中高年になるとコレステロールや中性脂肪の数値が気になります。
中性脂肪の数値は、生活習慣病の指標の1つです。
中性脂肪が高いとどのような影響があるのでしょうか?
中性脂肪を下げる方法にはどのようなものがあるでしょうか?
本記事では中性脂肪を下げる方法について以下の点を中心にご紹介します。
- 中性脂肪を下げる方法について
- 中性脂肪に効果的な食べ物について
- 中性脂肪に効果的な飲み物について
中性脂肪を下げる方法について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
スポンサーリンク
中性脂肪とは
中性脂肪とは、血液中に含まれる脂質の1種で英語名をトリグリセリドといいます。
中性脂肪はエネルギー源として重要な他、体温の維持や臓器の保護などの役割も担います。
ただし過剰な中性脂肪は、体脂肪として蓄積され肥満や生活習慣病を招く原因となります。
スポンサーリンク
中性脂肪が高いとどうなる?
中性脂肪が高くなると肥満や生活習慣病になりやすくなります。
中でも脂質異常症は、血中の脂質が増えてドロドロになっているような状態です。
脂質異常症は徐々に動脈硬化が進み、症状が進むと血管が詰まりやすくなります。
血管が詰まると脳卒中や心筋梗塞など重篤な疾患につながるリスクが高まります。
生活習慣病になっているかもしれないと気になる方も多いのではないでしょうか。生活習慣病になってしまう原因がわかれば、予防ができます。本記事では生活習慣病の原因について以下の点を中心にご紹介します。 生活習慣病の原因とは 生活習[…]
中性脂肪を下げるには
中性脂肪を下げる方法として4つ挙げます。
- 食生活を改善する
- 適度な運動
- 飲酒を控える
- サプリメントを試す
それぞれの方法について以下でご紹介します。
食生活を改善する
中性脂肪を下げるには、食生活の改善が必要です。
糖質や脂質の多い食生活をしていると中性脂肪が増えてしまいます。
例えば
- 暴飲暴食でカロリー過多
- お菓子やジュースを頻繁に食べる
- 油っこいものを好んで食べる
- 肉類や白米が多く野菜を余り食べない
などです。
中性脂肪を下げるには、脂質と糖質を少なくし、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
適度な運動
中性脂肪を下げるためには、適度な運動がおすすめです。
厚生労働省は、血中脂質の改善に有酸素運動を定期的に取り入れることを推奨しています。
以下のような有酸素運動を1日合計最低30分、少なくても週3回継続することです。
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- 自転車
中でも手軽に始められて継続しやすいのはウォーキングです。
厚生労働省の「健康日本21」でも、生活習慣病予防にウォーキングをすすめています。
さらに、今より10分多く身体を動かす「プラス・テン」運動も呼びかけています。
出典:厚生労働省【脂質異常症を改善するための運動 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
出典:厚生労働省【わたしたちは健康家族!健康日本21(第二次)】
飲酒を控える
中性脂肪を下げるためには、飲酒を控えることも大切です。
大量に摂取したアルコールは、肝臓で分解しきれずに血中に脂質が残ってしまいます。
中性脂肪は、飲酒量に比例して増えると考える必要があります。
厚生労働省の「健康日本21」では1日あたりの適度な飲酒量を20g(1日平均純アルコール量)としています。
以下が目安です。
- ビール:500mlの中ビン1本
- 日本酒:1合(180ml)
- ワイン:2杯弱(200ml)
出典:厚生労働省【わたしたちは健康家族!健康日本21(第二次)】
サプリメントを試す
中性脂肪を下げるために、サプリメントを試す方法もあります。
サプリメントの摂取には、DHAやEPAを含むサプリメントがおすすめです。
どちらも青魚の脂に含まれている栄養素で、必須脂肪酸の1種になります。
DHAやEPAの作用には、以下のようなものがあります。
- 血管の健康維持の働きがある
- 血液をサラサラにする働きがある
- 生活習慣病(動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞など)の予防ができる
- 脂肪の代謝を促す
中性脂肪に効果的な食べ物・飲み物
中性脂肪に効果的な食べ物・飲み物を以下にご紹介します。
食べ物
中性脂肪に効果的な食べ物と期待できる効果について以下にご紹介します。
魚介類
魚介類には、中性脂肪に効果的なオメガ3脂肪酸のDHAやEPAが多く含まれています。
特にDHAやEPAが多く含まれる青魚には、血液をサラサラにして中性脂肪を下げる働きがあります。
