低血糖は吐き気や頭痛だけではなく様々な症状を引き起こしてしまいます。
早めに対処するためにはまず低血糖の症状を詳しく理解しておくことが重要です。
では低血糖の症状にはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では低血糖の症状について以下の点を中心にご紹介します。
- 低血糖の概要
- 低血糖の原因
- 低血糖症状への対処方法
低血糖の症状について理解するためにも参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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低血糖とは
※画像はイメージです
診断基準になっている血糖値が70mg/dLより低くなると、自律神経が血糖値を上げようとすることによって低血糖の様々な症状があらわれます。
しかしこの基準や症状には個人差があります。
血糖値が高くなくとも低血糖の症状があらわれることがあるため、自分の症状を覚えておくことは非常に重要です。
低血糖の主な症状は手足の震えや発汗・動悸などで、酷くなると痙攣を引き起こします。
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血糖値の低下に伴い低血糖症状があらわれる
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ここでは低血糖の症状と仕組みについて解説していきます。
血糖値の低下で起きる症状は3段階の血糖値基準でわけられます。
先ほどの通り症状や血糖値の基準は個人差があるため、あくまで目安です。
血糖値が70 mg/dL以上でも症状が出る場合もある
一般的に低血糖の診断基準は血糖値が70mg/dLとされています。
しかし普段血糖値が正常値を超えている方は、血糖値70mg/dL以上でも低血糖の症状が出ることがあります。
普段血糖値が高い方も低血糖にはならないと思い込まず、低血糖の症状を理解しておくことが重要です。
血糖値が極端に低くても自覚症状がない場合もある
自覚症状がみられない「無自覚性低血糖」が起きてしまう方も少なくありません。
原因として以下の2つがあげられます。
- 神経障害を併発している
- 中等度~重度の低血糖を経験している
1つ目はそもそも神経障害を起こしてしまっており、症状を自覚できないケースです。
中等度や重度の低血糖を経験することで、身体が低血糖に慣れてしまうのです。
血糖値70 mg/dL以下で交感神経症状が出る
血糖値がある一定の値になると身体は血糖値を上げようとします。
まず初めに交感神経症状が生じます。
症状としては以下の通りです。
- 冷や汗
- 悪寒
- 不安
- イライラ
- 頻脈
- 手足の震え
- 顔面蒼白
- 手のしびれ
- 足がつる
症状には個人差があり、上記の症状は低血糖の初期症状です。
自分の症状を理解して早めの対処を心がけましょう。
冷や汗など発汗する
1つ目の症状は冷や汗です。
低血糖の状態での交感神経は活発になっていて、汗腺が刺激を受けます。
汗腺が刺激を受けた際、皮膚の血管は拡張した状態ではなく、収縮した状態になります。
血管が収縮している状態の皮膚の表面温度自体は低いままです。
皮膚の表面温度が低いままのため、発生した汗が冷たいと感じます。
悪寒がする、寒いと感じる
低血糖は体内の糖(ブドウ糖)が不足している状態です。
ブドウ糖は身体を動かすためのエネルギー源となる重要なものです。
すなわち低血糖は身体のエネルギー源が不足している状態になります。
体温を保てず低体温になったり、悪寒を感じてしまうことが多くなってしまうのです。
不安な気持ちが大きくなる
低血糖になると、血糖値を上げるために様々なホルモンが多く分泌されるようになります。
分泌されるホルモンの1種である「ノンアドレナリン」は、感情の変化に大きな影響を及ぼすホルモンです。
ノンアドレナリンは神経伝達物質ともいいます。
ノンアドレナリンが過剰に分泌されることで不安感を増大させてしまうなど感情に悪影響を与えてしまいます。
イライラする
不安な気持ちが大きくなることと仕組み自体は同じです。
低血糖になることで多く分泌されるホルモンの1種である「アドレナリン」は、イライラするといった感情の変化を与えます。
こうした感情の変化は集中力の低下を招いてしまう恐れもあります。
