この記事をご覧のあなたは、「手足が冷えて、つらい…」「なんだか常に調子が悪い」とお悩みではないのでしょうか?
「冷えは万病のもと」といわれるほど、身体の「冷え」は、様々な不調のもとになります。
冷えが慢性化してしまうと、「冷え性」という身体が常に冷えている状態になります。
冷え性になると、頭痛や全身のコリ、身体のだるさ、生理不順、月経前困難症、更年期障害など、つらい症状がみられるようになります。
「冷え性には、どうしたらよいの?」
「漢方薬で、冷え性は改善できるの?」
自分の冷え性を漢方薬でどうにかしたいと、悩んでいる方も多いと思います。
そこで本記事では、下記の内容を中心にお伝えします。
- そもそも冷え性ってどんな症状?
- 冷え性の原因
- 冷え性に効果のある漢方薬
- 漢方薬以外で冷え性を改善する方法
- 冷え性のタイプ別の傾向と対策
漢方薬の力も借りて、冷え性を改善したいと考えている方にとって、参考になれば幸いです。
漢方薬以外で冷え性を改善する方法についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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そもそも冷え性ってどんな症状?
※画像はイメージです
そもそも「冷え性」とはどんなものなのでしょうか?
冷え性とは、検査や診察で特に異常はみられないものの、「手足など身体が常に冷えている状態」をいいます。
本来、寒さを感じない温度であるにもかかわらず、つらいほど寒さを感じてしまいます。
また、手足が冷たい、体が冷えるという症状以外にも、冷え性で現れる症状は次のようなものが挙げられます。
- 体温が低い、季節を問わず寒い
- 手足が冷たい、温まらない
- 身体がだるい、疲れやすい
- 不眠、寝つきが悪い
これらの症状が当てはまる方は、冷え性の可能性があります。
冷え性は、どこが冷えるかによってタイプが異なり、原因や改善方法も変わってきます。
冷え性を改善しようと思うと、体質的な改善が必要になります。
冷え性には大きく分けて、4つのタイプがあります。それぞれご説明します。
全身型
全身型冷え性は、身体全体が冷えていて体温が低い状態です。
生活習慣の乱れやストレスなどによる、基礎代謝の低下が原因で冷えているタイプです。
しかし、基礎代謝が低下するのは、甲状腺機能低下症の可能性もあります。
一度病院を受診するのをおすすめします。
症状としては、免疫力が低下しているため風邪症状などがみられます。
他の型と比較し、手足の冷えがさほど目立たないのも特徴です。
内臓型
内臓型冷え性は体の表面ではなく、内臓が冷えているタイプの冷え性です。
交感神経の働きが弱いことが原因で、下腹部や二の腕に冷えが現れます。
手足は温かいのですが、下腹部が冷えているため、よく下痢の症状がみられます。
症状には、身体のだるさや風邪症状がありますが、自覚症状がなく冷え性だと気づきにくいのも特徴です。
下半身型
下半身型冷え性は、上半身は温かいのに、下半身が冷えているタイプです。
お尻やふくらはぎの筋肉の血行不良が原因で、腰より下の下半身に冷えが現れます。
「手足は冷えているのに、顔や上半身は熱を帯びてほてってしまう」という冷えのぼせという症状がみられるのが、このタイプです。
デスクワークや車移動など座っていることが多い、姿勢が悪い、足を組む癖があるという人に起きやすいだけでなく、歳と共に下半身の筋力が衰えるため、加齢に伴い多くなります。
四肢末端型
四肢末端型冷え性は、手足やその末端が冷えるタイプの冷え性です。
運動不足などの生活習慣や、食事の量が少ないことが原因で、手足の先に冷えが現れます。
ダイエットなどで、食事量を制限している10〜20代の、若い女性に多くみられます。
ストレスを抱えていると自律神経が乱れ、交感神経が過剰に働くことで、血管が収縮してしまい四肢末端が冷えてしまうのです。
その他の症状としては肩こりや頭痛がみられます。
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冷え性の原因
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次は、冷え性の原因について説明していきます。
血行不良
血行不良とは、全身の筋肉の血流がコリによって滞ることで、全身に新鮮な血液を運べなくなることです。
新鮮な血液を栄養分にできない筋肉は、基礎代謝量を低下させ全身が冷えてしまいます。
貧血や低血圧、血管系疾患によっても血流は滞ります。
自律神経の乱れ
ストレスの蓄積や生活習慣の乱れによって、自律神経が上手く機能しなくなっている場合です。
自律神経が乱れると、室内外の温度差に、体温調節が上手く行かず冷えを感じるようになります。
筋肉不足・加齢
