プロポリスを含んだサプリメントや化粧品など、店頭やネットショップなどで見かけたことはありませんか?
近年、プロポリスの秘めたパワーが人気を集め、その「効能」が注目されています。
プロポリスはどのような作用や効能をもたらしてくれるのか知っておきましょう。
本記事ではプロポリスについて以下の点を中心にご紹介します。
- プロポリスの効果とは?
- プロポリスの摂取量は?
- 良質なプロポリスの選び方とは?
プロポリスについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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プロポリスの基本情報
プロポリスは健康への意識が高い方や興味のある方は一度は手にしたことがあるかもしれません。
「体調の改善や老化予防に効果がある」と注目されていますが、どのような物質なのでしょうか?
プロポリスとは
プロポリスは、植物の樹脂にミツバチの蜜蝋(ミツロウ)や唾液を混ぜて生成した物質です。
ユーカリやアレクリンなどの樹木やハーブの新芽、また花粉がおもな原料となります。
粘性のある樹脂にミツバチの分泌物が加わってプロポリスが生成されます。
世界中に産地がありますが、原料となる植物の種類によってプロポリスの成分は異なります。
採取されたプロポリスはアルコールや水などの抽出方法でカプセルや液体に加工されます。
なかでも有名なのはブラジル産が多く知られていますが、ドイツではプロポリスの効能が注目され医薬品として認められています。
プロポリスは抗菌作用があることから「天然の抗酸化物質」「天然のバリア成分」ともいわれています。
例えば、ミツバチはプロポリスを巣の入口や隙間に塗りつけて修繕したり細菌などの外敵から守ります。
また、巣の入口にみられる黒い物質にはプロポリスが含まれており、高い抗菌作用によって巣の中を清潔に保つことに寄与しています。
プロポリスに含まれる成分
プロポリスには数百種類の成分が含まれており、人間の健康維持にも良い影響をもたらします。
プロポリスのおもな成分は以下の通りです。
- 樹脂 約50%
- 蜜蠟 約30%
- 製油 約10%
- 花粉 約5%
- その他 約5%
組成されているこれらの成分には、
- アミノ酸
- フラボノイド
- ビタミン類
- ミネラル類
- アルテピリンC
などの天然成分を含んでいます。
【アミノ酸】
アミノ酸はタンパク質を構成するために必要な物質です。
また皮膚や髪の毛、爪の角質層に潤いを蓄える他、内臓や血液などを構成する必要不可欠な物質です。
【フラボノイド】
フラボノイドはポリフェノールの1つで、植物の葉や茎、幹の部分に含まれている植物色素の総称です。
抗酸化物質や抗菌作用があり、新陳代謝を活発にしてアンチエイジング効果も期待されています。
【ビタミン類】
プロポリスにはビタミンC、E、B1、B2、B6などが含まれます。
歯や骨のコラーゲン成分を組成したり、糖分の代謝に必要な栄養素です。
【ミネラル類】
人が生存するために必要不可欠な5大栄養素の1つといわれ「カルシウム」や「リン」「亜鉛」などの総称です。
体内でミネラル類を作り出すことができないため、食事や栄養補助食品などから摂取する必要があります。
【アルテピリンC】
アルテピリンCは桂皮酸誘導体で、高い抗菌作用がありフラボノイドに匹敵する有用性があります。
アレクリン系植物のプロポリスにのみ含まれています。
下記では、必須アミノ酸、フラボノイドについて詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
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プロポリスの7つの働き
体調の改善や老化予防など我々の健康維持に効果がありそうなプロポリスですが、実際にどの様な効能があるのでしょうか?