お腹が空いてイライラする方などは低血糖の症状であることも考えられるため、注意が必要です。
普段より脈が速くなる
血糖値を上げるため多く分泌される「アドレナリン」は、イライラするなどの感情の変化を与えるだけではありません。
アドレナリンは血管を収縮させ、頻脈や動悸などといった症状も引き起こしてしまいます。
もちろんアドレナリンは健康な方にも分泌されるホルモンです。
しかし低血糖の場合は急激に多くのアドレナリンが分泌されることで様々な悪い症状が起きてしまうのです。
手足の震えがある
手足の震えも急激に多くの「アドレナリン」が分泌されることが原因となって起こります。
アドレナリンが多く分泌されると、手や足を動かす筋肉が刺激されてしまい、勝手に震えてしまうのです。
手足の震えがあると不安に感じてしまう方も少なくありませんが、早めに対処すれば問題ありません。
手のしびれがある
手のしびれといった症状は、低血糖時に分泌される「ノンアドレナリン」によって起こります。
しかし手のしびれは糖尿病の方に多くみられる症状です。
血糖値が高い状態が続くと血管を常に圧迫している状態となります。
圧迫された結果心臓から遠い手や足に血液が届かなくなり、手のしびれが生じるのです。
足がつる
足がつるという現象はふくらはぎの筋肉が異常な緊張を起こすことで、伸縮バランスが崩れてしまった結果によるものです。
「ノンアドレナリン」や「アドレナリン」は筋肉に異常な興奮を起こし足がつるといった症状を引き起こしてしまいます。
この症状も低血糖の方だけでなく、糖尿病の方にも多くみられます。
顔色が青くなる
顔色が悪くなるという低血糖の症状は脳の血流低下によるものです。
低血糖でまず様々なホルモンが放出され自律神経が乱れます。
自律神経が乱れることは血流の低下を招き、低血糖の状態が続くと脳の血流も低下します。
脳の血流が低下した結果、顔色が青くなるといった症状があらわれるようになるのです。
血糖値50 mg/dL程度で中枢神経症状が出る
血糖値が50mg/dL以下になるとさらに症状は深刻化し様々な中枢神経症状があらわれるようになります。
症状としては以下の通りです。
- 頭痛やめまい
- 目がかすむ
- 吐き気や気持ちの悪さを感じる
- 集中力の低下
- 倦怠感
- あくびや眠気
これらの症状が生じているのにも関わらず放置していると、命に関わる重度低血糖になってしまいます。
頭痛やめまいがする
低血糖の状態が続くことで、中枢神経がブドウ糖の不足で頭痛やめまいを引き起こすことがあります。
また低血糖のため大量に分泌されたアドレナリンが様々な血管を収縮させ続けることで頭痛が起きるパターンも少なくありません。
頭痛という症状に関しては自律神経か中枢神経によるものか判断しづらいものです。
目がかすむ
低血糖状態が続くと中枢神経がブドウ糖不足を起こし自律神経に影響を与えるだけにおさまりません。
脳にまで影響を与え様々な症状があらわれます。
目がかすむといった症状もその1つです。
目でみた情報は視神経という中枢神経を伝わって脳に伝達し認識します。
しかしブドウ糖不足で中枢神経が正しい働きをしなくなった結果、目がかすんでしまうのです。
吐き気を催したり気持ち悪いと感じる
吐き気や気持ち悪さは脳の中に存在する嘔吐中枢という中枢神経が刺激されて起こります。
低血糖状態が続き中枢神経がブドウ糖不足を起こしたことで嘔吐中枢は影響を受けます。
嘔吐中枢が影響を受けた結果、吐き気や気持ち悪さを感じてしまうのです。
胃腸炎を起こしている場合は特に吐き気や気持ち悪さといった低血糖の症状が酷くなることが多いです。
集中力が低下してぼーっとする
脳のエネルギー源はブドウ糖のみということもあり、脳に一定のブドウ糖を与えるために、血糖値は一定に保たれています。
低血糖の状況下では脳はエネルギー源を失い思考能力が低下してしまいます。
思考能力が低下した結果、集中力が低下して頭がぼーっとした状態になるのです。
急に元気がなくなりぐったりする
低血糖によりエネルギー源であるブドウ糖が不足すると、身体が動かしにくくなり、倦怠感を覚えます。
身体がぐったりするだけでなく、低血糖の状態が続くと思ったように身体を動かせない状態になります。
身体を動かせないと、気分が落ち込みメンタル的に悪影響を与えるのです。
安定して糖を摂取することは人間の活動にとって非常に重要です。
生あくびが出たり眠気を感じたりする
