オルニチンはアミノ酸の1種で、肝臓の働きをサポートします。
また、オルニチンはしじみに代表される成分です。
そもそもオルニチンにはどのような効果があるのでしょうか?
また、オルニチンを摂取する際はどのような点に注意すべきでしょうか?
本記事では、オルニチンについて以下の点を中心にご紹介します。
- オルニチンの主な効果
- オルニチンが豊富な食品
- オルニチンの摂取上の注意点
オルニチンについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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オルニチンとは
オルニチンは遊離アミノ酸の1種です。
遊離アミノ酸とは、血液中を循環するアミノ酸のことです。
オルニチンは、肝臓の働きをサポートし、疲労回復に役立ちます。
肝臓は活動エネルギーを生み出したり、アルコールを分解したりする器官です。
オルニチンは肝臓の機能を高めることで、間接的にエネルギー産生やアルコール分解に関わります。
さらに、オルニチンには骨・筋肉の発達や睡眠の質を高める効果も期待できます。
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オルニチンが持つ健康効果6選
オルニチンにはさまざまな効果があります。
オルニチンの代表的な効果を、6つ紹介します。
アルコール分解のサポート
オルニチンには肝臓の働きを高める作用があります。
結果として、肝臓でのアルコール分解を間接的に促進します。
アルコール分解と深い関係があるのは、肝臓に存在するオルニチンサイクルです。
オルニチンサイクルは、アンモニアを解毒するための回路です。
オルニチンは、オルニチン回路の機能を高める働きをします。
オルニチン回路が高まると、肝臓の解毒機能も高まります。
肝臓が活性化しやすくなるため、アルコールの分解もスムーズに行われやすくなるのです。
また、オルニチンにはアルコールによる疲労(二日酔い)を軽減する作用も期待できます。
肝臓の負担を軽減し肝機能を向上する
オルニチンは肝臓の負担を軽減して、肝機能を向上させる効果があります。
理由は、アンモニアを解毒するオルニチンサイクルを活性化させるためです。
アンモニアが大量に蓄積されると、肝臓はアンモニアの解毒にかかりきりになります。
肝臓がアンモニアの解毒に集中すると、アルコール分解や疲労回復などの働きは低下しやすくなります。
しかし、オルニチンサイクルが高まることで、アンモニアの解毒を促進してくれるのです。
結果、肝臓の負担が軽減されるため、肝機能が向上しやすくなるというわけです。
オルニチンサイクルでアンモニアを解毒する
オルニチンは、肝臓のオルニチンサイクルを高める作用があります。
オルニチンサイクルの機能が高まると、アンモニアの解毒がスムーズになるためです。
アンモニアの解毒が進むと肝機能が向上しやすくなります。
結果として、効率の良いエネルギー産生やアルコール分解が期待できるのです。
男性にとって嬉しい効果は男性機能の改善
オルニチンは、精力増強に間接的に関わります。
理由は、オルニチンには成長ホルモンの分泌を活性化させる作用があるためです。
成長ホルモンは、生殖機能を正常に維持するために欠かせないホルモンです。
生殖機能が正常に維持されることは、男性機能の改善につながります。
また、成長ホルモンには筋肉や骨格を発達させる働きもあります。
筋肉を増強して男性らしい体を目指す方は、オルニチンを摂取して成長ホルモンを増やすのも1つの方法です。
女性にとっては美肌効果が嬉しい
オルニチンには、肌の健康を保つ効果も期待できます。
理由は、成長ホルモンの分泌を促進するためです。
成長ホルモンはコラーゲンの合成を促進したり、肌細胞を増やしたりする作用があります。
具体的には、肌の張り感アップ・肌荒れの改善・かくれジミの改善などが見込めます。
運動しても疲れにくくなりダイエットが捗る
オルニチンは、運動によるダイエットをサポートしてくれる成分でもあります。
オルニチンには、体を疲れにくくすることで運動能力を向上させる効果が期待できるためです。
オルニチンは肝臓でのエネルギー産生を助ける成分です。
エネルギー産生が盛んになると、体が元気になります。
元気がみなぎると運動効率は向上しやすくなります。
運動が捗ると大量のエネルギーが消費されるため、ダイエットに成功しやすくなるのです。
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オルニチン効果から見る積極的に摂るべき人
オルニチンの積極的な摂取がおすすめなのは、以下のような方です。
- よくお酒を飲む方
- 肝臓の健康が気になる方
- 日頃から疲れやすい方
- 男性機能を改善したい方
- 肌を若々しく保ちたい方
- ダイエットを成功させたい方
オルニチンを積極的に摂取して、健康効果を高めましょう。
オルニチンが豊富な食べ物と調理のコツ
オルニチンは食品からの摂取がおすすめです。
オルニチンが豊富な食品や摂取のポイントを紹介します。
オルニチンが豊富な食べ物トップ5
オルニチンが豊富な食品を紹介します。
ぜひ参考にしてください。
しじみ|10.7〜15.3mg/100g
しじみは、オルニチンが豊富な食品の代表です。
しじみのオルニチン含有量は、100gあたり約10〜15mgです。
しじみ100gとは、だいたいしじみ35個に相当します。
しかし、毎日しじみを食べるのは現実的ではありません。
そのため、しじみのほかにもさまざまな食品を組み合わせることが大切です。
