健康診断で、d判定が出て「やばい…」と不安になっていませんか?
また、不安になった経験をお持ちの方も多いでしょう。
健康診断のd判定は、身体の不調を示す深刻なサインです。
健康診断でd判定が出た場合、どのような病気が疑われるのでしょうか。
本記事では、健康診断でd判定が出てしまった場合の対応と費用について、以下の点を中心にご紹介します。
- 健康診断のd判定で疑われる病気
- 健康診断でd判定だった場合の対応とは
- 健康診断のd判定を無視してもよいのか
健康診断のd判定について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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健康診断とは
健康診断とは、身体測定や各種検査によって、個人の健康の尺度を把握することです。
主な目的は、生活習慣病を始めとする種々の病気の早期発見・治療や病気の予防です。
健康診断では、
- 血液検査
- 尿検査
- 検便
- バリウム検査
などを行うことが一般的です。
出典:厚生労働省【健診 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
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健康診断でd判定はやばい?
健康診断の診断結果は、a~eなどのアルファベットで表されていることが一般的です。
一般的には、d判定以下で再検査や治療が必要とされています。
健康診断の結果でd判定以下が「やばい」とされているのは、再検査が必要なほど、身体の不調が数値として表れているからです。
では、健康診断でd判定がでたら、具体的に何がやばいのでしょうか。
ここからは、d判定が出やすい項目などについて紹介していきます。
健康診断での有所見率は約6割
企業などの定期健康診断でd判定が下されることは、さほど珍しくありません。
実際に厚生労働省の調査によると、平成31年(令和1年)の定期健康診断の有所見率は、56.64%でした。
つまり、定期健康診断を受けた方の半分以上がd判定以下ということになります。
定期健康診断の有所見率は年々上昇傾向にあり、多くの方が身体になんらかの不調を抱えていることが分かります。
出典:厚生労働省【定期健康診断結果から見た有所見率の推移】
健康診断で「所見あり」となりやすい3つ
健康診断でd判定が出て「やばい…」と焦る方は決して少なくありません。
ところで、d判定が出やすい診断項目は下記の3項目です。
- 血液検査
脂質
肝機能
血糖 - 血圧
- 心電図
ここからは、d判定が出やすい診断項目と疑われる病気をそれぞれ紹介していきます。
血液検査【脂質】
脂質系の血液検査でやばい判定が出た場合は、脂質異常症が疑われます。
脂質異常症とは、血液中の中性脂肪やコレステロールの量が異常に多い状態です。
脂質異常症は、自覚症状が出にくい病気です。
そのため、治療せずに放置する方も少なくありません。
しかし脂質異常症は、放置すると動脈硬化を誘発するおそれがあります。
動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳卒中に発展するおそれもあります。
- 総コレステロール:240mg/dl以上
- 中性脂肪:300mg/dl以上
- HDLコレステロール:100mg/dl以上
- LDLコレステロール:140mg/dl以上
もし、これらの項目で異常な数値が出た場合は、念のため病院を受診しましょう。
脂質異常症の対処方法とは?医療品で治癒できるの?
もし、脂質系検査で問題があると指摘されたら、それは脂質異常症の可能性を示しています。
脂質異常症とは、LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、トリグリセリドなどの血中脂質のバランスが崩れている状態のことを言います。
この状態は、動脈硬化や心臓病、脳卒中といった疾患のリスクを高めます。
これらの病気のリスクはダイエットによって軽減することが可能です。
食事療法や適度な運動を取り入れることで、血中脂質のバランスを整え、健康的な体を取り戻せる可能性があります。
また、ダイエットが困難な場合や、より効率的に体重を減らしたい場合には、医療品の利用がおすすめです。
適切な医療品の使用により、無理な運動や厳しい食事制限をすることなく、ダイエットを成功させることができます。
血液検査【肝機能】
血液検査で、肝機能の異常を指摘された場合、下記に注意する必要があります。
- ウイルス性の肝炎
- 大量飲酒による肝障害
- がん
などが代表的です。
肝臓は身体の毒素を分解したり、消化に欠かせない胆汁を生成したりする器官です。
一方で、肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
理由は、肝臓は不調があらわれてもなかなか自覚症状が出にくい器官であるためです。
自覚がないまま病気が進行し、気づいたときにはかなり症状が進行していた…というケースは少なくありません。
