人間ドックとは、病気の早期発見を目的に行われる健康診断の一種です。
また、人間ドックは保険を適用することで安く受診できる場合があります。
そもそも人間ドックとはどんな検査なのでしょうか?
人間ドックを安く受ける方法にはどんな方法があるのでしょうか?
本記事では人間ドックを安く受ける方法について、以下の点を中心にご紹介します。
- 人間ドックとは
- 人間ドックを安く受ける方法とは
- 20代の方が人間ドックを安く受ける方法とは
人間ドックを安く受ける方法について理解するためにも、参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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人間ドックとは
人間ドックとは、健康診断だけでは発見できない病気の早期発見を目的として行われる健康診断の一種です。
企業などで行われる定期健康診断とは違い、法的な義務がない点が特徴になります。
健康診断と比べて検査される内容や項目が多いです。
そのため、将来的に発症する可能性のある病気などを発見できる点がメリットです。
人間ドックの検査内容として標準的なプランはあります。
しかし、オプションとして病院によって検査される内容やプランに特色があります。
また、検査機器などが病院によっても異なる点が特徴です。
よって、かかる費用は病院によって大きく変わりやすいです。
対象年齢
人間ドックは18歳以上の成人の方なら誰でも受診できます。
しかし、特に必要とされるのは仕事や家庭の変化などが起こりやすい30代の方です。
30代になると生活習慣病を発症する例が増えます。
そのため、人間ドックを受けて生活習慣の改善に取り組むのは効果的だといえます。
生活習慣病にかかる人は、60代になると全体の約半数になるといわれています。
自分は大丈夫だと侮れない病気の一つです。
また女性の場合、20代から子宮頸がんを発症する方もいます。
よって、比較的若いうちから人間ドックを受診しておくと安心でしょう。
人や生活環境にもよりますが、遅くとも40代以降の方は、1度人間ドックを受診するとよいでしょう。
検査内容
人間ドックの検査は健康診断で行われる基本的な検査が基本となります。
ただし、オプションを追加できるため、50から100項目ほどあるのが特徴になります。
人間ドックの検査内容は、具体的に下記のとおりです。
- 身体計測
- 視力
- 呼吸機能
- 心電図
- 血液一般
- 肺機能検査
- 胸部・腹部CT検査
- 腫瘍マーカー
- 胃カメラなど
上記検査に加えてより精密な検査をオプションで追加可能です。
よって、個々人に合う検査ができます。
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人間ドックを安く受けるために必要な知識
人間ドックは基本的に全額自己負担ですが、安く受診する方法がいくつかあります。
ここから、人間ドックを安く受診する方法を具体的に解説します。
人間ドックの受診は自己負担になる
人間ドックの費用は、健康診断の費用と違って全額自己負担になるのが特徴です。
健康診断の場合、労働安全衛生法によって受診が義務付けられています。
そのため、基本的に無料で受診することが可能です。
一方で、人間ドックを受診することは法律で義務付けられておらず、任意で受診するものだからです。
ただし、人間ドックを受診してガンなどの重い病気が発見された場合、以降の精密検査費や治療費などに関して保険が適用されます。
また、医療費控除として、以下の項目を申請することが可能です。
- 人間ドックにかかった費用
- 精密検査費
- 治療費
人間ドックの検査内容の種類が多い
人間ドックは人によって必要な検査項目や数が変わるのが特徴です。
検査項目が多くなるごとに多くの費用が必要です。
前述のとおり、人間ドックの検査項目は50から100と多岐にわたります。
よって、安く受けるためには必要な項目だけに絞ることが求められます。
また、人間ドックは日帰りと泊まりの2つに大きく分けられるのが特徴です。
泊まりの方が費用がかかりやすいです。