具体的に7つご紹介します。
①免疫力の向上
プロポリスは炎症活性や抗ウイルス活性をもち、免疫機能を高める働きがあります。
そのため風邪やインフルエンザにかかりにくい体を作るのに有効とされています。
またプロポリスを摂取することで肌のバリア機能が正常化して、健康な肌の状態を保ちます。
皮膚感染症のひとつであるヘルペスの炎症も抑え回復を早めるといわれます。
②炎症の抑制
プロポリスには抗炎症作用があり、痛みや腫れ、炎症を和らげる効果があります。
例えば、口内炎のときに、プロポリスでうがいをすると回復が早まるといわれます。
また、プロポリスを塗布すると皮膚の発疹や炎症が改善されたという報告もあり、炎症の抑制作用が注目されています。
③花粉症の予防
プロポリスは、アレルギー性鼻炎などの花粉症の症状を和らげる効果が期待されています。
アレルギー症状は免疫の異常反応で起こりますが、プロポリスは免疫機能を正常に戻す作用があるためです。
プロポリスを摂取することで、アレルギーの原因となるヒスタミンの放出を抑制します。
そして、徐々に免疫機能が正常化され、結果的にアレルギー症状の緩和につながるといわれています。
季節性のアレルギーや花粉症に悩まされている方は、症状が出る前の段階からプロポリスを摂取するのがおすすめです。
④糖尿病の予防
プロポリスは血糖値を下げて、糖尿病の発症や悪化を防ぐ効果があるといわれています。
糖尿病は血液中の糖分を代謝するインスリンが異常な働きをして血糖値が上昇してしまう病気です。
プロポリスにはインスリンを正常な状態に戻す機能があり、高血糖の改善に役立ちます。
⑤美肌効果
プロポリスは肌の代謝を活発にする働きがあるため、美肌効果が期待されます。
肌の老化の原因は「活性酸素」といわれますが、プロポリスには活性酸素の発生を抑える効果があります。
そのため肌のシミやそばかすなどの発生を抑制し、若々しい肌への生まれ変わりを促進します。
さらに、プロポリスの抗菌作用はニキビの原因である「アクネ菌」にも効果が期待されています。
⑥抜け毛予防
プロポリスがもつ抗酸化作用や血行促進作用は、抜け毛予防にうれしい効果をもたらします。
抜け毛のおもな原因は、遺伝や体質の他に生活習慣の乱れや慢性的なストレスがあります。
過剰な飲酒や喫煙、ストレスによって活性酸素が発生し血流が悪くなることで、体の隅々まで酸素が行き渡らないという事態を招くのです。
その結果、抜け毛が増えてしまいます。
プロポリスの成分であるフラボノイドには優れた抗酸化作用があります。
そのため、過剰な活性酸素の発生をおさえ、発毛に必要な皮脂や毛乳頭の酸化を予防します。
また、フラボノイドは血管の酸化を防いで、しなやかな血管へと強化させます。
その結果、全身の血液循環がスムーズになるため、毛髪にも栄養を行き渡らせる効果が期待できます。
⑦口臭予防
プロポリスの抗菌作用によって口臭の原因となる雑菌の発生を抑制し、口臭予防や口腔内の清潔さを保つ効果が期待できます。
最近ではプロポリスが配合された歯磨き粉は、歯周病予防として人気があります。
免疫力が下がる原因について興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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プロポリスの認知機能の低下抑制機能
プロポリスに高齢者の認知機能低下を抑制する効果があることを国際研究グループが明らかにしました。
国際研究グループは九州大学や中国の研究機関からなります。
今回の研究は天然のプロポリスを用いた細胞レベルの研究成果をヒトで実証したものです。
今回の研究成果により持続的なプロポリスの摂取が認知症予防に期待できるとしています。