健康診断で肝機能にd判定が出た場合は、肝臓のSOSだと捉えて早めに病院へ行きましょう。
具体的には、次のような数値が出たら「やばい」と考えてください。
GOT(AST) | 90IU/l以上 |
GPT(ALT) | 90IU/l以上 |
γーGTP | 男性/87IU/l以上・女性/49IU/l以上 |
ALP | 400IU/l以上 |
TP | 10g/dl |
総ビリルビン | 5.1/Dl以上 |
ZTT | 12.1以上 |
Alb | 3.5g/dl 以下 |
LDH | 442IU/l以上 |
出典:J.フロント健康保険組合【肝臓の検査 | 健診結果の見方 | 保健のページ】
血液検査【血糖】
血液検査で血糖値がd判定だった場合、糖尿病が疑われます。
次いで疑われるのが膵臓がんなどです。
糖尿病は放置すると動脈硬化や合併症を併発しやすいため、できる限り早めに治療することが大切です。
以下のような数値が出た場合は、「やばい」と捉えて再検査や治療を受けましょう。
- 空腹時血糖値:126mg/dl以上
- HbA1c:6.6%以上
血圧
血圧でd判定が出た場合、最も注意すべきなのは高血圧です。
高血圧とは、血圧が正常値よりも高い状態です。
高血圧が慢性的に続くと、動脈硬化に発展しやすくなります。
動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中のリスクを上げます。
心筋梗塞などを回避するには、根本原因である高血圧を治すことが大切です。
では、健康診断の血圧検査でやばい判定が下されるのはどのようなときでしょうか。
以下に目安をまとめました。
- 最高血圧:140~149mmHg
- 最低血圧:90~99mmHg
血圧が上記にあてはまる場合は、「やばい」と捉えましょう。
ただし、血圧は緊張などによって一時的に高くなることもあります。
もし血圧の結果がやばいと感じるときは、自宅などでリラックスしてもう一度計測するのもよい方法です。
高血圧の対処方法とは?医療品で治癒できるの?
血圧検査のd判定は、大半の場合、高血圧である可能性を示唆しているかもしれません。
高血圧の原因として、加齢や体質などの遺伝的な原因のほか、塩分の摂りすぎや肥満、過度の飲酒といった生活習慣が関係しています。
現代人の多くは、塩分の摂りすぎや運動不足といった問題を抱えやすく、高血圧になりがちです。
高血圧になると、血液が血管壁に対して持続的に強い圧力がかかった状態になり、長期間続くと、心臓病や脳卒中、腎臓病といった様々な健康問題のリスクを高めます。
高血圧の対処方法として、塩分を控えめにし、バランスの良い食事と適度な運動を心掛けるなどのダイエットを通じて対処することが可能です。
血圧を下げる効果が期待できます。
また、効果的にダイエットをするために医療品の利用が考えられます。
医療品を使用することで、無理な運動や厳しい食事制限をすることなく、ダイエットと血圧の低下を両立することができます。
心電図
心電図検査は、心臓の電気活動を調べるためのものです。
心電図でd判定が出た場合は、何らかの心臓疾患の可能性があります。
代表的なのは、以下の通りです。
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 不整脈
狭心症・心筋梗塞は、心臓の冠動脈という太い血管が狭くなる・詰まる状態です。
冠動脈が塞がると心臓に血液が届かなくなり、痛みなどの症状が起こりやすくなります。
症状を放置すると、心不全や心停止に至ることもあります。
不整脈は、心臓のリズムに異常が出ている状態です。
脈が速くなる頻脈や、脈が飛ぶ期外収縮などの症状が代表的です。
心臓の異常は、命の危機に直結します。
心電図検査でやばい判定が出た場合は、できる限り早めに循環器内科などを受診してください。
健康診断のd判定は無視してはいけない
健康診断でd判定が出たとしても、再検査や治療を強制されることはありません。
ただし、強制されないからといってd判定を無視するのは危険です。
健康診断のd判定は、各器官の異常がかなり深刻であることを示しています。
つまりd判定を放置するのは、重大な病気を放置しているかもしれません。
d判定が出た場合は無視せず、病院で再検査や治療を受けてください。
もちろん、d判定が出たにもかかわらず、特に病気が見つからない可能性もあります。
たとえ病気が見つからなくても、再検査を受けたことは無駄にはなりません。
「病気ではない」ということがハッキリ分かったことには、大きな意味があるためです。
d判定が出たら、原因を特定するためにも、まずは病院で精密検査を受けましょう。
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健康診断でd判定だった場合の対応
健康診断でd判定が出た場合は、再検査や精密検査を受けることが一般的です。
再検査などは、どこで受けたらよいのでしょうか。
再検査の代表的な場所などをご紹介します。
健康診断を受けた医療施設
多くの場合、再検査は健康診断を受けた医療施設で受けられます。