保険によって補助金制度や割引になる制度がある
人間ドックを安く受診するには、保険によっては補助金制度や割引制度があることを知っておくのがポイントです。
後述する通り、人間ドックを安く受けるために使える保険として具体的に下記の3つです。
- 国民健康保険
- 社会保険
- 民間の保険
上記の保険が適用できれば、人間ドックを割引価格で受診することが可能になります。
ただし、保険を適用するには一定の条件を満たしていることが求められる場合があります。
保険の内容をよくチェックするとよいでしょう。
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人間ドックを安く受けるためには保険が大事
人間ドックを安く受ける方法として代表的なのが、保険を利用することです。
ここから、人間ドックを安く受けるために使える保険について具体的に解説します。
国民健康保険
人間ドックを安く受診する方法として、国民健康保険があります。
国民健康保険とは、自営業者や個人事業主、年金受給者などが加入している保険のことです。
自治体によっては人間ドックの補助金の申請が可能です。
例えば東京都八王子市の場合、指定されている医療機関で人間ドックを受診すると下記の金額が割り引かれる制度があります。
- 64歳まで:8,000円引き
- 65歳以上:10,000円引き(胸部X線検査を実施しない場合、8,000円引き)
受診時には、特定健診受診券裏面の申請書と保険証が必要になります。
人間ドックの助成金制度があるかどうかを知るには、下記の方法があります。
- 各市町村役所に問い合わせる
- WEBサイトをチェックする
自治体によっては人間ドックを受ける前の事前申請が必要な場合があります。
そのため、内容をしっかり把握しておくとよいでしょう。
社会保険
下記の社会保険に加入している方は、人間ドックの割引を受けられます。
- 健康保険協会(協会けんぽ)
- 健康保険組合(組合健保)
協会けんぽに加入している35歳から74歳の方の場合、通常よりも安く人間ドックを受診できるのが特徴です。
協会けんぽに加入している方は「差額人間ドック」といわれる割引プランの対象者となるため、人間ドックを受けるときは忘れずに伝えるようにしましょう。
具体的には、人間ドックを受診する医療機関に保険者番号などを伝えればOKです。
会社に人間ドックを受ける旨を伝えなくてもよいので、気兼ねなく受診できるでしょう。
一方、健康保険組合に加入している方の場合、人間ドックに必要になる費用の一部を補助してもらえるケースがあります。
加入している組合によって金額が変わります。
扶養家族も補助の対象となるケースがあるので、場合によっては活用できるでしょう。
生命保険
民間の生命保険の中には、人間ドックの費用の割引サービスを提供している会社もあります。
民間の生命保険が実施する人間ドック割引サービスの内容の一例は、下記のとおりです。
- 提携医療機関で特別価格が適用される
- 検査コースに応じてTポイントが付与される
- 人間ドック、PET検診、脳ドッグが5%から20%引きになる
上記のように、保険会社によってさまざまなサービスがあります。
- 金額が割り引かれる
- ポイントで還元される
- 申込予約まで実施してくれる
ただし、保険会社によって条件が定められているので確認しておくとよいでしょう。
20代が人間ドックを安く受ける方法
20代の方が人間ドックを受診する場合、できるだけ安く受けたい方もいるでしょう。
ここから、20代の方が出来るだけ人間ドックを安く受診する方法を具体的に解説します。
自身が受けるべき検査を確認する
人間ドックの費用を安くするには、自分が本当に必要な検査だけに絞るとよいです。
人間ドックは基本的に、多くのオプションをつければ費用がかかるシステムです。
そのため、不必要なオプションをつけず、体の気になる箇所のみを重点的に検査してもらうようにしましょう。
女性の場合、20代と比較的若い世代でも子宮頸がんや乳がんなどの発症リスクがあるので、受診しておくといいオプション検査は具体的に下記に示します。
- 子宮頸部細胞診
- 経膣エコー検査
- マンモグラフィ
- 乳房エコー検査
