「昼食を食べた後は眠くてたまらない」
「炭水化物を摂りたいけど眠くなるから控えなきゃ・・・」
炭水化物は、人間の動くエネルギーのもとになるため、生きていく上でなくてはならない栄養素です。
しかし、炭水化物を摂ると眠くなってしまうと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では
- 炭水化物とは
- 炭水化物を食べると眠くなる理由
- 眠くならないための対処法
について解説していきます。
炭水化物で眠くなることについて理解するためにも、ご参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
スポンサーリンク
炭水化物とは
炭水化物とは、脳や筋肉のエネルギーの素となる栄養素のことです。
「脂質」「タンパク質」とならぶ三大栄養素のひとつです。
炭水化物は、体内に入ると様々な消化液によって分解され糖質へと変化します。
以下の表に、それぞれの栄養素を含む具体的な食品をご紹介します。
炭水化物 | 脂質 | タンパク質 |
ごはん、パン、麺類などの穀物 さつまいも、じゃがいもなどのいも類 | オリーブオイル、ごま油、バターなどの油脂類 牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類 | 牛乳などの乳製品 サバや鮭などの魚類 納豆や豆腐などの大豆食品 |
スポンサーリンク
炭水化物を食べると眠くなる理由
炭水化物を食べると、なぜ眠くなってしまうのでしょうか。
その理由を、
- 血糖値スパイク
- 糖質の摂りすぎ
- 糖代謝異常
- オレキシンの分泌減少
に分けて説明します。
血糖値スパイク
血糖値スパイクとは、食後1〜2時間で血糖値が急上昇(140mg/dl以上)する病態のことです。
さらに、急上昇した血糖値は、その後急降下します。
この動きの激しさを「スパイク」とあらわしています。
血糖値が急降下し低血糖状態になると、人はだるさや眠気を感じてしまいます。
糖質の摂りすぎ
炭水化物から変化した糖は、血液中に溶け出し血糖値を急激に上昇させます。
糖分の摂りすぎで糖を分解するインスリンが過剰分泌されると、低血糖となってしまうことがあります。
結果として、眠気やだるさを感じてしまうのです。
糖代謝異常
糖代謝異常とは、空腹時または食後の血糖値が異常に高い値になっている状態を指します。
原因としては、
- インスリンの働きが弱い
- ブドウ糖が上手く体内に取り入れられていない
などが挙げられます。
糖尿病の一歩手前という状態もあり得るので、注意が必要です。
オレキシンの分泌減少
オレキシンとは、睡眠と活動の切り替えを行う脳内伝達物質のことです。
オレキシンがなんらかの原因で分泌減少すると、脳が睡眠状態へ傾き、耐えられない眠気が襲います。
オレキシンの分泌減少で強烈な眠気に襲われる病態を、「ナルコレプシー」といいます。
タンパク質について筋肉づくりや維持の為に、タンパク質を凝縮したプロテインを摂取する方も多いでしょう。しかし、タンパク質の特徴や過不足などを知らないと、健康のためのタンパク質摂取が逆効果になってしまうことがあることをご存じでしょうか。[…]
眠くならないための対処法
次に、炭水化物を食べても眠くなりにくい方法を解説します。
食後の眠気に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
食事の時間を空けすぎない
「食後眠くなって仕方がない」という方の中には、朝食を食べる習慣がない方がいませんか?
朝食を抜いてお昼にいきなりたくさん食べると、空腹時間が長い分「血糖値スパイク」が発生するリスクが高まります。
血糖値の急上昇・急下降は体にも良くないため、朝食を食べる習慣をつけましょう。
コップ1杯の水を飲む
食事の30分前に常温のお水をコップ一杯飲むと、満腹感が得られ、食べすぎによる炭水化物の摂りすぎ防止になります。
なお、食事の直前に飲むと胃の消化液が薄まって消化不良を起こす可能性があります。
食事の30分前までには飲み終わるようにしましょう。
また、冷水では胃の負担や血液循環の悪化につながりますので、常温のお水を飲むようにしましょう。
野菜とタンパク質から食べる
ごはんやパンなどの主食から食べると、血糖値を一気に上昇させてしまいます。
血糖値スパイクを起こさないためには、
- 野菜サラダや納豆などの大豆食品
- 肉や魚などのおかず
- ごはん・パンなどの主食
の順番に食べることをおすすめします。
眠くならない食べ物
低GI食品という言葉をご存じでしょうか?