キハダマグロ|1.9〜7.2mg/100g
キハダマグロのオルニチン含有量は、100gあたり1.9〜7.2mgです。
キハダマグロ100gとは、およそ刺身7〜10切れに相当します。
キハダマグロは刺身のほか、焼き魚・煮魚などで食べるのもおすすめです。
チーズ|0.76〜8.47mg/100g
オルニチンはチーズにも含まれます。
含有量は、チーズ100gあたり0.76〜8.47mgです。
スライスチーズに換算すると約5枚分になります。
ひらめ|0.6~4.2mg/100g
ひらめのオルニチン含有量は、100gあたり0.6〜4.2mgです。
ひらめ100gとは、およそ刺身1切れ分です。
ひらめは刺身のほか、煮魚などで食べるのもおすすめです。
パン|0.4mg/100g
パンのオルニチン含有量は、100gあたり0.4mgです。
パン100gは、6枚切りの食パン1.5枚に相当します。
オルニチンは水溶性なので汁ごと飲もう
オルニチンは、水に溶けやすい性質があります。
オルニチンが豊富な食品を茹でたり煮たりするときは、煮汁ごと飲める料理がおすすめです。
代表的なものは、しじみの味噌汁です。
煮汁ごと飲めるため、水に溶けだした栄養素も余さず摂取できます。
また、酒蒸しやしじみのクラムチャウダーなどもおすすめです。
他のアミノ酸も一緒に摂ろう
オルニチンは他のアミノ酸と一緒に摂取することで、効果が向上しやすくなります。
おすすめなのはアルギニン・アラニンです。
オルニチンとアルギニンを一緒に摂取すると、脂肪燃焼や筋肉増強効果が期待できます。
また、成長ホルモンの分泌が促進されるため、運動効率の向上なども見込めます。
また、アラニンはオルニチンと同じく、オルニチンサイクルを高める作用があります。
アラニンとオルニチンを組み合わせることで、疲労回復やアルコール分解の促進が期待できるのです。
オルニチン欠乏症と過剰摂取の副作用
オルニチンの欠乏・過剰摂取によるリスクをご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
オルニチン摂取目安量は400〜800mg
オルニチンの1日の摂取量目安について、明確な基準はありません。
一般的には、オルニチンは1日400〜800mgを目安に摂取するのがよいとされています。
オルニチンが豊富な食品はしじみです。
400mgのオルニチンを摂取するためには、しじみを1,000個以上食べなくてはなりません。
つまりオルニチンは、食品だけでは十分な摂取が難しい栄養素ということです。
十分なオルニチンを摂取するには、サプリメントなどを上手に取り入れるのも良い方法です。
オルニチン欠乏症で現れる症状
オルニチンが極端に欠乏した場合にあらわれる症状の例をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
アンモニアの解毒ができなくなる
オルニチンが欠乏すると、オルニチンサイクルの機能が低下しやすくなります。
オルニチンサイクルの機能低下は、アンモニアの解毒に支障をきたすおそれがあるのです。
アンモニアの解毒がうまく行われなくなると、肝性脳症のリスクが上昇します。
肝性脳症とは、アンモニアが脳に到達することで起こる脳障害です。
主な症状は、手の震え・錯乱・意識の混濁などです。
重症化すると昏睡に発展することもあります。
精神発達が遅滞する
オルニチンの欠乏は、精神・運動発達の遅延を引き起こすこともあります。
精神・運動発達の遅延とは、心や体の成長が通常よりも遅れることです。
具体的な症状は次の通りです。
- 首が座らない
- 立てない・歩けない
- 言葉を話せない
- 他人とのコミュニケーションが難しい
- 学習が遅れる
嘔吐や吐き気
オルニチン欠乏では、嘔吐・吐き気などの胃腸障害があらわれることがあります。
オルニチンサイクルの低下によるアンモニアの過剰な蓄積が原因で起こります。
摂食障害
オルニチンの欠乏によって、摂食障害があらわれることがあります。
原因は、アンモニアが体内に過剰に蓄積されるためです。
食べても吐いてしまうなどの症状がみられます。
オルニチン過剰摂取による副作用
オルニチンの過剰摂取による副作用のリスクをご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
胃腸の調子が悪くなる
オルニチンを過剰摂取すると、胃腸障害が起こることがあります。
代表的な症状は腹痛・下痢などです。
胃腸障害は、オルニチンに限らずアミノ酸全般の過剰摂取で起こりやすい副作用です。
どんな種類であれ、アミノ酸の過剰摂取には注意しましょう。
重篤な副作用はない
オルニチンは、過剰摂取による副作用が起こりにくい成分です。
理由は、オルニチンはもともと体内に存在する成分でもあるためです。
また、過剰摂取になるほどオルニチンが豊富な食品はほとんどありません。
しかし、サプリメントはオルニチンの過剰摂取につながりやすいため注意してください。
過剰摂取を避けるには、サプリメントの用法用量を守ることが大切です。
なお、過剰摂取が起こりやすいのは1日に10g以上のオルニチンを摂取したときです。
オルニチンまとめ
ここまでオルニチンについてお伝えしてきました。
オルニチンの要点をまとめると以下の通りです。
- オルニチンの主な効果は、アルコールの分解・疲労回復など
- オルニチンが豊富な食品は、しじみ・キハダマグロ・チーズ・ひらめなど
- オルニチンの摂取上の注意点は、過剰摂取に気を付けること
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。