花粉症で眠いと感じる場合があります。
花粉症で眠いときは薬を変えると効果が出る場合があります。
そもそも花粉症で眠い原因とは何なのでしょうか?
花粉症で眠いときはどんな対策をとれば良いのでしょうか?
本記事では花粉症で眠い場合について、以下の点を中心にご紹介します。
- 花粉症で眠くなる理由とは
- 花粉症で眠いときの対策とは
- 花粉症で眠いとだるくなる理由とは
花粉症で眠くなる原因と対策方法について理解してもらうためにも、参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
スポンサーリンク
花粉症で眠い理由は?
花粉症になると、様々な原因によって日中に眠気を感じやすくなります。
ここから、花粉症で眠くなる原因について具体的に紹介します。
鼻づまりによる睡眠不足
花粉症の症状の1つに鼻づまりがあります。
鼻づまりになると、夜間の睡眠の質が低下して日中に眠くなるのが特徴です。
また、花粉症の鼻づまりによる睡眠不足がひどくなると、睡眠時無呼吸症候群になる可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に一時的に呼吸が止まってしまう病気のことです。
睡眠の質が低下して日中に強い眠気を感じやすいのが特徴です。
強い眠気を感じるため、運転中や仕事中などにもかかわらず寝てしまうケースがあります。
睡眠時無呼吸症候群は、日常生活に大きな支障が出やすい病気です。
花粉症になって鼻づまりが起こると、口を開けて寝るようになります。
喉の奥に陰圧がかかり、ひどくなると呼吸ができなくなる場合があります。
呼吸ができないと息苦しさから睡眠の質が大きく下がって、日中の眠気を感じるようになるわけです。
花粉症のアレルギー反応
花粉症に対する体の免疫反応によって、眠気を感じやすくなります。
花粉症に対抗するための免疫物質には、眠気を感じやすくする物質が含まれているからです。
花粉症の原因となるアレルギー物質が体内に入ると、下記のような反応が続けて起こります。
- 免疫細胞から抗体を出す
- 各細胞から免疫細胞が連鎖的に放出される
- 免疫細胞の影響で、くしゃみや鼻水が出る
- アレルギー原因物質が体外へ排出される
上記の流れで、体はアレルギー物質に対抗しようとしますが、同時に強い眠気を感じる物質も複数含まれてる場合があります。
つまり、アレルギー物質に対抗すると体の自然な反応として眠くなるわけです。
花粉症の薬の副作用
花粉症の薬を服用すると、薬の副作用で眠気を感じる場合があります。
なぜなら、花粉症の薬として代表的に使われる「抗ヒスタミン薬」は眠気などの副作用が起こりやすいといわれているからです。
ヒスタミンとは、体内にあって花粉症に関係する化学伝達物質のことをいいます。
ヒスタミンの主な役割は具体的に下記のとおりです。
- 鼻水、くしゃみなどを出す
- 脳内で覚醒と睡眠の働きに作用する
花粉症対策で使われる抗ヒスタミン薬は上記の働きを抑制するので、鼻水やくしゃみを止めてくれる作用があります。
しかし、同時に脳の覚醒も同時に抑制してしまうケースがあるため、眠気を感じやすくなります。
また、抗ヒスタミンを飲み始めてから数日間は、特に眠気を感じやすい傾向にあります。
後述しますが、抗ヒスタミンは第1世代と第2世代に分けられ、第2世代の方が眠気を感じにくい点が特徴です。
スポンサーリンク
花粉症で眠いときの対策
花粉症で眠気を感じるときは具体的な対処方法があり、実践すれば眠気を感じにくくなるでしょう。
ここから、花粉症で眠いときの対策方法について具体的に解説します。
薬を変える
花粉症で眠いときは、服薬する薬を変更してみましょう。
前述の通り、一般的に花粉症で使われる「抗ヒスタミン薬」を服用すると、副作用で眠気を感じやすくなるからです。
抗ヒスタミン薬は具体的に下記の2種類に分けられるのが特徴になります。
- 第1世代抗ヒスタミン薬
- 第2世代抗ヒスタミン薬
上記の薬の特徴は、下記の表に示すとおりです。
抗ヒスタミン薬の種類
第1世代 特徴
- 脳への影響が大きい
- 強い眠気を感じる
- 認知機能が低下する
第2世代 特徴
- 鼻づまり、くしゃみを抑制する
- 眠気や口の渇きなどが出やすい
- 第1世代では抑えられなかったアレルギー物質にも反応
- 眠気を感じにくい
上記の通り、抗ヒスタミン薬の第2世代は脳に与える影響が少なくなっているため、眠気を感じにくい点が特徴です。
花粉症の薬を服用していて眠気を感じる方は、薬の変更によって症状が改善できる可能性があります。
ただし、すべての人に当てはまるわけではないので、注意が必要です。
質の良い睡眠を取りやすくする
花粉症で眠気を感じるときは、質の良い睡眠を取れるように工夫してみましょう。
夜しっかり寝るための具体的な対策方法は下記のとおりです。
- 帰宅したら体についた花粉を洗い流す
