独特の強い香りに食欲がそそられるニラは、スタミナ料理の定番です。
実際、ニラには疲労回復に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
その他にも健康効果が期待できるニラについて、もっと知りたいと思いませんか?
本記事ではニラの栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- ニラにはどんな栄養が含まれるの
- ニラの効果や効能とは
- ニラの旬とは
ニラの栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ニラに含まれる栄養
「レバニラ炒め」などに代表されるスタミナ料理に欠かせないのがニラです。
ニラには、疲労回復や免疫向上に役立つさまざまな栄養素が豊富に含まれています。
β-カロテン | 350μg |
ビタミンC | 19mg |
ビタミンE | 3mg |
カリウム | 510mg |
カルシウム | 48mg |
マグネシウム | 18mg |
セレン | 1μg |
食物繊維 | 2.7g |
(ニラ 100g あたり)
β-カロテン
ニラ100gに含まれるβ-カロテンは350μgです。
この量は、緑黄色野菜の中でもトップクラスの含有量といっていいでしょう。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、目や皮膚、粘膜の健康に欠かせない栄養素です。
一日に必要なビタミンAの摂取量は、男性550-650μg / 女性450-500μgです。
またビタミンAには、活性酸素を取り除く働きもあります。
ビタミンC
ニラ100gに含まれるビタミンCは19mgです。
ビタミンCといえば、美肌への効果が期待できます。
一日に必要なビタミンCの摂取量は、男性70-85μg / 女性70-85μgです。
肌の土台となるコラーゲンを作る働きがあり、抗酸化作用でシミも防ぎます。
さらに、ストレスや病気に対する抵抗力も高めてくれる栄養素です。
ビタミンE
ニラ100gに含まれるビタミンEは3mgです。
ニラには脂溶性ビタミンであるビタミンEが豊富に含まれているといえます。
一日に必要なビタミンEの摂取量は、男性6.5-7.0mg / 女性5.0-6.0mgです。
ビタミンEは、体内で発生した活性酸素を抑える効果が期待できます。
つまりビタミンEには、抗酸化作用があるといえます。
カリウム
ニラ100gに含まれるカリウムは510mgです。
カリウムはミネラルの一種で、体内の水分コントロールをする働きがあります。
体内で過剰になったナトリウムを排出する効果があります。
一日に必要なカリウムの摂取量は、男性2300-2700mg / 女性1900-2000mgです。
体内のナトリウムが過剰になると水分を抱え込み、むくみの原因になります。
また、高血圧の原因にもなります。
カルシウム
ニラ100gに含まれるカルシウムは48mgです。
カルシウムは骨や歯の材料となる栄養素です。
この他にも、血を凝固させる働きや神経を安定させる効果が期待できます。
一日に必要なカルシウムの摂取量は、男性600-650mg / 女性500-550mgです。
日本人は、どの世代においてもカルシウムが足りていません。
将来的に骨粗しょう症にならないためにも、意識的にカルシウムを摂りましょう。
マグネシウム
ニラ100gに含まれるマグネシウムは18mgです。
マグネシウムは、酵素の働きをサポートするミネラル成分です。
酵素は、体内で行われるすべての代謝や合成に関わっています。
一日に必要なマグネシウムの摂取量は、男性340-350mg / 女性270-290mgです。
また、カルシウムとともに骨や歯の形成に必要な栄養素となっています。
セレン
ニラ100gに含まれるセレンは1μgです。
セレンは、身体では作れない必須微量ミネラルです。
肝臓や腎臓に多く含まれ、甲状腺ホルモンの活性化には必要不可欠な栄養素です。
一日に必要なセレンの摂取量は、男性30μg / 女性25μgです。
抗酸化作用によって、細胞の酸化を抑え、有害物質の無毒化などの働きがあります。
血栓の予防にも効果が期待できるため、最近注目されている栄養素です。
食物繊維
ニラ100gに含まれる食物繊維は2.7gです。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
ニラには水溶性食物繊維が0.5g、不溶性食物繊維が2.2g含まれています。
一日に必要な食物繊維の摂取量は、男性21mg / 女性18mgです。
不溶性食物繊維は水に溶けにくく、水分を吸収して便のかさましをします。
そのため、便通を整えてくれる働きがあります。
さらに、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きもあります。
クロロフィル
クロロフィルとは「葉緑素」のことです。
クロロフィルには、強力な抗酸化作用の他にも、浄化作用があります。