生あくびとは眠気や疲れがたまっていないにも関わらず出るあくびのことです。
低血糖により脳へのエネルギー(ブドウ糖)供給不足が原因となり、眠気が引き起こされます。
睡眠を取っているにも関わらずあくびが出る方や眠気に襲われるといった方は低血糖の症状である可能性があります。
血糖値30 mg/dL以下 になると重篤な症状が出る
交感神経症状の場合早期に対処すれば問題ありません。
しかし中枢神経症状がしばらく続くと重篤な症状があらわれ脳の後遺症や生命に関わる状態になってしまうことも少なくありません。
症状は主に以下の3つです。
- 異常行動をする
- 痙攣
- 昏睡状態
上記の症状がみられた場合には速やかに医師に診てもらうようにしましょう。
異常行動をする
血糖値が30mg/dL以下になると先ほどの中枢神経症状よりも深刻な症状があらわれます。
深刻な症状の一例として本人の人柄や性格と全く異なった異常行動を起こしてしまいます。
また異常な行動だけでなく、発言にろれつが回らなくなったりといった症状もあらわれることも多いです。
痙攣が起きる
血糖値が20mg/dL以下とさらに低くなると、痙攣などの重篤な症状があらわれます。
痙攣は身体を動かす運動神経が異常に興奮して刺激を出し続けてしまうことで、自分の意思とは関係なく筋肉が収縮した結果起こる現象です。
痙攣が起きると、意識を失い昏睡状態にまで症状が悪化してしまうことが考えられます。
意識を失い昏睡状態に陥る
血糖値が低下すると、最悪の場合意識を失い昏睡状態になってしまいます。
意識を失っている状況下では、無理にブドウ糖を摂取させようとした場合喉に詰まらせてしまう可能性が高く危険です。
意識レベルが低下した場合適切な治療が遅れると死に至ることもあるため、必ず救急車を呼ぶようにしましょう。
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低血糖の主な原因7選
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低血糖には様々な症状があることがわかりましたが、原因についても様々なものが考えられます。
主な原因は以下の7つです。
- 食事量と炭水化物の不足
- インスリン注射と食事の時間間隔が空いた
- 空腹時に運動
- 運動量が多い
- インスリンや経口血糖降下剤が多い
- 飲酒
- 入浴
当てはまる状況下では低血糖が起こりやすいため注意が必要です。
食事量と炭水化物が不足している
1つ目は食事量や炭水化物が不足していることです。
わかりやすい例では、糖質制限や極端なダイエットなどです。
ダイエットで食事量やブドウ糖の摂取が不足すると低血糖を起こしやすくなります。
かといって過度な糖質摂取は身体に良くないため、糖質バランスを良く考えた食事が重要です。
インスリン注射してから食事まで時間が空いた
糖尿病患者の方は血糖値を下げる役割を持つインスリンが慢性的に不足しがちであるため、インスリン注射をしなければなりません。
食事で起こる高血糖の状態を防ぐため、食事の直前や食事を始めてから20分以内に注射を打つ必要があります。
インスリン注射は血糖値を下げる役割があるため、外出前に注射を打ちしばらく時間が空いてから食事を摂るなどといった行動は低血糖の原因となるため危険です。
空腹時に運動した
特にランニングなどの有酸素運動を行う際にはかなりのエネルギーが必要となります。
空腹時の糖が足りない場合には代わりに脂肪を分解してエネルギーを生成します。
脂肪を分解してエネルギーに変える作業はかなり時間を要するため、空腹時の運動は低血糖を起こしやすいです。
運動量が多い、長時間運動した
運動量が多い方、長時間の運動をする習慣がある方は低血糖の状態に陥りやすいため注意が必要です。
特にハイキングや登山など長時間の運動の代表例です。
長時間の運動は食事で得たブドウ糖だけでなく筋肉や脂肪の中に蓄えられていたブドウ糖をも使い尽くしてしまいます。
運動後に食事などで糖を摂取してもまず脂肪や筋肉にまわされるため、血糖値も上がりにくいです。
インスリンや経口血糖降下薬が多かった
インスリンは血糖値を下げる作用があるため、多く打ちすぎると低血糖を引き起こします。
代表的な例としては、普段より多く食事を摂取するつもりでインスリンを多めに打ったが、普段の食事量で満足したケースなどです。
もちろんインスリンだけでなく血糖降下剤を誤って多く摂取してしまった場合も同様です。