筋肉が少なかったり、加齢に伴い筋肉量が低下したりすると、筋肉による熱産生が低下し冷えを感じるようになります。
女性は男性に比べ筋肉量が少なく、貧血や血圧が低い方が多くみられます。
また女性ホルモンの影響で、血行が悪くなることもあるため、冷え性は女性に多くみられるのです。
「夏なのに手足が冷えている」「みんなは暑そうなのに自分だけ寒い」なんて感じたことはありませんか?夏も含めて一年中冷えに悩まされている方は多いと思います。本記事は、一年中つらい冷えに悩まされている冷え性の方に向けて、原因と対策をま[…]
冷え性に効果のある漢方薬をタイプ別に紹介
※画像はイメージです
中国を発祥としている「東洋医学」は、心身のバランスを整え、健康を維持するという考え方が基本となっています。
東洋医学が日本に伝わり、「鍼灸医学」や「漢方医学」に発展していきました。
漢方医学には「気(き)・血(けつ)・水(すい)」という概念があります。
冷え性は、この気・血・水が乱れることで起こると考えられています。
漢方は身体のはたらきをよくして、体質を整える効果が期待されるため、冷え性治療を得意としているのです。
ここでは、冷え性のタイプ別に効果のある漢方薬をご紹介します。
瘀血タイプ(血行不良)
瘀血タイプとは、血流の流れやはたらきが滞り、産生された熱が運ばれにくくなっている状態を指します。
- 便秘傾向
- 月経痛
- 肩こり
- 肌荒れ
などの症状がみられます。
このタイプには、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきかごしゅゆしょうきとう)、温経湯(うんえきとう)といった、手足の冷えや月経痛などの効果が期待される漢方が選択されます。
血虚タイプ(血液不足)
血虚タイプとは、身体を作るための原料となる、血液が不足している状態を指します。
特に血液の行き届かない末端に、トラブルが起きやすいといわれています。
- 爪が割れる
- 髪の毛が抜ける
- ふらつき
- めまい
- ドライアイ
などの症状がみられます。
このタイプには、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や七物降下湯(しちもつこうかとう)、当帰飲子(とうきいんし)などの、貧血や軟弱体質、足腰の冷えがある人に効果が期待される漢方薬が選択されます。
気虚タイプ(活力の不足)
気虚タイプとは、身体全体のエネルギー不足によって、熱が産生されにくくなっている状態を指します。
- 疲れやすい
- 風邪を引きやすい
- 寒がり
といった症状がみられます。
このタイプには十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)や、人参養栄湯(にんじんえいようとう)などの、体力低下や手足の冷えに効果が期待される漢方薬が選択されます。
気滞タイプ(ストレス)
気滞タイプとは、エネルギーが滞っている状態です。
漢方医学では「気」は生命のエネルギー、精神コントロールなどを指します。
この「気」が滞ることで、精神状態が不安定になり
- イライラすることが増える
- ゲップやおならが増える
- 胸のつかえがある
- のどに違和感がある
- 月経前困難症(PMS)がある
などの症状がみられます。
このタイプには半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、桂枝加竜牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)などの、イライラを和らげる漢方薬が選択されます。
陽虚タイプ(温める力の不足)
陽虚タイプとは、身体を温める力が不足している状態を指します。
- 夏場でも冷えを感じる
- 入浴後でもすぐに冷えてしまう
などの症状がみられます。
このタイプには、滋養強壮効果が期待される参茸補血丸(さんじょうほけつがん)などが選択されます。
水滞タイプ(下半身冷え)
水滞タイプとは、身体内の水分量が多く、滞っている状態を指します。
水は重力の関係で、身体の下部分に溜まります。そのため、手足や下半身に溜まり冷えを感じやすくなります。
- 手足や下半身の冷え
- 頭痛や頭重感
- むくみ
- 頻尿
などの症状がみられます。
このタイプには、冷えを予防する当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や、排水を促す八味地黄丸(はちみじおうがん)などの漢方薬が選択されます。
冷え性の症状からみる漢方薬の選び方
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ここまでは、冷えタイプに分けて漢方薬を紹介してきました。
次は、冷え性の症状からみる漢方薬の選び方をご紹介します。
むくみ
むくみとは、排出されなかった水分が身体に溜まっている状態です。
