ナスには、豊富な栄養が含まれています。
しかし、具体的にどんな栄養があるのか分からない方がほとんどでしょう。
ナスには、どんな栄養が含まれているの?
ナスの栄養には、どんな効果があるの?
など、気になることはたくさんあるでしょう。
本記事では、ナスの栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- ナスに含まれる栄養とは
- ナスで得られる効果・効能とは
- 美味しいナスの選び方とは
- ナスを使ったレシピ
ナスの栄養について理解するためにも、参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ナスに含まれる栄養
天ぷらや麻婆ナス、漬物など幅広いメニューで愛されるナス。
90%が水分でできているため、「ナスには栄養ないんじゃないの?」と思われがちですが、ほぼ水分でもきちんと栄養はあります。
この項目では、ナスに含まれる代表的な栄養素を見ていきましょう。
食物繊維
ナス(生) | 2.2g/100g |
ナス(茹で) | 2.1g/100g |
ナスには、100g中2.2g程度の食物繊維が含まれています。
ふわふわしたスポンジのような感触からは想像できませんが、さといもやこんにゃくと同じぐらい食物繊維が含まれているのが特徴です。
カリウム
ナス(生) | 220mg/100g |
ナス(茹で) | 180mg/100g |
ナスには、100g中220mgのカリウムが含まれています。
これはきゅうりやキャベツより多く、もやしの3.2倍にもなります。
特に、カリウムは摂りすぎた塩分を体外に排出してくれるため、むくみの解消にも効果的です。
よくむくむ方は、積極的に摂取するのがおすすめです。
特に生の方がカリウムを多く含むため、サラダや漬物を食べるとよいでしょう。
葉酸
ナス(生) | 32μg/100g |
ナス(茹で) | 22μg/100g |
ナスには100g中32μgの葉酸が含まれます。
葉酸はビタミンB群の1つで、ビタミンB12とともに赤血球を作る働きがあります。
そのため、葉酸が不足すると貧血を起こす恐れがあり、貧血予防に必要な栄養素です。
また、葉酸は身体の発育に必要な栄養素でもあります。
胎児の生育や成長期の子供に重要な栄養素なので、積極的に摂取しましょう。
ナスニン
ナスニンは、ナスの皮に含まれるアントシアニンの1種です。
アントシアニンには、眼精疲労の緩和作用が期待できるため、目を酷使する人は積極的に摂取するのがおすすめです。
ナスニンは、皮に含まれるため、皮ごと食べることを意識しましょう。
出典:文部科学省【日本食品標準成分表2020年版(八訂)】
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ナスで得られる効果・効能
ナスを食べることで得られる効果や効能はどのようなものがあるのでしょうか?
ここからはナスを食べることによって得られる効果や効能をご紹介します。
夏バテ予防
ナスに含まれるカリウムは、夏バテ予防効果があります。
カリウムは、余分な水分や塩分を体外に排出してくれるのが特徴です。
水分を体外に排出する際、身体の熱を放出するので、身体に溜まってしまった熱を逃がし、夏バテ症状を予防してくれます。
生活習慣病の予防・改善
ナスに含まれる食物繊維は、腸内で善玉菌を増やし、おなかの調子を整えてくれます。
特に、ナスには水溶性食物繊維が多く、便の量を増やし腸を刺激してくれるため、便秘の改善や予防に効果的です。
また、食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにしたり、血中コレステロール値やLDLコレステロール値を低下させたりと、生活習慣病の予防にも効果があります。
その他、ナスに含まれるカリウムは、余分な塩分や水分を体外に排出してくれるため、高血圧の予防にもなります。
ガンを予防・抑制
ナスの皮に含まれるナスニンには、活性酸素の発生を抑えたり取り除いたりする効果があります。
そのため、強い抗酸化作用を持ち、ガンの予防や抑制に効果が期待されます。
また、活性酸素は老化の原因となるため、ナスニンを摂取することで、老化防止にも役立ちます。
ただし、ナスニンは皮に多く含まれるため、ガン予防や抑制、老化防止の効果を得たいなら、皮ごとナスを食べましょう。
炎症や痛みの抑制
ナスに含まれるプロテアーゼインヒビターは、炎症や痛みの抑制作用があります。
プロテアーゼインヒビターは、粘膜にできた炎症を治す働きがあり、
- 口内炎
- 関節痛
- 神経痛
- 胃炎
など、さまざまな炎症の抑制に効果的です。
さまざまな炎症に悩まされる人は、積極的にナスを食べるとよいでしょう。
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美味しいナスの選び方
美味しいナスの選び方は、以下の通りです。
- ガクが鋭くとがっている
- ヘタの脇部分の色が薄いまたは白っぽい
- 表面にツヤとハリがある
- 色鮮やかな紫紺色をしている
- ずっしりとした重みがある
ナスの場合、ガクと呼ばれるヘタの部分が、鋭くとがっていると新鮮です。
カグが茶色く変色しているものは、収穫してから時間が経ち、古くなっています。
また、ヘタの脇部分まで紫紺色になっているナスは日光がよく当たる時間に収穫されたもので、実の水分が蒸発しやすくなっています。
水分が蒸発しやすいのは、傷みの原因になるため、できるだけヘタの脇部分の色が薄いものや白っぽいものを選びましょう。
