鍋料理には欠かせないネギは、美味しいだけではありません。
栄養価も優れており、さまざまな効果・効能が得られます。
ネギの栄養や効果をもう少し詳しく知って、ネギの良さを見直してみませんか?
本記事ではネギの栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- ネギに含まれる栄養素とは
- ネギを食べることで得られる効果・効能は?
- 美味しいネギを見分ける方法とは
ネギの栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
栄養バランスは健康のためには欠かせません。偏ることで重大な病気につながることもある栄養バランスですが、何をどれくらい摂取すればよいのでしょうか?今回、栄養バランスについてご紹介した上で、その必要栄養素や摂取目安についてもご紹介し[…]
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ネギに含まれる栄養|根深ネギと葉ネギ
ネギには大きく分けて「根深ネギ」と「葉ネギ」の2種類のネギがあります。
- 根深ネギ
根深ネギとは一般的に「長ネギ」「白ネギ」と呼ばれているネギのことです。
土寄せを行い、根元部に日光を当てないように育てることで白い部分が出来上がります。
生のままだと辛みがありますが、加熱すると甘みが強くなります。
- 葉ネギ
色々な種類があり、万能ねぎや九条ネギも葉ネギの一種です。
根元部から葉先までがほとんど緑色で細めなのが特徴で、薬味や色味として使われることが多いです。
栄養価が高く様々な調理にも使えるのですが、根深ネギに比べると若干傷みやすくあります。
この2種類のネギは、栄養価でも違ってきます。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
βカロテン
ネギは緑黄色野菜に分類されます。
ネギの緑色の部分にはβカロテンが多く含まれています。
βカロテンは、強い抗酸化作用を持つ栄養素です。
体内の活性酸素を除去し、動脈硬化、がん、生活習慣病などの予防に効果が期待できます。
βカロテンは、脂溶性のビタミンですから、油と一緒に摂取すると効果がアップします。
- 【ネギ100gに含まれるβカロテンの量】
- 根深ネギで82μg
- 葉ネギで150μg
ビタミンC
ビタミンCもβカロテンと同じようにネギの緑色の部分に多く含まれています。
やはり活性酸素を消去する強い抗酸化作用を持つ栄養素です。
ストレスへの耐性を高め、風邪予防など免疫力も高める働きがあります。
ビタミンCは、美容にとっても非常に重要な栄養素です。
日焼けによるシミの原因であるメラニン色素の生成を防ぐので、美肌効果が期待できます。
ビタミンCは、水溶性ですから、身体に蓄えておくことができません。
こまめに摂取する必要があります。
- 【ネギ100gに含まれるビタミンCの量】
- 根深ネギで14mg
- 葉ネギで32mg
カリウム
ネギの緑色に多く含まれるカリウムは、体内の塩分・水分のバランスを整える栄養素です。
体内の塩分濃度が高まると、過剰になった塩分を排出します。
塩分の摂り過ぎで起こる「むくみ」や「血圧の上昇」などを防ぐ効果が期待できます。
カリウムは水に溶けやすいという性質があります。
ネギは薬味として生のまま、あるいはお味噌汁などにして飲み干しましょう。
- 【ネギ100gに含まれるカリウムの量】
- 根深ネギで200mg
- 葉ネギで260mg
カルシウム
ネギの緑色の部分には、カルシウムも含まれています。
カルシウムは、骨や歯を形成するのに欠かせない栄養素です。
しかし、日本人は全世代でカルシウム不足だという調査結果もあります。
将来的に、骨粗鬆症などにならないように若いうちからカルシウムを摂取しましょう。
- 【ネギ100gに含まれるカルシウムの量】
- 根深ネギで36mg
- 葉ネギで80mg
アリシン
別名「硫化アリル」と呼ばれている香り成分です。
アリシンは、ネギの白い部分に多く含まれています。
アリシンは、ネギ以外にもニンニクやタマネギなどにも含まれています。
アリシンは、強い殺菌力を持っています。