水分は、重力の関係で手足や下半身に蓄積されていきます。
人間の身体には「動脈」「静脈」「リンパ管」という血液と体液が流れる管があります。
原因は様々ですが、血管やリンパ管の流れが滞ることで、本来身体の外に排出されるはずだった、老廃物を含んだ血液やリンパ液が蓄積し、むくみの症状となって現れます。
むくみを放置してしまうと、冷えに繋がり、さらにむくみが進行していくという悪循環に陥ります。
むくみを感じたときは、漢方で早めに対策しましょう。
むくみに効果が期待される漢方には、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)があります。
当帰芍薬散は身体を温め、水分の代謝を促す効能があります。
身体に必要な栄養分や血液をすみずみまで巡らせ、むくみのもととなる余分な水分は排出してくれます。
肥満
肥満の理由は様々ですが、全身の代謝が悪いと肥満になりやすい傾向にあります。
冷え性により、自律神経の乱れや代謝不良で、脂肪を燃焼しにくい身体になってしまいます。
肥満のタイプによりますが、肥満に効果的な漢方薬をご紹介します。
まず、食べすぎで上手く排出されていないタイプには、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)がピッタリです。防風通聖散は、体内に蓄積している余分な老廃物を排泄してくれる効能があります。
次に、ホルモンバランスの乱れによる代謝不良の場合、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)という漢方がピッタリです。
桂枝茯苓丸は、ホルモンバランスの乱れによって崩れた代謝機能を、正常に戻そうとするはたらきをしてくれます。
冷え性の原因からみる漢方薬の選び方
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次に、冷え性の原因から選ぶ漢方薬をご紹介します。
内臓の冷え
内臓の冷えが原因であるタイプは、下痢や腹痛、消化不良などの症状がみられます。
身体の中心から、熱が逃げてしまうため手足がほてるという症状もあります。
このタイプには、
- 身体を芯から温めてくれる附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
- 冷たい水分で冷やされた胃腸を温め消化機能を改善する胃苓湯(いれいとう)
- 身体を温めて消化機能を改善する大建中湯(だいけんちゅうとう)
などが選択されます。
更年期
更年期は女性の身体が大きく変化する時期です。卵巣の機能が衰えることで、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が減少します。
このエストロゲンというホルモンが減少することで、イライラや発汗、頭痛などの様々な身体の不調が現れます。
女性であれば避けては通れない時期ですが、更年期の症状にも漢方は使用されます。
- イライラやホットフラッシュ(急な発汗)には、過剰な熱産生を抑え、抑うつ症状の改善が期待できる加味逍遥散(かみしょうようさん)
- 不安感や不眠といった精神的なトラブルには、様々な神経症に効果が期待される柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- 心身の疲れ、胃腸の不調には、イライラを抑制し、眠りを深くする効果が期待できる加味帰脾湯(かみきひとう)
などが選択されます。
女性ホルモンの乱れ
女性ホルモンが乱れるのは、更年期のみではなく、幅広い女性にみられる症状です。
プロゲステロンという女性ホルモンの分泌量が乱れることで、生理不順や月経痛、月経前困難症などのつらい症状が現れます。
このような女性ホルモンの乱れには
- 女性ホルモンの乱れによる症状を改善する効果が期待される桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 貧血、疲労、頭重感などの改善が期待される当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 貧血による全身のだるさや低血圧の改善が期待される、四物血行散(しもつけっこうさん)
などが選択されます。
男性の冷え性
冷え性と聞くと女性のイメージを持つ方も多いと思いますが、実は男性も冷えに悩んでいる方もおられます。
男性の冷え性には、運動不足による筋力の低下、ストレス、生活習慣病による動脈硬化などの原因があると考えられています。
加齢に伴う男性ホルモンの低下により、男性更年期によるつらい症状にも漢方薬は効果が期待されます。
- 滋養強壮や水分代謝の正常化を促す、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 末梢の血流改善に効果が期待される牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)や八味地黄丸(はちみじおうがん)
