弁当のおかずからお酒のつまみまで枝豆は様々な場面で摂取されています。
昔から大豆や枝豆は畑の肉といわれタンパク質が豊富なことで有名です。
しかし、タンパク質以外にどのような栄養素が含まれているかあまり知られていません。
枝豆に含まれる栄養素は何なのでしょうか?
枝豆を摂取するとどのような効能が得られるのでしょうか?
本記事では枝豆の栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- 枝豆に含まれる栄養成分とは
- 枝豆を摂取すると得られる効能とは
- 枝豆の栄養価が高くなる旬の時期とは
枝豆の栄養について理解するためにも参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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枝豆に含まれる栄養
枝豆はタンパク質の他にビタミンやミネラルなど様々な栄養成分が含まれています。
具体的には以下の通りです。
タンパク質:筋力向上
タンパク質は3大栄養素の1つに分類されます。
筋肉や臓器、皮膚、髪の毛など体を構成する重要な栄養素です。
また、タンパク質はホルモンや酵素など代謝に関わる物質の材料になります。
枝豆は100gあたりタンパク質が11.5gと豊富に含まれています。
運動と組み合わせることでダイエットや筋力向上などの効果が期待できます。
イソフラボン:ストレスの緩和、美肌効果
イソフラボンはポリフェノールの1種で枝豆を含む大豆食品に多く含まれる成分です。
女性ホルモンのエストロゲンと化学構造が類似している特徴があります。
ストレスホルモンの分泌を抑え、ストレスを緩和させる働きがあります。
また、更年期障害や乳がん、前立腺癌などを予防する効果があります。
イソフラボンは肌や骨などを若返らせる効果があります。
骨から溶け出るカルシウムを防ぎ、骨粗鬆症を予防する効果があります。
また、シミやたるみなど老化現象を防ぐ美肌効果が期待できます。
注意点として、イソフラボンは1日摂取量の上限値が30mgと設定されています。
イソフラボンの過剰摂取は乳がん発症や再発のリスクが高くなる可能性があります。
枝豆は100gあたりイソフラボン含有量が約10mgのため、過剰摂取に注意しましょう。
出典:食品安全委員会「大豆イソフラボン」
食物繊維:脂質異常症、糖尿病などの改善
食物繊維は体内で消化することのできない物質の1つです。
食物繊維は整腸作用があり、便に含まれる水分を調整し便通を改善させる働きがあります。
また、脂質や糖質、ナトリウムなどを排出する作用があります。
生活習慣病である脂質異常症や糖尿病、高血圧などの改善に期待ができます。
食物繊維は不足しやすい栄養素の1つです。
枝豆は100gあたり食物繊維含有量が約4.6gと豊富に含まれています。
枝豆など食物繊維を含む食品を積極的に摂取することをおすすめします。
出典:厚生労働省「食物繊維」、文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
鉄:酸素を運搬
鉄はミネラル(無機質)の1つに含まれる栄養素です。
鉄分の内、約65%は赤血球に含まれるヘモグロビンの構成成分になります。
酸素と結びつき、全身の細胞や組織に酸素を運搬する働きがあります。
鉄分が不足すると酸素の運搬が不十分になり、鉄欠乏性貧血になります。
鉄欠乏性貧血を発症すると以下の症状が見られる可能性があります。
- 集中力低下
- 頭痛
- 食欲不振
- 疲労や筋力低下
- 免疫力低下
枝豆は100gあたり食物繊維含有量が約2.7mgと豊富に含まれています。
しかし枝豆に含まれる鉄分は動物性の鉄分より吸収力が少ないという特徴があります。
鉄の吸収を助ける動物性タンパク質やビタミンCを一緒に摂取することをおすすめします。
出典:厚生労働省「鉄」
メチオニン:二日酔いの予防、記憶力を高める
メチオニンは体内で合成することができない必須アミノ酸の1つに含まれます。
アルコール分解を促す作用があり、肝臓の働きを助ける働きがあります。
アルコールの飲みすぎや二日酔いなどを防ぐことが期待できます。
アレルギー物質であるヒスタミンに作用し、過剰な免疫反応を抑える働きがあります。
またメチオニンはセロトニンやドーパミンなど神経伝達物質を合成する材料の1つです。
抑うつ症状を抑え、記憶力を高めるなど脳を活性化させる働きがあります。
枝豆は野菜の中でメチオニン含有量が高く、100gあたり160mg含まれています。
お酒を飲む方やアレルギーが気になる方は枝豆の摂取をおすすめします。
出典:藤澤総合検診センター「えだまめ」
ビタミンB1:疲労回復
ビタミンB1はビタミンB群の1つで水溶性ビタミンに分類されます。
エネルギー代謝の補酵素として炭水化物からエネルギーを産生する働きがあります。