具体的には、血中コレステロール値を下げて、血栓の予防や血圧を下げる働きがあります。
また、体内の有害物質を排除するデトックス効果も期待できます。
栄養素について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読みください。
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ニラで得られる効果・効能
ニラには、さまざまな栄養素が含まれています。
これらの栄養素には、どのような健康効果・効能が期待できるのでしょうか。
具体的にみていきましょう。
疲労回復
ニラには、辛み成分の「アリシン」が多く含まれています。
アリシンは、ビタミンB1と結びつくことで糖質をエネルギーに変換する働きがあります。
豚肉やレバーなどのビタミンB群が豊富に含まれた食材との組み合わせによって、疲労回復につながります。
また、消化液の分泌を促す働きもあるので、食欲増進効果も期待できます。
血流の改善
ニラに含まれるアリシンは、血液をサラサラにして血栓を防ぐ働きがあります。
また、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果もあります。
血流がよくなることで、慢性の冷え性や肩こりなどの改善にも期待できます。
免疫力の向上
ニラに含まれるアリシンには、強い殺菌作用があります。
胃潰瘍や胃がんの原因となるピロリ菌をはじめ、ウイルス・細菌から体を守ります。
また、ニラに多く含まれるβ-カロテンは、体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは粘膜や皮膚を強化して、病原菌を寄せ付けないバリア機能の働きをします。
ガンの予防・抑制
ガンの原因のひとつに活性酸素があります。
ニラにはβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンEが含まれており、強い抗酸化作用があります。
さらに、ミネラル成分であるセレンは過酸化脂質を排除して、活性酸素を抑制します。
このような栄養素によって、ガン予防の効果が期待できます。
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美味しいニラの選び方
スーパーの店頭に並んだニラの中でも、美味しいニラの選び方があります。
美味しいニラのポイントは以下の3つです。
- 緑が濃く、鮮やかなもの
- 葉にピンとしたハリがあり、肉厚なもの
- 折れた葉が入っていないもの
黄色くなっているニラは、鮮度が悪いため食感や風味が損なわれているかもしれません。
また、ニラは非常に乾燥に弱い野菜です。
折れた葉やしなっとしているニラは、鮮度が落ちている証拠です。
ニラを使ったレシピ
ニラは、さまざまな食材と合わせやすいため、レシピもたくさんあります。
そのなかでも、とくに栄養価の高いレシピをご紹介します。
ニラと豚肉の炒め物
ニラに多く含まれるアリシンは、豚肉に含まれるビタミンB1の吸収を高めてくれます。
ビタミンB1は疲労回復によいとされているので、スタミナ料理としてピッタリです。
<材料(2人分)>
- ニラ100g(1束)
- 豚もも肉100g
- 卵2個
- ごま油大さじ1杯
合わせ調味料
- 中華だし小さじ1杯
- 塩少々
- こしょう少々
- しょうゆ小さじ½杯
<作り方>
- ①よく洗ったニラを3㎝くらいに切ります。豚もも肉はひと口大に切ります。
- ②ボウルに卵を割りほぐしておきます。
- ③合わせ調味料を作ります。
- ④フライパンにごま油を引き、炒り卵を作って皿に取ります。
- ⑤フライパンで豚もも肉を炒めます。
- ⑥豚もも肉の色が変わったところで、ニラを加えて炒めます。
- ⑦合わせ調味料を入れて味を調え、炒り卵を戻して軽く混ぜたら完成です。
えのきチヂミ
外はカリっと、中はモチモチの食感を楽しめるチヂミです。
えのきもたっぷりと入って、ボリューム満点ですが低カロリーです。
<材料(2〜3人分)>
- えのき 200g
- ニラ1/2束
生地
- 小麦粉大さじ3杯
- 片栗粉大さじ3杯
- 鶏ガラスープの素小さじ2杯
- 卵1個
- 水大さじ3杯
- ごま油大さじ2杯
たれ
- しょうゆ大さじ1杯
- 砂糖小さじ1杯
- ごま油小さじ1/2杯
- 白いりごま小さじ1杯
トッピング
- 糸唐辛子適量
<作り方>
- ①えのきは石づきを取り、3等分に切って根元をほぐしておきます。
- ②ニラは4㎝くらいに切りそろえておきます。
- ③ボウルに生地の材料を入れよくかき混ぜます。
- ④生地にえのき、ニラを加えザックリと混ぜ合わせます。
- ⑤フライパンにごま油を引き、生地を流し入れます。
- ⑥両面に焼き色が付いたら、たれをかけて完成です。
旬のニラは栄養価が高い
ニラは、非常に繁殖力が旺盛ですからスーパーでは1年中店頭に並んでいます。
また、ニラはスタミナ料理に使われているイメージが強いため、夏が旬だと思っている方も多いでしょう。