- 空気清浄機を使用する
- 布団は外に干さない
上記の対策方法を実践すれば、夜の睡眠の質が上がりやすくなるでしょう。
花粉の飛ぶ時期は特に、帰宅したら必ずシャワーか入浴することをおすすめします。
疲れているからとそのまま寝てしまうと、花粉が体に付着したまま寝ることになるので寝てる間に花粉を吸い込む原因となります。
また、空気清浄機を使うのも睡眠の質を上げるために効果的です。
近年では花粉対策向きの空気清浄機が販売されており、空気中の花粉を吸収してくれます。
寝てる間に症状が出にくくなるでしょう。
花粉が飛ぶ時期に布団を外干しすると花粉が付着してしまいます。
睡眠の質を高めるには、室内干しか布団乾燥機などを使いましょう。
花粉症対策を行う
花粉症で眠いときは、症状を悪化させないようにしっかりとした対策を心がけましょう。
花粉症対策で効果的な方法は、具体的に下記の表のとおりです。
外出する時
- 帽子、マスク、眼鏡の着用
- ウールやアクリルなど毛織物のコートを避ける
- 昼前後と日没前後の外出をなるべく控える(※花粉が多く飛沫するため)
室内にいるとき
- 窓を締める
- 換気は短時間で行う
花粉症対策方法
上記のように、室内にいるときも外出するときも、なるべく花粉を吸い込まないように気をつけるのがポイントでになります。
例えば、外出するときのマスクには花粉症用のマスクが販売されています。
花粉症に悩んでいる方は利用を検討すると良いでしょう。
マスクのサイズが合っていないと、顔とマスクの間に隙間ができて花粉が入り込みやすくなるので注意が必要です。
生活習慣を見直す
花粉症で眠気を感じるときの対策として、生活習慣を見直すのも1つの方法です。
なぜなら、生活習慣が乱れていると花粉症の症状も悪化しやすくなるからです。
見直すと効果的な生活習慣は、具体的に下記のとおりです。
- ストレス
- アルコールやタバコ
- 揚げ物や香辛料を含む食品の食べすぎ
見直したほうが良い生活習慣による影響
- 自律神経のバランスが崩れやすくなる
- 鼻粘膜を刺激しやすい
- 血管を拡張させ鼻づまりが悪化
- ヒスタミンの分泌を促す
- アレルギーを誘発する物質を生み出す
上記のような生活習慣を持っている方は、花粉症が悪化しやすく、眠気を感じやすい傾向にあります。
自分にできる範囲で改善していきましょう。
花粉症で眠いときの薬の服用はどうする?
花粉症で薬を服用して強い眠気を感じるようなら、服用を見直すのも一つの方法です。
ここから、花粉症の薬を服用して眠気を感じるときの対策方法について解説します。
眠くなりにくい薬に変える
花粉症対策で薬を服用して眠気を感じるときは、眠くなりにくい薬に変えてみましょう。
前述の通り、一般的に花粉症対策で使われる「抗ヒスタミン薬」には、眠くなりやすい第1世代と眠くなりにくい第2世代があるからです。
市販されている第2世代抗ヒスタミン薬の商品名は、具体的に下記のとおりになります。
- アレグラ
- コンタック鼻炎Z
- アレジオン
- エバステル
上記の中で特に眠気を感じにくいといわれているのはアレグラなので、眠気を改善したい方におすすめです。
ただし、第2世代抗ヒスタミン薬は第1世代よりも即効性の面で劣るため、花粉シーズンの始まる1週間から2週間前くらいから飲み始めるのが効果的です。
また、眠くならない薬として漢方薬を試してみるのも1つの方法でしょう。
医師に相談する
花粉症の薬を服用していて眠くなるようでしたら、医師に相談することをおすすめします。
かかりつけ医の場合、処方された薬を服用して強い眠気を感じることを説明すれば、代わりの薬を提案してくれます。
薬が作用するかどうかは、体質によっても変わってくるため飲んでみるまでわかりません。
自分に合わない薬を飲み続けても効果が出にくいケースがありますから、なるべく早めに医師に相談するのが賢明です。
花粉症対策の薬には、飲み薬の他にも点鼻薬や点眼薬など様々な種類があります。
内服薬以外の薬を使う
花粉症の薬を服用していて眠くなるようなら、内服薬以外の薬を使うと良いでしょう。
前述のとおり、花粉症には飲み薬の他にも点鼻薬や点眼薬なども対策になるからです。
点鼻薬や点眼薬の具体的な選び方は、下記の表に示すとおりです。
鼻づまりの症状がひどい場合 | ステロイド配合のもの |
鼻づまりの症状が軽い場合 | クロルフェニラミン |
鼻づまりの症状をすぐ改善したい場合 | 血管収縮剤配合のもの |
早く改善したい場合 | クロルフェニラミン |
継続して改善したい場合 | クロモグリク酸 |
かゆみを感じにくくしたい | メントール配合のもの |
上記の表のとおり、花粉症の症状で鼻水や目のかゆみなどを感じる場合、飲み薬以外にも対処方法があります。
症状に応じて効果的な薬は変わってきますので、ご自分の症状に合うものを選びましょう。
花粉症で眠いとだるいのはなぜ?
