プルーンは、栄養満点の果物としてメディアなどでもよく紹介されています。
ところでプルーンに含まれる栄養素とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
また、プルーンにはどのような効果効能が期待できるのでしょうか。
本記事では、プルーンの栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- プルーンの主な栄養素
- プルーンの主な効果効能
- プルーンのおすすめの食べ方
プルーンの栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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プルーンに含まれる栄養
栄養満点の果物という呼び名もあるプルーンに多く含まれる栄養素は、鉄・カリウム・カルシウムなどです。
風邪や貧血予防の他、動脈硬化・高血圧の予防に効果があります。
プルーンの主な栄養素をご紹介します。
鉄
鉄は、プルーンを代表する栄養素の1つです。
鉄の主な作用は、次の通りです。
- 血液(赤血球)の原料になる
- 貧血の予防・改善
- 運動能力・学習能力の向上
プルーンに含まれる鉄の量は、次の通りです。
食品 | 含有量mg(/100gあたり) |
---|---|
プルーン/生 | 0.2 |
プルーン乾 | 1.1 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
出典:厚生労働省【鉄 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
カリウム
プルーンには、カリウムも豊富です。
カリウムはミネラルの1種で、次のような作用があります。
- 体内の余分な塩分を排出する
- 血圧を下げる
カリウムによって体内の塩分が排出されると、血圧が下がりやすくなります。
つまりカリウムは、高血圧予防が期待できる栄養素といえます。
プルーンに含まれるカリウムの量は、次の通りです。
食品 | 含有量mg(/100gあたり) |
---|---|
プルーン/生 | 220 |
プルーン乾 | 730 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
出典:厚生労働省【カリウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
カルシウム
プルーンには、カルシウムも豊富です。
カルシウムの主な作用は、次の通りです。
- 骨・歯を作る
- 脳のイライラを鎮める
- 筋肉・心筋の収縮を調整する
- 血液を凝固させて出血を防ぐ
代表的なのは、骨・歯を作る作用です。
カルシウムが不足すると、骨の中身がスカスカになる「骨粗鬆症」のリスクが高まります。
プルーンに含まれるカルシウムの量は、次の通りです。
食品 | 含有量mg(/100gあたり) |
---|---|
プルーン/生 | 6 |
プルーン乾 | 57 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
出典:厚生労働省【カルシウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
β-カロテン
βーカロテンは、緑黄色野菜に豊富な栄養素として有名です。
実は、プルーンにもβーカロテンが含まれます。
βーカロテンは、身体の中でビタミンAに変換される点が特徴的です。
ただし、摂取したβーカロテンすべてがビタミンAになるわけではありません。
βーカロテン(ビタミンA)の主な作用は、次の通りです。
- 老化防止
- 免役力アップ
- 目や粘膜の健康を維持する
βーカロテンは、抗酸化作用が強い栄養素です。
抗酸化作用とは、活性酸素を取り除く作用のことです。
活性酸素は、身体をサビさせる物質で、
- 皮膚
- 細胞
- 血液
などの老化に関わります。
活性酸素の増加は、免疫力の低下を引き起こすこともあります。
食品 | 含有量μg(/100gあたり) |
---|---|
プルーン/生 | 450 |
プルーン乾 | 1100 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
ビタミンB群
プルーンには、ビタミンB群も豊富です。