正しい服用量・服用方法は理解した上で必ず守るようにしましょう。
お酒を飲んだ
アルコールを摂取すると肝臓はアルコールの分解で活発に動きます。
分解している間は血糖値が下がっていても肝臓からブドウ糖が供給されず低血糖を引き起こしやすいです。
特に飲酒中は低血糖症状が出ていても気づかず深刻な状態に陥ってしまうことも少なくありません。
普段から多く飲酒する習慣がある方は、肝臓がダメージを受けていることが多いです。
飲酒している方は低血糖になりやすいため注意が必要です。
お風呂に入った
入浴もエネルギーを多く消費するため低血糖を引き起こしやすいです。
特に夕食前の空腹状態で元々血糖値が低く長湯をしていて低血糖になったという方も少なくありません。
10分間の入浴で30〜40kcalを消費するともいわれています。
長湯は避け、お湯の温度を41℃以下にするといった入浴法がおすすめです。
低血糖症状のセルフチェック13項目
ここでは低血糖の症状が出ているかどうか、自分が低血糖かどうか判断するためのチェック項目をあげ解説していきます。
1つや2つだけ当てはまる場合は低血糖ではなく他の要因があることも考えられます。
しかし3つ以上当てはまった場合には低血糖の可能性が高いです。
低血糖は交感神経症状のような初期症状の場合早期に対処することで改善できます。
気になる方や判断がつかない場合は医療機関の受診をおすすめします。
冷汗をかく
冷や汗は血糖値70mg/dL以下で起きる交感神経症状です。
暑くないのにも関わらず突然汗が出てしまい、食事などでブドウ糖を取ると改善される場合低血糖による症状である可能性が高いです。
ただし無自覚性低血糖症の場合冷や汗などの症状はあらわれないこともあります。
頻脈になる
頻脈も血糖値70mg/dL以下で起きる交感神経症状です。
激しい運動など思い当たることをしていないのにも関わらず頻脈になった場合、低血糖の可能性があります。
ただし頻脈は心筋梗塞や高血圧など原因が多いため他の病気である可能性も高いです。
頻脈も食事などで糖を摂取すると改善します。
動悸がする
動悸は心臓の鼓動を自分で感じられる状態のことをいいます。
動悸も血糖値70mg/dL以下で起きる交感神経症状です。
動悸についても心臓病や甲状腺に関する病気、精神疾患など考えられる原因は多いです。
交感神経症状であるため食事を摂ると改善します。
不安を感じる
不安感の増大も血糖値70mg/dL以下で起きる交感神経症状です。
不安を感じることもどちらかというと心の問題など他の原因であることが多いです。
他の症状と合わせて不安感の増大がみられた場合、低血糖の可能性が高いといえます。
手足が震える
手足の震えは運動神経に異常が起きた際に起こる症状で、血糖値70mg/dL以下で起きる交感神経症状です。
手足の震えはパーキンソン病や過度のストレスなどでも起こります。
低血糖による手足の震えは放出されたアドレナリンによるもので、多くは一時的なものです。
異常にお腹が空く
異常にお腹が空くといった症状がみられる場合は、低血糖の症状である可能性が高いです。
脳には「摂食中枢」という神経があり、低血糖になると糖(食事)を摂ることを命令します。
この命令により人は空腹を感じ、低血糖である方はそうでない方に比べて異常にお腹が空いたりします。
頭が痛い
頭痛は血糖値50mg/dL以下で起こる中枢神経症状です。
頭痛は原因となる病気が非常に多いため、低血糖の症状だと判別しにくいです。
しかし頭痛に加えてめまいや眠気などがあらわれている場合、低血糖を引き起こしている可能性が高いといえます。
顔面蒼白になる
顔面蒼白は血糖値70mg/dL以下で起きる交感神経症状です。
顔面蒼白は脳の血流低下によるもので、他の原因として主に貧血などが考えられます。
頭痛やめまいなどと合わせてあらわれることが多いです。
食事を摂って顔色が改善された場合低血糖の可能性が高いです。
言葉がもつれる
言葉がもつれるといった症状は低血糖の状態が続くなど深刻化した場合にあらわれることが多くなっています。
50歳以上の方の場合パーキンソン病の可能性も高いです。
不安な方は医療機関の受診をおすすめします。
眠気や生あくびが出る
眠気や生あくびは低血糖の代表的な症状です。
糖を多く摂りすぎると、インスリンが過剰に分泌され血糖値が急低下します。
血糖値が急低下したことで脳のエネルギー源であるブドウ糖が少なくなります。