などが選択されます。
冷え性に漢方が効かないのは「正しい処方」がされていないから
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「冷え性で処方された漢方薬を飲んでいるけど、あまり効果を感じられない・・・」と思っている方もいるのではないでしょうか。
漢方薬が「効かない」と感じている方は、あなたに合わせた正しい処方がされていない可能性があります。
先述した通り、冷え性には原因で分かれるタイプがあります。
原因に合わせた漢方薬を飲まないと、効果を実感しにくくなります。
熱源不足タイプ
熱源不足タイプは、全身の冷えが原因で身体が熱を作り出せない状況にあります。
もともと身体が弱い虚弱体質であったり、疲労が蓄積しエネルギーを作り出せなかったり、無理なダイエットが原因で筋力が低下していたりすることが原因に挙げられます。
「体力が足りず熱を作り出せない」「栄養が足りず熱を作り出せない」といった理由があります。
このタイプには、熱を作り出す身体へ改善することが必要になります。
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
などが選択されます。
循環不足タイプ
循環不足タイプは、熱を産生できるのに循環が悪く熱を運べない状況にあります。
漢方医学の概念である「気・血・水」がそれぞれ滞り、循環不足に陥ります。
このタイプは、「気・血・水」それぞれの滞りを解消する必要があります。
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
- 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 加味逍遥散(かみしょうようさん)
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
などが選択されます。
冷えの原因によって、あなたに合った漢方薬を専門医に相談しましょう。
漢方薬以外で冷え性を改善する方法
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冷え性を改善するためには、漢方薬以外にも方法があります。
ここでは、漢方薬以外の改善方法をご紹介します。
生活習慣を整える
冷え性を改善するためには、もちろん漢方薬の力を借りるのも効果的ですが、生活習慣を整え、体質改善することも重要です。
食事・睡眠・適度な運動を規則的に行うことで、乱れていた自律神経も整い、体温調節機能が上手くはたらくようになります。
まずは、「30分早く起きてみる」「30分早く布団に入ってみる」「10回スクワットしてみる」など、無理のない範囲から始めてみましょう。
禁煙する
タバコは「百害あって一利なし」といわれるほど、身体に悪い影響を及ぼします。
冷え性とタバコにどんな関係性があるのか、と疑問に思う方もいるでしょう。
タバコは血管を急激に収縮させるため、血流が滞ります。
そのため、身体の末端まで新鮮な血液は運ばれず、冷えに繋がってしまいます。
長い目でみても、新鮮な血液が運ばれないということは、身体の基礎代謝が低下し慢性的な冷えをもたらすのです。
禁煙することで、冷え性改善だけではなく、呼吸器や循環器など全身の健康改善も望めるでしょう。
ぜひ今日から、禁煙の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
栄養バランスの整った食事を摂る
身体を作っているのは、口から摂る食べ物です。
「時間がないから」「自炊はできないから」と、栄養バランスの偏った食事を続けていると、身体は本来の機能を発揮できません。
ビタミン・ミネラル・タンパク質を多く摂ることで、内臓のはたらきが正常化し、筋肉から効率よく熱を作り出します。
1人暮らしだと、インスタント食品の方が安く感じるかもしれませんが、身体の不調を訴え病院へ通院することを考えると、自炊した方が健康的で医療費が安く済むのです。
身体を温める
身体を温めることは、冷え性改善のための対症療法的な方法かもしれません。
しかし、習慣化することで冷えにくい体質に近づくでしょう。
具体的には、「冷房の温度を冷やしすぎないようにする」「白湯やショウガ湯で中から身体を温める」「湯舟に浸かって、外からも身体を温める」などがあります。
温かい飲み物を摂るおすすめのタイミングは、体温が一番低くなっている朝起きた時です。
白湯などで、優しく身体を目覚めさせてあげましょう。
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冷え性のタイプ別の傾向と対策!!
