あさりは汁物や炊き込みご飯、酒蒸しなどさまざまな料理に用いられます。
一年中手に入る人気の貝類ですが、私たちの体に欠かせない栄養素を多く含んでいます。
しかし、あさりの栄養や効果・効能について、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
本記事ではあさりの栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- あさりに含まれる栄養は?
- あさりで得られる効果・効能は?
- 美味しいあさりの選び方は?
あさりの栄養について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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あさりに含まれる栄養
あさりは、和洋のさまざまな料理にも用いられる人気の食材です。
あさりの風味や味わいもさることながら、その栄養価にも注目されています。
あさりには以下の栄養素が含まれています。
生あさり100gに含まれる栄養素
栄養素 | 含有量 | 成人(女性)1日の推奨量 |
カルシウム | 66mg | 650mg |
鉄分 | 3.8mg | 10.5mg |
ビタミンB2 | 0.16mg | 1.2mg |
ビタミンB12 | 52.4μg | 2.4μg |
ビタミンC | 1mg | 75mg |
出典:文部科学省【第2章日本食品標準成分表】
カルシウム
体内に存在するミネラルの中で最も多いのがカルシウムで、歯や骨を生成するのには欠かせない栄養素です。
約99%のカルシウムが歯や骨に蓄えられています。
そして残りは筋肉や血液の中に存在しています。
カルシウムは食事から摂取します。
しかし不足すると骨などに蓄えられているカルシウムで補います。
そのため蓄えられていたカルシウムが細胞や筋肉へと流れ、骨自体がもろくなりやすくなります。
鉄分
鉄は全身に酸素を送るためには欠かすことができないミネラルです。
体内の鉄分の多くは、赤血球や筋肉に存在しています。
鉄分の作用で酸素が体の隅々まで行き渡ります。
そうすることで、免疫力や運動機能が活発になります。
反対に鉄が不足すると体内の酸素の流れが滞ります。
めまいや立ちくらみが症状としてあらわれるのが「鉄欠乏性貧血」です。
また集中力や筋力の低下、頭痛、食欲不振などを引き起こしてしまいます。
ふだんから鉄分不足にならないように心がける必要があります。
ビタミンB2
「発育のビタミン」といわれるビタミンB2は、発育を促すための重要な働きをします。
また髪や爪の再生や、皮膚や粘膜の保護にも大きく関わっています。
水溶性ビタミンであることから、余分なビタミンは尿として排出されます。
そのため体内に蓄積しにくく、多量に摂取しても過剰障害は起こりにくいとされています。
しかし動物性食品や乳製品、豆類の摂取が少ないと、ビタミンB2が不足しやすくなります。
ビタミンB2が不足することで、口内炎や角膜炎などの不調をきたします。
ビタミンB12
ビタミンB12は、エネルギー代謝に不可欠な栄養素です。
たんぱく質やアミノ酸、脂肪酸の代謝に深い関わりがあります。
そのため、エネルギーを活性化させる働きがあります。
また赤血球の成分としても大きな役割があります。
そのため、貧血予防に効果が期待される栄養素です。
神経細胞の傷を修復する働きもあることから、手足のしびれにも期待されています。
ビタミンB12は「動物性食品」に多く含まれています。
その中でも、あさりのビタミンB12の含有量は多く、貝類の中でもトップクラスといえます。
反対に野菜や果物にはビタミンB12がほとんど含まれていません。
したがって菜食中心の食生活であれば、サプリメントなどでビタミンB12を補う必要があります。
ビタミンC
ビタミンCは活性酸素の働きを抑制し、抗酸化作用がある水溶性のビタミンです。
