花粉症の代表的な症状には鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがあります。
花粉症には風邪や他の病気にもあらわれるだるいと感じる症状もあります。
花粉症でだるいと感じる原因は何でしょう?
花粉症でだるくてつらい方はどうすればよいでしょうか?
本記事では花粉症のだるいについて以下の点を中心にご紹介します。
- 花粉症になるとだるい理由について
- 花粉症のだるい状態を解消する方法
- 花粉症対策でもだるさが解消されないときの対処法
花粉症のだるい原因について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉を原因とするアレルギー症状をいいます。
花粉が原因のアレルギー症状にはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがあります。
花粉症は医学的にはアレルギー性鼻炎のうちの「季節性アレルギー鼻炎」に分類されます。
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花粉症になるとだるい理由
花粉症になるとだるさの症状も出ます。
花粉症でだるさが出る理由には以下のようなものがあります。
- 睡眠不足による疲労
- くしゃみによる疲労
- 自律神経が乱れるため
- 薬の副作用
それぞれの原因について説明します。
睡眠不足による疲労
花粉症でだるさが起こる原因に睡眠不足があります。
花粉症の代表的な症状の1つが鼻づまりです。
鼻づまりの症状があると十分な睡眠をとることができません。
鼻づまりで呼吸が苦しく不快で寝つきが悪くなったり途中で目が覚めたりするからです。
くしゃみによる疲労
過度なくしゃみによって体力を消耗することもだるさを感じる原因になります。
くしゃみは風邪でなくても花粉症によってアレルギー性鼻炎の症状として起こります。
くしゃみは花粉症の直接的な原因である抗原から身体を守るためのアレルギー反応です。
身体を守る反応ではあっても過度のくしゃみは体力の消耗からだるさの原因となります。
自律神経が乱れるため
自律神経が乱れると交感神経が優位になりリラックスすることができずにだるくなります。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。
本来なら、夜などは副交感神経が優位に働いてリラックスして安眠ができるところです。
ところが花粉の時期になると
- 寒暖差による身体への負担
- 鼻づまりで熟睡ができない
などストレスが大きくなり自律神経が乱れて副交感神経がうまく働かなくなるのです。
薬の副作用
薬の副作用で眠気が起きてだるさを感じることもあります。
花粉症の症状が出た場合は、まずは抗ヒスタミン薬でアレルギー反応を抑えます。
抗ヒスタミン薬はアレルギー反応を抑える薬として最もよく使われています。
抗ヒスタミン薬には「第1世代」と「第2世代」があります。
第1世代抗ヒスタミン薬には眠気などの副作用があってだるさの原因にもなります。
現在では副作用が少なく高効果で持続性にも優れた第2世代抗ヒスタミン薬がよく使われています。
花粉症のだるい状態を解消するには
花粉症のだるい状態を解消する以下の3つをご紹介します。
花粉を家に持ち込まない
花粉症の直接的な原因である抗原を家に持ち込まないことが自分でできる対処法です。
できるだけ花粉に触れないようにして鼻に入る抗原の量を減らします。
具体的にできることは以下のようなことです。
- 花粉情報をチェックする
- 飛散が多い時は外出を控える
- 飛散の多い時は窓や戶を開けない(換気には気を付ける)ようにする
- 外出時の服装は花粉の付きにくいものにする
- マスクやメガネを使用する
- 帰宅時、室内に入る前には衣服や髪をよく払う
- 花粉のついたものは洗濯をする
- 洗眼・うがいをし、鼻もよくかむ
- 入浴する
- 掃除をまめにしたり、空気清浄機なども使う
しっかりと食事をする
しっかりと食事をすることを意識して、少しでも花粉症の予防・軽減につなげましょう。
食生活の見直しのポイントには以下のようなものがあります。
- 栄養のバランスのとれた食事で身体を整える
- 体力をつけるタンパク質・炭水化物を摂取する
- 食物繊維の豊富な野菜や乳酸菌で腸内環境を整える
- 甘いものや冷たいものの摂りすぎに注意する
- 鼻粘膜を刺激する辛い物やアルコールを控える
- 免疫機能を維持するビタミンB6やミネラル(亜鉛など)を摂取する
- 抗酸化作用のあるビタミン(C、A、E)を摂取する
タンパク質は摂りすぎるとアレルギー反応を起こしやすくなるので注意が必要です
薬の種類を変更する
花粉症になった場合は、まずは抗ヒスタミン薬でアレルギー反応を抑えます。
ただし抗ヒスタミン薬には眠気の副作用が強いものがあります。
眠気などの副作用がある場合は抗ヒスタミン薬でも副作用の少ないものに変えましょう。
副作用が少なく高効果で持続性にも優れた第2世代抗ヒスタミン薬がよく使われています。
花粉症の主な対策方法
花粉症対策として実行していることを調査した結果が株式会社ユーグレナより報告されています。
「調査結果:花粉症対策、何をしている?」によると以下のような結果になっています。
【花粉症予備対策】
- マスクの使用(78%)
- サングラス・メガネの着用(28%)
- 空気清浄機・エアコンの花粉対策機能を使う(20%)