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ここまで、冷え性のタイプやそれぞれに合わせた漢方薬を紹介してきました。
次に紹介するのは、冷え性のタイプ別の傾向と対策です。
冷え性のタイプ同様、傾向と対策にもタイプがあります。
全身型
全身型は、生活習慣の乱れやストレスなどによる、基礎代謝の低下が原因で全身が冷えているタイプです。
人間はストレスがかかることで、交感神経が優位となります。
交感神経が優位となると、末梢血管が収縮して血流量が低下し冷えに繋がります。
基礎代謝は、無理なダイエットによる食事量の低下や、運動不足による筋肉量の低下により低下します。
基礎代謝が低下することで、熱を作り出せず体温が低下し冷え性に繋がります。
傾向
傾向としては
- 1年を通して全身が冷えている
- 寒がり
- 高齢の痩せている方に多い
となっています。
改善方法
改善方法としては、基礎代謝を上げることが必要です。
- 食べる量(取り込む熱源)を少しずつ増やす
- 十分に休息をとる
- 軽い運動を習慣化する
- リラックスしてストレス解消を心掛ける
- レッグウォーマーや生姜湯などで身体を温める
一見、「そんなことで改善できるのか」と不安になるかもしれません。
しかし、ストレスを解消し基礎代謝を高めるためには、毎日の生活習慣が大切なのです。
一度に生活を見直すのは難しいと思いますので、少しずつできることから改善していきましょう。
内臓型
内臓型は身体の内側である消化管が冷えているタイプです。
このタイプは、消化管が冷えているため、消化機能が低下しており下痢や便秘などの、消化不良症状がみられます。
人間は寒さを感じたとき、手足など末端の熱を身体の中心に集めていきます。
寒いとき、手足が冷えていくのはそのためです。
しかし、内臓が冷えているタイプは身体の中心が冷え、手足は意外に冷えていないのが特徴です。
傾向
傾向としては
- 冷たい飲み物や食べ物ばかり摂っている
- 入浴はシャワーだけが多い
- デスクワークなどで座っていることが多い
- 下腹部がひんやりしている
- 下痢や便秘になりやすい
などが挙げられます。
改善方法
改善方法としては、身体を内側から温めることが必要です。
- 冷たい食べ物、飲み物を控え、身体を温める食べ物を摂る
- 適度な運動やストレッチで身体を動かす習慣をつける
- 腹巻きやカイロで腹部を温める
- 食べすぎ、飲み過ぎに気を付ける
が挙げられます。
身体を温める食べ物や飲み物で、内側から温め代謝を挙げると改善への近道です。
もともと冷たい食べ物、飲み物が好みの人がいきなり全てを変えるのは難しいと思います。
1杯や常温から始めて、無理のないよう続けていきましょう。
下半身型
下半身型は、腰から下が冷えている状態で、30代の男女に多いといわれています。
運動不足やむくみが原因に挙げられます。
傾向
傾向としては
- 上半身に汗をかきやすい
- デスクワークなど座っていることが多い
- 手は温かいが、足は冷えていることが多い
などがみられます。
改善方法
改善方法としては、下半身の血流を改善することが必要になります。
- おしりを中心とした下半身のストレッチ、筋トレする
- むくまないように、着圧靴下を使用したり足を高くしたり気を付ける
などが挙げられます。
下半身型は、デスクワークなどの同一姿勢によって、おしりの筋肉が硬直しており、下半身の血流が滞っています。
特に、おしりの筋肉をほぐすストレッチがおすすめです。
四肢末端型
四肢末端型は、手足が常に冷えている状態です。
原因は、過度なダイエットで、エネルギー自体を作り出す能力が低下していることです。
身体の中で、中心からもっとも離れている四肢末端が冷えてしまうのです。
傾向
傾向としては
- ダイエットで過度な食事制限している
- 体力がなくすぐに疲れてしまう
などがあります。ダイエットに取り組んでいる10代の女性に多くみられるのも特徴です。
改善方法
改善策としては
- バランスの整った食事を心掛ける
- 良質なタンパク質を摂取する
などが挙げられます。
入浴やカイロなどで、外側から身体を温める方法もありますが、体質的な改善が必要な四肢末端タイプには、あまり効果は期待できません。
食事からしっかりとエネルギーを摂って、体質から改善していく必要があります。
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「冷え性 漢方」のまとめ
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ここまで、冷え性の型やその原因、冷え性に効果的な漢方薬を紹介してきました。
冷え性に効果的な漢方薬をまとめると、以下の通りです。
- 冷え性の原因には食生活、生活習慣の乱れ、ストレスフルな生活により、ホルモンバランスの乱れや代謝不良、自律神経の乱れが起きるためである
- 冷え性に効果のある漢方薬には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯や当帰芍薬散、十全大補湯などがある
- 漢方薬以外で冷え性を改善するには、生活習慣を見直す、栄養バランスの整った食生活、適度な運動習慣などがある
これらの情報が、冷え性で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。