ハトムギはイボとりの生薬として有名です。
ハトムギには、イボ以外にもさまざまな健康効果や美容効果が期待できます。
具体的には、ハトムギにはどのような効果があるのでしょうか。
本記事では、ハトムギについて以下の点を中心にご紹介します。
- ハトムギの主な効果
- ハトムギとヨクイニンの違い
- ハトムギの効果的な摂り方
ハトムギについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ハトムギとは
そもそもハトムギとはどんな植物なのでしょうか。
まずはハトムギの基本的な情報をご紹介します。
何の植物?
ハトムギはイネ科ジュズダマ属の植物です。
主な原産地は中国南部・インドシナ半島などの南アジアです。
ハトムギは穀類の中でも特に栄養価が高いとされています。
たとえばハトムギには、精米の2倍以上のタンパク質が含まれています。
その他、ハトムギにはビタミンB群・カルシウム・鉄分なども豊富です。
実は漢方薬や化粧品に利用されることも多いです。
また、実を焙煎して熱湯で抽出すると「ハトムギ茶」も楽しめます。
ヨクイニンとの違い
ハトムギとセットでよく耳にするのが「ヨクイニン」です。
ヨクイニンとは、ハトムギの種の殻を取り除いて乾燥させたものを指します。
ヨクイニンは漢方の生薬として利用されることが一般的です。
ヨクイニンには健康効果や美肌効果などが期待できます。
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ハトムギのはたらき
ハトムギは漢方の生薬としてよく利用されています。
ハトムギの効果とは、一体どのようなものなのでしょうか。
代表的な効果をご紹介していきます。
生活習慣病の予防・改善効果
ハトムギは生活習慣病の予防・改善に役立ちます。
ハトムギには、身体の毒素を排出する作用があるためです。
毒素が排出されると免疫力が向上しやすくなるため、生活習慣病のリスクが低減します。
また、ハトムギには、肥満の抑制や糖尿病の予防も期待できます。
ハトムギが肥満を抑制するのは、脂質の代謝を促進する作用があるためです。
簡単に言えば脂肪を燃焼させる作用があるため、肥満の予防を期待できます。
ハトムギには血液中の糖(グルコース)を細胞内に取り込む作用もあります。
血液中の糖が減ると血糖値の上昇が抑制されやすくなるため、糖尿病の予防につながります。
美肌効果
ハトムギには肌を健やかに保つ作用があります。
代表的なのはイボの抑制・改善です。
イボの抑制・改善に役立つのは、ハトムギに含まれるコイケノライドという成分です。
コイケノライドは角質代謝を促進することで、肌をなめらかに保つ作用があります。
また、ハトムギには肌を若々しく保つ作用も期待できます。
主な理由は2つあります。
1つ目は、ハトムギには肌の生まれ変わりを促進する作用があるためです。
生まれ変わりが活発化すると古い角質層が自然に取り除かれるため、若々しいハリのある肌を保ちやすくなります。
2つ目は、ハトムギには保湿成分が含まれるためです。
肌が十分に潤うとキメが整うだけでなく、バリア機能も強化されます。
便秘改善・むくみ解消効果
ハトムギは身体の老廃物の排出を促進する効果があります。
主な理由は2つあります。
1つ目は利尿作用があるためです。
ハトムギは尿の量・回数を増やすことで、体内の老廃物を体外に排出しやすくします。
2つ目は便秘を改善するためです。
ハトムギには食物繊維が豊富です。
食物繊維には腸内環境を整え、便通を改善する効果が期待できます。
身体の老廃物がスムーズに排出されると、むくみや疲労が改善されやすくなります。
さらに腸が活性化しやすくなるため、胃腸機能の向上も期待できます。
アレルギー体質の改善効果
ハトムギにはアレルギー症状を抑制する効果も期待されています。
ハトムギがアレルギー症状の緩和に役立つ理由は、ヒスタミンやTNF-αを抑える作用があるためです。
ヒスタミンやTNF-αとは、アレルギー症状を引き起こす原因物質です。
