エジプト女王クレオパトラに愛されたという野菜がモロヘイヤです。
見たことはあるけれど、食べたことはないという方も多いのではないでしょうか。
モロヘイヤは非常に高い栄養価で知られています。
モロヘイヤの栄養を知って、毎日の食事に加えてみませんか?
本記事ではモロヘイヤの栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- モロヘイヤにはどのような栄養素が含まれているのか
- モロヘイヤにはどのような効果・効能があるのか
- モロヘイヤの選び方とは
モロヘイヤの栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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モロヘイヤに含まれる栄養
モロヘイヤは栄養価の高い野菜です。
さまざまな栄養素の中でも、とくに注目したい栄養素を紹介しましょう。
β-カロテン
β-カロテンは、緑黄色野菜に豊富に含まれる栄養素です。
体内に吸収されると、ビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を保護する働きをします。
強い抗酸化作用によって、老化や病気の原因である活性酸素を消去します。
モロヘイヤのβ-カロテンの含有量は、ニンジンを圧倒しトップクラスです。
モロヘイヤ100g中のβ-カロテンは10000μgです。
ビタミンC
強い抗酸化作用を持つビタミンCは、コラーゲンの生成に必要な栄養素です。
また、メラニン色素の沈着を防ぐ働きもあり、美肌には欠かせない栄養素です。
そのほかにも、植物性鉄分の吸収を助け、免疫機能を活発にする働きがあります。
モロヘイヤは、ほかの緑黄色野菜に比べて、はるかにビタミンCの含有量が多い野菜です。
ビタミンCを効率よく摂取することができます。
モロヘイヤ100g中のビタミンCは65mgです。
ビタミンE
ビタミンEも強い抗酸化作用を持つ栄養素で、細胞の老化を防ぐ働きがあります。
さらに、毛細血管を広げ血行を改善する働きがあるので、冷え性の方にはおすすめです。
悪玉コレステロールの酸化を防ぐことから、動脈硬化の予防にも期待されています。
モロヘイヤ100g中のビタミンEは7mgです。
鉄分
鉄分が不足するとヘモグロビンが作れずに、細胞に酸素を届けることができなくなります。
こうして起こるのが貧血です。
とくに女性は、毎月の月経や出産などで鉄分が不足ぎみです。
食事から積極的に鉄分を摂るようにしましょう。
モロヘイヤ100g中の鉄分は1.0mgです。
カリウム
身体の塩分濃度が高まると、濃度を薄めるため水分をため込もうとします。
すると、血液やリンパ液の流れが停滞するため、むくみやすくなります。
むくみを解消するためには、カリウムが必要になります。
カリウムは、塩分や水分を体外に排出する働きのある栄養素です。
モロヘイヤ100g中のカリウムは530mgです。
葉酸
葉酸は、妊娠中やこれから妊娠を考えている女性に積極的に摂ってもらいたい栄養素です。
葉酸は胎児の成長に欠かせない栄養素で、胎児の「神経管閉鎖障害」のリスクが減ります。
また、赤血球の生産を助け、タンパク質の合成にも必要な成長に欠かせない栄養素です。
モロヘイヤ100g中の葉酸は250μgです。
食物繊維
食物繊維は、腸内環境を整えるために必要な栄養素です。
腸は免疫の7割が集中し、身体のさまざまな機能を司っています。
食物繊維は、便通をよくするだけでなく、腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やす働きをしています。
モロヘイヤの食物繊維はゴボウよりも多く、効率よく摂取することができます。
モロヘイヤ100g中の食物繊維は5.9gです。
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モロヘイヤで得られる効果・効能
モロヘイヤには、さまざまな栄養素がたっぷり含まれています。
その栄養素によって、以下のような健康に対する効果が期待できます。
動脈硬化の予防
生きていれば必ず発生するのが活性酸素です。
活性酸素は、血中のコレステロールなどの脂質を酸化させるため、動脈硬化の原因となります。
モロヘイヤに多く含まれるβ-カロテンやビタミンC・Eは、強い抗酸化作用を持ちます。
活性酸素を除去し、血中の脂質の酸化を防ぎ、血管の弾力性を維持する働きがあります。
高血圧の予防
塩分の摂り過ぎで高血圧になる方が多くいらっしゃいます。
塩分を構成するナトリウムが血中に多くなると、体内での水分調整がコントロールできなくなります。
そのため、血管に大きな負担がかかり高血圧になります。
モロヘイヤに含まれているカリウムは、余分なナトリウムを体外に排出する働きがあります。
この働きによって、高血圧の予防や対策に効果が期待できます。
糖尿病の予防
モロヘイヤの最大の特徴である「粘り」の成分にペクチンという栄養素があります。
ペクチンには、糖の吸収を抑え、緩やかにする働きがあります。
血糖値の急上昇を抑えることにより、糖尿病の予防に効果があると期待されています。
骨粗しょう症の予防
骨を構成している栄養素といえば、カルシウムです。
日本人は、全世代でカルシウムが不足しているといわれ、将来の骨粗しょう症が心配です。
骨にカルシウムを定着させるためには、ビタミンKが必須です。
カルシウムだけでは、骨を丈夫にすることはできないということです。
