牛乳は栄養が豊富とよくいわれてます。
牛乳には、具体的にどのような栄養が含まれるのでしょうか。
また、栄養摂取の観点から考えると、牛乳は1日にどれくらい飲めばよいのでしょうか。
本記事では、牛乳の栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- 牛乳の主な栄養素
- 牛乳の1日の目安となる摂取量
- 牛乳の栄養を効率的に摂取する方法
牛乳の栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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牛乳の基礎知識
まずは牛乳の基本的な情報をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
牛乳の主な成分
牛乳にはさまざまな栄養素が含まれます。
牛乳の主な栄養素と100gあたりの含有量をまとめました。
【普通牛乳/100gあたり】
カリウム | 150mg |
カルシウム | 110mg |
マグネシウム | 10mg |
リン | 93mg |
βーカロテン | 6μg |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.15mg |
ビタミンC | 0.03mg |
コレステロール | 12mg |
出典:文部科学省【食品成分データベース】
牛乳にはどんな種類があるの?
牛乳には主に6つの種類があります。
牛乳の主な種類とそれぞれの特徴をご紹介します。
牛乳
牛乳とは、生乳を加熱殺菌しただけのものを指します。
生乳は、牛から絞っただけの乳を指します。
より詳細な牛乳の定義は次の通りです。
- 生乳:100%
- 成分無調整
- 乳脂肪分:3.0%以上
- 無脂乳固形分: 8.0%以上
牛乳の乳脂肪分や無脂乳固形分の%表示には「以上」がついていることが一般的です。
理由は、牛乳の成分はいつも一定とは限らないためです。
たとえば牛の乳の成分は、季節や個体差などによって微妙に変動します。
そのため、成分についてはおおよその数値が記されています。
牛乳を作るときは、生乳の成分を加えたり除いたりすることはできません。
また、水などの混ぜ物を加えることも禁じられています。
成分調整牛乳
成分調整牛乳とは、生乳の成分を調整したものです。
具体的には、生乳から水分・乳脂肪分・ミネラルなどの一部を除いたものが成分調整牛乳と呼ばれます。
水分・成分の調整の仕方は商品によって異なるため、味のバリエーションも豊富です。
成分調整牛乳のなかには、牛乳よりも味わいが濃厚なものもあります。
無脂乳固形分は8.0%以上です。
低脂肪牛乳
低脂肪牛乳とは、遠心分離により生乳から乳脂肪分の一部を除去したものです。
具体的には、乳脂肪分を0.5%以上1.5%以下にしたものが低脂肪牛乳に該当します。
脂肪分が少ない分、牛乳よりもあっさりした味わいが特徴です。
無脂肪牛乳
無脂肪牛乳とは、生乳から乳脂肪分をほぼ除去したものです。
具体的には、乳脂肪分を0.5%未満にしたものが無脂肪牛乳と呼ばれます。
無脂乳固形分は8.0%以上です。
脂肪分がほとんどないため、低脂肪牛乳よりもさらに淡泊な風味が特徴です。
加工乳
加工乳とは、生乳に乳製品を加えたものです。
乳製品とはたとえば、脱脂乳・脱脂粉乳・濃縮乳・クリームなどです。
加工乳に使用できる乳製品は11品目で、法律によって決められています。
無脂乳固形分は8.0%以上ですが、脂肪分については規定がありません。
加工の仕方は商品によって異なるため、味わいにもバリエーションがあります。
乳飲料
乳飲料とは、生乳または乳製品を主原料に、乳製品以外のものを加えたものを指します。
乳製品以外のものとは、たとえばコーヒーや果汁などが代表的です。
ビタミン・ミネラル・カルシウムなどの栄養分を加えたものもあります。
乳飲料の乳固形分は3.0%以上です。
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牛乳の1日の摂取量の目安
