低血糖の症状には冷や汗、動悸、手足のふるえなどがあります。
低血糖は、軽度の場合は症状が出たときに対処すれば早期に回復する病状です。
低血糖には、どのような症状があるでしょうか?
低血糖は、どのような人がなりやすいのでしょうか?
本記事では低血糖症状チェックについて以下の点を中心にご紹介します。
- 低血糖症状チェックについて
- 大人における低血糖症状チェックリストについて
- 子どもにおける低血糖症状チェックリストについて
低血糖症状チェックについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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低血糖とは
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低血糖とは、血糖値(血液中のブドウ糖の値)が過度に低くなっている状態です。
血糖値が過度に下がると、
- 空腹
- 発汗
- 震え
- 疲労
- 脱力感
などの症状があらわれます。
重度の低血糖になると、
- 錯乱
- けいれん発作
- 昏睡
など重篤な症状が生じます。
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低血糖症状チェックには何がある?
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低血糖の症状をチェックするとき、以下の3つのチェック項目があります。
- 意識確認による症状チェック
- 空腹時の症状チェック
- 周りの人が見てわかる体調のチェック
それぞれの項目ごとにどのようなことをチェックするのか説明します。
意識確認によるチェック
低血糖は、70mg/dl未満の状態をいいます。
症状は、低血糖値の値で変わってきます。
低血糖値の値と意識レベルの症状を表にまとめます。
【血糖値レベルと代表的な症状】
血糖値(mg/dl) | 症状の種類 | 症状 |
70~50 | 交感神経症状 | 冷や汗、動悸、手指のふるえ、強い空腹感、頻脈など |
50~30 | 中枢神経症状 | 強い脱力感や疲労感、目のかすみ、頭痛、眠気など |
30~ | 大脳機能低下 | 意識レベルの低下、異常行動、けいれん、意識混濁 |
空腹時の体調チェック
低血糖は、以下のような空腹時に多く見られます。
- 早朝の空腹時
- 昼食前
- 夕食前
- 就寝時
- 食事の時間が普段より遅れたとき
空腹時に自覚する症状は、以下のようなものです。
冷や汗が出る | 気持ちが悪くなる |
急に強い空腹感 | 寒気 |
動悸 | 手足のふるえ |
目のちらつき | ふらつき |
脱力感 | 頭痛 |
周りの人が見てわかる体調のチェック
低血糖には、はっきりと低血糖だと自覚しにくい症状もあります。
周りで見ていて、以下のような症状がある場合は隠れ低血糖の可能性があります。
- お腹が空いてイライラしている
- お腹が空くと手がふるえたり、力が入らない様子がある
- 食後にいつも眠くなる
- 朝スッキリ起きれない、疲れがとれない
- 夕食前の体調が特につらそう
- 夜中に目が覚める
- 寝汗をかくことが多い
- 甘いものをよく食べる
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大人における低血糖症状チェックリスト
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大人における低血糖の症状を以下の重症度に分けて項目ごとの内容を説明します。
軽度
低血糖のレベルが軽度(70〜50mg/dl)の場合、以下のような症状が生じます。
空腹感
血糖値が70mg/dl以下になると、交感神経症状があらわれます。
交感神経症状は、下がった血糖を上昇させようとアドレナリンなどのホルモンを分泌することで生じる症状です。
血糖が低下したことで空腹感を覚えるのは、交感神経症状の1つです。
血糖値が下がったことで、血糖不足によるエネルギー不足のサインを出すからです。
発汗・手足の震え・顔面蒼白
発汗や手足の震え、顔面蒼白は、交感神経系の症状の1つです。
顔面蒼白は、顔面の毛細血管が収縮することで起こります。
中程度
