解酵素のアミラーゼ
- サポニン
- 食物繊維
などの栄養が豊富に含まれています。
山芋の健康効果には、
- 消化吸収をたすける
- コレステロール値や血糖値を下げる
- 高血圧・動脈硬化を予防する
- 腸内環境の正常化
などが挙げられます。
山芋の健康効果を活かしたおすすめの調理法は、千切りやとろろなど生のまま食べることです。
生食は、分解酵素の働きを維持できる効果的な調理方法です。
さつまいも
さつまいもには、
- カリウム
- ビタミンC
- ビタミンE
- 食物繊維
などの栄養素が含まれています。
お子様からお年寄りまで幅広く愛されている、親しみやすい野菜ですね。
さつまいもの健康効果には、
- 風邪の予防
- 疲労回復
- 腸内環境の正常化
などが挙げられます。
胃が重たく感じる時は、ポタージュなど消化しやすい形で摂りましょう。
かぶ
かぶには、
- ビタミンC
- カリウム
- 鉄
- 葉酸
- 食物繊維
などの多くの栄養素が含まれています。
根も葉も食べられる野菜です。
かぶの健康効果には、
- 消化吸収をたすける
- 風邪の予防
- 貧血の予防
- 腸内環境の正常化
などが挙げられます。
サラダや浅漬けなど生で食べても、蒸し野菜などにして食べてもおすすめです。
火を入れすぎると栄養価の低下や食感の低下につながるため要注意です。
にんじん
にんじんは、1年中スーパーで見かける野菜ですが、実は秋が旬の野菜です。
にんじんには、
- βカロテン
- カリウム
- 食物繊維
などが多く含まれています。
健康効果としては、
- 消化をたすける
- 目や皮ふを健康に保つ
- むくみの予防
- 腸内環境の正常化
などが挙げられます。
なお、生のにんじんには抗酸化作用をなくす酵素が含まれています。
したがって、にんじんは加熱調理することをおすすめします。
しいたけ
秋の味覚ともいわれるキノコ。
その代表格として名前が挙がるのがしいたけです。
しいたけには、
- ビタミンD
- カルシウム
- 食物繊維
などが多く含まれています。
健康効果としては、
- 骨を丈夫にする
- コレステロール値を下げる
- 腸内環境の正常化
などが挙げられます。
しいたけのおすすめの調理法は、汁ものの具として使用する方法です。
しいたけには、うまみ成分のグルタミン酸も多く含まれています。
汁ものにすることで、しいたけから出る出汁やうまみ成分、栄養成分まで丸々とることができます。
秋バテの原因のまとめ
ここまで秋バテの原因についてご説明しました。
本記事のまとめは以下になります。
- 秋バテの症状には、だるさ、頭痛、肩こり、胃腸の不調、不眠などが見られる
- 秋バテの原因には、夏の疲労の蓄積や、秋の気温差による自律神経の乱れが挙げられる
- 対策と予防方法には、生活リズムを整える、栄養価の高い食事をとる、体を温める、紫外線予防をする、などがある
- 秋バテにおすすめの食材は、山芋、さつまいも、かぶ、にんじん、しいたけなどの秋が旬の食材である
秋を楽しむために、秋バテ予防に努めたいと考えている方のお力になれたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。