ストレスが原因で、腰痛に悩まされている方は多いのではないでしょうか。
どうにかしてストレスによる腰痛の治し方を知りたいですよね。
しかし、どうしたらストレスによる腰痛が治るのか、分からない方がほとんどだと思います。
そこで本記事では、ストレスによる腰痛について以下の点を中心にご紹介します。
- ストレスが原因の慢性腰痛とは?
- ストレスが原因の腰痛の治療法
- ストレスによる腰痛に効く薬・漢方
- 腰痛のときにしてはいけない事
- ストレスからくる腰痛を改善する運動
ストレスによる腰痛から解放されるためにも参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ストレスが原因の慢性腰痛とは?
慢性腰痛とは、腰の痛みが3ヶ月以上続く状態を指します。
中には腰痛がよくなったり悪くなったりする慢性腰痛もあります。
また慢性腰痛は、幅広い年代にみられます。
しかし、特に30〜50歳代が多いのが特徴です。
さらに、慢性腰痛には
- 腰に異常がある場合
- 腰の異常がなくなったのに、痛みが続く場合
の2種類が存在します。
腰の異常がないのに痛みが続くのはストレスが原因と考えられています。
これがストレスが原因で起こる、慢性腰痛です。
ここからは、ストレスが原因で起こる腰痛のメカニズムや特徴などをみていきましょう。
ストレスが原因で起こる腰痛のメカニズム
ストレスによる腰痛は、
- 血行不良
- 脳機能の低下
が原因で起こります。
血行不良が原因となる腰痛には、下記のようなメカニズムがあります。
- 心理的なストレスは、冠動脈が一時的に痙攣を起こす
- 冠動脈が痙攣を起こすことにより、血液が正常に流れず、腰回りの血行が悪くなってしまう
- 血行が悪くなると腰回りの筋肉が緊張し、痛みを伴う
また脳機能の低下も、ストレスによる腰痛の原因です。
通常、人間は痛みを感じると、脳から神経伝達物質のドーパミンが放出されます。
ドーパミンは痛みを緩和し、腰痛を感じにくくさせてくれます。
しかし、脳機能が低下していると、正常にドーパミンが放出されません。
そのため、腰に痛みを感じるようになってしまうのです。
脳機能が低下していると、わずかな痛みでも強い痛みに感じてしまいます。
その結果、長期間、腰痛に悩まされることになります。
さらに、ストレスによる腰痛によってストレスを感じ、腰痛が悪化するという、負のスパイラルも発生します。
ストレスの原因を突き止め、早めに対処することが重要です。
ストレスによる腰痛の主な特徴
ストレスによる腰痛の主な特徴は、原因がないのに痛みが続く点です。
腰に異常がないのに痛みがあったり、異常が治っても痛みが続いたりします。
そのため、レントゲンやMRI検査を行っても異常は発見されません。
そのほかに、治ったはずなのにしばらくしたらまた痛くなるのも、ストレスによる腰痛の可能性が高いです。
ただし、自己判断でストレスによる腰痛だと決めつけるのは危険です。
検査を行っても異常がない場合、ストレスによる心因性の腰痛の可能性が浮上します。
必ず病院で検査を行いましょう。
ストレスが引き起こす腰痛以外の心身反応
ストレスは腰痛だけでなく、身体にさまざまな影響を与えます。
ストレスが引き起こす腰痛以外の心身反応は以下のようなものです。
頭痛 | 胃痛 |
腹痛 | 肩こり |
背中の痛み | 立ちくらみ |
微熱 | 不眠 |
食欲不振 | 過眠 |
過食 | 吐き気 |
気分が落ち込む | 発疹 |
ストレスは腰痛だけでなく、さまざまな身体への影響を及ぼします。
ストレスはできるだけ溜めずに、発散することが健康への一歩でしょう。
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セルフチェック|ストレスが原因で起こる腰痛?