今回の研究は、アルツハイマー病における認知機能の低下に慢性全身性炎症の発生が関わっていることに着目したものです。
動物実験では慢性全身性炎症が認知機能を低下させることは既に明らかになっています。
研究グループはプロポリスの高齢者への7年間継続摂取で以下の効果を確認したものです。
- 認知機能低下の改善
- 慢性全身性炎症の低減
効果は経口投与をプロポリスとプラセボの2群に分けて以下の方法で評価されました。
- 中国チベット高原の高齢者60人を対象に比較対象試験の実施
- 認知機能をMMSE(ミニメンタルステート検査)を用いて評価
- 全身性炎症を血清中のIL-1βとIL-6やTGFβ1などの因子で評価
結果は以下の通りです。
【プロポリスの認知機能低下の抑制効果の評価】
プロポリス投与群 | プラセボ投与群 | |
---|---|---|
MMSE評価(認知機能検査) | 有意に改善 | 有意に低下 |
血清中のIL-1βとIL-6の量 | 有意に低下 | 有意に上昇 |
血清中のTGFβ1 | 有意に上昇 | 有意に低下 |
出典:日本生活習慣病予防協会【「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明】
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プロポリスの摂取目安量
基本的に天然成分であるプロポリスは薬ではありませんので摂取量の上限は決まっていません。
しかし過剰な量を摂取すると、体に良くない影響が出てしまいかねません。
そういった過剰摂取を避けるための目安量がありますので、ご参考にしてください。
【1日あたりのプロポリスの摂取目安量】
液体プロポリス(液体) | カプセル・顆粒 | |
大人 | 20~30滴(1~1.5ml程度) | 300mg |
子ども | 10~15滴(0.5~0.7ml程度) | 150mg |
幼児 | 2~3滴(0.1ml) | 30mg |
プロポリスは天然成分なので、子どもでも安心して飲むことができる食品です。
しかし子どもに大人と同量を与えてしまうのは過剰摂取になってしまいます。
また子どもはアレルギーを起こす場合があるため、最初は味見程度からはじめるのが良いでしょう。
1歳未満のお子さんの場合はボツリヌスのアレルギーの心配がありますので、控えるようにご注意ください。
プロポリスを飲むタイミング
プロポリスは食品であるため、特定の時間に摂取しなければならないという決まりはありません。
しかし、一般的には空腹時に摂取すると吸収が良いとされています。
特に、朝起きた直後や運動前に摂取すると、体が活動的になるタイミングでプロポリスの成分を効率よく吸収できます。
ただし、胃腸が弱い方は、空腹時に摂取すると胃に負担を感じることがあるため、食後に摂取することをおすすめします。
プロポリスの摂取方法
プロポリスのサプリのタイプと特徴を以下にまとめます。
カプセル・粒タイプ
- プロポリス特有の味や匂いを気にせずに摂りたい方
- 有効成分を腸まで安定して届ける
顆粒タイプ
- カプセル・粒タイプが苦手な方
- 1回分ずつ個別包装されていて携帯に便利
液タイプ
- 長期に飲み続ける方
- 飲み方は、そのまま飲む、水やぬるま湯に混ぜて飲む
その他ミルクやドリンク剤、乳酸菌飲料、コーヒーなどに混ぜて飲むこともできます。
キャンディータイプ
- 口や気分のリフレッシュしたい方
- のど飴の感覚で手軽に摂取できる
スプレータイプ
- 口内や喉をスッキリしたい方
- 携帯に便利でのどスプレーとして活用できる
歯磨き粉タイプ
- 毎日の歯磨き習慣に合わせて摂取したい方
- 口腔ケアの一環として活用
ドリンクタイプ
- 粒で飲むのが苦手な方
- 子供にも飲みやすいタイプ
プロポリスを過剰摂取するとどうなる?