牛乳は栄養が豊富な食品ですが、1日にどのくらいの量を摂取すべきでしょうか。
ここからは、牛乳の1日の目安となる摂取量をご紹介します。
年齢別1日の牛乳・乳製品摂取量
牛乳の1日の摂取量は、成人でコップ1杯が理想的です。
具体的には、1日につき200mlを目安にしましょう。
成長期の場合は、コップ1杯〜2杯を目安にしてください。
また、成人の方も1日の運動量が多い場合はコップ2杯程度までは飲んでもOKとされています。
牛乳は栄養豊富な食品ですが、飲みすぎはカロリー・脂肪分の過剰摂取につながるおそれがあります。
身体によいとはいっても、ほどほどの量を守りましょう。
出典:農林水産省【「何を」「どれだけ」材料と料理区分:農林水産省】
カルシウムの平均必要量と推奨量
牛乳を代表する栄養素がカルシウムです。
カルシウムは骨・歯を丈夫にしたり、脳や神経を保護したりする作用があります。
カルシウムは健康維持に欠かせないからこそ、こまめに補給することが大切です。
ただし、カルシウムの摂りすぎはかえって健康を害することもあるため、注意が必要です。
以下の表は、カルシウムの1日の平均必要量・推奨量・耐容上限量(mg)をまとめたものです。
男性 | 女性 | |||||
推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容上限量 | |
0~5 (月) | ー | ー | ー | ー | ー | ー |
6~11(月) | ー | ー | ー | ー | ー | ー |
1~2 (歳) | 350 | 450 | ー | 350 | 400 | ー |
3~5 (歳) | 500 | 600 | ー | 450 | 550 | ー |
6~7 (歳) | 500 | 600 | ー | 450 | 550 | ー |
8~9 (歳) | 550 | 650 | ー | 600 | 750 | ー |
10~11(歳) | 600 | 700 | ー | 600 | 750 | ー |
12~14(歳) | 850 | 1000 | ー | 700 | 800 | ー |
15~17(歳) | 650 | 800 | ー | 550 | 650 | ー |
18~29(歳) | 650 | 800 | 2,500 | 550 | 650 | 2,500 |
30~49(歳) | 600 | 750 | 2,500 | 550 | 650 | 2,500 |
50~64(歳) | 600 | 750 | 2,500 | 550 | 650 | 2,500 |
65~74(歳) | 600 | 750 | 2,500 | 550 | 650 | 2,500 |
75 以上(歳) | 600 | 700 | 2,500 | 500 | 600 | 2,500 |
妊婦(付加量) | ー | ー | ー | +0 | +0 | ー |
授乳(付加量) | ー | ー | ー | +0 | +0 | ー |
出典:厚生労働省【日本人の食事摂取基準(2020 年版)】
タンパク質について筋肉づくりや維持の為に、タンパク質を凝縮したプロテインを摂取する方も多いでしょう。しかし、タンパク質の特徴や過不足などを知らないと、健康のためのタンパク質摂取が逆効果になってしまうことがあることをご存じでしょうか。[…]
牛乳と生乳の違い
牛乳と生乳の違いをご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
生乳とは?
生乳とは、牛から絞ったままの乳を指します。
牛乳をはじめとする乳製品は生乳から作られます。
生乳を牛乳にするのはなぜ?
生乳を販売するときには、必ず「牛乳」などに加工しなければなりません。
理由は、そのままでは衛生上に問題があるためです。
牛から絞ったままの乳には、細菌などが含まれている可能性があります。
そのため販売前には、加熱処理などの加工を加える必要があるのです。
牛乳の栄養を効率的に摂るためには
牛乳の栄養を効率的に摂取するためのポイントをご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
牛乳の栄養カルシウムは身体のどこで吸収?