糖質や乳酸を分解することができ、疲労回復が期待できます。
また、メチオニンと一緒にアルコール分解を促す作用があります。
注意点として、大量のアルコールはビタミンB1を不足させる可能性があります。
ビタミンB1が不足すると足のしびれや心不全など脚気症状が見られる場合があります。
枝豆は100gあたりビタミンB1含有量が0.24mg含まれています。
ビタミンB1の1日推定平均必要量は1.1~1.2mgのため、補助的な摂取が期待できます。
夏バテ予防や疲労回復のため、枝豆を摂取することをおすすめします。
ビタミンB2:疲労回復
ビタミンB2はビタミンB1と同様、ビタミンB群の1つで水溶性ビタミンに分類されます。
糖質やタンパク質、脂質などエネルギー代謝の補酵素として働きます。
ビタミンB1と一緒に働き、疲労回復が期待できます。
ビタミンB2は子供の発育に関与し、発育ビタミンとも呼ばれています。
また肌や粘膜、髪などの細胞を再生させる働きがあります。
ビタミンB2が不足すると細胞の再生が遅延するため肌荒れや口内炎の原因になります。
枝豆は100gあたりビタミンB2含有量が0.13mg含まれています。
肌荒れ予防や疲労回復を期待する方は、枝豆を摂取することをおすすめします。
カリウム:高血圧やむくみの改善
カリウムはミネラルの1つです。
ナトリウムを体外に排出する作用があり、細胞内外の浸透圧を調整する働きがあります。
高血圧やむくみを改善させる効果があります。
カリウムは神経の興奮性や筋肉を適切に収縮させる働きがあります。
カリウムが不足すると筋肉の収縮作用が乱れ、脱力感や不整脈などの原因になります。
枝豆は100gあたりビタミンB2含有量が490mg含まれています。
ナトリウムの含有量は2mgのため、効率よくカリウムを摂取することができます。
しかし、塩ゆでするとナトリウム含有量が増えるため塩の分量に注意しましょう。
出典:厚生労働省「カリウム」
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枝豆で得られる効果・効能
枝豆を摂取すると様々な効果や効能が期待できます。
具体的には以下の通りです。
夏バテ防止
夏バテは室内外の温度差による自律神経の乱れが原因といわれています。
自律神経の乱れにより胃腸や睡眠不足につながり、疲労が蓄積しやすくなります。
また、汗を過剰にかくことでミネラルが過剰に排出されることも原因の1つです。
枝豆に含まれるビタミンB1やビタミンB2は糖質などエネルギー代謝に関与します。
効率よくエネルギーを回復することができ、夏バテ防止が期待できます。
また、枝豆はカリウムを多く含んでいます。
汗で失われたミネラルを補給することができ、夏バテの改善が期待できます。
疲労回復
運動など体にかかる負荷は自律神経によって調節されます。
体の負荷量が増えすぎると体内に活性酸素が多量に発生します。
活性酸素は自律神経や筋肉を攻撃、破壊する作用があり、疲労の原因と考えられています。
枝豆にはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは抗酸化作用があり活性酸素を減らす働きがあります。
また、前述の通り枝豆はエネルギー代謝を活性化させる働きがあります。
特にビタミンB1は脳や神経を健康に保つ働きがあります。
抗酸化作用とエネルギー代謝の活性化により疲労回復が期待できます。
美肌
枝豆は美容に欠かせない成分を豊富に含んでいます。
ビタミンCは抗酸化作用が高く肌の老化予防やターンオーバーを促進する働きがあります。
また、メラニンなど色素沈着を抑え、肌のハリに必要なコラーゲンを生成します。
食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整える働きがあります。
脂質や糖質などの老廃物を排出し、肌荒れ予防に効果があります。
女性ホルモンと類似した働きのイソフラボンはホルモンバランスを整える効果があります。
シミやたるみなどの老化減少を予防することができます。
その他、枝豆は美肌に効果が期待される葉酸やカリウムを含んでいます。
葉酸はタンパク質を合成し、ターンオーバーを促進する働きがあります。
カリウムは体内の水分を排出し、余分なむくみを改善することができます。
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美味しい枝豆の選び方
美味しい枝豆のポイントとして、若く新鮮な枝豆を見つけることが重要です。
枝豆は収穫後より鮮度が落ちやすい特徴があります。
常温で24時間経過すると、アミノ酸が半分に減少するといわれています。
美味しい枝豆は外観に以下のような特徴があります。
- さやが艶やかな緑色(古くなると黄色・褐色化する)
- さやがくびれがはっきりしている(中の豆が大きい)
- さや表面の産毛が多く触るとチクチクする
