更年期うつでくよくよしたり、気力がなくなったりなどの症状で悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
更年期うつには、さまざまな症状、原因があります。
では、更年期うつの症状や原因にはどのようなことがあるのでしょうか。
本記事では、更年期うつについて以下の点を中心にご紹介します。
- 更年期うつの症状とは
- 更年期うつの原因とは
- 更年期うつのセルフケアについて
更年期うつについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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更年期うつとは
更年期うつとは、更年期における抑うつ症状、抑うつ状態、うつ状態を指します。
更年期症状には、身体症状と精神症状があり、中でも抑うつ症状はさまざまな原因が関与しています。
また本人だけでなく、周りの方にも気が付きにくいとされています。
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更年期うつの症状
更年期うつの症状には、以下のようなことがあります。
- 物事に対してほとんど興味がない、または楽しめない
- 気分が落ち込む、憂鬱になる、または絶望的な気持ちになる
- 疲れた感じがする、または気力がない
- 自分自身あるいは家族に申し訳ないと感じる
- 寝つきが悪く途中で目が覚める、または逆に眠りすぎる
- あまり食欲がない、または食べ過ぎる
- 動きや話し方が遅くなる、または逆にそわそわしたり落ち着かず、ふだんよりも動き回る
- きれい好きだったはずなのに今では洗濯物や洗い物が山積み
また、これらの症状が原因で、集中力の低下、思考力の低下、仕事での失敗が増えるなどの症状が多くなる傾向にあります。
また、自信喪失や自己否定などにつながることもあります。
更年期症状に伴う抑うつ症状があらわれる時期は個人差が大きいですが、家族や生活変化のタイミングが影響していると考えられています。
更年期うつの原因
更年期うつの原因には、
- 女性ホルモンの減少
- 心理的・社会的ストレス
などがあります。
以下でそれぞれ具体的にご紹介いたします。
女性ホルモンの減少
エストロゲンなどの女性ホルモンは、脳の視床下部から卵巣に伝わり分泌されます。
しかし更年期は卵巣機能が低下するため、視床下部の命令が適切に伝達されず、うつ病などの神経精神症状が生じるとされています。
心理的・社会的ストレス
更年期は、女性にとって人生の中で生活の変化が重なることが多い時期です。
たとえば、子育てが一段落したり、社会人として重要なポストについたりする時期でもあります。
また、エストロゲン分泌量の減少は、肌質、体型など、外見にも影響を及ぼします。
このような体の変化以外にも、心理的・社会的ストレスにより更年期にうつになりやすい原因とされています。
更年期うつになる年齢は?
更年期うつになる年齢は、閉経前後の45~55歳くらいの方が多いとされています。
この時期は、卵巣の機能や女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下していきます。
また、40歳で更年期うつになる方や、55歳を過ぎてからなる方もいるため、個人差があります。
更年期うつで寝たきりになることもある?
更年期うつとは、一日中気分が落ち込んでいて、自分がしていることを楽しむのが難しくなる精神症状のことをいいます。
重症化すると、やる気がなくなり、寝たきり状態になる場合もあります。
更年期うつチェック
更年期うつのチェック項目について、以下の表にあらわしています。
体がだるく疲れやすい | 最近気が沈んだり気が重くなることがある |
朝のうち特に無気力になる | くびすじや肩がこって仕方がない |
頭痛持ち | 眠れず、朝早く目覚めることがある |
食事がすすまず味がない | 息がつまって胸苦しくなることがある |
自分の人生がつまらなく感じる | 仕事の能率があがらず何をするのも億劫になる |
上記の症状にいくつか当てはまる方は、更年期うつの可能性があります。
気になる症状がある方は、医療機関を受診しましょう。
更年期うつとうつ病の違い
うつ病とは、環境の変化や自律神経のバランスの乱れ、身体的ストレスなどにより、精神的なエネルギーが不足している状態です。
うつ病の改善として、「常にきちんとしなければならない」という完璧主義をやめ、休息や適度な運動をすることで緩和できることがあります。
しかし、
- 一日中何をするにもやる気がない
- 気持ちがわからず心も動かない
- 食欲不振と持続的な不眠症
- 自分を責め続けている
- 集中するのが苦手
- 生きる希望を失った
などの状態がある場合は、うつ病よりも更年期うつである可能性が高くなります。
上記のような不調がある方は、医療機関を受診し、必要な治療を開始しましょう。
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更年期うつはいつまで続くの?
更年期うつの症状には個人差がありますが、ほとんどの方は50代後半頃まで続くとされています。
女性ホルモンの急激な減少に体が慣れるまでの期間は個人差があり、50代後半から60代前半になると症状が落ち着く方が多いです。
また、親の介護をしているときは無症状だった方が、介護終了後に、突然めまいや動悸を感じることもあります。
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更年期うつって治るの?