免疫力を高め、ウイルスや雑菌から身体を守る働きがあります。
また、交感神経を刺激して体温を上げる働きがあり、風邪の予防にも効果が期待できます。
ビタミンB1との相性も良く、疲労回復や体力アップにも効果を発揮します。
アリシンは、場所によって含有量が大きく違ってくるなど不安定なため、データは残念ながらありません。
栄養素に興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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ネギで得られる効果・効能
ネギの栄養をみると、さまざまな効果・効能が期待できます。
どのような効果・効能があるのか具体的にみていきましょう。
疲労回復
ネギの白い部分に多く含まれるアリシンには、疲労回復効果が期待できます。
身体を動かすためのエネルギーは、ビタミンB1が生み出します。
ビタミンB1は、アリシンと結びつくことで働きを持続することができるようになります。
また、ビタミンCにはストレスに対する耐性を強め、緩和する働きがあります。
ネギに含まれるアリシンとビタミンCで心身の疲れを取る効果が期待できます。
血流の改善
肩こりや眼精疲労、冷え性で悩んでいる方は多いでしょう。
ネギに含まれるアリシンは、血行を良くする効果が期待できます。
生活習慣病の予防・改善
生活習慣病の中でも糖尿病は、罹患率の高い病気です。
糖尿病にかかると、そのほかの病気にもかかりやすくなります。
ネギに含まれるアリシンは、血液をサラサラにする働きがあります。
さらに、血糖値の上昇を抑えて、糖尿病を予防する働きも期待できます。
アリシンは、ビタミンB1とともに血糖値を正常に保つインスリンの分泌を促します。
血糖値が気になる方は、積極的にネギの白い部分を食べるように心がけましょう。
胃の健康を保つ
ネギの香りと辛味のもとはアリシンという栄養素です。
アリシンの刺激によって、胃の消化液の分泌を促す働きがあります。
消化液が活発に分泌されることによって食欲増進、消化促進となり、胃の健康を保ちます。
風邪の症状を緩和
風邪を引いたとき、ネギ湯を飲むという方もいるのではないでしょうか。
ネギには、免疫力を高めるビタミンCや殺菌作用のあるアリシンが多く含まれています。
さらに粘膜を強くするβカロテンも含まれており、風邪の症状を緩和してくれます。
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美味しいネギの選び方
どうせなら美味しいネギが食べたいものです。
スーパーでネギを選ぶときには、どこに着目したら良いのでしょうか。
根深ネギの選び方
白い部分が多い根深ネギは、巻きがしっかりとしているものを選びましょう。
触ってみて、白い部分がフカフカしているネギは、味が落ちています。
さらに、白い部分と緑の部分の境目がハッキリとしているものが新鮮です。
葉ネギの選び方
葉ネギは、緑の部分が濃く、鮮やかなものを選ぶようにしましょう。
葉が真っ直ぐに伸びていて、よく枝分かれしているネギが味も良く新鮮です。
栄養満点のねぎを効果的に摂る方法
ネギには様々な栄養素があり、栄養素ごとに特徴があります。
ここでは栄養素ごとの効果的な摂り方について紹介していきたいと思います。
- βカロテン
βカロテンは、脂溶性のビタミンです。
なので、チャーハンや揚げ物などで油と一緒に食べると吸収率がアップします。
- ビタミンC
水溶性のビタミンで熱に弱い性質があります。
生で食べるのが効率的に摂れる方法ですが、辛みや匂いが気になる場合は水に晒しましょう。
その際もできるだけ短時間にすることで、ビタミンCの損失を少なくできます。
- 硫化アリル
ネギの香りや辛みの成分で、水溶性・揮発性という性質のある栄養素です。
損失を防ぎづらい栄養素ではありますが、食べる寸前に切って薬味などにすると効率的に摂取が出来ます。
- カリウム・カルシウム
両方ともネギの緑色の部分に多く含まれています。
水溶性のため、スープや味噌汁などに利用すると無駄なく栄養を摂ることが出来ます。
ネギの保存方法
