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健達ねっと>健康お役立ち記事>更年期>更年期の汗は突然始まる?不快な発汗の乗り越え方を解説!

更年期の汗は突然始まる?不快な発汗の乗り越え方を解説!

40代~50代にかけて突然汗をかきやすくなった場合、原因として更年期が考えられます。

なぜ更年期になると汗をかきやすくなるのでしょうか。
また、更年期の汗はどのように対策すればよいのでしょうか。

本記事では、更年期の汗について以下の点を中心にご紹介します。

  • 更年期の汗の特徴
  • 更年期の汗の原因
  • 更年期の汗の対策

更年期の汗について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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更年期の汗とは

更年期の汗は、更年期障害の1種と考えられています。
更年期とは、閉経をはさんで前後10年間を指します。
一般的には45歳〜55歳が更年期に該当します。

更年期には、さまざまな不調があらわれやすくなります。
更年期の代表的な症状に、次のものがあります。

  • ほてり

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更年期の汗の症状

更年期の汗の症状の特徴を紹介します。
50前後の方で「最近よく汗をかく…」と感じる方は、次のような症状に心当たりがないかチェックしてみてください。

汗のはじまり

更年期の汗の症状は、突然あらわれるのが特徴です。
多くの場合、汗は顔から流れ始めます。

たとえば次のような汗の症状は、更年期障害が疑われます。

  • 暑くないのに顔・頭から汗をかく
  • 突然かーっと上半身が熱くなって汗が出てくる
  • 緊張したとき・感情が高ぶったときに汗をかく
  • 大量の寝汗をかく

個人差はありますが、緊張したとき・感情が高ぶったときに汗が止まらなくなるというケースもよくみられます。

睡眠中の大量発汗も更年期障害の特徴です。
汗のために夜中に何度も目が覚めたり、着替えたりしなければならないこともあります。

汗の状態

更年期の汗には、次のような特徴があります。

  • じんわり汗ばむ
  • 滝のような大量の汗
  • ベタベタ
  • におう

更年期の汗の最大の特徴は、滝のように流れ落ちる大量の汗です。
汗の状態は、個人差があります。
ベタベタの場合もあれば、サラサラしている場合もあります。

普段から汗をよくかくという方は、汗はサラサラしていることが多いです。
なお、サラサラの汗と比べると、ベタベタした汗はにおいが強い傾向があります。

ベタベタの汗とサラサラの汗の違いは、汗腺の老化の違いです。
汗腺が活発化していると、汗の濾過機能は十分に働きます。
簡単にいえば、汗に不純物が混じりにくいため、サラサラしてにおいが少ない汗が出やすいのです。

反対に汗腺が老化すると、汗の分泌に濾過が追いつかなくなります。
すると汗に不純物が混じりやすくなるため、ベタベタしたり、においがきつくなったりします。

更年期の方は、若い頃に比べると汗腺が老化していることが多いです。
そのため更年期にかく大量の汗は、ベタベタしていることや、においが強い場合が多いです。

汗に伴う諸症状

更年期の汗には、次のような症状を伴うことが多いです。

  • 顔がかーっと熱くなる
  • 動悸
  • 息切れ

代表的なのが顔がかーっと熱くなる症状です。
「ホットフラッシュ」「のぼせ」「ほてり」などと呼ばれることもあります。

突然顔がのぼせて、大量の発汗が始まる…という現象は、更年期にはよくみられます。
発汗と同時に、胸がドキドキしたり、息苦しくなったりする場合もあります。

更年期の汗の原因

更年期の汗の原因は、閉経に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。
具体的には、エストロゲンの減少によって自律神経が乱れることで発汗が起こります。