牛乳を代表する栄養素であるカルシウムは、小腸で吸収されています。
より具体的には、体内に入ったカルシウムはまず胃酸で溶かされ、次に小腸で吸収されます。
ちなみに、小腸で吸収されたカルシウムは血液に乗って全身に運ばれます。
カルシウムの働きについて
カルシウムの主な働きは次の通りです。
- 歯・骨を作る
- イライラを鎮めて精神を安定させる
- 筋肉・心筋の収縮をコントロールする
- 体内の浸透圧を調整する
- 外傷時などに血液を凝固させる
代表的なのは歯・骨を作る作用です。
カルシウムが不足すると、骨がスカスカになる「骨粗鬆症」のリスクが高まります。
牛乳の栄養カルシウムを効率よく吸収したい
カルシウムは、そのままでは体内に吸収されにくい栄養素です。
しかし、工夫次第ではカルシウムの吸収率を上げることも可能です。
ビタミンDでカルシウムの吸収率アップ
ビタミンDには、小腸でカルシウムの吸収を助ける作用があります。
カルシウムを効率的に吸収したいときには、ビタミンDも一緒に摂取するとよいでしょう。
ビタミンDが豊富な食品は、キノコ類・魚介類などです。
リンはカルシウムの吸収を阻害する?
リンは、カルシウムの吸収を阻害することがあります。
特にリンとカルシウムの摂取バランスが悪い場合は、カルシウムの吸収率が低下しやすくなります。
カルシウムを効率的に摂取できるのは、リン:カルシウム=1:1のバランスのときです。
1:1のバランスが崩れるとカルシウムの摂取が難しくなるため、注意しましょう。
リンは、ジャンクフードや加工肉などに豊富に含まれます。
ちなみにリンは骨の発達に役立つ栄養素です。
このため、リンを全く摂らないのは健康維持の観点から望ましくありません。
牛乳はたくさん飲んでも大丈夫?
栄養が豊富な牛乳ですが、だからといってたくさん飲んでも問題はないのでしょうか。
牛乳を飲むメリット・デメリットの観点からご紹介します。
牛乳を飲むメリット
牛乳にはカルシウムをはじめ、さまざまな栄養素が含まれます。
カルシウムは骨格の発達・骨粗鬆症予防の観点から積極的に摂りたい栄養素です。
カルシウムを摂取するためにも、牛乳はこまめに摂ることが望ましいです。
牛乳1杯(200ml)に含まれるカルシウムの量は110gです。
牛乳の過剰摂取によるデメリット
牛乳は健康維持に役立つ食品ですが、一方で摂りすぎるとデメリットもあります。
ただし、デメリットが生じるのはあくまで飲みすぎた場合です。
デメリットを回避するためにも、牛乳は1日の摂取量を適切にしましょう。
それでは、牛乳の過剰摂取によるデメリットを3つご紹介します。
糖質の摂りすぎ
牛乳には糖質や脂質も含まれます。
牛乳を飲みすぎると糖質や脂質の過剰摂取につながるため、肥満のリスクが上がります。
摂取カロリーオーバー
牛乳を飲みすぎると、1日のカロリー摂取量がオーバーすることがあります。
ちなみに牛乳1杯あたりのカロリーは約130kcalです。
肥満気味の方は、特に牛乳の飲みすぎには注意しましょう。
お腹の具合が悪くなることも
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロすることがあります。
お腹がゴロゴロする原因は、牛乳に含まれる「乳糖」という成分です。
日本人の中には、生まれつき乳糖と相性が悪い「乳糖不耐」という体質の方が目立ちます。
乳糖不耐の方が無理に牛乳を飲むと、お腹を壊すおそれがあります。
もし牛乳を飲むとお腹を壊すという場合は、量を減らすなどして、ご自身にちょうどよい摂取量を探してください。
牛乳の栄養を美味しく摂取!レシピ紹介
牛乳を使ったレシピをご紹介します。
ぜひ日々の健康維持にお役立てください。
主食で牛乳の栄養をまるごと摂取
こちらのレシピは、里芋をメインにしたグラタンです。
里芋には、牛乳にほとんど含まれない食物繊維が豊富です。
【材料】
里いも | 5〜6個(250g) |
顆粒スープの素 | 小さじ1/8 |
牛乳 | 1/2カップ |
ピザ用チーズ | 40g |
塩、粗びき黒こしょう | 適量 |
【作り方】
|
デザート・おやつで牛乳の栄養を摂取
このレシピは、みかんを使った牛乳寒天です。
寒天には水溶性食物繊維が豊富のため、便秘解消に役立ちます。
【材料】
みかんの缶詰 | 425g |
牛乳 | 200cc |
寒天パウダー | 4g |
水 | 200cc |
【作り方】
|
ドリンクで効率的に牛乳の栄養を摂取
こちらは、レモン果汁と牛乳を混ぜるだけのレシピです。
レモンにはビタミンCが豊富に含まれます。
はちみつを使用するため、1歳未満の乳幼児には与えないでください。
【材料】
牛乳 | 200ml |
レモン汁 | 大さじ1 |
はちみつ | 6g |
【作り方】
|
牛乳の栄養を他の食品で代用できる?