医療機関でストレスによる腰痛かどうかを確認するのに、BS-POPと呼ばれる簡易問診票を用います。
BS-POPは、患者が回答する質問票と医者が評価する質問票の2種類を使用するのが特徴です。
総合的にストレスによる腰痛かどうかを判断します。
そこで、ここでは患者用がストレスによる腰痛かどうかのチェック項目をご紹介します。
点数を数えてみてください。
泣きたくなったり、泣いたりすることがありますか | いいえ(1点) ときどき(2点) ほとんどいつも(3点) |
いつもみじめで気持ちがうかないですか | いいえ(1点) ときどき(2点) ほとんどいつも(3点) |
いつも緊張したり、イライラしたりしますか | いいえ(1点) ときどき(2点) ほとんどいつも(3点) |
ちょっとしたことがしゃくにさわって腹がたちますか | いいえ(1点) ときどき(2点) ほとんどいつも(3点) |
食欲は普通ですか | いいえ(3点) ときどきなくなる(2点) ふつう(1点) |
一日の中では,朝方が一番気分が良いですか | いいえ(3点) ときどきなくなる(2点) ふつう(1点) |
何となく疲れますか | いいえ(1点) ときどき(2点) ほとんどいつも(3点) |
いつもとかわりなく仕事ができますか | いいえ(3点) ときどき出来なくなる(2点) 出来る(1点) |
睡眠に満足できますか | いいえ(3点) ときどき満足できない(2点) 満足できる(1点) |
痛み以外の理由で寝つきが悪いですか | いいえ(1点) 時々寝付きが悪い(2点) ほとんどいつも(3点) |
合計得点が高いほど、心理・社会的因子に問題ありと判定されます。
ストレスによる腰痛の可能性が高いため、注意が必要です。
合計得点が15点以上かつ腰痛がある方は、速やかに病院を受診しましょう。
社会で生活していく上で、ストレスを完全に避けることは困難です。従って、正しくストレスと向き合っていくことが、人が健康的に暮らしていくためには大切です。今回はストレスについて、以下の点を中心に解説していきます。 ストレス症状[…]
ストレスが原因の腰痛の治療法
ストレスによる腰痛はどのように治療するのでしょうか?
治療法が気になっている方も多いでしょう。
そこでここからは、
- クリニックや病院で行う治療法
- 自分でできる治療法
の2種類をご紹介します。
クリニック・病院での治療法
クリニックや病院での治療には、主にリエゾン治療を用います。
リエゾン治療とは、整形外科や心療内科、精神科など、痛みを軽減するプロと心を治療するプロが連携して行う治療法です。
ストレスによる腰痛の場合、痛みの治療だけでなく心の治療も重要です。
そのため、クリニックや病院では、複数の医師が連携して行うリエゾン治療を用いています。
自分でできる「認知行動療法」
リエゾン治療の他に、認知行動療法でもストレスによる腰痛に働きかけることができます。
認知行動療法(CBT)とは、ものの考え方や受け取り方に働きかけ、気持ちを楽にする方法です。
精神療法の1つであり、考え方のバランスを変えることができます。
考え方のバランスを変え、ストレスに上手く対処できるようにするのが特徴です。
また最近は、インターネット認知行動療法(Internet-Based Cognitive Behavioral Therapy(ICBT))というものがあり、遠隔で治療ができます。
しかし、維持費などの関係により一般的に提供されていなかったり、救急の対応が難しかったりなど、まだまだ課題は多く残されています。
ストレスが原因で起こる腰痛に効く市販薬
ストレスによる腰痛へのアプローチは、認知行動療法だけではありません。
ここでは、ストレスによる腰痛に効く薬や漢方をご紹介します。
外用薬の痛みに効く有効成分として、
- フェルビナク
- インドメタシン
があります。
フェルビナクは副作用が少なく、鎮痛効果がやや強いのが特徴です。
インドメタシンはリーズナブルな価格で手に入る傾向にあります。
内服薬の場合、
- ロキソプロフェンナトリウム水和物
- イソプロピルアンチピリン
- イブプロフェン
などを配合したものがおすすめです。
この3つは、消炎鎮痛剤であり、痛みに直接アプローチしてくれます。
また、腰痛は腰回りの血行を良くすることで症状が軽くなるのが特徴です。
そのため、筋肉の緊張を緩め、血行を良くする成分が入った薬を選ぶといいでしょう。
ストレスが原因で起こる腰痛に効く漢方
ストレスによる腰痛に効く漢方は
- 桂枝湯(ケイシトウ)
- 麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)
- 柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)
などがあります。
桂枝湯には、血の巡りを良くする桂皮(ケイヒ)や生姜(ショウキョウ)が含まれています。
そのため、血行を良くすることで腰痛の症状を軽くしてくれるのが特徴です。
また体力がなかったり、胃腸が弱かったりする方や高齢者に向いている薬でもあります。
麻黄附子細辛湯は、体を温めることにより病気を追い出す漢方です。
桂枝湯同様、血行を良くすることで腰痛の軽減をしてくれます。
柴胡桂枝乾姜湯は、ストレスや不安など過敏になった神経を落ち着かせる効果があります。