低GI食品とは血糖値を上げにくい食品のことで、
- 玄米など非精製のもの
- 食物繊維が豊富な根菜類
- 大豆などの豆類
などが挙げられます。
眠気を少しでも抑えたい方は、食事には低GI食品を選ぶと良いでしょう。
早食いはしない
満腹中枢は、食べ始めて15分程度で刺激されます。
早食いだと、満腹感を感じる前に食べすぎてしまう可能性があります。
また、急に食べ物を取り込むことで血糖値が急上昇すると、食後の眠気につながることもあります。
食事は少なくとも15分以上はかけて摂るようにしましょう。
腹八分でやめる
食べるときは、「もう少し食べられるかも」と感じる腹八分目でいったんやめてみましょう。
満腹まで食べると、消化に負担がかかったり、糖質過多になったりしてしまいます。
もし小腹が空いたときは、
- ヨーグルト
- ナッツ
- ドライフルーツ
などの低GI食品を摂ることをおすすめします。
血糖値の急上昇を防ぐ
血糖値の急上昇を防ぐことが、食後の眠気の予防策です。
- 食物繊維の多い玄米、野菜、きのこ類など
- 酢の物
- ヨーグルト
などの血糖値の上昇を緩やかにさせる食品を選ぶようにしましょう。
糖質を抑える
血糖値の上昇を抑えるためには、食材は糖質の低いものを選ぶことも効果的です。
たとえば、
- 卵
- 魚
- 鶏肉
- アボカド
- プレーンヨーグルト
などを上手く普段の食事に取り入れてみましょう。
「甘い・こってり」ではなく、「さっぱり・タンパク」を選ぶとわかりやすいかもしれません。
質の良い睡眠
浅い眠りが続く状態だと、足りない分の睡眠を補おうと昼間も眠くなってしまいます。
質の良い睡眠のためにできることを以下にまとめました。
- 適度な運動習慣をつくる
- 起床後に日光を浴びる
- 寝具や睡眠環境を整える
- 寝る直前のパソコンやスマートフォンはやめる
とくにスマートフォンから出ているブルーライトは入眠を妨げるので注意しましょう。
ストレスを溜め込まない
人間はストレスを感じると、交感神経が興奮しグルカゴン・アドレナリンといった、血糖値を上昇させるホルモンが増えることが分かっています。
自分なりのストレス解消方法をみつけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
日本人は野菜が足りていない?
野菜を1日どれくらい摂るのがいいのかご存知でしょうか?
厚生労働省は、野菜の摂取目標量を350g/日としています。
野菜350gとは、副菜サイズの野菜のおかず(70g)5皿分です。
20歳以上の男女を対象に調査したところ、350g/日摂取できていると答えたのは、
- 男性:30.1%
- 女性:26.5%
にとどまりました。
また、目安量を摂取できていると答えた割合は、男女ともにとくに若い世代で少なくなりました。
1食のうちの野菜の割合を増やせれば、おのずと糖質の摂取量も減るでしょう。
外食であれば、野菜の副菜がついているものを選んでみましょう。
ご家庭の場合は、野菜の副菜を1品追加したり、お味噌汁に具材として野菜を足したりするのも良いですね。
糖質の摂りすぎを防ぐためにも、「野菜の副菜を1品追加」を意識してみてはいかがでしょうか。
炭水化物は眠くなるのまとめ
ここまで炭水化物で眠くなることについてお伝えしてきました。
炭水化物で眠くなることの要点をまとめると以下の通りです。
- 炭水化物とは、人間が生きていくうえで必要不可欠なエネルギーの素になる栄養素
- 炭水化物を食べると眠くなる理由は、「血糖値スパイク」「糖質の摂りすぎ」など
- 眠くならないための対処法は「食事の時間を空けすぎない」「コップ1杯の水を飲む」など
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。