牛乳に含まれる栄養素は、他の食品でも摂取できるのでしょうか。
牛乳の代表的な栄養素であるカルシウムに焦点をあててご紹介します。
牛乳以外でカルシウムが豊富な食材
カルシウムは牛乳以外の食品にも含まれます。
代表的な食品をご紹介します。
出典:文部科学省【食品成分データベース】
大豆食品
大豆・大豆製品にはカルシウムが豊富です。
【カルシウム含有量/100gあたり】
ゆで大豆:79mg
きな粉:190mg
木綿豆腐:93mg
魚介・海藻類
魚介・海藻類でカルシウムが豊富なのは次のような食品です。
【カルシウム含有量/100gあたり】
うるめいわし/丸干し:570mg
まいわし/生:74mg
ししゃも/生干し/焼き:360mg
緑黄色野菜
緑黄色野菜でカルシウムが豊富なのは次のような食品です。
【カルシウム含有量/100gあたり】
こまつな/葉/生:170mg
モロヘイヤ/葉茎/生:260mg
和種なばな/花らい・茎:160mg
牛乳以外の乳製品
牛乳以外の乳製品でカルシウムが豊富なのは次のような食品です。
【カルシウム含有量/100gあたり】
脱脂粉乳:1100mg
ナチュラルチーズ/カマンベール:460mg
ナチュラルチーズ/パルメザン:1300mg
代替ミルクとは?
代替ミルクとは、植物性のミルクを指すことが一般的です。
たとえば次のようなものがあります。
- 豆乳
- アーモンドミルク
- ライスミルク
種類にもよりますが、代替ミルクは牛乳よりカルシウムが少なめです。
一方で、牛乳にはない栄養素が多く含まれているものもあります。
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牛乳の栄養をサプリメントで代用できる?!
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商品名 | ノビエース |
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定期初回価格(税込) | 2,138円 |
定期価格(税込) | 5,378円 |
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特選?特濃?普通の牛乳と栄養は違うの?
牛乳のパッケージには「特選」や「特濃」などと記されていることもあります。
特濃・特選などの文言は、販売会社などによって決められた宣伝文句です。
特濃・特選などと書かれた牛乳は、種別でみると加工乳などに分類されることが多いです。
なお、牛乳の栄養素は種別によって違いがあります。
成分 | 衛生基準 | ||||
生乳の使用割合 | 乳脂肪分 | 無脂乳固形分 | 細菌数1ml当り | 大腸菌群 | |
牛乳 | 生乳100% | 3.0%以上 | 8.0%以上 | 5万以下 | 陰性 |
特別牛乳 | 3.3%以上 | 8.5%以上 | 3万以下 | ||
成分調整牛乳 | – | 8.0%以上 | 5万以下 | ||
低脂肪牛乳 | 0.5%以上1.5%以下 | ||||
無脂肪牛乳 | 0.5%未満 | ||||
加工乳 | – | – | |||
乳飲料 | – | 乳固形分3.0%以上 | 3万以下 |
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牛乳の栄養についてのまとめ
ここまで牛乳の栄養についてお伝えしてきました。
牛乳の栄養の要点を以下にまとめます。
- 牛乳の主な栄養素はカルシウム・ビタミンBなど
- 牛乳の1日の目安となる摂取量はコップ1杯
- 牛乳の栄養を効率的に摂取するには、カルシウムの吸収を高めるビタミンDと一緒に摂る
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。