健康診断時のデータが残っているため、スムーズに再検査や精密検査を受けやすいでしょう。
病院によっては、再診料などが不要の場合もあります。
かかりつけの病院
かかりつけ医がいる場合は、まず相談してみるのもよい方法です。
スムーズな再検査につなげるために、健康診断の結果は提出しましょう。
かかりつけ病院は、患者の普段の生活状況や体調を把握しているものです。
そのため再検査や治療のときも、1人1人にあわせたよりきめの細かな医療サービスを期待できます。
総合病院・大学病院
精密検査や高度な治療を希望する場合は、総合病院や大学病院を検討してください。
精密機器などが充実しているため、より精度の高い検査結果などを期待できます。
総合病院などを受診する際は、他病院などで紹介状を発行してもらう必要があります。
紹介状の発行には別途料金がかかることに留意してください。
健康診断の再検査にかかる費用
健康診断の再検査の費用についてご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
再検査は自己負担
企業などの定期健康診断の費用は、企業が負担することが一般的です。
しかし、再検査の費用は自己負担となるケースが多いです。
再検査の費用には、健康保険が適用されます。
負担割合は、収入などにより異なりますが、原則3割負担です。
再検査にかかる費用相場
再検査にかかる費用の内訳の例は、次の通りです。
- 初診料・再診料
- 紹介状の発行手数料
- 各種検査費用
各種検査費用は、検査の内容・医療機関によって大きく異なります。
目安を以下にまとめました。
検査項目 | 費用相場(円) |
血液検査 | 2,500~3,000 |
尿検査 | 1,000〜2,000 |
MRI検査 | 5,000〜20,000 |
CT検査(1部位あたり) | 5,000〜10,000 |
超音波(エコー)検査(部位による) | 1,000〜3,000 |
心電図 | 400〜1,000 |
ホルター心電図 | 5,000 |
胃内視鏡(胃カメラ)検査 | 3,500〜5,000 |
大腸内視鏡(大腸カメラ)検査 | 5,000〜10,000 |
再検査の費用を自己負担しなくてよい場合
健康診断の再検査の費用は、自己負担しなくても良い場合もあります。
負担を軽減したい場合は、ぜひ次のような方法を検討してみてください。
企業で負担してくれる
企業によっては、健康診断の二次検査の費用を負担・補助している場合もあります。
再検査の費用の対応は、企業によって異なります。
詳しくは、担当者に問い合わせてみましょう。
二次健康診断等給付
二次健康診断等給付は、一定の条件を満たす方を対象にした無料の二次健康診断です。
二次健康診断等給付には、健診だけでなく、健康指導も含まれます。
二次健康診断等給付の対象となるのは、次のような方です。
- 直近の健康診断で血圧・血中脂質・血糖・腹囲のすべてに異常所見がある
- 医師に脳血管疾患または心臓疾患と診断されていない
- 労災の特別加入者ではない
二次健康診断等給付は、一次健診から3ヶ月以内に受ける必要があります。
二次健康診断等給付に対応しているのは、自治体などの指定病院です。
二次健康診断等給付を受ける際は、「二次健康診断等給付請求書」と健康診断の結果の提出が求められます。
指定病院や必要な提出書類は、自治体などによって異なることもあります。
二次健康診断等給付の詳細な受け方については、地域の労働局などに確認してください。
出典:厚生労働省【労災保険二次健康診断等給付】
健康診断の再検査に必要な持ち物
健康診断の再検査では、次のような物を持参しましょう。
- 保険証
- 健康診断結果
- 服薬状況が分かるもの(お薬手帳など)
予約表や紹介状が必要な場合もあります。
詳しい持ち物については、再検査を受ける医療機関に確認しましょう。
健康診断での有所見率の推移
健康診断で要再検査などの判定が下ることを「有所見」といいます。
健康診断の有所見率は、年々増加傾向が見られます。
たとえば、一般健診における平成22年の有所見率は52.3%でした。
令和2年の有所見率は63.6%で、10年間で11.3%の増加したことになります。
業種別にみると、有所見率が高いのは、以下の通りです。
- 運輸交通業
- 教育研究業
- 建設業
検査項目別に見ると、有所見率が高いのは、以下の通りです。
- 血中脂質検査
- 血圧
- 肝機能検査
- 血糖検査
特に、血液検査関連で有所見率が高いことが分かります。
出典:厚生労働省【2.健康診断有所見者の推移】
健康診断でd判定はやばい?まとめ
ここまで、健康診断で、d判定はどうやばいのかについてお伝えしてきました。
健康診断のd判定はやばい事柄の要点を以下にまとめます。
- 健康診断のd判定で疑われる病気は、脂質異常症・糖尿病・高血圧・肝機能障害など
- 健康診断でd判定だった場合は、かかりつけ病院や健診を受けた病院での再検査が望ましい
- 健康診断のd判定は重大な病気のサインの可能性が高いため、無視しないほうがよい
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。