脳の健康状態を検査する脳ドックでは、補助金を受けられます。
また、脳ドックの補助金が受けられるかは自治体などによって決まっています。
そもそも脳ドックの補助金にはどんな種類があるのでしょうか?
また、補助金を受けるにはどのような条件があるのでしょうか?
本記事では脳ドックの補助金について、以下の点を中心にご紹介します。
- 脳ドックとは
- 脳ドックの補助金が受けられる保険の種類とは
- 脳ドックの補助金を受けるための条件とは
脳ドックの補助金について理解してもらうためにも参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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脳ドックとは
脳ドックとはMRIやMRAなどの機器を使って、脳の健康状態を検査することです。
病気の早期発見を目的に行われています。
脳ドックでわかる具体的な病名を下記に示します。
- 脳動脈瘤(感覚や意識がなくなる)
- 脳梗塞(視野が欠ける、意識障害等が起こる)
- 脳出血(吐き気や意識障害などが起こる)
- 脳腫瘍(体の麻痺やしびれなどが起こる)
- 脳萎縮(発汗障害や歩行障害が起こる)
上記のように、脳の病気は体にさまざまな悪影響を及ぼします。
特に、脳動脈瘤や脳出血などは、死亡に直結するリスクが高いため要注意です。
近年では医学の進歩とともに、脳ドックの検査内容も向上してきています。
以下の症状を発見できるようになったため、より多くの方を救える場合があります。
- 無症候性脳梗塞
- 無症候性微小脳出血
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脳ドックの補助金を受けるための条件
脳ドックの補助金を受けるためには、いろいろな条件を満たさなくてはなりません。
ここからは、脳ドックで補助金を受けるための条件について具体的に解説します。
保険金を滞納していない
脳ドックの補助金を受けるためには、保険金を滞納していないことが前提になります。
保険金とは健康保険料のことです。
脳ドックの補助金の予算は、保険金から支払われています。
そのため、保険金を滞納していないことが条件になるわけです。
ただし、どうしても脳ドックを受けたい場合には、相談する方法があります。
自治体の担当窓口で事情を説明してみましょう。
年齢
脳ドックの補助金を受けるには、対象年齢に該当している必要があります。
対象年齢は基本的に、健康保険組合や市町村により異なります。
自分が加盟する健康保険組合や市町村が提示する年齢を確かめてみましょう。
該当している場合、補助金を受けられます。
対象年齢を調べるためには、健康保険組合などのWEBページを見るといいでしょう。
期間
脳ドックの補助金は、受給できる期間が決められています。
そのため、受給期間を確認した上で申請するようにしましょう。
例えば自動車振興会健康保険組合の場合、下記のように決まりがあります。
- 実施期間:毎年度4月から翌年1月末まで
- 補助金申請期限:毎年度2月末(当日消印有効)
上記のように、補助金を受けるには期間を守ることがポイントになります。
申請書類の提出が遅れると、補助金を受給できない可能性があるので要注意です。
検査項目
脳ドックの補助金を受けるには、指定されている検査項目を満たす必要があります。
例えば高槻市の場合、下記の検査項目を満たさなくてはいけません。
血液検査(血液学的検査、生化学的検査) | 安静時心電図 |
身体計測 | 頭部CT |
頭部MRI | 頭部MRA |
頸部MRA | 頸動脈エコー |
脳外科医師診察 |
上記の検査項目を満たせば、補助金を受給できるわけです。
脳ドックを受ける前に、検査項目を満たしているか確認するようにしましょう。
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脳ドックの補助金が受けられる保険の種類
脳ドックの補助金を受けられる保険には、いろいろな種類があります。
ここからは、脳ドックの補助金を受けられる保険にはどんな種類があるのか解説します。
健康保険組合
健康保険組合に加入している方の場合、脳ドックの補助金を受けられます。
健康保険組合は大きく3つに分けられます。
- 健康保険
- 国民健康保険
- 後期高齢者医療制度
日本は国民皆保険制度なので、上記のいずれかの保険に入っているはずです。
それぞれの保険について具体的に解説します。
健康保険
健康保険に加入している方の場合、補助金を受けられる場合があります。
健康保険とは、公務員やサラリーマンの方が入る保険のことです。
具体的には、74歳以下で企業にお勤めの方や扶養内の方が該当します。
会社が所属する健康保険組合によっては、補助金を受けられる場合があります。
そのため、総務部の方か健康保険組合などに問い合わせてみるといいでしょう。
健康保険証を見れば、自分が加入している健康保険組合の連絡先がわかります。
国民健康保険
国民健康保険に加入している場合、脳ドックの補助金を受けられる可能性があります。
補助金の出所は保険組合ではなく、地方自治体である点が特徴です。
国民健康保険とは、74歳以下で健康保険に加入していない方が対象になる保険です。
具体的には、以下の方が対象になります。
- 自営業の方
- 扶養外のパートやアルバイト
