人間ドックは健康診断の一種です。
一般的な健康診断より、精度の高い検査を受けられます。
そもそも人間ドックは何歳から受けられるのでしょうか?
また、人間ドックの検査項目はどのようなものがあるのでしょうか?
本記事では、人間ドックは何歳からについて以下の点を中心にご紹介します。
- 人間ドックは何歳から受けられるか
- 人間ドックを受ける頻度は
- 人間ドックの検査項目とは
人間ドックについて理解するためにも参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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人間ドックとは
人間ドックとは、有料で受けられる健康診断の一種です。
精密検査をすることで、健康診断だけでは分からない体の異常や病気の早期発見に繋がります。
違いとしては、検査項目の多さや法的義務がないことです。
労働安全衛生法に基づき、健康診断は年に1回受けることが義務とされています。
しかし人間ドックは義務ではなく、個人の意志で受診します。
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人間ドックは何歳から?
人間ドックは20歳以上であれば、誰でも受けられます。
精密検査の項目はコースごとによって異なり、年齢や症状の有無によって選択できます。
若いうちから定期的に自分の体を知ることは、病気の早期発見のためには重要です。
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人間ドックは何歳から受けた方が良い?
人間ドックは、決して安い値段ではありません。
何歳ごろから受け始めるのがおすすめなのか、詳しく説明します。
30代からがおすすめ
人間ドックを受け始めるのにおすすめなのは、30代からです。
30代は働き盛りのため、ストレスなどで心身共に体調を崩しやすくなります。
また、結婚や出産で新たなライフステージに立つ方も増えるためです。
検査する頻度は?
人間ドックを受けるおすすめの頻度は、可能であれば毎年です。
有料のため、毎年受けるのは負担に感じるかもしれませんが、若ければ病気の進行も早いのです。
そのため、毎年受けることをおすすめします。
公務員の検査頻度
公務員の検査頻度を紹介します。
公務員は、35歳から5年に1度、人間ドックを受けられます。
5年に1度となっていますが、毎年受けることも可能です。
出典:厚生労働省【https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/11/dl/s1125-6b1.pdf】
年代ごとの検査する項目
人間ドックの検査項目は、コースにより多少違いがあります。
基本的な検査項目も含め、各年代のおすすめの検査項目をご紹介します。
出典:日本人間ドック学会【人間ドックの検査項目】
一般的な人間ドックの検査項目
一般的な人間ドックの検査項目を以下の表にまとめます。
検査項目 | 検査によって分かること |
身体計測 | 肥満度 |
血圧 | 血圧の程度 |
心電図 | 不整脈・狭心症・心筋梗塞の有無やリスク |
眼 | 動脈硬化の程度、高血圧、糖尿病の合併症や緑内障、白内障の有無 |
聴力 | 聴力の異常 |
呼吸機能検査 | 肺の膨らみ、慢性閉塞性肺疾患のリスク |
胸部X線 | 肺炎、肺結核、肺がん、肺気腫、胸水、気胸のリスク |
上部消化管X線 | 胃・十二指腸ポリープ、潰瘍、がんのリスク |
上部消化管内視鏡 | 食道がん、逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍、胃がん、胃ポリープ、十二指腸潰瘍のリスク |
腹部超音波 | 肝臓、すい臓、腎臓の腫瘍の有無、胆石の有無 |
血液検査 | 貧血、肝臓の異常、腎臓の異常、高脂血症、糖尿病などの病気のリスク ※オプションで腫瘍マーカーをつけられます |
尿検査 | 腎不全、糖尿病、尿崩症のリスク |
便 | 消化管出血、大腸ポリープ、大腸がんのリスク |
内科診察 | 心臓弁膜症や下肢静脈瘤のリスク ※腫瘍マーカーとは、血液検査でがんのリスクを調べられる項目のこと |
オプション検査
オプション検査は以下のものがあります。
検査項目 | 検査によって分かること |
乳腺 | 乳腺腫瘤、乳腺腫瘍、乳腺症のリスク |
前立腺 | 前立腺肥大、前立腺がんのリスク |
C型肝炎 | C型肝炎ウイルスへの感染 |
婦人科検診 | 子宮頸がんリスク、カンジタ膣炎の有無など |
脳 | 脳梗塞、脳出血のリスク |
PET | 全身のがんの早期発見 |
PET検査は、通常の人間ドックよりも精密な検査で、全身のがんの早期発見に繋がります。
MRIやCTなどの画像診断と血液検査を組み合わせ、小さながん細胞でも発見できます。
30代の検査
30代では、一般的な検査項目に男性特有・女性特有がんの項目を追加するのがおすすめです。
- 男性の場合:前立腺がん(PSAマーカー)
- 女性の場合:乳がん(マンモグラフィー)
40代の検査
40代は30代と比べ、がんの罹患率が上昇します。
全身のがんを調べられる項目を追加するのがおすすめです。
- 男性の場合:PET(全身のがんを一度に調べられる)
- 女性の場合:子宮頸がん(子宮細胞診)、乳がん(マンモグラフィー)
50代の検査
50代はがん発症率が高くなる年代です。
加えて、高血圧や糖尿病など基礎疾患を持つ方も増えてきます。
生活習慣病による心臓病や脳血管疾患の早期発見が重要です。
- 男性の場合:PET、脳MRI・MRA
- 女性の場合:PET、脳MRI・MRA
60代の検査
60代は、本格的にがん患者が増える年代です。
がんマーカーに加え、三大疾病を早期発見できる項目をおすすめします。
また、女性は早期から認知症の予防ができるように、脳ドックの検査も良いでしょう。
- 男性の場合:PET、前立腺がん(PSAマーカー)
- 女性の場合:脳MRI・MRA
人間ドックはどこで検査すれば良いの?