また枝付きの枝豆は鮮度が保たれやすい特徴があります。
しかし葉が茶色く変色している場合は鮮度が落ちている可能性があるので注意しましょう。
枝豆を使ったレシピ
枝豆の栄養を逃がさず摂取する場合、鮮度が落ちる前に調理することが重要です。
また、調理法を工夫することでビタミンなど溶けだしやすい栄養が効果的に摂取できます。
枝豆を使用したおすすめのレシピは以下の通りです。
焼き枝豆
水分を一切使わないため茹でる工程よりも栄養が流れ出る可能性が低いです。
枝豆の水分が蒸発することで風味や甘みが増します。
焼き枝豆のレシピは以下の表の通りです。
材料
枝豆 1袋(約200g)
塩(下処理用) 小さじ1杯
水(下処理用) 小さじ1杯
塩(味付け用) 小さじ2/3杯
オリーブオイル(調理用) 小さじ1杯
オリーブオイル(味付け用) 大さじ1/2杯
調理手順
- 枝豆をボールに入れ下処理用の塩と水を加える
- 枝豆をしっかり揉み洗い産毛を取り除く
- 流水で枝豆を洗い流し、ザルに上げて水気を切る
- 味付け用の塩を加えて手で混ぜる
- フライパンに調理用のオリーブオイルを入れて薄く全体に伸ばす
- 枝豆をフライパンに重ならないように入れて蓋をする
- 強火にかけ、音がしたら弱火に変更し7分ほど蒸し焼きにする
- 蓋を取って全体を軽く混ぜる
- 焦げ目に注意しながら弱火で5分焼く
- 皿に取り出して味付け用のオリーブオイルをかけて完成
枝豆の豆乳ポタージュスープ
枝豆と豆乳を合わせることで大豆成分を多く摂取することができます。
また、スープにすることで飲みやすくなり、夏バテなど食欲低下したときにおすすめです。
枝豆の投入ポタージュスープのレシピは以下の表の通りです。
材料
枝豆 1袋(約200g)
玉ねぎ 1/4玉
だし汁 200ml
豆乳 200ml
塩 小さじ1/2杯
オリーブオイル 小さじ1杯
調理手順
- 1 枝豆を沸騰した鍋に入れて5分程度茹でる
- 2 茹でた枝豆を冷ましてさやから豆を取り出す
- 3 玉ねぎは薄切りにカットする
- 4 だし汁の中に玉ねぎと茹でた枝豆を入れて5分程度煮込む
- 5 4をミキサーに入れる、豆乳を加えて滑らかになるまで撹拌する
- 6 5を鍋にうつし、塩とオリーブオイルで味を調えて完成
旬の枝豆は栄養価が高い
枝豆をはじめ、野菜には1年を通じて美味しく食べられる旬の時期があります。
ここでは、旬の枝豆の栄養効果とダイエット効果について解説します。
枝豆の旬の時期と栄養効果
枝豆は夏野菜に含まれ、5月から7月が旬の時期になります。
旬の野菜は、値段が安価になるだけでなく栄養価が高くなる特徴があります。
特にビタミン群の内、カロテンとビタミンCは季節による変動が大きい特徴があります。
ほうれん草のビタミンCは旬の時期の約4倍の差が生じるとの報告があります。
現在は栽培や保存方法の改良により、1年中様々な野菜を摂取することができます。
しかし、旬の時期に栄養価が高くなる自然の摂理は変わりません。
旬の時期に枝豆を積極的に摂取し、豊富な栄養を取り入れましょう。
枝豆にダイエット効果はある?
枝豆は、食物繊維やカリウム、良質なたんぱく質など、健康維持や体重管理に役立つ成分が豊富に含まれているため、ダイエットをサポートする食材として注目されています。
便秘改善への期待
枝豆には豊富な食物繊維が含まれており、腸内の老廃物を排出しやすくする働きがあります。
ダイエット中は食事制限から便秘になりがちですが、食物繊維をしっかり摂ることで腸内環境を整え、便通を促す効果が期待できます。
筋肉の維持をサポート
枝豆には良質なたんぱく質が含まれており、ダイエット中でも筋肉量の減少を防ぐのに役立ちます。
たんぱく質は筋肉の維持に欠かせない成分で、枝豆を取り入れることで筋力の低下を防ぐ効果が期待できます。
むくみ解消に役立つ
枝豆に含まれるカリウムは、体内の余分な水分やナトリウムを排出する働きがあり、むくみを防ぐ効果が期待できます。
アルコールの摂取や塩分の多い食事をした時でも、枝豆を摂ることで体内の水分バランスを整えるサポートになります。
脂肪の代謝を促進
枝豆に含まれるコリンは、脂質代謝を促す働きがあり、脂肪が蓄積されるのを抑える効果があるとされます。
これにより、ダイエット中の脂肪燃焼を助け、体脂肪の減少や脂肪肝の予防にも役立ちます。
このように枝豆は、栄養バランスに優れたダイエットサポート食材です。
調理法に工夫しながら日常的に取り入れてみてください。
枝豆の栄養まとめ
ここまで枝豆の栄養についてお伝えしてきました。
枝豆の栄養の要点をまとめると以下の通りです。
- 枝豆の栄養成分はタンパク質以外にビタミン群やミネラルなどが含まれている
- 枝豆を摂取すると得られる効能は夏バテ防止、疲労回復、美肌などがある
- 枝豆の栄養価が高くなる旬の時期は5月から7月である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。