花粉症とは、スギ・ヒノキなどの花粉から来るアレルギー反応です。
体の免疫機能に合わせて、アレルギー症状が違ってきます。
それでは、花粉症に適した手術はあるのでしょうか?
花粉症の手術を受けるべき人は、どんな人なのでしょうか?
本記事では、花粉症と手術について以下の点を中心にご紹介します。
- 花粉症の手術について
- 花粉症の手術の費用相場
- 花粉症の手術以外の対症療法
花粉症の手術についてご参考にしていただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは
花粉症とは、植物の花粉が原因で発症するアレルギー症状です。
スギやヒノキなどの植物の花粉から、体を守るために鼻水や目のかゆみなどのアレルギー反応を引き起こします。
別名では、季節性アレルギー性鼻炎という名称です。
通常アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)によって分類されます。
現代では、日本人の約38.8%がスギ花粉症を患っているといわれています。
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花粉症の手術の種類
花粉症の防止は、食生活・生活習慣以外に手術という選択肢があります。
手術の種類は、以下のとおりで、
- 鼻腔粘膜焼灼術
- 粘膜下下鼻甲介骨切除術
- 後鼻神経切断術
などが挙げられます。
まずは、花粉症の手術の概要と、効果について解説していきます。
鼻腔粘膜焼灼術
鼻の中にレーザーを照射して、粘膜の過敏性をおさえる手術です。
麻酔をしたうえで、炭酸ガスレーザーを照射します。
その結果、鼻腔内の粘膜が収縮するため、アレルギー物質に対して敏感に反応しにくくなります。
治療期間は、週を空けて1回~2回で完了する方が多い手術です。
粘膜下下鼻甲介骨切除術
下甲介粘膜の下部にある骨を除去する手術です。
局所麻酔を打ち、切開を行い内部の骨を取り除いていきます。
骨を取り除くことに成功すると、鼻腔を拡大することが可能です。
花粉症時の鼻詰まりに、最も効果を実感できます。
手術から、約3~4週間が効果を実感できる目安になります。
後鼻神経切断術
下甲介の神経を数本程度、切断する手術です。
局所麻酔後に、鼻腔内の粘膜の切開を行いアレルギー物質に反応する神経を切断します。
手術の所要時間は、30分~45分が目安です。
手術完了後は、アレルギー反応の抑制が期待できます。
アレルギー反応をおさえるため、くしゃみ、鼻水も軽くなります。
手術から、3~4週間後くらいが特に顕著に効果を実感できます。
花粉症の手術の費用相場
花粉症の手術について理解したあとは、費用相場についてみていきましょう。
花粉症の手術の費用相場は、以下表のとおりです。
手術の種類 | 保険点数/自己負担額 | |
鼻腔粘膜焼灼術 | 2,910点(8,730円) | 5,820点(17,460円) |
粘膜下下鼻甲介骨切除術 | 6,620点(19,860円) | 13,240点(39,720円) |
後鼻神経切断術 | 30,460点(91,380円) | 60,920点(182,760円) |
※上記費用とは別に、診察料、薬剤料、処方料などが必要です。
花粉症の手術は日帰りで出来る
花粉症の手術は、基本的に日帰りでも可能です。
おおよその手術時間は、30分程度といわれています。
また、療法、レーザー手術で改善がない場合、重症症例の適応となります。
そのような場合は、入院の対象になるでしょう。
入院期間は、1週間程度が目安となります。
花粉症の手術効果期間
花粉症の手術は、鼻の症状を軽減するものであり、永久的な治療ではありません。
あくまで症状を緩和するものなので、持続期間が存在します。
手術効果の持続期間は、個人差があり、平均して約半年~2年といわれています。
アレルギー物質に対する過敏性が弱く、花粉が少ければ数年もつ場合もあるでしょう。
このように、シーズンごとの花粉の量や耐性で持続期間が変わるのです。
花粉症の手術をすべき人
手術内容を理解しても、自分が受けるべきか迷うのではないでしょうか?
花粉症の手術をすべき人は、以下のとおりです。
- アレルギー症状が強く、精神的にも辛い人
- 薬治療で日常生活の質の改善が得られない人
- 薬を長期間服用することを避けたい人
- アレルギー性鼻炎の症状が1年中ある人
など、薬では花粉症の改善がなく、日常生活の充実感が得られない人です。
アレルギー症状が強いと、花粉症で鬱になる恐れもあるため注意しましょう。
花粉症の手術以外の対症療法
毎年、花粉症があまりにも辛いという場合は、対症療法が有効です。
花粉症の手術以外の対症療法は「点眼薬、点鼻薬などによる局所療法、内服薬による全身療法」などになります。
使用する薬の効能としては、
- アレルギー疾患で増える肥満細胞の活性の抑制
- 肥満細胞からの化学伝達物質放出の制限
- ヒスタミンが鼻腔、口腔内に作用することをブロック
などの効果が期待できます。
このように、手術以外でも薬によりQOL低下や花粉症の症状を軽減可能です。
次に、花粉症の重症度に応じた治療法もあります。
下記表のとおりで、重症度に合わせたいずれかの薬の投与が推奨されています。
重症度 | 症状のタイプ | 治療 |
初期療法 | 特になし | 遊離抑制薬 |
第2世代抗ヒスタミン薬 | ||
抗LTS薬 | ||
軽症 | 特になし | 第2世代抗ヒスタミン薬 |
鼻噴霧用ステロイド薬 | ||
中等症 | くしゃみ・鼻漏型 | 第2世代抗ヒスタミン薬 |
鼻噴霧用ステロイド薬 | ||
中等症 | 鼻閉型または鼻閉を主とする充全型 | 抗LTS薬 |
鼻噴霧用 | ||
ステロイド薬 | ||
第2世代抗ヒスタミン薬 | ||
重症・最重症 | くしゃみ・鼻漏型 | 鼻噴霧用 |
ステロイド薬 | ||
第2世代抗ヒスタミン薬 | ||
重症・最重症 | 鼻閉型または鼻閉を主とする充全型 | 鼻噴霧用ステロイド薬 |
抗LTS薬 | ||
第2世代抗ヒスタミン薬 |
出典元:厚生労働省【花粉症の正しい知識と治療・セルフケア】
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花粉症の手術のまとめ
今回は、花粉症の手術についてご紹介しました。
花粉症の手術についての要点を以下にまとめます。
- 花粉症の手術には鼻腔粘膜焼灼術、下鼻甲介骨切除術、後鼻神経切断術などの手術がある
- 花粉症の手術の費用相場は1万~20万円ほど
- 花粉症の手術以外の対症療法は点眼薬、点鼻薬などによる局所療法、内服薬による全身療法など
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。