花粉症で眠気を感じる時に、同時にだるさを感じてつらいという方もいらっしゃるでしょう。
ここから、花粉症で眠いときにだるくなる理由について具体的に解説します。
どちらも花粉症の症状だから
花粉症で眠気を感じるときに体がだるくなるのは、花粉症の症状だからです。
花粉症の主な症状は鼻づまりや目のかゆみなどですが、場合によっては下記の症状が出ます。
- だるい
- 頭が重い
- 集中力が低下
- イライラしやすい
上記の反応は随伴症状といわれており、花粉症の症状の一種です。
特に花粉のピークの時期に起こりやすいのが特徴です。
体内への花粉の侵入を防ぐ免疫機能の働きが過剰になりやすく、体力が低下しやすいからと考えられます。
体力が低下すると、体のだるさや眠気などの症状があらわれやすくなります。
睡眠不足でだるさを感じやすくなる
花粉症になって眠気を感じる場合、睡眠不足になっている可能性があります。
睡眠不足によってだるさを感じやすくなるでしょう。
花粉症の症状である鼻づまりが夜間に起こると、呼吸がしにくくなります。
寝付きが悪くなったり、睡眠の質が低下したりするのは、呼吸がしにくいからです。
夜間に鼻づまりが起きると、いつもどおり睡眠時間をとっているはずなのに睡眠不足や体のだるさが発生するケースがあります。
厚生労働省のデータによると、花粉症の症状により「翌日だるい眠気がある」と答えた方は過半数を占めるのが事実です。
出典:厚生労働省【アレルギー性鼻炎/花粉症/アレルギー性結膜炎】
上記のデータの通り、花粉症の症状が睡眠に及ぼす影響によって体のだるさを感じやすくなることがわかります。
花粉症で目が重いと眠くなる?
花粉症で目が重いと感じたり、ゴロゴロすると感じたりする場合、眠くなると悩んでいる方もいるでしょう。
花粉症で目が重い場合に眠くなる原因について、ここから具体的に解説します。
目が重いと寝不足になりやすい
花粉症の症状で目の重さを感じたりかゆみを感じたりする場合、寝不足になる可能性があります。
目に花粉症の症状が出ることを花粉性結膜炎といいます。
目のかゆみや重さなどが主な症状です。
目そのものだけでなく、まぶたやまぶたの周辺などにかゆみが出るケースもあるのが特徴です。
皮膚に感じるかゆみと同じく、かけばかくほど強いかゆみを生じるため、注意が必要です。
寝るときに目のかゆみを感じると寝付きが悪くなったりよく眠れなくなったりする原因となります。
冷たいタオルや保冷剤などで優しく目を冷やしてあげると効果的です。
目の重み以外の症状で眠くなりやすい
目の重み以外の症状でも、夜寝られず日中に眠くなる場合があります。
花粉性結膜炎になると目にかゆみを感じやすくなるので、ついかいてしまいます。
かいてしまうと症状が悪化して、目の奥にも痛みを感じるようになる場合があります。
痛みを感じると、さらに寝付きが悪くなるなど睡眠に影響が出やすくなるでしょう。
頭痛が起こるケースもあり、寝起きにズキズキとした痛みを感じたり睡眠の質が低下したりする原因になります。
花粉症で眠いときは薬以外の治療法も考える
花粉症で眠いと感じるときは、薬以外にも様々な治療法があります。
具体的な治療法は下記のとおりです。
対症療法
点眼薬や点鼻薬による局所療法や内服薬による全身療法の他に、レーザーなどによる手術療法があります。
根治療法
根治療法には、アレルゲン免疫療法や舌下免疫療法などがあります。
アレルゲン免疫療法
アレルゲン免疫療法は、皮下免疫療法とも呼ばれることもあります。
花粉の抽出液を薄く濃度を下げて注射します。
少しずつ濃度を上げて注射して、花粉に対する免疫を獲得する方法です。
舌下免疫療法
12歳以上のスギ花粉症の方であれば受けられる治療法です。
スギ花粉エキスを舌下に含んで、2分間そのままにしたあと飲み込みます。
2週間で最大量に達するので、その後は1ヵ月に1回通院して経過をみます。
薬を服用しても効き目を感じにくい場合は、医師と相談しながら色々な治療方法に挑戦してみるのも1つの方法です。
花粉症の眠いのまとめ
ここまで花粉症で眠いときの原因や対策方法についてお伝えしてきました。
花粉症で眠いときの原因や対策方法をまとめると以下のとおりです。
- 花粉症で眠くなる原因は、睡眠不足や体のアレルギー反応、薬の副作用にある
- 花粉症で眠いときの対策方法には薬の変更、睡眠環境や生活習慣の改善にある
- 花粉症で眠いとだるくなる理由は、花粉症の症状である点と睡眠の質が下がっている点にある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。