ハトムギはアレルギー症状の原因物質の働きを抑えることで、アレルギー症状を出にくくします。
たとえばアトピー性皮膚炎・花粉症・ハウスダストによるアレルギー症状の軽減が見込めます。
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ハトムギエキスは美容にいい
ハトムギから抽出されたハトムギエキスは美容効果があることで有名です。
ハトムギエキスの具体的な美容効果をご紹介していきます。
透明感のある肌になる
ハトムギエキスには肌の透明感を高める作用が期待できます。
肌の透明感アップに役立つのは、ハトムギに含まれるアミノ酸やコイクセリノドなどの成分です。
アミノ酸やコイクセリノドには肌の新陳代謝を促進する作用があります。
肌の生まれ変わりが活発化すると、くすみのない若々しい肌を保ちやすくなります。
乾燥による肌荒れを防ぐ
ハトムギエキスには肌に潤いを与えて乾燥を防ぐ作用があります。
肌が十分に潤うとバリア機能が高まるため、ニキビ・肌荒れなどのトラブルが起きにくくなります。
肌の保水力を高める
ハトムギには、肌の保水力を高める作用もあります。
保水力とは、簡単に言えば肌が水分を抱え込む能力のことです。
ハトムギはフィラグリンというタンパク質の産生を活性化させる働きをします。
フィラグリンは、肌の天然保湿因子の原料となる成分です。
フィラグリンが増えると天然保湿因子も増加しやすくなるため、肌が潤いやすくなります。
ハトムギとヨクイニンの違い
ヨクイニンはハトムギの種子です。
しかし、ヨクイニンとハトムギでは期待できる効果が若干異なります。
ここからは、ハトムギとヨクイニンの効果の主な違いをご紹介していきます。
生薬として効果があるのはヨクイニン
基本的にハトムギとヨクイニンは同じ物です。
ただし、両者は分類が異なります。
ヨクイニンは漢方薬の「生薬」と認められています。
簡単にいえば、ヨクイニンは医薬品に分類されます。
対してハトムギの分類は「食品」です。
食品である以上、ハトムギには生薬としての効果は認められていません。
しかしハトムギを焙煎したハトムギ茶などは健康茶として販売されることもあります。
食物繊維があるのはハトムギ
ヨクイニンは医薬品に分類されるため、原則として食物繊維は含まれていません。
一方、ハトムギは食品にあたるため、食物繊維が含まれています。
ハトムギは白米の2倍の食物繊維を含みます。
食物繊維は腸内環境を整えたり、糖質・脂質の吸収をゆるやかにしたりする作用があります。
美容効果の高いハトムギエキスに使われているのはヨクイニン
ハトムギエキスは美容効果が高いことから、化粧品などにもよく用いられています。
ハトムギエキスはハトムギを抽出したものですが、実際はヨクイニンから抽出されていることが多いです。
ただし、原料・製造方法は商品によって異なります。
ハトムギの摂り方
ハトムギの摂り方には、ハトムギとして摂る方法とヨクイニンとして摂る方法の2通りがあります。
それぞれの効果を高める摂取方法のポイントをご紹介します。
ハトムギという食品として直接摂る
ハトムギは食品として摂取できます。
たとえば次のような方法があります。
ハトムギ茶を飲む
ハトムギ茶は広く市販されています。
お湯を注ぐだけで手軽に飲めるティーバッグタイプのものもあります。
ハトムギ茶はノンカフェインのため、子供・お年寄り・妊娠中の方にも飲みやすいでしょう。
乾燥ハトムギを白米と混ぜて炊く
ハトムギは白米のように炊いて食べられます。
普段食べている白米に1~2割ほど混ぜて炊く方法が一般的です。
ハトムギは白米よりもっちりした触感や香ばしい香りが特徴的です。
人によっては、ハトムギ独特の香りや食感が気になる場合もあります。
ハトムギエキスやヨクイニンとして摂る
ハトムギは丸ごとではなく、抽出したエキスなどを摂る方法もあります。
ハトムギから抽出したエキスはハトムギエキス・ヨクイニンエキスなどの名称で販売されていることが一般的です。
漢方薬を飲む
ハトムギエキスを摂りたい場合は、漢方薬を飲むのも1つの方法です。