エストロゲンは、脳の指令によって卵巣から分泌されます。
しかし加齢によって卵巣が寿命を迎えると、エストロゲンは分泌されなくなります。

卵巣からエストロゲンが分泌されなくなると、脳は焦って「もっとエストロゲンを出せ」という指令(ホルモン)を出します。

簡単にいえば、脳が混乱・暴走してしまうのです。
脳の視床下部には、自律神経という神経系が存在します。

自律神経は、身体の働きを制御する器官です。
自律神経は、たとえば体温調節・汗腺の調節のほか、血圧やホルモン分泌をコントロールしています。

脳が暴走すると自律神経もバランスを崩しやすくなります。
すると体温や汗腺の調節がうまくいかなくなるため、のぼせや発汗のような症状があらわれやすくなります。

更年期以外の汗の原因

更年期の方の汗の原因は、実は更年期以外が関係している場合もあります。
更年期以外の代表的な汗の原因は、次の通りです。

ストレス・疲労・睡眠不足自律神経のバランスが乱れる
産後出産の前後で女性ホルモンのバランスが変動し、伴って自律神経もバランスを崩す
バセドウ病甲状腺の異常によって発汗する
辛い食べ物・気温が暑い・厚着物理的に体温が上がって汗が止まらなくなる

 

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更年期の汗を抑えるには

更年期の汗を抑えるには、更年期障害そのものを改善する必要があります。
具体的には、婦人科で治療を受けましょう。

婦人科での更年期障害の主な治療法は、次の通りです。

  • 薬物療法
  • 心理療法

漢方薬が処方されることもあります。

それぞれの治療法について紹介していきます。

薬物療法

更年期障害の治療でもオーソドックスなのが薬物療法です。
更年期障害の薬物療法の主な種類は、次の通りです。

  • ホルモン補充療法(HRT)
  • 向精神薬

ホルモン補充療法とは、減少した女性ホルモンを薬剤で補う方法です。
薬剤の形状は、

  • 経口薬
  • 注射
  • 点滴

などさまざまです。

向精神薬は、更年期障害による精神症状が強いときに選択されることが一般的です。
たとえば不安・落ち込みなどが見られる場合は、抗うつ剤・抗不安薬などが処方されます。
眠れないなどの不眠症状があるときは、睡眠導入剤が出されることもあります。

心理療法

心理療法とは、簡単にいえばカウンセリングです。
更年期障害のうち、イライラ・不安などの精神症状が強い場合に検討されます。
薬剤を使用したくない場合に選択されることもあります。

カウンセリングは、心理カウンセラーや臨床心理士などと対話をする方法です。
自分の心の内を話すことで客観的に自分を見つめ直し、イライラや不安の種がどこにあるのかを探っていきます。

漢方薬

更年期障害の汗の治療では、漢方薬が処方されることもあります。
更年期障害の汗の治療でよく利用されている漢方薬の種類をご紹介します。

瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)

瀉火補腎丸は、身体の熱を取り除き、腎の働きを補う漢方薬です。
腎とは、さまざまな内臓が働く仕組みを指す言葉です。

漢方の考え方では、更年期障害の方は腎の働きが弱っているとされています。
そのため腎を補う瀉火補腎丸が有効です。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散は、女性特有の不調によく用いられる漢方薬です。
加味逍遙散には、身体の水分の巡りを整えたり、精神を安定させたりする作用が期待できます。

知柏地黄丸(ちばくじおうがん)

知柏地黄丸は、更年期のホットフラッシュ・発汗に有効な漢方薬です。
知柏地黄丸には腎を補う作用や、身体の熱を緩やかに冷ます作用が期待できます。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

柴胡加竜骨牡蛎湯は、更年期による精神症状がある方に有効です。

たとえばイライラ・神経質などがあるときは、柴胡加竜骨牡蛎湯を検討してみてください。
更年期による不眠にも有効とされています。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