プロポリスに含まれているビタミンやミネラル、アミノ酸などは過剰に摂取することで体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
【ビタミン類の過剰症】
ビタミンにはそれぞれ「水溶性」や「脂溶性」があり、プロポリスには両タイプの成分が含まれています。
水溶性であるビタミンCやビタミンB1、B2、B6の場合は、過剰に摂取しても余分なものは尿として排出されます。
しかし脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、Eなどは水に溶けません。
そのため肝臓や脂肪組織に溜まり、負担をかけてしまいます。
またプロポリスに含まれるビタミンEをサプリメントで過剰摂取したことで骨粗鬆症が発症しやすくなったという報告もあります。
【ミネラル類の過剰症】
カルシウム・リン・亜鉛などの過剰摂取は腎機能の低下や軟便、下痢、吐き気の症状が出る場合があります。
なかでもリンの過剰摂取は、カルシウムの吸収を妨げてしまい骨密度の低下を引き起こします。
他には貧血や味覚障害なども症状として挙げられます。
【アミノ酸の過剰症】
過剰に摂取したアミノ酸は体の中に貯めておけないため、尿として排出されます。
そのため必要以上に腎臓機能が働くことになり、腎臓や内臓に負担がかかります。
またアミノ酸はタンパク質を生成する働きがありますので、アミノ酸の過剰摂取はカロリオーバーにもなりかねません。
さらに不要なアミノ酸が脂肪と結合して体内に蓄積する可能性もあります。
【皮膚炎】
最近では外用として化粧品にもプロポリスが配合されているものが販売されています。
しかし優れた抗菌作用があり刺激が強いプロポリスは、皮膚炎やかぶれなどの症状が出ることがあります。
実際にプロポリスによる接触皮膚炎の報告もありますので、使用の際は適切な量を守るようにしましょう。
プロポリスは原産地によって成分の種類や含有量が異なります。
体に良い影響をもたらす成分が多く含まれますが、一度に過剰摂取するのは禁物です。
飲みすぎによる副作用の報告も確認されていますので、特にアレルギー体質の方や妊婦の方は控えることをおすすめします。
下記では、ビタミンaの過剰摂取について詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
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良質なプロポリスの選び方
世界各地にプロポリスの産地がありますが、なかでもブラジル産は高品質と称されています。
その理由は、
- ブラジルには原料となる植物や広大な自然林が多く、有用成分が凝縮されている
- 生命力や採蜜力が高い「アフリカ蜂化ミツバチ」が良質なプロポリスを集める
- ポリフェノールの一種である「アルテピリンC]などの桂皮酸誘導体を多く含む
- 国をあげてプロポリスの品質保持に努め、輸出の際は厳しいクオリティチェックをクリアしている
プロポリスには、茶色や赤、黄色、黒色などさまざまな色があります。
ブラジル産のアルテピリンCを多く含むプロポリスは濃い緑色をしています。
アルテピリンCはプロポリスの中でも最も有用効果が高いといわれ、抗ガン効果も期待されています。
製品によって成分の含有量が異なり、価格が高いから良いというわけではありません。
ブラジル産プロポリスを選ぶ際は、いくつかの製品の成分含有量などを比較すると分かりやすいです。
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健康食品を正しく理解しよう
テレビや雑誌をはじめ、インターネットなどでも数多くの健康食品を目にすることがあると思います。
宣伝文句で「天然成分」や「自然素材」などを謳っている製品に対し、イメージだけで「安心・安全」を連想してしまうことはありませんか?
たとえ天然や自然由来の製品であっても、アレルギーを引き起こす原因になることがあります。
また、多くの成分を添加している場合、成分同士がどのような影響をもたらすのかも不明のまま製造している場合もあるのです。
因果関係は不明である場合もありますが、健康被害の報告が多く寄せられています。
流通している健康食品のなかには「成分名が明確でないもの」や「含有量が未表示」のものも多く出回っています。
実際に「成分名の表示はあっても成分量の表示がない」ものを分析し、結果その成分が含まれていなかったという報告もあります。
健康食品には安全性や有効性が曖昧なものがあるということを知って、上手に取り入れることが大切です。
出典:厚生労働省 健康食品の正しい利用法
アレルギーの原因に興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
アレルギーとは、花粉、食物、ダニなどが原因でアレルギー症状が起きることをいいます。また、アレルギーには喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などさまざまあります。では、具体的にアレルギーの原因にはどのようなものがあるのでしょうか[…]
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プロポリスのまとめ
ここまでプロポリスについてお伝えしてきました。
プロポリスについて要点をまとめると以下の通りです。
- プロポリスの効果は、免疫力がアップして花粉症の改善、美肌・抜け毛予防の効果がみられる
- プロポリスの摂取量は1日あたり大人は20~30滴/300mgで、子どもはその半量程度
- 良質なプロポリスの選び方は、桂皮酸誘導体を多く含む高品質なブラジル産がおすすめ
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。