血管や腱、血管などを構成するコラーゲンの生成にも必要なのがビタミンCです。
また植物性の食品から鉄分の吸収を助けます。
したがって、風邪予防など免疫力の向上にも欠かせない栄養素です。
厚生労働省【eJIM ビタミンC】
タウリン
タウリンは、体内でたんぱく質が分解されるときに生成されるアミノ酸の一種です。
血液の余分なコレステロールを排出するため血液の粘度を下げてサラサラにします。
したがって、動脈硬化を防ぐ働きをします。
また肝臓の働きを活発にし、アルコール障害にも効果を発揮するといわれています。
タウリンは魚介類に多くに含まれる水溶性の栄養素です。
そのまま生で食べたり、スープや鍋物などで効率的に摂取できます。
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あさりで得られる効果・効能
では、あさりを食べることでどのような効果や効能があるのでしょうか。
以下にまとめていきます。
貧血の予防
あさりには鉄分とビタミンB12が豊富に含まれています。
体内にある鉄分の2/3は、赤血球のヘモグロビンを構成する役割があります。
肺で酸素を取り入れ全身に運びます。
そのため、貧血の予防に効果が期待されているのです。
またビタミンB12は、酵素の働きを助けアミノ酸や脂質の代謝に大きく関わります。
正常な赤血球を作り出し、神経細胞を正常に保ちます。
そのため、鉄分と同様に貧血予防に有効といわれているのです。
コレステロール値を下げる
あさりにはコレステロールや中性脂肪を減らす効果があります。
アミノ酸の一種であるタウリンは、肝臓で胆汁の生成を助ける良質なたんぱく質です。
胆汁を作り出す際に体内コレステロールを多く消費します。
消費するので、血液中の余分なコレステロールを抑制するのです。
したがってあさりには悪玉コレステロールを減らし、血液疾患や動脈硬化などを防ぐ効果が期待されています。
肝機能を高める
あさりに含まれるタウリンのほかに、ベタインというアミノ酸も肝臓の働きを活性化させる栄養素です。
さらにあさりに豊富に含まれるビタミンB12も肝臓の解毒機能を強化します。
昔から二日酔いや肝機能が不調の時に「あさりの汁物」が好まれてきました。
飲酒の習慣がある方や、二日酔いの改善など肝機能強化に期待できる栄養素といえます。
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美味しいあさりの選び方
あさりは一年中スーパーなどで見かける食材です。
店頭などで美味しいあさりを選ぶには、以下のコツを覚えておくと便利です。
- 殻の模様がはっきりとしている
- 殻にツヤがある
- 口をかたく閉じている
- 臭みがない
殻の模様がはっきりしているものは、きれいな砂地で生育したといわれます。
あさりの産卵期である6〜9月は「中毒」を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
【保存方法】
殻付きの場合は、塩水で2〜3日は保存可能です。(水200ml+塩小さじ1程度の濃度)
しかし貝類は傷みやすいため、早めに食べることが大切です。
どうしても消費しきれない場合は、2ヵ月ほど保存可能な「冷凍」がおすすめです。
砂抜きをして水気を切り冷凍し、調理で使うときは冷凍のままの状態で加熱します。
あさりを使ったレシピ
ではここから、あさりを使ったレシピをご紹介します。
殻付きのあさりの場合、まず「あさりの砂抜き」をしますが2つ方法があります。
- ボウルに濃度3%の塩水を作り、あさりを入れて上にアルミホイルなどで暗くします
- 通常は5〜6時間で砂抜きが終わりますが、潮干狩りで取ったあさりは砂が多く1日ほどかかることがあります
濃度約3%の塩水:水500㏄+塩大さじ1 |
- ボウルに50℃ほどのお湯を用意して、きれいに洗ったあさりを入れます
- 通常は15~20分程度で砂抜きが完了するため、簡単で時短の砂抜き法です