上記のように、性別や年齢の他に、家族歴や既往歴などを考慮した上で、必要な検査を厳選すれば費用を抑えることができます。
検査セットを利用する
20代の方が人間ドックを安く受けるには、検査セットを利用するといいです。
なぜなら、人間ドックの検査項目は50から100と種類が多いからです。
そのため、病院によっては独自の検査プランを設定しています。
なかには、割安で受診できるケースがあります。
具体的には、多くの病院で実施されているレディースドッグがあげられます。
女性からの要望が多い検査内容がセットになっているのが特徴になります。
例えば、人間ドックのアムスグループの場合、下記の通り気になる症状ごとにプランが組まれているため、効果的に検査を実施できます。
検査名 | 早期動脈硬化検査セット | 肺がんセットA | 肺がんセットB |
費用 | 12,430円 | 11,000円 | 13,200円 |
内容 | 頸動脈音波検査+内臓脂肪面積測定検査+アディポネクチン検査 | 肺CT検査+シフラ | 肺CT検査+シフラ+喀痰検査 |
検査セットはオプション検査を組み合わせることでできます。
そのため、より幅広く、より精度高く疾患を見つけられやすい点が特徴です。
市区町村の制度を利用する
市区町村の検診制度を利用すれば、20代の方が安く人間ドックを受診できます。
自治体で行う検診内容は人間ドックに比べて限られます。
しかし、比較的安い価格で受けられる可能性がある点がメリットです。
例えば、自治体で行われるガン検診の場合、一般的に検査できるのは下記の5種類です。
- 胃がん
- 大腸がん
- 肺がん
- 乳がん
- 子宮頸がん
上記のように検査項目が限られます。
そのため、精密検査したい方の場合は始めから人間ドックを受診するほうがよいでしょう。
人間ドックを受診したい場合は自分で医療施設を探す必要があります。
しかし、市区町村の検診の場合、対象者に対して郵送などで案内が来るのが特徴です。
お住まいの地域で人間ドックを安く受ける方法(大阪の場合)
お住まいの地域で人間ドックを安く受ける方法について知りたいという方もいるでしょう。
ここでは、大阪で人間ドックを安く受診する方法を具体的に紹介します。
安いクリニックを探す
大阪で人間ドックを安く受診するには、安いクリニックを探す方法があります。
人間ドックの価格は医療施設やプランによって変わるため、一概にはいい切れません。
しかし、豊中市や東大阪市、大阪市中央区などの地域は病院の数が比較的多いため、安いクリニックを見つけられる可能性が高いです。
また、安いクリニックを探すためにWEBサイトを使えば、効率的に探せるでしょう。
市の助成金が受けられるコースを探す
大阪で人間ドックを安く受けるには、市の助成金がもらえるコースを探すとよいです。
なぜなら、市によっては助成金を出しているところがあるからです。
助成金を使うことで費用を抑えることができます。
例えば東大阪市の場合、下記の助成制度を設けています。
ただし、市の指定する医療機関を受診した方が対象です。
- 人間ドックを受けた場合、受診費用の半額を助成(上限21,000円)
- 人間ドックと同時に脳MRI検査を受けた場合、半額を助成(上限13,000円)
上記のように、東大阪市では健康増進や病気の早期発見を目的とした助成を行っています。
ただし、下記の条件に該当する必要があるので注意が必要です。
- 保険料を完納してる方
- 「国保の人間ドックコース」以外は助成対象外
- 脳MRI検査以外のオプション検査は対象外
一日人間ドックを受ける
大阪で人間ドックを安く受けるには、一日人間ドックを受けるとよいです。
大阪市では「令和4年度大阪市国民健康保険1日人間ドック事業」を実施しています。
30歳以上の方が対象ですが、安く人間ドックを受診することが可能です。
大阪市では健康保持と疾病予防を目的とする1日人間ドック事業を実施しています。
特にお得に人間ドックを受診できる方は、具体的に下記に示すとおりです。
- 昭和32年生まれ
- 昭和42年生まれ
- 昭和52年生まれ
- 昭和57年生まれ
上記に該当する方は、1日人間ドックを無料で受診することが可能です。