ビタミンB群の主な作用は、次の通りです。
- 疲労回復
- 肌荒れの防止
- 血液を作る
- 脳・神経の働きをサポートする
ビタミンB群の各栄養素は、単体で摂取するより、まとめて摂取したほうが体内での働きが効率的になります。
プルーンに含まれるビタミンB群の量は、次の通りです。
含有量(100gあたり) | プルーン/生 | プルーン乾 |
---|---|---|
ビタミンB1(mg) | 0.03 | 0.07 |
ビタミンB2(mg) | 0.03 | 0.07 |
ナイアシン(mg) | 0.5 | 2.1 |
ビタミンB6(mg) | 0.06 | 0.34 |
ビタミンB12(μg) | 0 | (0) |
葉酸(μg) | 35 | 3 |
パントテン酸(mg) | 0.22 | 0.32 |
ビオチン(μg) | ー | 0 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
ビタミンC
プルーンには、ビタミンCも含まれます。
ビタミンCの主な作用は、次の通りです。
- コラーゲンの合成
- 抗酸化作用
- 免役力アップ
- 鉄の吸収を助ける
プルーンのビタミンCの含有量は、次の通りです。
食品 | 含有量mg(/100gあたり) |
---|---|
プルーン/生 | 4 |
プルーン乾 | 0 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
ペクチン
ペクチンは、食物繊維の1種です。
主に果物・野菜の細胞壁に含まれています。
ペクチンの主な作用は、次の通りです。
- 便通の改善
- コレステロール値の改善
- 血糖値の上昇を抑える
- 疲労回復
プルーンのペクチン含有量に関して、公的機関のデータは見つけられませんでした。
なお、ペクチンを含む食物繊維の含有量は、次の通りです。
食品 | 含有量mg(/100gあたり) | |
---|---|---|
不溶性食物繊維 | 水溶性食物繊維 | |
プルーン/生 | 1.0 | 0.9 |
プルーン乾 | 3.8 | 3.4 |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
ポリフェノール
プルーンには、ポリフェノールも含まれます。
代表的なのは、「クロロゲン酸」というポリフェノールです。
クロロゲン酸の主な作用は、次の通りです。
- 抗酸化作用
- 免役力アップ
プルーンに含まれるポリフェノールの含有量について、公的機関のデータは見つけられませんでした。
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プルーンで得られる効果・効能
栄養豊富なプルーンには、さまざまな健康効果を期待できます。
プルーンの主な効果・効能をご紹介します。
貧血の予防
プルーンには、貧血の予防・改善を期待できます。
貧血予防に効果が期待される栄養素は、次の通りです。
- 鉄分
- ビタミンB群
鉄分は血液成分である赤血球の原料です。
赤血球の主な働きは、血流に乗って全身に酸素を運ぶことです。
赤血球が不足すると酸素の運搬が滞るため、全身にはさまざまな不調があらわれやすくなります。
赤血球不足によって症状があらわれた状態が、「貧血」と呼ばれます。
貧血の代表的な症状は、次のようなものがあります。
- めまい
- 息切れ
- 動悸
鉄分を適切に摂取することで、赤血球の数を正常に維持しやすくなります。
プルーンに含まれるビタミンB群も造血に欠かせない栄養素です。
貧血予防に特に大切とされているのが、次の栄養素です。
- 葉酸
- ビタミンB6
便秘の解消
プルーンは、便秘の解消に役立ちます。
便秘解消に役立つ栄養素は、ペクチン(食物繊維)です。
ペクチンを含む食物繊維には、次の2種類があります。
- 不溶性食物繊維:便のカサを増やす・腸を刺激する
- 水溶性食物繊維:便に水分を与えて柔らかくする
食物繊維は、善玉菌を増やす作用もあります。
善玉菌が増えると腸内環境が整うため、便秘が解消されやすくなります。
ちなみに、プルーンには不溶性食物繊維・水溶性食物繊維の両方が含まれます。
動脈硬化の予防
プルーンには動脈硬化の予防・改善効果も期待できます。
動脈硬化予防に役立つ栄養素としては、次が代表的です。
- ポリフェノール
- βーカロテン
ポリフェノールやβーカロテンには抗酸化作用があります。