- 定年退職された方
上記の方の場合、地方自治体から脳ドックの補助金を受けられる場合があります。
例えば宇都宮市の場合、脳ドックの費用(定額1万円)を受けることが可能です。
ただし、下記の条件を満たさなければなりません
- 宇都宮市の健康保険に加入している満40歳から74歳の方
- 国民健康保険税を含む市税を滞納していない方
地方自治体によっては補助金を受けられるので、確かめてみましょう。
後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度に加入している方は、脳ドックの補助金を受けられる場合があります。
後期高齢者医療制度とは、下記の方を対象とする保険制度のことです。
- 75歳以上の方
- 一定の障害がある65歳以上の方
上記の方は、地方自治体から補助金を受けられるケースがあります。
例えば埼玉県桶川市の場合、脳ドックの検診料の7割の補助金を受けられます。
上限が2万5,000円と決められているものの、全国どこでも実施可能です。
地方自治体によって細かくルールが決められているので、確認するようにしましょう。
地方自治体
脳ドックの補助金は、地方自治体から受けられます。
前述の通り、以下の方は地方自治体から脳ドックの補助金を受けられるケースがあります。
- 国民健康保険に加入している方
- 後期高齢者医療制度に加入している方
ただし地方自治体によっては、そもそも脳ドックの補助金を出していない場合があります。
また、各地方自治体によって補助金を受けられる条件が異なります。
国民健康保険加入者のみが対象となっている場合などがあるため、注意が必要です。
そのため、事前に地方自治体のWEBサイトなどでチェックしておくといいでしょう。
生命保険
民間の生命保険に加入している方の場合、安く受けられるケースがあります。
生命保険会社の提携している医療施設で検査を受けるなど、条件をみたせば適用されます。
例えば、東京海上日動あんしん生命の場合、割引価格で脳ドックの受診が可能です。
提携先の医療機関に限られますが、保険加入者にとっては便利なサービスだといえます。
生命保険会社の場合、補助金は受けられませんが、割引価格で受けられるというわけです。
脳ドック補助金の協会けんぽ等の社会保険
社会保険加入者が脳ドックの補助金を受けるには条件があります。
ここからは、社会保険加入者が脳ドック補助金を受けるための条件を解説します。
補助金を出すこと自体は義務ではない
脳ドックは自由診療で、協会けんぽや組合健保は補助金を出すことが義務ではありません。
脳ドックとは、病気の治療ではなく検査を目的としており、保険適用外になるからです。
脳ドックは、各個人の意志で行うものです。
協会けんぽなどから補助金を受けられるケースはあります。
しかし、義務として決められているわけではありません。
補助金の対象となる病院が決まっている
協会けんぽなど社会保険から補助金を受ける場合、対象の病院が決められています。
対象外の病院で脳ドックを受けると、補助金が受けられないので要注意です。
例えば、上尾中央総合病院の場合、脳ドックの補助金支給対象となります。
上尾中央総合病院は、協会けんぽの検診実施指定機関に認定されているからです。
近くにある病院が補助金対象なのかを、事前に確認するようにしておきましょう。
補助金を受けられる年齢は30~35歳以上が多い
社会保険で補助金を受けられる年齢は、30〜35歳以上の方になる場合が多くなります。
しかし、大手企業にお勤めの方の場合、組合健保から補助金を受けられるケースがあります。
例えば大東建託健康保険組合の場合、30歳以上の社員と家族が補助金の対象です。
加入している社会保険によっても、待遇が変わります。
脳ドックが必要になる年齢は、一般的に40代以降だといわれます。
40代に入ると脳の病気を発症するリスクが高まるからです。
そのため、比較的若い世代の方は補助金の対象外になる可能性が高いといえるでしょう。
脳ドックの補助金で国民健康保険の場合
国民健康保険を利用して脳ドックの補助金を受けるには、いくつかのルールがあります。
ここからは、国民健康保険の加入者が補助金を受ける場合について具体的に解説します。
役所で補助金を申請する
国民健康保険の加入者が脳ドックの補助金を受けるには、役所での申請が必要です。
役所によって申請するタイミングが異なるため、注意しましょう。
例えば金沢市の場合、補助金の申請期間は7月上旬から下旬と決められています。
期間内に郵送か電子申請によって補助金を申請する必要があります。
役所によっては、脳ドックを受ける前に申請する必要があるので注意が必要です。
一方で、1年以内であれば結果と領収書をもとに補助金を申請できるケースもあります。
対象年齢は30~40歳以上が多い
国民健康保険に加入している方で補助金を受けられるのは、30〜40歳以上がほとんどです。
しかし、脳ドックの補助金を受けられる年齢は各役所によって変わります。
例えば金沢市の場合、補助金支給の対象年齢は40歳以上74歳以下と決められています。
ただし、基本的に保険料を完納していることが前提となるため注意しましょう。
補助の額は市町村ごとに異なる
国民健康保険の加入者で脳ドックの補助金を受ける場合、金額は各市町村によって変わります。
市町村によっては、かかった費用の5割負担、7割負担などと決められてる場合もあります。