その他、表面にツヤとハリがあり、色鮮やかな紫紺色をしたナスや持った時にずっしりしているナスが美味しいナスの証拠です。
ナスを購入する際は、よく観察し、実際に手で持ってみて美味しいナスを選びましょう。
ナスを使ったレシピ
ナスの栄養素や効果、効能を紹介してきましたが、どのように食べるのがよいのか分からない方も多いでしょう。
そこで、ナスを使ったレシピをご紹介します。
ナスの肉みそ炒め
2人分
- ナス :2本
- 豚ひき肉:150g
- (A)みそ:大さじ1
- (A)料理酒:大さじ1
- (A)みりん:大さじ1
- (A)しょうゆ:小さじ1
- (A)はちみつ:小さじ1
- すりおろしにんにく:小さじ1
- ごま油:大さじ1
- 小ねぎ (小口切り):適量
作り方
- ナスはヘタを切り、乱切りにします。
- 鍋に4cm程度の高さまで揚げ油を入れ、170〜180℃に熱します。
- ナスを入れ、3分程度しなっとするまで揚げます。
- 揚げ終わったら、油を切ります。
- 中火で熱したフライパンにごま油とすりおろしにんにく、豚ひき肉を入れ、炒めます。
- 豚ひき肉に火が通ったら揚げたナスと(A)を入れ、全体に味を馴染ませます。
- 火から下ろし、お皿に盛って、小ねぎを散らせば完成です。
辛いもの好きの方は、輪切りの唐辛子を入れても美味しくいただけます。
また、ナスに含まれる水溶性の栄養素を逃がさないためには、油を使い、揚げたり炒めたりするのが効果的です。
油で表面をコーティングすることで、栄養素をしっかり閉じ込めてくれます。
そのため、ナス本来の栄養素を無駄にしません。
さらに、油で揚げることにより、きれいな紫色もキープできるため、見た目も美しく仕上がります。
ミョウガとナスの塩昆布和え
2人分
- ミョウガ:6本
- ナス:1本
- 塩昆布:大さじ2と1/2
作り方
- ミョウガを薄くスライスします。
- ナスはヘタを取り、縦半分に切り、薄切りにします。
- ボウルに、ミョウガ、ナス、塩昆布を入れてよく混ぜて完成です。
ナスは茹でることにより、栄養素が外に流れ出てしまいます。
そのため、ナス本来の栄養を摂取するなら、生で食べるのがおすすめです。
ミョウガを入れることで風味よく、サッパリ食べられます。
ただし、時間が経つとナスの水分が出てしまい、栄養素も一緒に出てしまいます。
食べる直前にサッと混ぜ合わせ、栄養素が流れ出てしまう前に食べてしまいましょう。
また、ナスを生で食べるなら浅漬けやぬか漬けもおすすめです。
旬のナスは栄養価が高い
ナスは年中スーパーに並ぶ野菜ですが、野菜は旬の時期の方が栄養価が高いです。
トマトを例に挙げると、ビタミンの1種であるカロテンを100g当たりで比較すると、旬の7月では528μgあるのに対して、11月には241μgと出回り期の半分以下になることが分かっています。
この栄養素の減少は、ナスでも同じです。
そのため、野菜本来の栄養素を十分に摂取するには、旬の時期を把握し、旬ごとに栄養価の高い野菜を選ぶ必要があります。
ナスの旬は意外にも長く、5〜10月頃です。
しかし、出荷量のピークは8月頃のため、安くナスを購入するには8月頃がおすすめです。
栄養価も高く、財布にも優しいです。
また、9月頃から収穫されるものが秋ナスと呼ばれます。
夏に収穫されるナスはみずみずしさが特徴ですが、秋ナスは、種が少なく実が締まっているのが特徴です。
出典:厚生労働省【旬を取り入れた食生活(春・夏)】
なすの効率的な食べ方は?
なすは身だけでなく皮まで丸ごと栄養があります。
皮を取り除かずそのまま調理するか、皮だけ別途調理して食べるようにしましょう。
なすは水溶性ビタミンなど水に溶けだしやすい栄養素が豊富に含まれています。
あく抜きの為に長時間水にさらすと栄養素が流れ出る可能性があります。
あく抜きは2~3分と短時間にしましょう。
また、煮込み料理も多くの栄養素が解け出てしまうため、汁部分を残さず食べましょう。
水に溶けだしやすい栄養素は油を使用することで閉じ込めることが可能です。
炒め物など油を使用した調理をおすすめします。
なすの食べ過ぎは大丈夫?妊婦には?
なすは内臓や体を冷やす効果があるため、食べ過ぎに注意するよう昔からいわれています。
特に妊娠中は子供に影響するのではと心配する声も少なくありません。
結論として、少し食べすぎても体温に影響することはほとんどありません。
妊娠中になすを食べても問題ないため、あまり気にせず摂取していいでしょう。
しかし、なすを偏って食べすぎると体に以下のような影響が見られる場合があります。
- 下痢・便秘:水溶性、不溶性の食物繊維が豊富なため、腸に影響を与える
- 食中毒:ソラニンが含まれており未熟ななすを食べすぎるとおなかを下す
- アレルギー:ヒスタミンやアセチルコリンにより、仮性アレルゲンの可能性がある
なすに限らず食事は偏って食べず「ほどほど」に食べるようにしましょう。
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ナスの栄養まとめ
ここまでナスの栄養と効果、効能についてお伝えしてきました。
ナスの栄養と効果、効能の要点をまとめると以下の通りです。
- ナスには食物繊維やカリウム、葉酸、ナスニンなどが含まれる
- ナスには、夏バテ予防や生活習慣病の予防・改善、ガンの予防・抑制、炎症や痛みの抑制などが期待できる
- 美味しいナスは、ガクがとがっていてツヤやハリがあり、ずっしりした重みがある
- ナスを使ったレシピは、油で栄養を閉じ込めたり生で食べたりするものがおすすめ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。