抗酸化作用とは、「活性酸素」を除去する力のことです。
活性酸素は、血管を傷つけて動脈硬化を引き起こす物質とされています。
ポリフェノールやβーカロテンには、血中の悪玉コレステロール値を下げる作用もあります。
悪玉コレステロールは、動脈硬化の代表的な原因の1つです。
高血圧の予防
プルーンには、血圧を下げる作用も期待できます。
高血圧予防に役立つ栄養素はカリウムです。
カリウムは、体内の余分な塩分を排出する作用があります。
塩分は、血管に水分を集めて血圧を上昇させる働きをします。
骨の健康を保つ
プルーンには、骨を健康に保つ作用もあります。
骨の健康に関わる主な栄養素は、カルシウムです。
カルシウムは、骨・歯の原料となる栄養素です。
カルシウムが不足すると、骨の中身がスカスカになる「骨粗鬆症」のリスクが高まります。
感染症の予防
プルーンには、感染症の予防効果が期待できます。
感染症とは、風邪やインフルエンザなどが代表的です。
感染症予防に役立つ栄養素としては、次が挙げられます。
- βーカロテン
- ポリフェノール
- ビタミンC
βーカロテンなどには、免疫力をアップさせる作用があります。
免疫力とは、ウイルスや細菌などが体内に侵入するのをブロックする仕組みのことです。
免役力が高まると、万が一感染症に感染した場合でも、早い回復が見込めます。
むくみの予防・改善
プルーンにはむくみを予防したり改善したりする効果が見込めます。
むくみの改善に役立つ主な栄養素はカリウムです。
カリウムは体内の塩分・水分などの老廃物を排出する作用があります。
むくみとは細胞間に余分な水分が溜まった状態であるため、予防・改善にカリウムが役立つというわけです。
疲労回復
プルーンには疲労回復効果も期待できます。
疲労回復に効くプルーンの主な栄養素は、次の通りです。
- ブドウ糖
- 果糖
ブドウ糖・果糖は、糖分の中でも素早く体内に吸収される成分です。
簡単にいえばエネルギーに素早く変換されるため、疲れたときに摂取すると効率的な回復が見込めます。
ちなみにブドウ糖は、脳の栄養源でもあります。
勉強・仕事の合間の休憩には、脳を回復させる効果のあるプルーンを食べるのもおすすめです。
タンパク質について筋肉づくりや維持の為に、タンパク質を凝縮したプロテインを摂取する方も多いでしょう。しかし、タンパク質の特徴や過不足などを知らないと、健康のためのタンパク質摂取が逆効果になってしまうことがあることをご存じでしょうか。[…]
美味しいプルーンの選び方
生プルーンを食べるときは、ぜひ完熟したものを選びましょう。
完熟プルーンを選ぶときのポイントは、次の通りです。
- 濃い黒紫色
- すこし弾力がある
- 表面に白い粉(ブルーム)が付着
- 軸が新鮮な緑色
品種にもよりますが、完熟プルーンは黒っぽく、やや弾力があります。
赤っぽい・固いものは、未熟な可能性があるため、風通しのよい冷暗所で追熟させるのがおすすめです。
プルーンを使ったアレンジレシピ
プルーンを使ったレシピをご紹介します。
ぜひ日々の健康維持にお役立てください。
プルーンジャム
生プルーンの旬は10日ほどと、他の果物よりも短めです。
ジャムにすると日持ちがよくなるため、生プルーンの風味を長く楽しめます。
【材料】
プルーン | 500g |
砂糖 | 150g |
レモン汁 | 大さじ1 |
【作り方】
1 プルーンは皮付きのまま半分に切り、種を取り除いて6等分に切る |
2 ボウルに1と砂糖を入れて、水気が出るまで30分ほど置く |
3 鍋に2を入れて中火にかけ、砂糖が溶けて煮立ってきたらアクを取り除く |
4 ヘラでつぶしながら15分ほど弱火で煮る |
5 とろみがついたらレモン汁を加えて全体をかき混ぜ火から下ろし、粗熱を取る |
プルーン入りヨーグルト
プルーンとヨーグルトを合わせたレシピです。
プルーンに含まれる食物繊維は、ヨーグルトに豊富な善玉菌を増やす作用があります。
腸内環境を整えたい方や、便秘を解消したい方は、ぜひ次のレシピをお試しください。
【材料】
プルーン | 4~5個 |
バナナ | 1/2本 |
ブルーベリー | 適量 |
プレーンヨーグルト | 150ml |
ミントの葉 | 適量 |
【作り方】
プルーンは半分に切る |
バナナは皮をむき、4~6つに切る |
器にプルーン、バナナ、ブルーベリーを盛って、プレーンヨーグルトをかける |
ミントの葉を添える |
プルーンを食べすぎるとどうなる?