低血糖のレベルが軽度(50〜30mg/dl)の場合、以下のような症状が生じます。
だるさ
低血糖のレベルが50mg/dl程度に下がってくると、中枢神経症状が出始めます。
中枢神経症状は、脳の機能が低下し始めて起こる症状です。
だるさや脱力感は、代表的な中枢神経症状の1つです。
集中力低下・眠気
集中力の低下は、中枢神経症状で意識障害の1つです。
眠気も代表的な中枢神経症状の1つです。
重度
血糖値が低すぎる状態(30mg/dl未満)が続くと、以下のような重篤な症状を生じます。
錯乱状態
錯乱状態は、低血糖により脳に十分なエネルギーが回らないことで起こる症状です。
低血糖が原因の錯乱は、突然に起こり重度の錯乱状態になることがあります。
血糖値が30mg/dlを下回ると大脳機能低下が起こり錯乱などの異常行動や意識がもうろうとし始めます。
意識消失
意識消失は、重症低血糖による意識障害の1つです。
血糖値30mg/dlになると意識がもうろうとしはじめ、さらに下がると意識消失を起こします。
意識消失すると、自分でブドウ糖を摂ることができない重症低血糖になります。
重症低血糖への備えの必要な症状です。
けいれん
けいれんも重症低血糖による症状の1つです。
低血糖低下による大脳機能低下が原因で、腕や足がけいれんを起こします。
意識消失と同じような低血糖レベルで起こる症状です。
けいれんも自分でブドウ糖を摂ることができない重症低血糖になります。
重症低血糖への備えの必要な症状です。
昏睡状態
低血糖昏睡は、低血糖状態がさらに悪化して起こる症状です。
すぐに対処しないと、意識障害から麻痺、昏睡状態へ陥ってしまいます。
ブドウ糖の経口摂取が不可能なため、非経口的治療が必要な状態です。
子どもにおける低血糖症状チェックリスト
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子どもの低血糖症状をチェックする項目で、以下の症状について説明します。
子どもは、自分自身で症状に気づきにくいため、周りの人がチェックすべき症状です。
夜の寝つきが悪い
夜の寝つきが悪い、いわゆる入眠障害の原因が低血糖症による場合があります。
低血糖だと、血糖を上昇させようとアドレナリン分泌のために交感神経が優位になります。
交感神経が優位になると、夜中でも脳がリラックスできず、夜の寝つきが悪くなります。
低血糖症以外の原因が思いつかない場合は疑ってみる必要があります。
感情が抑えられずイライラが続く
感情が抑えられずイライラが続くような症状は、糖分の摂りすぎが原因の場合があります。
糖分を摂りすぎると、血糖値を下げようとインスリンが大量に分泌されて低血糖になります。
子どもは大人よりも内臓機能が低いため、低血糖になりやすくなっています。
砂糖を使用した菓子類を食べ過ぎていないか注意が必要です。
おかずより主食を好んで食べる
おかずより主食を好んで食べる習慣は、炭水化物を摂り過ぎている可能性があります。
炭水化物の摂りすぎは、糖質の摂りすぎと同じことです。
糖分の摂りすぎは、インスリンの大量分泌を促し低血糖症状を生じることになります。
子どもの食事は、おかずと主食をバランスよく摂れるよう工夫をしてあげましょう。
集中力ややる気がなく日中眠そうで疲れやすい
集中力ややる気がなく日中眠そうで疲れやすい症状は、糖質の過剰摂取も原因になります。
糖質の過剰摂取で起こる「血糖値スパイク」という現象の症状と合致します。
「血糖値スパイク」は、血糖値の急上昇でインスリンが大量に分泌されて低血糖状態になることです。
低血糖症状チェックの必要性が高い人
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低血糖症状チェックの必要性が高い人について、以下にご紹介します。
高齢者
高齢者の方は、低血糖症状チェックの必要性が高くなります。
高齢者は、食事量が十分でない場合があって低血糖が起こりやすいからです。
食事量が低下する原因には、
- 食べる力の低下(噛む力や飲み込む力など)
- 視覚・味覚・嗅覚の衰えによる食欲の減退
- 運動量の減少
- 独居による孤独感
などがあります。
また、高齢者は加齢により低血糖症状に気づきにくいということがあります。
気づいたときには、重篤な状態になる場合もあります。
成人の方より高齢者は、より注意が必要です。
ダイエットをしている女性
