セリンはアミノ酸の一種で、体内で合成できます。
セリンはさまざまな健康効果があるとして、注目されている成分です。
そもそもセリンとはどのようなものなのでしょうか?
また、セリンにはどのような効果が期待できるのでしょうか?
本記事では、セリンのまとめについて以下の点を中心にご紹介します。
- セリンとは
- セリンの効果とは
- セリンが豊富な食品は
セリンのまとめについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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セリンの基本情報
そもそもセリンとはどのような成分なのでしょうか。
まずはセリンの基本的な情報をご紹介します。
セリンとは
セリンはアミノ酸の一種です。
より具体的には、セリンはアミノ酸の中でも非必須アミノ酸に分類されます。
非必須アミノ酸とは、体内で合成できるアミノ酸のことです。
対して、体内で合成できないアミノ酸は必須アミノ酸と呼ばれています。
セリンの種類
セリンは、構造の違いによって2つの種類に分けられます。
具体的には、セリンにはD型とL型の2種類があります。
それぞれD-セリン・L-セリンなどと呼ばれることもあります。
セリンの働き
セリンの主な働きは次の通りです。
- 脳の健康を保つ
- 肌の潤いを保つ
- 生命維持に必要なエネルギー源になる
セリンの働きと効果については次項で解説します。
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セリンの3つの効果
セリンの主な効果は以下の通りです。
- 美肌・美白効果
- アルツハイマー病の予防
- 睡眠の質向上
それぞれ解説します。
美肌・美白効果
セリンは肌を健やかに保つ効果があります。
具体的には、セリンは角質層の潤いを保つのに欠かせない成分です。
角質層が十分に潤っていると肌のバリア機能も高まるため、肌荒れが起こりにくくなります。
また、セリンにはシミを予防する効果も期待できます。
理由は、セリンは体内でシステインに変換されるためです。
システインは非必須アミノ酸の1種で、肌・髪の生まれ変わりをサポートする成分です。
システインは、シミの元であるメラニンを抑制する作用もあります。
アルツハイマー病の予防
セリンには、脳の健康を守る効果が期待できます。
より具体的には、セリンは認知機能の低下・アルツハイマー病の予防などに役立ちます。
理由は、セリンはホスファチジルセリンの原料になる成分であるためです。
ホスファチジルセリンは細胞膜を構成する成分の1つで、特に脳細胞に多く含まれます。
ホスファチジルセリンは、脳の神経伝達に重要な役割を果たします。
神経伝達とは、脳からの指令を各器官に伝える仕組みのことです。
ホスファチジルセリンが大幅に不足すると、脳の神経伝達に支障が出やすくなります。
脳の指令がうまく伝わらないと、心身にさまざまな不調があらわれやすくなります。
代表的な不調が、思考力や判断力の低下・認知機能の低下です。
脳の神経伝達を正常に保つには、ホスファチジルセリンの量を十分に保つことが大切です。ひいては、ホスファチジルセリンの原料であるセリンを補給することが重要といえます。
睡眠の質の向上
セリンには、睡眠の質を向上させる効果も見込めます。
特に睡眠改善に効果があるのは、L型のセリンと指摘されています。
セリンは自律神経に働きかけて、体内時計を整える作用があります。
体内時計は些細な夜更かしでも狂うことがあります。
体内時計が狂うと睡眠リズムにも悪影響があるため、不眠につながりやすくなります。
セリンは体内時計を整えることで、睡眠リズムを正常に保つ効果があります。
不眠に悩む方は、セリンを意識的に摂取するのも1つの方法です。
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セリンが多く含まれる食品
セリンが豊富な食品をご紹介します。
セリンを摂取する際は、ぜひ次のような食品を食卓に取り入れてみてください。
出典:文部科学省【食品成分データベース】
牛乳
セリンは牛乳に含まれています。
具体的な含有量は次の通りです。
【mg/100gあたりの含有量】
普通牛乳:190mg
大豆
セリンは大豆に豊富に含まれます。
具体的な含有量は次の通りです。
【mg/100gあたりの含有量】
黄大豆/国産/乾:2,200mg
高野豆腐
セリンは大豆製品に豊富に含まれます。
中でも豊富なのが高野豆腐です。
具体的な含有量は次の通りです。
【mg/100gあたりの含有量】
凍り豆腐/水煮:720mg
イクラ
セリンはイクラに豊富に含まれます。
具体的な含有量は次の通りです。
【mg/100gあたりの含有量】
イクラ(しろさけ):1,900mg
かつお節
セリンはかつお節に豊富です。
具体的な含有量は次の通りです。
【mg/100gあたりの含有量】
加工品/かつお節:3,200mg
海苔
セリンは海苔にも豊富です。
具体的な含有量は次の通りです。
【mg/100gあたりの含有量】
あまのり/焼きのり:2,000mg
セリンの目安摂取量
セリンの1日の目安摂取量に関しては、明確なデータはありません。
そのため、平均摂取量から考えて、1日3g程度を目安とするとよいでしょう。
なお、日本人のL-セリンの平均摂取量は、以下の通りです。
- 男性:3.81g/日
- 女性:3.24g/日
出典:国際アミノ酸科学協会【L-セリン】
セリンが過剰・不足するとどうなる?
セリンを過剰摂取した場合は、どんな副作用が起こるのでしょうか。
また、不足した場合はどのような問題が起こるのでしょうか。
セリンの過剰摂取・不足による症状をご紹介します。
過剰摂取した場合
セリンは過剰摂取しても、身体に重大な副作用が起こるリスクは低いとされています。
理由は、セリンは体内で代謝され、蓄積されることがないためです。
代謝とは、簡単にいえばエネルギーなどとして消費されることです。
たとえば、セリンを原料に他の成分が作られるような現象を指します。
出典:食品安全委員会肥料・飼料等専門調査会【セリン】
不足している場合
セリンが不足すると、次のような症状が起こりやすくなります。
- 肌荒れ
- しわ
- 記憶力・判断力の低下
- アルツハイマー病・認知症の進行
セリンに関するサプリメントは安全性が確認されていない
セリンを摂取する方法は主に2通りあります。
天然食品から摂取する方法と、サプリメントなどを利用する方法です。
おすすめなのは天然食品から摂取する方法です。
セリンをサプリメントとして摂取する場合の、安全性が確立されていないためです。
セリンは基本的に副作用が出にくい成分です。
理由は体内で代謝されるためです。
一方で、サプリメントの多くはセリンの成分を何十倍以上も濃縮しています。
商品によっては、代謝が追いつかないほどの量を含んでいる可能性もあります。
代謝が追いつかないほどの量を摂取した場合は、思わぬ副作用が出ることもあり得ます。
副作用などを避けるためにも、セリンはできるだけ天然食品から摂取しましょう。
セリンのまとめ
ここまでセリンのまとめについてお伝えしてきました。
セリンのまとめの要点をまとめると以下の通りです。
- セリンとはアミノ酸の1種で、肌や脳の健康を保つ働きをする
- セリンの効果は、美肌効果・認知症予防効果・安眠効果など
- セリンが豊富な食品は、牛乳・大豆製品・イクラ・かつお節・海苔など
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。