抑肝散加陳皮半夏は、気や血の巡りの改善が期待できる漢方薬です。

具体的には、汗・イライラなどの更年期障害が目立つ方におすすめです。
子供の疳・夜泣きにもよく利用されています。

薬の使い方

更年期の汗の対策について

更年期の汗は、ご自身での対策で改善できることもあります。
ここからは、更年期障害の汗の改善のポイントを紹介していきます。

自律神経を整える

更年期障害の原因の多くは、自律神経の乱れです。
自律神経を整えることで、更年期障害の緩和が期待できます。

自律神経を整えるには、心身をリラックスさせることが大切です。
たとえば次のような方法を試してみましょう。

  • 映画・音楽・芸術鑑賞
  • アロマテラピー
  • ゆっくり休養する
  • 信頼できる相手との会話
  • ツボ押し

バランスの良い食事

自律神経を整えるには、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
具体的には、さまざまな品目を少しずつ摂るのがおすすめです。

たとえば一汁三菜を心がけると自然と品数が増えるため、栄養バランスも整いやすくなります。

更年期の女性は、

  • 大豆
  • 大豆製品

などを多めに摂るのもおすすめです。

大豆には、女性ホルモンに似た働きをする「エクオール」などの成分が含まれるためです。
たとえば次のような食材などを食事に加えると、無理なく大豆製品を摂取できます。

  • 味噌
  • 豆腐
  • 納豆

筋肉トレーニング

更年期障害の改善には、筋トレ・レジスタンス運動もおすすめです。
代表的なのは、次のような運動です。

  • スクワット
  • 腕立て伏せ
  • ダンベル運動

激しい運動が苦手な方は、ウォーキングなどの有酸素運動を行うのもよいでしょう。
更年期障害を改善するためのポイントは、毎日継続して運動することです。
たまに激しい運動をするよりも、自分が毎日続けられそうな運動内容を考えてみてください。

寝汗対策

更年期で汗をかく場合は、寝汗対策を万全にしましょう。
寝汗で夜中に何度も目が覚めると、睡眠の質が下がりやすくなるためです。

睡眠の質の低下は、自律神経の乱れを招きやすいため、更年期障害がますます悪化するおそれがあります。

更年期障害を軽減するためにも、質の良い睡眠をとる工夫をしましょう。
たとえば就寝前にリラックスする方法があります。
静かな音楽を聴いたり、リラックス効果のあるアロマをたいたりしてみましょう。

通気性のよい寝間着にすると、汗を軽減できる場合もあります。
寝る前に、ベッドに吸水性のよいタオルなどを敷いておくのもおすすめです。

夜中に寝汗で目が覚めた場合に備え、寝床の近くに着替えを用意しておくのもよいでしょう。

更年期の汗に関する意識調査

厚生労働省が発表した「更年期症状・障害の意識調査」調査結果によると、各世代の女性のうち、更年期の汗トラブルを抱えている方の割合は、次の通りになりました。

【女性の年代別 更年期症状(汗をかきやすい):単数回答】

症状が強い症状の程度は中くらい症状の程度は弱い症状が無い
20~29歳6.1%14.5%18.7%60.6%
30~39歳6.0%13.4%14.7%65.9%
40~49歳6.0%10.4%17.1%66.5%
50~59歳8.9%15.6%21.1%54.4%
60~69歳7.4%9.2%20.7%62.7%

症状が無いと答えた方の割合は、50代を除いて6割以上にのぼります。
対して50代の方は、症状がないと答えた方の割合は54.4%にとどまります。
裏を返せば、50代の方のうち約半数は汗に関するトラブルを抱えていることになります。

症状の程度別にみても、各世代のうち50代の方の割合が最も高くなっています。
更年期を迎える50代の方の多くが、多かれ少なかれ汗の症状に悩まされていることが分かります。
出典:厚生労働省【「更年期症状・障害に関する意識調査」 基本集計結果 (2022 年7月 26 日)

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更年期の汗まとめ

ここまで更年期の汗についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。

  • 更年期の汗の特徴は、突然顔からかき始め、滝のように大量に流れ落ちること
  • 更年期の汗の原因は、女性ホルモンの減少による自律神経の乱れ
  • 更年期の汗の対策は、病院で治療を受けることや生活習慣の見直し

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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  • 栄養提供
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  • 障がい者雇用

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