神経を落ち着けることで心身を整える漢方薬です。
腰痛の原因であるストレスを和らげてくれます。
腰痛のときにやってはいけないこと
腰痛になったとき、どうにかして症状を改善したいと思うでしょう。
しかし、やってはいけない行動を取ってしまうと、さらに腰痛を悪化させてしまう可能性があります。
そこで、腰痛のときにやってはいけないことをご紹介します。
長時間の同じ姿勢
長時間の同じ姿勢は、腰回りの筋肉を緊張させます。
その結果、血行を悪くさせます。
人間は、筋肉を動かすことにより、血液の流れをスムーズにしています。
そのため、長時間同じ姿勢でいると、腰痛を悪化させる危険が高くなります。
また長時間、同じ姿勢を取った後に体勢を変えると、凝り固まった筋肉が急に伸びてしまいます。
急に姿勢を変えたことにより、痛みを伴う可能性もあります。
ですが、痛いからといって、動かず何時間も同じ姿勢を取るのはやめましょう。
腰痛が悪化してしまうかもしれません。
安静にしすぎること
安静にしすぎてしまうことも、筋肉を緊張させてしまい、血行の悪化に繋がります。
その結果、血流の流れが悪くなり、腰痛が酷くなることもあります。
特に、ストレスによる腰痛は、腰に異常はありません。
そのため、過度に安静にする必要はありません。
できるだけ普段通りの生活を心がけるのがおすすめです。
自己流の筋トレ
自己流の筋トレは、腰の筋肉を痛めてしまう可能性があります。
筋肉を動かすことは大切です。
しかし、正しい筋トレ方法でないと、腰痛は悪化します。
また、YouTubeなどSNS上でもさまざまな筋トレ方法が発信されていますが、
その情報にも要注意です。
自己流の筋トレを紹介している場合も多くありますが、安易に真似してしまうと、身体を痛めてしまう可能性があります。
自己流で筋トレをするのではなく、プロに頼って進めてください。
すぐにマッサージや整体に行くこと
腰痛が、腰の異常が原因で起こっている可能性があります。
そのため、すぐにマッサージや整体にいくのは良くありません。
まず病院を受診し、腰に異常がないかしっかり調べましょう。
症状によっては、病院で正しい処置をする必要があります。
ストレスからくる腰痛を改善する運動
急性腰痛はもちろん、慢性的な腰痛やストレスによる腰痛を和らげるには、有酸素運動を取り入れた運動が推奨されています。
しかし、具体的にどんな運動をすればいいのか分からない方がほとんどでしょう。
そこでここからは、ストレスからくる腰痛を改善する運動をご紹介します。
ただし、運動やストレッチは自己判断のみで無理に行うのは危険です。
医師の診断やアドバイスを元に行うようにしてください。
心身を整える有酸素運動
有酸素運動には以下のような運動があります。
エアロビクスダンス | アクアビクス |
エアロバイク | ジョギング |
ステップエクササイズ | ウォーキング |
太極拳 | サイクリング |
アクアウォーキング | ハイキング |
特に、ジョギングやウォーキングは、今すぐに実行できるものです。
有酸素運動は、ストレスからくる腰痛を改善するだけではありません。
生活習慣病の予防にもなります。
一日のうち時間を決めて、有酸素運動をしてみてください。
ストレスによる腰痛を軽減するストレッチ
腰痛を軽減するストレッチはいくつかあります。
ここでは、
- 筋肉や関節をしなやかな状態に戻すストレッチ
- 立って行うストレッチ
- 腰痛の予防にもなる「ドローイング」
の3つを紹介します。
1つ目は、筋肉や関節を緩めるストレッチです。
このストレッチを行うことで、身体をしなやかな状態に戻すことができます。
- うつ伏せになる
- 上半身をゆっくり起こす
このストレッチを行うときは呼吸は止めないように注意しましょう。
2つ目は、立って行うストレッチです。
- 壁に対して横向きに立つ
- 壁に片手をつく
- 腰を壁側に寄せ、身体がくの字になるように腰を伸ばす
- 反対も同様に行う
このストレッチも呼吸を忘れないように気を付けてください。
力を加減しながら、イタ気持ちいい程度で行いましょう。
3つ目は、腰痛の予防にもなるストレッチ「ドローイング」を紹介します。
- 仰向けに寝ます。
- 膝を立てます。
- お腹が膨らむほど息を大きく吸います。
- ゆっくり息を吐きながらお腹をへこませます。
- 息を全て吐いたら、10~30秒キープする
このストレッチは、腰椎や骨盤の安定コア筋である腹横筋にアプローチできるストレッチです。
腰痛改善や腰痛予防効果があります。
出典:厚生労働省「新たな視点に立った腰痛対策」
ストレスによる腰痛を治すには?まとめ
ここまでストレスによる腰痛についてお伝えしてきました。
ストレスによる腰痛についての要点を以下にまとめます。
- ストレスが原因の慢性腰痛とは、腰の異常がない腰の痛みが3ヶ月以上続く状態
- ストレスが原因の腰痛の治療法は「リエゾン治療」や「認知行動療法」がある
- ストレスによる腰痛に効く薬・漢方は、「フェルビナク」や「インドメタシン」「桂枝湯」「麻黄附子細辛湯」などがある
- 腰痛のときは「長時間の同じ姿勢」「過度な安静」「自己流の筋トレ」はおこなってはいけない
- ストレスからくる腰痛を改善する運動には「有酸素運動」や「ドローイング」がおすすめ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。