しかし、社会保険等に加入している方は受診できません。
お住まいの地域で人間ドックを安く受ける方法(福岡の場合)
福岡で人間ドックを安く受ける方法が知りたいという方もいるでしょう。
ここから、福岡で人間ドックを安く受ける方法を具体的に解説します。
安いクリニックを探す
福岡で人間ドックを安く受診するには、価格が安いクリニックを自分で探すとよいです。
近年ではインターネットが普及していることから、地域ごとに安いクリニックを見つけやすくなってきています。
特に、中央区や博多区、久留米市内は比較的病院の数が多いです。
そのため、安いクリニックを見つけやすいといえるでしょう。
人間ドックの価格は病院内で扱う機器やプランなどによって大きく変わる特徴があります。
よって、少しでも安く受診したい場合、粘り強く病院を探す姿勢が問われます。
セットコースを利用する
福岡で人間ドックを安く受診するには、セットコースを利用する方法があります。
前述の通り、人間ドックの検査には基本的な検査項目に加えて、オプションでさまざまな検査を付与できる点が特徴です。
そのため、病院によってはオリジナルの検査コースを設定しています。
よって、お得に検査をできるケースがあります。
例えば福岡山王病院の場合、具体的なセットコースの内容は下記の図のとおりです。
検査名 | 標準(胸部CT)コース | 特別コース | 標準脳ドックコース |
費用 | 59,300円 | 93,000円 | 47,700円 |
内容 | 標準(胸部X線)コース+胸部CT、血液検査 | 標準(胸部CT)コース+動脈硬化度検査、腹部CT、骨密度検査、血液検査 | 身体計測、生理検査、胸部X線、頭部MRI・MRA、頸動脈エコー、尿検査、便潜血検査、血液検査、脳・神経機能センターレポート |
上記のように、人間ドックでセットコースが設けられている病院を探せば、安く受診できる可能性があります。
市の検診を使う
人間ドックを安く受診するには、福岡市が実施する検診を受けるとよいです。
福岡市では、40〜74歳の福岡市国民健康保険加入者や30〜39歳の福岡市民を対象に、以下の検診を実施しているからです。
検診名 | よかドック | よかドック30 |
対象者 | 40〜74歳の福岡市国民健康保険加入者 | 30〜39歳の福岡市民(※職場などで同等の健康検査を受診する機会がない方) |
料金 | 500円(10,000円程度の検査内容) | 500円(7,000円程度の検査内容) |
検査内容 | ・身長測定 ・体重測定 ・腹囲測定 ・血圧検査 ・心電図検査 ・血糖値検査 ・貧血検査など | よかドックから心電図検査を除いた内容 |
上記の表の通り、7,000円〜10,000円かかる検査を500円で受けられる点がメリットです。
そのため、条件に当てはまる方は前向きに受診を検討するとよいでしょう。
人間ドックを安くする際にできないこと
人間ドックを安くするために、医療費控除を使うことはできません。
なぜなら、人間ドックとは病気の治療ではなく早期発見が目的だからです。
よって、医療保険などが適用されないため医療費控除の対象外になります。
ただし、人間ドックで重大な病気が発見されて治療を続けた場合に限り、人間ドックとその後の治療は医療費控除の対象となります。
医療費控除の対象となる重大な病気とは、具体的に下記に示すとおりです。
- ガン全般
- 心疾患
- 脳血管障害
- 高血圧
- 脂質異常症
- 糖尿病
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人間ドックを安く受ける方法のまとめ
ここまで人間ドックを安く受ける方法についてお伝えしてきました。
人間ドックを安く受ける方法についてまとめると以下の通りです。
- 人間ドックとは、病気の早期発見・早期治療を目的として行われる健康診断の一種のこと
- 人間ドックを安く受ける方法は、国民保険や社会保険、民間の保険を利用すること
- 20代の方が人間ドックを安く受ける方法は、検査セットを利用したり自治体の検診を利用したりすること
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。