ブドウ糖低下の結果、眠気やあくびがあらわれます。
慢性的に低血糖である方は常に眠気やだるさを感じやすいです。
目がかすむ
目がかすむといった症状も低血糖であることを示すものの1つです。
しかし目がかすむということは、脳にまでエネルギー源であるブドウ糖が不足しているということをあらわすため深刻な状態ともいえます。
目のかすみだけでなく物が二重に見えるなどの症状も同様に低血糖の症状です。
集中力が低下する
低血糖で目がかすむということと同様に脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足すると機械でいう電池切れのようになり、集中力の低下があらわれます。
糖質制限やダイエットで食事を摂らない方などは慢性的に集中力の低下などが症状としてあらわれることが多いです。
思考力が落ちる
人は脳で何か思考する際エネルギー(ブドウ糖)を必要とします。
低血糖でブドウ糖が不足すると、思考力が落ちるため判断力も鈍くなります。
特に朝ごはんを食べずにいると思考力や集中力の低下が原著にあらわれることが多いです。
低血糖症状が出ないように普段からできること
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低血糖にならないために普段から意識して取り組めば未然に防ぐことができます。
ここでは普段からできることを6つ紹介します。
どれも簡単なことであるため、低血糖の症状がみられる方、心当たりがある方は普段から意識して心がけるようにしましょう。
自分が低血糖になりやすい状況を覚えておく
低血糖の症状がよくみられる方は自分が低血糖になりやすい状況を覚えておき、早期に対処できるようにしましょう。
低血糖になりやすいタイミングとしては以下の通りです。
- 空腹時
- 食後3~5時間
- インスリン注射後
- 睡眠時
- 飲酒後
- 入浴後
- 運動後
症状があらわれた時間帯や状況を把握して覚えるようにしましょう。
主治医と治療方針を確認し合う
低血糖を治療中の方や糖尿病の方、低血糖になりやすい方は症状があらわれても早期に対処できるように主治医と治療方針を確認し合うようにしましょう。
治療方針を決めるためには自分が低血糖になりやすい状況や時間帯、症状を理解して主治医に的確に伝えることが必要です。
また症状に変化がみられた場合は、早急に主治医に相談して治療方針について話し合いましょう。
空腹時の運動を控える
空腹時は元々血糖値が低い上に運動でさらに糖を消費すると低血糖の症状を引き起こしてしまいます。
空腹時でなくとも長時間の運動を行う可能性があるときにも注意が必要です。
糖尿病の方には運動療法が有効とされていますが、空腹時の運動は危険です。
食後高血糖のタイミングで行うようにしましょう。
運動の合間に補食をとる
定期的に運動をされる方や長時間運動される方は低血糖を引き起こしてしまう可能性が高いです。
運動の合間にブドウ糖を補給することをおすすめします。
練習の合間には吸収に時間がかからないゼリー飲料やスポーツドリンクなどがおすすめです。
消化に悪いものは摂取すると腹痛や消化不良を引き起こす恐れがあるため控えましょう。
外出や運転をする場合はブドウ糖を常備する
特に1人で外出する際や運動する場合はブドウ糖を常備するようにしましょう。
ブドウ糖は他の栄養素に比べ早く吸収されエネルギーになります。
もし運転中に眠気や手足の震えなど低血糖の症状があらわれると、事故を起こしてしまう可能性があり大変危険です。
低血糖は急に起こるため外出中の方も注意が必要です。
糖尿病患者用IDカード(緊急連絡用カード)を持ち歩く
糖尿病の方は低血糖になりやすいため、糖尿病患者用IDカードを持ち歩くなどして万が一の場合に備えるようにしましょう。
糖尿病患者用IDカードを持ち歩くことで自身が糖尿病患者であることを知らせることができ、適切な処置を期待できます。
持ち歩く際には財布の中など確認しやすいところにしまっておきましょう。
低血糖症状への対処法9選
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ここからは実際に低血糖症状があらわれた際の本人ができる対処法と周りの人ができる対処法9つについて解説していきます。
糖尿病の方は特に適切な対処法が異なる場合もあるため、医師に確認するようにしましょう。
血糖値を測る