モロヘイヤには、カルシウムだけでなく、ビタミンKも含まれています。
モロヘイヤを毎日の食卓に取り入れることで、骨粗しょう症が予防できます。
貧血の予防
鉄分が不足すると、ヘモグロビンの量が減るため、細胞レベルへの酸素供給ができなくなります。
酸欠状態が慢性化すると、めまいや立ちくらみ、息切れ、動悸など貧血症状が起こります。
モロヘイヤには、鉄分だけでなく、鉄の吸収を高めてくれるビタミンCも豊富です。
貧血気味だという方は、積極的にモロヘイヤを食べましょう。
胃の健康を保つ
モロヘイヤの特徴的なネバネバの正体は「ペクチン」です。
私たちの唾液や胃液にもペクチンは含まれており、粘膜を守る働きがあります。
モロヘイヤでペクチンを摂取することで胃の粘膜を保護し、胃の健康を保ちます。
便秘の改善
モロヘイヤには、食物繊維が豊富に含まれています。
モロヘイヤはクセのない野菜ですから、ジュースにして飲むことで効率的に食物繊維を摂取できます。
食物繊維によって、便のかさましや腸の蠕動運動が活発になり、便秘解消に役立ちます。
美肌効果
クレオパトラが愛したというモロヘイヤは、美肌効果が抜群です。
モロヘイヤには、β-カロテンが豊富に含まれ、皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあります。
肌荒れなどの改善効果が期待できます。
さらにβ-カロテンやビタミンEは、強い抗酸化作用があります。
紫外線による活性酸素の発生を抑えて肌の老化を抑制し、シワやシミを防ぎます。
免疫力を高める
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、粘膜の強化にとって大切な栄養素です。
粘膜は、外からのウイルスや雑菌が身体の中に入り込まないようにするためのものです。
粘膜が強化されることで免疫力が高まり、風邪の予防にも効果的です。
視機能の改善
β-カロテンから変換されたビタミンAは、視機能にも深く関係しています。
ビタミンAは、網膜で光を感じるのに必要なタンパク質の生成に欠かせません。
夜盲症や眼精疲労に悩んでいる方は、β-カロテンを多く含むモロヘイヤがおすすめです。
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美味しいモロヘイヤの選び方
スーパーなどでモロヘイヤを購入するとき、どのような点に注意したら美味しいモロヘイヤを選ぶことができるのでしょう。
以下の点に着目して選びましょう。
- 葉の色濃くて鮮やか
- 葉にハリがあり、みずみずしい
- 茎が太くないもの
モロヘイヤを使ったレシピ
モロヘイヤは、クセのない野菜ですから、さまざまな料理に応用できます。
食べやすいモロヘイヤレシピを紹介しましょう。
モロヘイヤとトマトの中華スープ
モロヘイヤをスープにしました。
相性のよいトマトを加えた色鮮やかなスープです。
モロヘイヤにもトマトにも、抗酸化作用のあるβ-カロテンやビタミンCがたっぷり。
免疫力をアップしたいときにおすすめのメニューです。
【材料(2人分)】
- モロヘイヤ 100g
- トマト 1/2個
- 卵 1個
- 水 400ml
- 鶏ガラスープの素 小さじ1
- しょうゆ 小さじ1
- 塩 少々
- こしょう 少々
【作り方】
- モロヘイヤは葉だけを摘んで、茹でて、細かく刻んでおきます。
- トマトは角切りにし、卵は溶いておきましょう。
- 鍋に水、鶏がらスープの素、醤油を入れ、沸騰させます。
- そこにモロヘイヤとトマトを入れ、ひと煮立ちさせます。
- 溶き卵を回し入れ、塩とこしょうで味を調えれば完成です。
モロヘイヤと長いものネバネバレモンのしょうゆあえ
ネバネバのある食べ物は、夏バテ回復にはピッタリの食材です。
モロヘイヤと長いもを合わせてみました。
長いもは、あえてすりおろさずに角切りにして食感を楽しみます。
レモンの爽やかな香りと酸味が食欲を誘います。
【材料】
- モロヘイヤ 200g
- 長いも 200g
- レモン汁 大さじ3
- しょうゆ 大さじ2
- 砂糖 小さじ2
- 削り節 適宜
【作り方】
- モロヘイヤは葉を摘んで、30秒ほど茹でます。
- 冷水に取って軽く絞り、刻みます。
- 長いもは皮をむいたら、7mm角に切ります。
- ボウルにレモン汁、しょうゆ、砂糖、削り節を入れてよくかき混ぜます。
- モロヘイヤと長いもを入れて軽く和えて完成です。
旬のモロヘイヤは栄養価が高い
モロヘイヤは、スーパーでは1年中手に入れることができます。
モロヘイヤはエジプトなど暑い地域が原産のため、旬は6月~9月頃です。
最盛期は8月で、気温が高くなると成長期になり、同時に収穫期を迎えます。
野菜の栄養価は、やはり旬が最も高く、おいしいと感じます。
モロヘイヤも例外ではありません。
旬の野菜は価格も安くなりますから、たくさん食べることもできます。
8月というと、小松菜やホウレン草などの青菜野菜が少なくなるころです。
モロヘイヤは、夏バテにも効果があるので、旬にこそたくさん食べましょう。
モロヘイヤの栄養まとめ
ここまでモロヘイヤの栄養について紹介してきました。
要点を以下にまとめます。
- モロヘイヤには「β-カロテン」「ビタミンC・E]「食物繊維」などの栄養素が含まれている
- モロヘイヤは「生活習慣病」「美肌」「貧血」「便秘」に効果・効能がある
- モロヘイヤの選び方は、葉が濃い緑でハリがあり、茎が太くないものを選ぶのがよい
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。