更年期うつは、50代後半になると落ち着く方が多いとされています。
更年期の不快な症状やストレスがうつ病の引き金になることもありますが、頭痛、いらだちなどが治ると、うつ病が改善する場合もあります。
ですが、もし更年期が過ぎたあとにうつ状態の症状がみられる場合は、うつ病の可能性があります。
その場合は、うつ病の治療をするために医療機関を受診しましょう。
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更年期うつの治療方法
更年期うつの治療方法について以下を説明します。
- 受診科
- 薬物療法
- 薬を使わない治療
受診科
胸がドキドキして息苦しさを感じたら、まずは循環器科を受診して心電図などの検査を受けるとよいでしょう。
また、50代はさまざまな病気が発生しやすい時期でもあります。
そのため職場や病院で定期的に健康診断を受けて異常がないことを確認しておくことも大切です。
しかし、さまざまな症状がある場合は更年期の可能性があるため、産婦人科を受診しましょう。
薬物療法
ホルモン補充療法は、エストロゲンの分泌低下が原因の1つとなるため、外からエストロゲンを補充する治療です。
向精神薬は、抗不安薬や抗うつ薬などの薬が効果的とされています。
漢方療法は、体の状態などによって効きやすいものが異なり、自分で選ぶのは難しいとされています。
しかし、自分に合ったものを使えば結果が出やすいといわれています。
薬は医師の処方が必要なため、重度の症状がある場合はかかりつけのクリニックや婦人科を受診しましょう。
薬を使わない治療
薬を飲みたくない方や症状がそこまで強くない方、まず自分で試してみたい方は薬を使わない治療もあります。
運動は、ストレスを軽減することにつながると科学的に証明されています。
運動をすることで、気分をよくするホルモンであるセロトニンの放出を増加させ、ストレスを軽くするといわれています。
また、アロマテラピーなど、香りのリラックス効果で気分が高揚するとされています。
アロマを使用したマッサージも有効です。
更年期うつ時のセルフケア
更年期うつのセルフケアには、どのようなことがあるのでしょうか。
以下でそれぞれ具体的にご紹介いたします。
適度な運動
適度な運動は、ストレス解消に効果的です。
1日1時間、週3日ほど運動することで、活力と生活の質が向上するとされています。
更年期になると体重が減り、骨がもろくなりやすくなりますが、運動を続けることでこれらのリスクを回避することができます。
日頃の運動や食生活をチェックすることで、更年期うつの予防につながります。
禁煙
喫煙はうつ病を悪化させることが知られているため、禁煙しましょう。
喫煙が精神疾患、とくにうつ病に及ぼす影響については多くの報告があり、パニックおよび不安障害の悪化要因とされています。
また、うつ病や精神不安がニコチン依存につながる可能性があることも指摘されています。
漢方薬やサプリの服用
更年期うつには、漢方薬やサプリメントを使用して対策することもできます。
更年期の不調には、当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸などが使用されることが多いです。
漢方薬は、体質などによって合う合わないがあるため、医療機関を受診して、医師に処方してもらいましょう。
サプリメントは、腸内細菌によって大豆イソフラボンから変換される成分であるエクオールがおすすめです。
漢方薬やサプリメントで更年期の不快感に備えましょう。
アロマテラピー
アロマセラピーは、エッセンシャルオイルを使用して香りを楽しみ、リラックスし、病気を治療し、症状を緩和する代替医療の1つです。
更年期障害は、エストロゲンの分泌低下による女性ホルモンのバランスの乱れが原因といわれています。
エストロゲン様作用のあるエッセンシャルオイルをアロマセラピーで使用すると、更年期障害によいようです。
クラリセージには、酢酸リナリル、リナロール、スクラレオールが含まれており、女性ホルモン様作用があります。
趣味
更年期になると、うつ症状が出たり、些細なことで悩んだり、不安になったりすることがあります。
そのようなときに家にいると、症状が深刻化してしまうことがあります。
そのため、趣味を持ち、気分を変える方法を身につけておくのがおすすめです。
家事の分担
更年期障害は、自律神経のバランスの乱れが原因で、うつ病やパニック障害などの精神疾患と同じような不快な症状があらわれます。
一緒に暮らす家族が悲観せず、一時的なものとして楽観的に捉えて見守ることが大切です。
逆に元気で元気なときは、普通に接しましょう。
以下のことをぜひ、参考にしてみてください。
- 母親や妻の仕事をみんなで手伝う
- 母親や妻の仕事は何かと考える
- 母親や妻に孤独や疎外感を与えない
- やむを得ない場合は家族に伝え、無理をしない
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更年期症状・障害に関する意識調査
厚生労働省が調べた更年期症状・障害に関する意識調査があります。
年代別にみて、女性のくよくよする、憂鬱になるなどの症状が強いのは20代の方が多い結果になりました。
しかし、うつの原因となる心理的・社会的ストレスが多くなる更年期の方に、更年期うつになる方が多い傾向にあります。
更年期うつとうまく付き合っていくには、正しい知識を得て、セルフケアに加えて、医療機関を利用しましょう。
出典:厚生労働省「「更年期症状・障害に関する意識調査」 基本集計結果 (2022 年7月 26 日)」
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更年期うつのまとめ
ここまで、更年期うつの情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 更年期うつの症状は、気分が落ち込む、憂鬱になる、気力がないなど
- 更年期うつの原因は、女性ホルモンの減少、心理的・社会的ストレスなど
- 更年期うつのセルフケアは、適度な運動、禁煙、漢方薬やサプリの服用など
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。