栄養も豊富で美味しく、様々な形で摂取が出来るプルーンですが、食べ過ぎてしまうと体に悪影響を及ぼす可能性があります。
摂取量に気をつければ栄養満点なフルーツなので、下記に上げていく悪影響を頭に入れつつプルーンを食べるようにしましょう。
お腹が緩くなる
プルーンを食べ過ぎてしまうとお腹が緩くなることがあります。
原因は、プルーンに含まれているソルビトールという成分の影響です。
形のある便をつくるために、大腸では腸内の水分を吸収していますが、ソルビトールはその吸収を阻害する作用があります。
そのため適量ならば、食物繊維とソルビトールの効果で便秘解消などが期待できますが、摂取のし過ぎは下痢などの体調不良に繋がる可能性が出てくるということです。
カロリー過多になってしまう
果物は太りにくくカロリーが低いという印象もあると思いますが、ドライフルーツの場合は栄養が凝縮されているため、カロリーも間食としては高くなる傾向があります。
ドライプルーンも例外ではなく、間食としてのカロリーは約10個(100g程度)で210kcalと白米換算だとお茶約碗1杯分と同程度になりやや高カロリーです。
4~5粒ほどなら間食としても気にならない量ですので、一度に食べる量には気を付けましょう。
プルーンとタンニンの食べ合わせに注意
プルーンの栄養を活かすために気をつけていただきたいのは、「タンニン」との食べ合わせです。
タンニンとはポリフェノールの一種で、コーヒーや紅茶、赤ワインなどに含まれており、鉄の吸収を妨げる効果があります。
プルーンを食べるときは上記の飲み物や、タンニンを含む食べ物を一緒に摂取しないよう気を付けましょう。
旬のプルーンは栄養価が高い
プルーンに限らず果物・野菜類は、旬を迎えると味だけでなく栄養価もよくなります。
たとえばトマトの場合、旬時期は旬以外より栄養価が最大で2.5倍ほど高くなることが分かっています。
おいしくて栄養満点なプルーンを食べたいなら、ぜひ旬に収穫されたものを手に取ってみてください。
生プルーンの旬は、7〜10月です。
最も出荷数が増えるのは、9月頃です。
プルーンにはさまざまな品種があり、それぞれの旬の時期があります。
品種によっては、旬が10日程度のものもあります。
出典:厚生労働省【旬を取り入れた食生活(春・夏) | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
プルーンを皮ごと食べると糖尿病のリスクが下がる?
プルーンなどの果物は甘く、糖質も多く含まれます。
しかし、プルーンなどの果物を食べると糖尿病のリスクが下がることが研究結果として分かりました。
カリフォルニアプルーンを毎日100g食べると消化器系が健康になることはすでに分かっていました。
しかし、ドライフルーツを含んだ皮付きの果実を食べると、フルーツジュースを飲んでいる人に比べて糖尿病のリスクが大幅に下がったことが分かりました。
フルーツジュースは果実のみで作られているように見えますが、繊維などが失われています。
一方、プルーンなどは皮ごと食べられるため、繊維を含めて栄養は失われずに摂取することができます。
出典:【欧州食品安全機関(EFSA)】
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プルーンの栄養まとめ
ここまでプルーンの栄養についてお伝えしてきました。
プルーンの栄養の要点を以下にまとめます。
- プルーンの主な栄養素は鉄・カリウム・食物繊維など
- プルーンの主な効果効能は貧血予防・便秘解消・動脈硬化の予防など
- プルーンのおすすめの食べ方は、ジャムやヨーグルトなど
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。