【予防のための習慣】
- 手洗い・うがい(54.5%)
- 自宅に入る前に衣服をはたく(22%)
- よく眠る(18.5%)
【治療・薬などの使用】
- 花粉症の薬を服用する(61%)
- 目薬をさす(55.5%)
- 病院へ行く(28%)
【食事での対策】
- ヨーグルト・乳酸菌飲料などをとる(33.5%)
- 緑茶を飲む(カテキン)(12.5%)
- キムチ・味噌などの発酵食品をとる(11%)
花粉症対策しても解消されない時には
花粉症対策には抗原の除去や薬物療法、食生活の改善の他に以下のような療法があります。
舌下免疫療法を試す
減感作療法とは、抗原(アレルギーの原因物質)を身体に入れて抗原に慣らす治療法です。
抗原は少しづつ身体に入れて慣らしていきます。
薬物療法がアレルギー症状を抑えるのに対して、減感作療法は根本を治すことができます。
減感作療法はアレルゲン免疫療法といわれ舌下免疫療法と皮下免疫療法があります。
舌下免疫療法は皮下免疫療法に比べて投与の痛みがなく効果が高いメリットがあります。
その他の舌下免疫療法の概要は以下の通りです。
- 効果の発現は遅く3年以上続ける必要がある
- エキスはスギとダニの2種類
- 口内のかゆみがでることがある
- 服用は症状に関わらず毎日
- スギの場合は花粉飛散時期にスタートできない
- エキスを舌下に1分間保持しその後飲み込むことができることが条件
レーザー治療を試す
手術療法の1つにレーザー治療があります。
鼻づまりの強い方に対する治療法です。
鼻粘膜(下鼻甲介)を切除する手術もありますが、最近ではレーザー治療が普及しています。
レーザー治療は
- 出血しない
- 外来でできる
- 比較的簡単
などの特徴があるからです。
花粉症には多くの治療法がありますが
- 病型(くしゃみ、鼻漏型、鼻閉方、充全方)
- 重症度(軽症、中等症、重症、最重症)
- 花粉症の方の生活スタイル
など、花粉症の方にあった治療法を医師と相談しながら決めるようにしましょう。
花粉症と風邪の見分け方
花粉症と風邪の見分け方があります。
花粉症も風邪もどちらもだるい症状がある前提でその他の症状の違いをみます。
花粉症と風邪を簡単にチェックするには以下のような診断の方法があります。
診断の表は「的確な花粉症の治療のために(第2版)」の中で示された診断チャートを表にまとめたものです。
【あなたは花粉症?かんたん診断の表】
症状 | かぜの疑い | 花粉症の疑い | |||
0%~25% | 26%~50% | 51%~75% | 76%~100% | ||
花粉症かな?と思う | わからない | 花粉症だと思う | |||
熱がある | 37.6℃以上 | 熱はない・あるいは37.5℃以下 | |||
くしゃみ、鼻水、鼻づまり | ある | 症状ない | 症状がある | ||
鼻水が黄色っぽい | 黄色っぽい | 黄色っぽくない | |||
目のかゆみ | ない | ある | |||
1日に鼻をかむ回数は? | 10回未満 | 10回以上 | |||
鼻はつまっているほうか? | つまらない | つまっている | |||
1日のくしゃみの回数 | 10回未満 | 10回以上 | |||
アレルギーのものがある | 特にない | ある |
出典:厚生労働省【的確な花粉症の 治療のために(第2版)(図1 あなたは花粉症?かんたん診断)】
表の見方は以下の通りです。
- セルの着色部分は該当しない項目を示す
- 0%〜25% :花粉症の疑いは低いが気になる方は医師の診断を推奨
- 26%〜50% :花粉症の疑いは低いが可能性はあるので医師の診断を推奨
- 51%〜75% :花粉症の疑いがあるので医師の診断推奨
- 76%〜100% :花粉症の疑い濃厚なので早めの医師の診断推奨
花粉症の時期以外でもだるい場合は?
代表的な花粉症の原因植物と時期は以下のようになります。
一般的には花粉症は2月~4月といわれていますが10月ごろまで花粉は飛んでいることがわかります。
スギ(2月〜4月) | ヒノキ(3月〜4月) |
イネ科(5月〜10月) | ハンノキ(1月〜4月) |
シラカンバ(3月下旬〜6月) | ブタクサ(8月〜9月) |
ヨモギ(9月〜10月) | カナムグラ(8月〜10月) |
したがって花粉症になる時期も1年のうちでも長期間に発症する可能性があります。
また、花粉症の時期以外でだるいのが続く場合は以下のような病気の可能性があります。
感染症(コロナなど) | 血液疾患 |
がん | うつ病などの精神疾患 |
ウイルス性肝炎などの肝臓疾患 | 糖尿病 |
甲状腺機能異常 | 不整脈などの循環器疾患 |
だるいのが続いてなかなか改善がみられない場合は早めに医師と相談しましょう。
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花粉症のだるいまとめ
ここまで花粉症のだるいについてお伝えしてきました。
花粉症のだるいについての要点を以下にまとめます。
- 花粉症になるとだるい理由は、睡眠不足・くしゃみによる疲労、自律神経の乱れ、薬の副作用がある
- 花粉症のだるいを解消するには、花粉を家に持ち込まない、花粉症に効果のある食事をする、副作用の少ない薬に変更するなどがある
- 花粉症対策でも解消されない場合は、舌下免疫療法やレーザー治療を選択する方法もある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。