ただし、上限金額がいくらまでと決められているのが基本です。
脳ドックの補助金で八王子市の場合
八王子市の場合、脳ドックの補助金対象者や年齢はどのように定められてるのでしょうか。
ここからは、八王子市の脳ドックの概要を具体的に解説します。
対象年齢
八王子市の場合、脳ドックの補助金支給対象年齢は以下のように定められています。
- 令和4年度中に40歳以上となる方
- 令和4年度中に75歳以上となる方
上記の条件に当てはまる方は、脳ドックの補助金を受けることが可能です。
脳ドックを受けた後に、医療機関の窓口で費用の一部を割引いてもらえます。
対象者
八王子市の脳ドックの場合、補助金対象となる方は具体的に以下の通りです。
- 市で実施している健康診査の対象者
- 市国民健康保険の資格を有している方
- 後期高齢者医療制度の資格を有している方
上記の方は、八王子市の脳ドックの補助金を受ける資格があります。
ただし、市内の指定医療機関を受診しなければならない点は注意が必要です。
利用回数
八王子市で脳ドックの補助金対象となるのは、年に1回の検査のみです。
健康的な方の場合、基本的に脳ドックは年に何度も受ける必要はありません。
年齢や健康状態にもよりますが、一般的に2〜3年に1度でいいといわれます。
そのため、利用回数に関してはそれほど気にする必要はないでしょう。
なお、1年に1度のペースで脳ドックを受けたとしても、補助金を受けられます。
指定医療機関
八王子市で脳ドックの補助金を受けるには、指定医療機関を受診する必要があります。
しかし、脳ドックで補助金を受けられる病院は人間ドックに比べると少なくなります。
八王子市で脳ドックの補助金を受けられる医療機関は、具体的に以下の通りです。
- 八王子クリニック新町
- 北原RDクリニック
- 長池脳神経内科
- 南多摩病院
- 東京天使病院
上記のように、脳ドックの補助金を受けられるのは5つの病院です。
ただし、人間ドックの場合は市内13の病院で補助金を受けられます。
脳ドックの補助金で大阪市の場合
大阪市の場合、脳ドックの補助金が基本的に出されていません。
ここからは、大阪市の脳ドックの概要を具体的に解説します。
補助金はそもそもあるのか
大阪市では、脳ドックの補助金が基本的にありません。
大阪市で補助金を受けられるのは、具体的に下記に示す事業になります。
- 令和4年度大阪市国民健康保険健康づくり支援事業
- 特定保健指導
- 令和4年度大阪市国民健康保険1日人間ドック事業
- 特定健診自己負担金
上記は基本的に無料で受けられます。
令和4年度大阪市国民健康保険健康づくり支援事業のみ、3,100円自己負担金が必要です。
補助金が出る検査
大阪市の場合、脳ドックでは補助金が出ませんが、人間ドックでは補助金が出ます。
前述の「令和4年度大阪市国民健康保険1日人間ドック事業」が対象です。
対象者と費用については、以下の通りです。
- 昭和32・42・52・57年生まれの方:無料
- 30歳から39歳の方:1万4,000円
- 40歳から74歳の方:1万円
上記の通り、特定の年齢の方は無料で受けられます。
また、年齢が上がるにつれて安く検査を受けられるようになります。
大阪市の場合は他の制度を使った方が脳ドックを安く受けやすい
大阪市で脳ドックを受ける場合、補助金を受けられません。
そのため、市の補助金ではなく社会保険の補助金を活用するといいでしょう。
例えば、大阪府電設工業健康保険組合に加入している方の場合、補助金が出ます。
- 40歳以上の被保険者・被扶養者を対象に支給
- 年度1回限り
- 受診した被保険者/扶養者1人につき1万円
上記の条件を満たす方は、脳ドックの補助金を受けられます。
大阪市にお住まいの方は、社会保険や生命保健の補助金を受けられないか確かめましょう。
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脳ドックの補助金を含めた今後の予防医療
日本では、「保健医療2035」を策定し、健康先進国へ向けた取組みをしています。
健康先進国とは、さまざまな暮らし方、働き方、生き方に対応できるシステムのことです。
健康先進国になり、地球規模で共生できる社会の実現を目指しています。
そのため、地域主体で医療を再編することが重要視されてきました。
日本では、以下の目標を掲げています。
- よりよい医療をより安く享受できる
- 地域主体の保健医療に再編する
保健医療に力を入れるビジョンのため、予防のための検査が受けやすくなる可能性があります。
脳ドックを始めとする予防医療は、今後ますます重要になっていくでしょう。
出典:厚生労働省 【【新ビジョン公開】2035年、日本は健康先進国へ。 | 保健医療2035 | 厚生労働省 (mhlw.go.jp)】
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脳ドックの補助金のまとめ
ここまで脳ドックの補助金についてお伝えしてきました。
脳ドックの補助金についての要点をまとめると以下の通りです。
- 脳ドックとは、脳の健康状態を検査すること
- 脳ドックの補助金が受けられる保険は、社会保険や国民健康保険など
- 脳ドックの補助金を受けるための条件は、年齢や期間、検査項目などを満たすこと
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。