栄養も豊富で薬味などとしても出番の多いネギをなるべく長く保存するにはいくつかポイントがあります。
順を追って保存方法を解説していきたいと思います。
①洗ってから根元部の成長点を切り落とす
成長点を切り落とすことで、栄養や水分の消費を止めることが出来ます。
その後、緑の部分と白い部分を切り分け、白い部分はさらに2〜3等分にします。
②切り分けたネギを湿らせたキッチンペーパーなどで包む
ネギの栄養の多くは水溶性なので、水に触れるのはあまり良くないのですが乾燥させるのも良く
ないので、キッチンペーパーなどで包んでおくと保存がききます。
③ラップや袋などで空気に触れないようにして冷蔵庫に立てて保管する
ネギは寝かせずに立てて保管することで、長持ちします。
以上の保存方法でキッチンペーパーを3〜5日ごとに交換すれば、2〜3週間は保存が可能です。
また、ネギは冷凍保存も可能です。
洗ってから、使いやすい形・大きさに切り、水気を拭き取り冷凍することで1〜2ヶ月の保存が可能です。
ネギを使ったレシピ
ネギは、薬味やみそ汁の具として良く使います。
ここでは、もっとたくさんネギを食べることができるレシピを紹介します。
シンプルだけど美味しい「ネギ焼き」
葉ネギのおいしさを究極にまで引き出したレシピです。
葉ネギをたっぷりと食べることができます。
こどものおやつやお酒のおつまみにもおすすめです。
- <材料>
- 葉ネギ 1束
- 天かす 20g
- 卵 1個
- 薄力粉 100g
- だし汁 100ml
- 塩 少々
- サラダ油 小さじ2杯
- ポン酢・削り節・青のり 適宜
<作り方>
- ① 葉ネギは小口切りにする。
- ② ボウルに卵・薄力粉・だし汁・塩を入れてよくかき混ぜ、天かす、葉ネギを加えます。
- ③ フライパンにサラダ油を引き、中火で熱します。
- ④ ②の材料1/4を入れて、平らな円形に整えて焼きます。
- ⑤ 残りも同じようにして焼きます。
- ⑥ 焼き色が付いたら、ひっくり返して弱火で焼きます。
- ⑦ 火が通ったら、お皿に盛ってポン酢や削り節、青のりなどをかけて完成。子どもにはマヨネーズもおすすめです。
電子レンジで簡単「無限ネギ」
火を使わないレシピです。
根深ネギの甘さとツナの水煮缶の塩味で、永遠に食べられそうな無限ネギにしてみました。
- <材料>
- 根深ネギ 1本(100g)
- ツナ水煮缶 1缶(70g)
- ごま油 小さじ1
- 鶏がらスープの素 小さじ1/2
<作り方>
- ① 根深ネギは斜め薄切りにします。ツナ缶は、汁気を切っておきます。
- ② 耐熱容器に薄切りしたネギとツナを入れます。
- ③ ラップをかけて、600Wの電子レンジで2分加熱しましょう。
- ④ ごま油と鶏ガラスープの素を加えて混ぜ合わせれば完成です。
旬のネギは栄養価が高い
どんな野菜にもいえることですが、旬の野菜は美味しいだけでなく栄養価が高いものです。
四季のある日本ならではの楽しみかもしれません。
ハウス栽培などで、1年中野菜は手に入ります。
しかし、旬の野菜は、その野菜本来のおいしさや栄養がピークに達した頃のものです。
ネギも例外ではありません。
ネギは1年中スーパーに置かれていますが、ネギの旬は冬の11月~2月です。
冬の寒さや霜に当たって、ネギはどんどん甘さを増していきます。
そして一緒に栄養価も高くなっていくのです。
冬の定番料理の鍋にネギが重宝されるのは、味だけでなく栄養面からも正解といえるでしょう。
出典:厚生労働省「旬を取り入れた食生活(春・夏) | e-ヘルスネット(厚生労働省)」
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ネギの栄養まとめ
ここでは、ネギの栄養について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。
- ネギに含まれる栄養素は「アリシン」「βカロテン」「ビタミンC」など
- ネギの効果・効能は「疲労回復」「血流改善」「生活習慣病の予防」など
- 美味しいネギの見分け方は「巻きがしっかりしている」「緑が濃い」など
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。