更年期の症状はつらいもので、日常生活にも影響があります。
更年期の症状は、女性ホルモンと自律神経の乱れに関係があります。
本記事では更年期について以下の点を中心にご紹介します。
- 更年期はいつから始まるのかについて
- なぜ更年期となるのかについて
- 更年期はいつまで続くのかについて
更年期について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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更年期とは
更年期とは、女性の4つのライフステージのうちの1つの時期にあたります。
女性のライフステージは、思春期・性成熟期・更年期・老年期に分けられます。
更年期は、女性の一生のうち閉経の時期の前後10年間にあたります。
閉経の時期は、個人差がありますが50歳前後が一般的です。
更年期には、ホルモンのバランスの乱れからさまざまな不調が生じます。
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更年期はいつから?
更年期は、40代後半から始まる人が多いです。
日本女性の閉経年齢は、平均で50歳(49.5歳)が最も多いという調査結果があります。
したがって更年期に個人差はあるものの、閉経の前後10年間にあたる45歳頃から始まるのが最も多くなっています。
更年期症状はなぜ生じるのか
更年期症状が生じる原因は、女性ホルモンの減少によるものです。
女性ホルモンは、脳の視床下部からの指令で卵巣から分泌されます。
女性ホルモン分泌のメカニズムは、以下のようになっています。
- 脳の視床下部から「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が分泌
- 脳下垂体から「卵胞刺激ホルモン(FSH)」と「黄体化ホルモン(LH)」が分泌
- 卵巣から女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」が分泌
また、卵巣には女性ホルモンの分泌量の調整を視床下部に指示する働きがあります。
更年期には、卵巣機能の低下によって、脳からの指令通りに女性ホルモンが分泌できなくなります。
このことから、更年期において女性ホルモンのバランスの乱れが生じるのです。
更年期症状・障害とは
更年期症状は、閉経前後に女性ホルモンが減少することによってあらわれる不調です。
日常生活に支障が出るようになると更年期障害と呼ばれます。
更年期障害の症状には、身体的なものや精神的なものがあります。
更年期障害の主な症状を以下の表にまとめます。
分類 | 症状 |
精神神経系 | 頭痛、めまい、不眠、不安感、イライラ感、うつ様症状 |
血管運動神経系 | ほてり・のぼせ、動悸・息切れ、寝汗・発汗、むくみ |
皮膚・分泌系 | のどの渇き、ドライアイ |
消化器系 | 吐き気、下痢・便秘、胃もたれ・胸やけ |
運動器官系 | 肩こり・腰痛・背中の痛み、関節痛、しびれ、手指の痛み・しびれ・変形 |
泌尿器・生殖器系 | 月経異常、尿失禁、性交痛 |
更年期はいつまで続くの?
更年期は一般的には50代後半まで続きます。
更年期に個人差はありますが、平均的な閉経時期である50歳前後の10年間とされています。
女性ホルモンの分泌量は、30代をピークに45歳〜55歳の間に急激に減少します。
急激なホルモンの減少が、さまざまな不調を起こすのが更年期障害です。
女性ホルモンの減少は、50代後半から安定しはじめて老年期のステージに入ります。
したがって、50代後半までの時期が更年期となります。
出典:厚生労働省【女性のライフステージを考慮した健康づくり(女性と男性のホルモン分泌の違い)】
更年期を改善するには
更年期障害を改善するために、以下のような3つの薬物療法があります。
【ホルモン補充療法(HRT)】
ホルモン補充療法は、更年期に入り減少したエストロゲンを補う治療法です。
更年期障害の主な原因が、エストロゲンの減少にあるからです。
ホルモン補充療法は特に血管運動神経系の症状の
- ほてり・のぼせ
- 動悸・息切れ
- 寝汗・発汗
- むくみ
などに有効とされています。
【漢方薬】
漢方薬は、複数の配合した生薬の働きによって、慢性的な症状に効果を発揮します。
更年期障害の症状に対しても、状態に応じて以下の漢方薬が処方されます。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力の低下がみられ冷え性で貧血症状のある方
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):体質虚弱で疲労しやすく精神症状(不安、不眠など)のある方
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):体力はあるが、ときにのぼせや下腹部痛などのある方
【向精神薬】
更年期障害では、以下のような精神的につらい症状があらわれることがあります。
頭痛 | めまい |
不眠 | 不安感 |
イライラ感 | うつ |
更年期障害の症状で精神的な症状でつらい時には、以下のような向精神薬が用いられます。
- 抗うつ薬
- 抗不安薬
- 催眠鎮静薬
また、抗うつ薬では以下のような、副作用が少なくほてりや発汗などにも効く薬があります。
- 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSR)
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
更年期症状を緩和するには
更年期障害で起こる様々な症状は、女性ホルモンと自律神経のバランスの乱れが原因です。
更年期症状を緩和するには、更年期障害で乱れた自律神経を整えることが大切です。
以下のような対策をとることで、自律神経を整えることができます。
- 栄養のバランスを重視した食事で心身の健康バランスを改善する
- ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動で生活習慣病を予防・改善
- 更年期症状を緩和して女性ホルモンの働きを助けるサプリメントの服用
- アロマセラピーでリラックス
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プレ更年期とは
プレ更年期とは30代から40代にかけて、生理不順やのぼせ・ほてり、イライラ感などの症状を感じることをいいます。
一般的な更年期(45歳~55歳)と同様に以下のような症状を感じる場合があるからです。
- 生理不順
- のぼせ・ほてり
- イライラ感
プレ更年期は医学的に正式な病状ではありませんが、更年期前でも女性ホルモンが低下することがあります。
更年期に入っていない場合でも、ホルモンバランスの乱れでさまざまな症状が生じます。
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更年期障害はいつからが多いの?
更年期障害に関して、自覚した年齢や症状を調査した報告があります。
調査した報告では、以下のような結果になっています。
【更年期障害を自覚した年齢】
平均年齢は44歳で、30代から50代まで幅広く更年期障害を自覚していることがわかります。
調査結果は以下の通りです。
- ~40歳 :28%
- 41歳~45歳 :32%
- 46歳~50歳 :26%
- 51歳~ :14%
【更年期障害の症状】
自覚した症状は多種多様で、トップ5は以下のようになっています。
- イライラ
- 倦怠感・無気力感
- ホットフラッシュ
- 発汗
- 肩こり
倦怠感・無気力感は、最も深刻な症状としてトップに挙げられています。
また、倦怠感・無気力感を抱えている方の家事や仕事への影響が、深刻であることがわかる結果となっています。
出典:【200人に調査!更年期障害で最も深刻な症状・効果のある対策とは?】
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男性にも更年期は存在する?
男性にも更年期は存在します。
男性の更年期は「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と呼ばれるものです。
男性更年期も女性同様40代後半から生じます。
加齢や過度なストレスで、テストステロン(男性ホルモン)が欠乏して起こります。
特に、テストステロンの急激な低下に身体がついていけないことが原因で起こります。
男性更年期の症状は、以下のようなものです。
うつ様症状 | イライラ |
倦怠感 | 頭痛 |
肩こり | 動悸・息切れ |
手足のしびれ | ほてり |
更年期まとめ
ここまで更年期はいつから始まるのか、発生の原因やいつまで続くのかについてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。
- 更年期は40代後半から始まる人が多い
- 更年期症状は女性ホルモンの減少と自律神経の乱れによって生じる
- 更年期は一般的には女性ホルモンの減少が落ち着く50代後半まで続く
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。