またオメガ3脂肪酸は、体の組織の正常な働きに欠かせない必須脂肪酸です。
アマニ油やエゴマ油
アマニ油やエゴマ油に含まれるα-リノレン酸は、血中の中性脂肪を下げる作用があります。
α-リノレン酸はDHAやEPAと同じ必須脂肪酸で、オメガ3系脂肪酸です。
野菜
水溶性食物繊維が多く含まれる食品を食べると中性脂肪を下げる効果があります。
水溶性食物繊維には、糖質や脂質の吸収を穏やかにする働きがあるからです。
水溶性食物繊維は、野菜やきのこなどに多く含まれます。
また玉ねぎ・青ネギ・にんにくなどには、血液をサラサラにする成分が含まれています。
血液をサラサラにする成分は、「アリシン」や「ケルセチン」です。
「アリシン」や「ケルセチン」には、血圧降下や脂肪吸収効果なども期待できます。
海藻類
海藻類を摂ることでも中性脂肪を下げることが期待できます。
海藻類も野菜と同じように水溶性食物繊維が多く含まれているからです。
大豆製品
大豆製品は、血液中の中性脂肪を下げる働きがあります。
大豆製品には中性脂肪を下げる植物性タンパク質を豊富に含んでいるからです。
大豆製品には、納豆、豆腐、おから、豆乳など毎日でも摂りやすい製品が豊富です。
ただし、以下は同じ豆類でも糖質が高いので食べすぎに注意が必要です。
- インゲン豆
- レンズ豆
- そら豆
- ひよこ豆
フルーツ
フルーツに含まれるヘスペリジンやポリフェノールにも中性脂肪を下げる働きがあります。
ヘスペリジンは青みかんやみかん、レモンなどの柑橘類やサクランボに多く含まれます。
また、ブルーベリーなどに多く含まれるポリフェノールのアントシアニンには、動脈硬化を抑える効果があります。
飲み物
中性脂肪を下げる飲み物では、カテキンやクロロゲン酸が含まれるものが挙げられます。
カテキンやクロロゲン酸はどちらもポリフェノールの1種です。
カテキンは緑茶や紅茶に、クロロゲン酸はコーヒー豆に豊富に含まれています。
どちらも中性脂肪に働きかけて生活習慣病の予防・改善効果が期待できます。
中性脂肪を下げる際の注意点
中性脂肪を下げる際の注意点があります。
高くなりすぎた中性脂肪を下げるために、糖質や脂質の摂取を減らすことは必要です。
ただし中性脂肪は、健全な身体維持に欠かせないエネルギー源でもあります。
完全に糖質や脂質を断ってしまっては、エネルギーが不足してしまいます。
中性脂肪が低すぎることで起こる症状には
- エネルギー不足による不調
- 脂溶性ビタミンや必須脂肪酸などの吸収不足による不調
- 体温調節機能の低下による不調
などがあります。
中性脂肪は高すぎるのも下げすぎるのも良くないということです。
年代別の肥満者の割合
年代別の「肥満者の割合」が厚生労働省より報告されています。
同じ報告書に記載のある年代別の「運動習慣のある者の割合」と組み合わせたのが以下の表です。
【年代別の肥満者の割合と運動習慣のある者の割合】
年代 | 男性 | 女性 | ||
肥満者の割合 (%) | 運動習慣の ある者の割合 (%) | 肥満者の割合 (%) | 運動習慣の ある者の割合 (%) | |
20~29歳 | 23.1 | 28.4 | 8.9 | 12.9 |
30~39歳 | 29.4 | 25.9 | 15.0 | 9.4 |
40~49歳 | 39.7 | 18.5 | 16.6 | 12.9 |
50~59歳 | 39.2 | 21.8 | 20.7 | 24.4 |
60~69歳 | 35.4 | 35.5 | 28.1 | 25.3 |
70歳以上 | 28.5 | 42.7 | 26.4 | 35.9 |
出典:厚生労働省【令和元年国民健康・栄養調査結果の概要】
「年代別の肥満者の割合と運動習慣のある者の割合」の表より以下のことがわかります。
- 男性では肥満者の割合が最も多い40代で、運動習慣のある人が最も少なくなっている
- 女性でも肥満者の割合が増え始める40代で、運動習慣のある人が少ない
以上の結果からも、肥満者が増え始める40〜50代の人は、中性脂肪に注目することが必要です。
40〜50代の人は、中性脂肪を下げることを意識した生活をすることが推奨されます。
中性脂肪を下げるまとめ
ここまで中性脂肪を下げる方法についてお伝えしてきました。
中性脂肪を下げる方法についての要点を以下にまとめます。
- 中性脂肪を下げる方法には、食生活の改善や適度な運動、飲酒を控える、DHAやEPAなどのサプリメントの服用がある
- 中性脂肪に効果的な食べ物には、必須脂肪酸を含む魚介類やアマニ油・エゴマ油、水溶性食物繊維の豊富な野菜・海藻類、大豆製品、柑橘類などがある
- 中性脂肪に効果的な飲み物には、緑茶(カテキン)やコーヒー(クロロゲン酸)などがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。