50℃のお湯は、計測する必要はなく熱湯と水を同量合わせるだけで簡単です。
50℃のお湯:熱湯1+水1 |
参照:COOKPAD あさりの砂抜き
【定番】簡単あさりの酒蒸し
材料 2人分
- 殻付きあさり 200g
- にんにく 1片
- しょうがチューブ 3cm
- 塩コショウ(下味)少々
- しょう油 小さじ1
- 料理清酒 大さじ3
- サラダ油 適宜
- 小口ネギ 適宜
【作り方】
- あさりは砂抜きしてきれいに洗い、にんにくは刻んでおきます
- 小鍋にサラダ油を熱し、にんにくとしょうがを入れ香りを出します
- あさりを加えて軽く炒め、料理酒を入れてフタをして2~3分蒸します
- あさりの口が開いたら、しょう油を加えて味を整え、火を止めます
- お皿に盛り付け、上からの小口ネギを散らして、完成です
【MEMO】
あさりは殻同士をこすり合わせるように表面をきれいに洗いましょう。
あさりの口が開いてから加熱し過ぎるとかたくなるので注意しましょう。
【ほっこり♪】時短あさりのクラムチャウダー
材料 2人分
- 殻付きあさり 200g
- 料理清酒 大さじ1
- にんにくチューブ 3cm
- しょうがチューブ 3cm
- 塩 少々
- ホワイトソース 1缶
- ジャガイモ 2個
- 玉ねぎ 1/2個
- 人参 1/2本
- 水 適宜
- サラダ油 適宜
- コンソメ 小さじ2
【作り方】
- あさりは砂抜きしてきれいに洗います
- 耐熱皿に、にんにく、しょうが、料理酒、塩、あさりを入れてレンジで3分程度加熱します
- あさりの口が開いていなければ、追加で加熱します
- 加熱したあさりと、出汁は別々にしておきます
- 別の鍋に、ジャガイモ、人参、玉ねぎをみじん切りにして入れ、サラダ油で炒めます
- ホワイトソースとあさりの出汁を加えて煮込み、水とコンソメで味を整えます
- 最後にあさりを加えて、完成
【MEMO】
あさりはレンジで加熱する方法で時短になります。
ホワイトソースがないときは、シチューのルゥで代用できます。
そして、水の代わりに豆乳や牛乳を使うとさらにコクが出ます。
あさりに含まれるタウリンなどのうま味成分は、調理時に水分に流れ出る性質があります。
そのためスープなど全て飲み切れる料理は、栄養素を効率よく摂取することができます。
あさりの上手な保存方法
あさりは日本の食卓に欠かせない食材の一つです。
しかし、鮮度を保つための適切な保存方法を知らないと、その美味しさを損なってしまうことがあります。
あさりの冷凍のメリット
スーパーでのセールや潮干狩りのシーズンには、多くのあさりを手に入れることができます。
しかし、冷蔵保存の場合、1〜2日しか鮮度を保つことができません。
一方、冷凍保存を選択すると、3週間もの間、鮮度を保ちつつ、旨みも増すことができます。
さらに、冷凍したあさりは必要な分だけを取り出して調理することができるため、非常に便利です。
あさりの冷凍方法
あさりを冷凍する際の基本的な手順は以下の通りです。
- 砂抜きを行い、水気をペーパータオルなどでしっかりと拭き取る。
- 冷凍用の保存袋に、あさりが重ならないように平らに入れる。
- 空気を抜き、袋をしっかりと閉じる。
- アルミやステンレスのトレイなどの上に置き、冷凍庫で急速に冷凍する。
あさりの解凍と活用方法
冷凍したあさりは、自然解凍すると殻が開かなくなる可能性があるため、凍ったままの状態で調理することが推奨されます。
例えば、凍ったままのあさりを味噌汁やスープに加えたり、電子レンジで酒蒸しにしたり、ボンゴレパスタに用いると良いでしょう。
あさりの砂抜きの基本
あさりは、その美味しさを最大限に引き出すためには、適切な砂抜きが欠かせません。
砂抜きを行うことで、あさりの中に残っている砂や泥を取り除き、料理の際に砂を噛むことなく、あさりの旨味を存分に楽しむことができます。
あさりの下処理
まず、あさりの殻の表面に付着している汚れや砂を取り除くために、水で丁寧に洗います。