一般的には、ハトムギの漢方薬は「ヨクイニン」という名称で販売されています。
ハトムギエキス配合の化粧品を使う
ハトムギエキスを配合した化粧品は数多く販売されています。
化粧品・乳液・クリーム…と種類も豊富なため、ニーズにあわせて選びやすいのが魅力です。
サプリを飲む
ハトムギエキスを使ったサプリメントも広く市販されています。
サプリメントは医薬品と比べて効き目が穏やかな点が特徴です。
医薬品に比べると即効性は薄いため、毎日コツコツ続けて飲むことが大切です。
ハトムギを試す前の注意点
ハトムギは摂取方法を誤ると副作用などが起こることもあります。
ここからは、ハトムギを摂取する際の注意点をご紹介していきます。
妊娠前は避ける
妊娠中・妊娠予定の方は、ハトムギの大量摂取は控えましょう。
ハトムギには子宮を収縮させる作用があるためです。
妊娠中の方でも、適量ならばハトムギを摂取しても問題ないとする意見もあります。
ただし、適量は個人の体質・体格などによって異なります。
妊娠中・妊娠予定の方がハトムギの摂取を希望する場合は、事前にかかりつけ医に相談してください。
出典:【妊娠中のハトムギ使用について】
イネ科の植物アレルギーがある人は注意する
ハトムギはイネ科の植物です。
そのため、イネ科の植物のアレルギーがある方の摂取は控えるのが無難です。
たとえばイネ科アレルギーの方がハトムギの化粧品を使用すると、肌荒れ・かゆみなどの症状が出る可能性があります。
稀に副作用がある
ハトムギは重篤な副作用が起こりにくいとされています。
ただし、大量摂取した場合などは副作用が起こることもあります。
代表的な副作用は胃腸障害です。
胃部不快感・腹痛などの症状があらわれます。
ハトムギの生薬の承認申請
ヨクイニンは漢方の生薬としての効果効能が認められています。
ハトムギなどの天然物医薬品が医薬品として認められるには、公的規格や承認基準を満たす必要があります。
たとえば製造方法に関しては、次のような次項を記載することが義務づけられています。
生薬の切度又は粉末度に関する事項 | 製造の目的に合わせ、局方に記載されている切度・粉末度を目安として、適切な大きさを記載する |
抽出溶媒の量、種類に関する事項 | 使用した溶媒(水又は30vol%以下のエタノール)を記載する |
抽出温度に関する事項 | できる限り具体的に記載する |
抽出時間に関する事項 | できる限り具体的に記載する |
抽出回数に関する事項 | 具体的に回数を記載する |
固液分離方法に関する事項 | 固液分離の方法(網を用いて自然ろ過する、ろ布を用いて遠心ろ過をする等)を記載する |
濃縮方法に関する事項 | 温度あるいは圧条件のどちらかを記載する。また、両条件を記載してもよい |
乾燥方式に関する事項 | 乾燥方法(スプレードライ(噴霧乾燥)式、棚式乾燥式、フリーズドライ(凍結乾燥)式等)を記載する |
収量又は収率に関する事項 | 原生薬量に相当するエキス量を記載する |
その他 | 殺菌方法については、必要に応じて、方法を記載する 賦形剤の添加については、生薬エキスの性状を担保する目的で適切な賦形剤(デキストリン等)を添加することができる その目的及び内容を記載する |
出典:厚生労働省【・生薬のエキス製剤の製造販売承認申請に係るガイダンスについて(◆平成27年12月25日薬生審査発第1225006号)】
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ハトムギの働きのまとめ
ここまでハトムギについてお伝えしてきました。
ハトムギの要点を以下にまとめます。
- ハトムギの主な効果は、美肌効果・むくみ改善効果・生活習慣病の予防など
- ハトムギとヨクイニンの違いは、食品か医薬品(生薬)かどうか
- ハトムギの効果的な摂り方には、ハトムギ茶として摂る方法や、化粧品・漢方薬・サプリメントなどを利用する方法がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。