人間ドックは近隣の病院やクリニックで受けられ、電話やネットで予約可能です。
病院やクリニックによって、金額や検査項目に違いがあります。
施設の選び方について解説します。
施設の選び方
人間ドックを受ける施設を選ぶ際は、以下を確認するようにしましょう。
- 希望する検査はできるか
- 検査費用はいくらか
- アクセスはしやすいか
- 企業からの指定施設はあるか
それぞれ解説します。
希望する検査はできるか
病院やクリニックによって、検査項目に違いがあります。
施設によっては、PETや脳ドックが受けられない場合もあります。
希望する検査ができるかどうか、事前に調べましょう。
検査費用はいくらか
人間ドックは自由診療のため、施設ごとに価格を設定しています。
病院・クリニックごとに異なるので、事前に調べましょう。
アクセスはしやすいか
人間ドックは検査によっては、食事ができなかったり長時間の検査になったりすることもあります。
検査の数によっては、施設に宿泊することもあるのです。
そのため、アクセスが良い施設なら行き帰りの負担も軽減されます。
企業からの指定施設はあるか
企業によっては、検査施設を指定しているところもあります。
費用も変わるため、企業が指定している施設がないか確認するようにしましょう。
機能評価認定施設とは
機能評価認定施設とは、日本人間ドック学会が定める様々な審査項目をクリアした優良な施設を指します。
人間ドックを受ける施設を選ぶ際の基準にできます。
毎年の検査は同じ施設を選ぶこと
人間ドックを受ける場合は、可能であれば毎年同じ施設で受けるようにしましょう。
理由は、症状の経過や数値の変動などが比較できるからです。
健康診断だけでも大丈夫?
一般的な健康診断でも、自分の健康状態を把握できます。
しかし、健康診断だけでは発見できない病気は多くあります。
たとえ、健康を意識した生活をしていても病気になる可能性は、誰にでもあるのです。
人間ドックを受け、病気の早期発見に努めることが大切です。
年間のがんや脳卒中の患者数
厚生労働省の発表では、令和2年度のがんや脳卒中による年間の死亡者数は以下の通りです。
- がん:約40万人
- 脳卒中など循環器系疾患:約30万人
がんや脳卒中に罹患している患者は多くいます。
とくにがんは、2人に1人が発症するといわれています。
しかし、医療技術の発達により治せるがんが増えてきたのも事実です。
疾患やがんを治すためには、早期発見・早期治療が重要です。
生活習慣病などは、早くから治療をすることで健康に過ごせる時間も長くなります。
定期的な健康診断のみでは見逃してしまうがんもあります。
そのため、毎年人間ドックを受け、病気の早期発見に努めることが大切です。
出典:厚生労働省【第7表 死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対)(P16・17参照)】
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人間ドックは何歳からまとめ
ここまで人間ドックは何歳からについてお伝えしてきました。
人間ドックは何歳からについての要点をまとめると以下の通りです。
- 人間ドックは、20歳以上であれば誰でも受けられる
- 人間ドックを受ける頻度は、できるだけ毎年受けることが大切
- 人間ドックの検査項目は、身体計測・血液検査・がんマーカー・脳MRIなど
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。