ダイエットをしている女性も、低血糖症状チェックの必要性があります。
極端に糖質制限をした食生活をしている方は、低血糖になるリスクがあるからです。
体調でいつもと何か違うような気がするときは、低血糖症状チェックをする必要があります。
元々糖尿病を持っている人
元々糖尿病を持病で持っている人は、低血糖になりやすいです。
低血糖になる原因の「薬物療法による副作用」に該当します。
糖尿病の薬物療法で使われるインスリン製剤や経口血糖降下薬により、低血糖が起こります。
薬物によって、過剰に血糖値が下がってしまうからです。
チェック後に必要な応急処置
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低血糖の症状をチェックした際に、必要な応急処置について以下に説明します。
重度であるならば救急車を呼ぶ
以下のような重症低血糖の時は、救急車を呼ぶことを第一にします。
- 錯乱状態
- 意識消失
- けいれん
- 昏睡状態
重症低血糖で手当てが遅れると、死亡する可能性があります。
また、助かったとしても脳に障害が残ることもあるため、医療機関での応急処置が必要な状態です。
意識があるならブドウ糖を摂取する
意識があり自分で糖分の経口摂取ができる場合は、ブドウ糖を摂取する方法があります。
症状を感じたときは、すぐに以下のいずれかの対処をしましょう。
- ブドウ糖を摂取
- 清涼飲料水を摂取
- 砂糖を摂取
通常は、安静にしていれば短時間で症状は治まります。
15分以上経っても症状が治まらない場合は、もう一度同じものを摂取するようにします。
ブドウ糖や清涼飲料水、砂糖などの必要摂取量は、あらかじめ主治医に確認しておくとよいでしょう。
意識がない場合は無理に飲みこませない
意識がない場合は、救急車を呼ぶのが第一ですが、ブドウ糖を口に入れる応急処置があります。
意識がないので無理矢理飲み込ませることは、窒息の原因になります。
ブドウ糖や砂糖を水で溶かしたものや清涼飲料水などを口唇と歯肉の間にしみ込ませるようにします。
低血糖症状チェックは早めが大事
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低血糖は、自身の早めの症状チェックが大切です。
低血糖症状チェックポイントを抑えておけば重篤な状態になる前に早期の対応ができます。
血糖値が60〜70mg/dlになって起こる症状には、以下のようなものがあります。
冷や汗が出る | 気持ちが悪くなる |
急に強い空腹感を覚える | 寒気がする |
動悸がする | 手足がふるえる |
目がちらつく | ふらつく |
力のぬけた感じがする | 頭が痛い |
あらかじめブドウ糖などの備えがあれば、症状を自覚しても通常5分以内に改善します。
さらに低血糖が進み血糖値が50mg/dl未満になると、以下のような中枢神経症状があらわれます。
ぼんやりする | ボーとしている |
うとうとしている | いつもと違う異常な行動をとる |
わけのわからないことをいう | ろれつが回らない |
目の前が真っ暗になり倒れそうになる | 意識がなくなる |
けいれんを起こす |
中枢神経症状が数時間以上続くと、脳に障害が起こり死に至ることもあります。
すぐに主治医と連絡をとり、救急車を呼ぶなどの応急処置が必要です。
早期発見・早期対応のため、自身で早めのチェックの備えが重要です。
出典:厚生労働省【重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖】
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低血糖の症状チェックまとめ
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ここまで低血糖症状チェックについてお伝えしてきました。
低血糖症状チェックについての要点を以下にまとめます。
- 低血糖症状チェックには、意識確認や空腹時体調・周りの人がわかる体調のチェックがある
- 大人の低血糖には軽度・中程度・重度に分けられる症状があり、重度は命に及ぶこともある
- 子どもの低血糖では、夜の寝つきが悪いなどの症状があり周りが気づいて対処する必要がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。