血糖値は食事やストレスなど様々なことから影響を受け変動します。
そのため血糖値を把握できる血糖値測定は重要です。
最近では「血糖自己測定器」を使用すれば自宅で自分1人でも血糖値を測ることができます。
糖尿病の方は保険適用で購入できるため、1台持っておくことをおすすめします。
血糖値を知ることで適切な対処法がわかるだけでなく、日々の血糖コントロールにも有効です。
ブドウ糖10 gを食べる
意識がある状態で低血糖の症状があらわれた場合、ブドウ糖10gを食べると症状の改善が期待できます。
糖分1gで血糖値を5mg/dL上昇するといわれています。
交感神経症状など低血糖の初期段階でブドウ糖を摂取することがおすすめです。
ブドウ糖は他の糖分と異なり吸収しやすく素早く血糖値を上昇させます。
ブドウ糖は薬局やドラックストアなどで手軽に購入できます。
ブドウ糖が入っている飲み物を150~200 mL飲む
ブドウ糖が手元にない場合、ブドウ糖が入っている飲み物を飲んでも低血糖の症状改善を期待できます。
具体的にエナジードリンクやぶどうジュース、コーラなどはブドウ糖が含まれておりおすすめです。
飲み物の場合でも交感神経症状など低血糖の初期段階でブドウ糖を摂取することをおすすめします。
ノンカロリーのジュースは血糖値を上げる作用がないため、注意が必要です。
砂糖の場合は20 g食べる
ブドウ糖が手元にない場合、砂糖を摂取することでも低血糖の症状改善を期待できます。
ブドウ糖の場合10gの摂取がおすすめですが、砂糖はブドウ糖より溶けにくく吸収が遅いため20gの摂取がベストです。
αグルコシダーゼ阻害薬を服用している場合は、砂糖を摂取しても血糖値が上がりません。
糖の吸収を阻害する効果があるためです。
再度ブドウ糖やブドウ糖入りの飲み物を摂取する
上記の対処法を試して15分経過した後、症状の改善がみられない場合、再度ブドウ糖やブドウ糖入りの飲み物を摂取するようにしましょう。
この際砂糖は吸収が遅いためおすすめしません。
またジュースも早くブドウ糖を吸収する必要があるため、一気飲みする必要があります。
症状が治まったら食事を摂る
ブドウ糖を摂取するなどして症状が治まったら食事を摂るようにしましょう。
食前薬やインスリン注射がある場合いつも通り服用します。
またパンや麺類など糖類を多く含む食べ物はインスリンを多く分泌させます。
そのため再度低血糖状態を引き起こしてしまう恐れがあります。
あくまで普段通りの食事を摂るようにしましょう。
意識低下がみられれば口唇と歯肉の間にブドウ糖を塗る
意識低下などがみられれば本人ではなく家族など周りの人の対処が必要となります。
低血糖を繰り返すことの多い方は自覚症状がみられずいきなり意識低下など重篤な症状があらわれることがあります。
そのため重篤な症状の対処法を把握しておくことは非常に重要です。
意識が低下すると、ものを飲み込む力が弱くなります。
口唇と歯肉の間に吸収しやすいブドウ糖を塗ることで対処します。
重篤な場合は救急車を呼んで医療機関を受診する
昏睡状態など低血糖の症状が重篤な場合は、救急車を呼んで医療機関を受診することが必要です。
すぐに対処しなければ、命を落としてしまう危険性があるためです。
救急車を待っている間は横に寝かせる姿勢をとり、可能であれば口内にブドウ糖を含ませましょう。
さらに糖尿病患者用IDカードを携帯していれば適切な処置を受けられるでしょう。
グルカゴン製剤を注射あるいは点鼻する
グルカゴン製剤は低血糖の症状が重篤化し救急処置が必要な場面のみ使用します。
1型糖尿病の方など低血糖の症状が重篤化する恐れがある方はあらかじめグルカゴン製剤の処方と使用法について説明されます。
なお自身で行うことは難しいため、家族の方は使用法について正しく理解しておくことが必要です。
低血糖の症状まとめ
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ここまで低血糖の症状についてお伝えしてきました。
低血糖症状の要点をまとめると以下の通りです。
- 低血糖の概要は、血糖値70mg/dL以下で様々な低血糖症状が生じ、血糖値30mg/dL以下では命の危機に関わる
- 低血糖の原因は、低血糖には長時間の運動や飲酒、入浴など様々ある
- 低血糖症状への対処方法は、ブドウ糖10g摂取など
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。