しかし、ニラの旬は春です。
春のニラは柔らかく、ニラ独特の香りも強く、味もほかの季節よりも格段によくなります。
ぜひ、旬である春にニラを食べてみてください。
香りや柔らかさが実感できる「お浸し」「和え物」がおすすめです。
ニラの調理のポイント
特有のにおいや辛みが特徴のニラの調理方法を説明します。
栄養を逃さないためにもポイントを意識する必要があります。
ニラは直前で切る
ニラは、切ってから時間が経つと、酵素の働きで匂いが出てくるので、調理の直前に切るようにしましょう。
特有の辛みを和らげるには、ニラを細く刻み調味料で和えると食べやすくなります。
火を通しすぎない
疲労回復・血流の改善・免疫力の向上に効果があるアリシンは、火に弱いです。
加熱する際は、最後の仕上げに加えて、火の通しすぎに注意しましょう。
ニラの生食は、栄養をより多く取り入れることができますが、生の方が臭いが強くなります。
匂いが苦手な方は、火を通すことで、アリシンを新陳代謝を促すスコルジニンに変化させましょう。
ビタミンB1と一緒に食べる
アリシンは、ビタミンB1を含む食材と一緒に食べることで、ビタミンB1の吸収率をアップさせます。
豚肉や豚や鶏のレバーといったビタミンB1と組み合わせましょう。
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栄養を逃さないニラの保存方法
ニラは、日常の料理に欠かせない食材の一つです。
正しいニラの保存方法を知らないと、すぐに傷んでしまうことがあります。
保存の前に行うニラの下処理
ニラを保存する前には、適切な下処理が必要です。
まず、ニラの根元の部分をよく洗い、泥を落とします。
葉の部分は流水でさっと洗い、水気をしっかりと取り除きます。
根元から1cm程度を切り落とし、保存に適した長さに切ります。
冷蔵庫での保存方法
冷蔵庫でのニラの保存には、湿度を保ちつつ、適切な位置に保存することがポイントです。
ニラは、水気を拭いた後、ペーパータオルで包み、冷蔵用保存袋に入れます。
空気を抜くように袋の口を閉じ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。
この方法であれば、4~5日間の保存が可能です。
冷凍保存の方法
冷凍保存は、ニラを長期間保存する際のおすすめの方法です。
ニラを大きめにカットし、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
この方法で約1ヵ月の保存が可能です。
粗みじん切りにして冷凍する方法もあり、これは餃子のタネや味噌汁の具として使用する際に便利です。
保存時の注意点
ニラを保存する際の注意点として、葉が黄色く変色しているものや、しなびているものは避けることが重要です。
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ニラの栄養に関するよくある質問
ニラにはどのような栄養成分が含まれていますか?
ニラにはビタミンA、ビタミンC、カルシウム、鉄、食物繊維などの栄養成分が豊富に含まれています。
また、アリシンという成分も含まれており、これは抗酸化作用や抗菌作用があるとされています。
ニラのビタミンCは、他の野菜と比べてどれくらいの量が含まれていますか?
ニラはビタミンCが豊富に含まれている野菜の一つです。
100gあたりのビタミンCの含有量は、他の多くの野菜よりも高い場合があります。
ニラを食べることで得られる健康効果はありますか?
はい、ニラには抗酸化作用や抗菌作用があるアリシンが含まれているため、免疫力の向上や風邪の予防に役立つと言われています。
ビタミンAやカルシウムなどの栄養成分も豊富に含まれているため、健康維持に役立ちます。
ニラの栄養を最大限に取り入れるための調理方法は?
ニラの栄養成分は熱に弱いものもあるため、生のままサラダや和え物などで食べるのが最も栄養を取り入れる方法として良いでしょう。
また、炒めやスープなどで調理する際は、過度な加熱を避けることで栄養を保持することができます。
ニラの摂取による副作用や注意点はありますか?
ニラには特定の副作用は報告されていませんが、過度に摂取すると胃腸の不調を引き起こすことがあるため、適量を守って摂取することが推奨されます。
また、アレルギーを持っている人は反応を示すことがあるので、初めて食べる場合は少量から試してみると良いでしょう。
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ニラの栄養まとめ
ここでは、ニラの栄養について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。
- ニラには「β-カロテン」「ビタミンC」「ビタミンE」などの栄養素が含まれる
- ニラは疲労回復、血流改善、免疫力の向上、ガン予防などに効果が期待できる
- ニラの旬は春
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。