特に、潮干狩りで採取したあさりは、砂浜の砂が多く付着していることが多いので、しっかりと洗うことが重要です。
塩水の準備
砂抜きには、海水と同じ3%濃度の塩水を使用します。
この塩水を簡単に作る方法として、500mlの水に対して、約15g(キャップ2杯分)の塩を加えると、適切な濃度の塩水が作れます。
あさりの浸漬
作成した塩水にあさりを浸けます。この際、あさりがひたひたになる程度の水分量が最適です。
ザルを使用して、あさりが直接容器の底に触れないようにすると、砂が効果的に落ちやすくなります。
砂抜きの時間
あさりを塩水に浸けた後は、アルミホイルや新聞紙で覆い、1時間ほど放置します。
この時間が経過すると、あさりが砂を吐き出して、砂抜きが完了します。
最終チェック
砂抜きが終わったら、あさりを取り出し、再度水で洗います。
この際、ボウルの底に砂が溜まっているかを確認し、砂が残っていないかをチェックします。
旬のあさりは栄養価が高い
年中見かけるあさりですが、旬は「春4〜5月」と「秋9〜10月」であるといわれています。
旬の時期のあさりは身が肉厚で引き締まっていますよね。
そのため、うまみ成分もたっぷり詰まっています。
私たちが取り入れる野菜や魚介類などには「旬の時期」があります。
おもな産地や旬の時期によって、栄養価も変わります。
厚生労働省がまとめた資料によりますと、旬の時期に採れた野菜は栄養価が高いという調査結果があります。
この資料ではトマトを一例にあげており、特定の栄養素が旬の時期は2倍も多く含まれています。
古くから旬のものは体によい、とされてきましたが、それを決定づける調査結果になっています。
食べ物の旬を知ることで、上手に効率よく栄養を取り入れることができるのではないでしょうか。
出典:厚生労働省【旬を取り入れた食生活】
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あさりの栄養に関するよくある質問
あさりにはどのような栄養成分が含まれていますか?
あさりには、タンパク質、ミネラル(特に鉄分、亜鉛、セレン)、ビタミン(特にB12)、オメガ-3脂肪酸などの栄養成分が豊富に含まれています。
あさりの鉄分は、どれくらいの量が含まれていますか?
あさりは鉄分の良い供給源であり、100gあたり約3〜5mgの鉄を含むことが一般的です。
ただし、具体的な量は取り扱いや保存方法、調理方法によって変動することがあります。
あさりのタンパク質は、どれくらいの量が含まれていますか?
あさりには、100gあたり約10gのタンパク質が含まれています。
これは、魚や他の貝類と比較しても高い部類に入ります。
あさりに含まれるオメガ-3脂肪酸の効果は何ですか?
オメガ-3脂肪酸は、心血管疾患のリスクを低減する効果や、脳の健康を維持する効果があるとされています。
あさりに含まれるオメガ-3脂肪酸は、健康的な食事の一部として摂取することで、これらの健康効果をサポートすることが期待されます。
あさりを食べる際の注意点はありますか?
あさりは新鮮なものを選ぶことが重要です。
古くなったものや不適切に保存されたものは食中毒の原因となることがあります。
また、砂抜きをしっかりと行い、十分に加熱してから食べることをおすすめします。
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あさりの栄養まとめ
ここまであさりの栄養についてお伝えしてきました。
あさりの栄養について要点をまとめると以下の通りです。
- あさりに含まれる栄養は、カルシウム、鉄分、ビタミンB12、B2、C、タウリンなど
- あさりで得られる効果・効能は、貧血を予防しコレステロールを減少、肝機能の向上が期待できる
- 美味しいあさりの選び方は、殻のツヤがあり模様がはっきりしている、また口をかたく閉じて臭みのないものがよい
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。