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健達ねっと>健康お役立ち記事>双極性障害>双極性障害の遺伝って本当にあるの?心配なときの相談先についても紹介!

双極性障害の遺伝って本当にあるの?心配なときの相談先についても紹介!

双極性障害は、気分が高まる躁状態と気分が落ち込むうつ状態を繰り返す脳の病気です。
双極性障害の原因の1つに、遺伝的要因があります。

そもそも双極性障害とはどのような病気なのでしょうか?
また、双極性障害は遺伝するのでしょうか?

本記事では双極性障害の遺伝について以下の点を中心にご紹介します。

  • 双極性障害の原因
  • 双極性障害の相談先
  • 双極性障害の遺伝以外の要因

双極性障害と遺伝との関係を理解するためにも参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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双極性障害とは?

双極性障害は、気分が高まる躁状態と気分が落ち込むうつ状態を繰り返す脳の病気です。

双極性障害には、2つの種類があります。

  • 激しい躁状態とうつ状態のある双極I型
  • 軽い躁的な状態(軽躁状態)とうつ状態のある双極Ⅱ型

日本の双極性障害の患者の割合は、重症・軽症の双極性障害をあわせても0.4〜0.7%です。
1,000人に4〜7人弱になるので、100人に10人弱といわれるうつ病に比べると少ないといえます。

双極性障害は、抗うつ病薬ではなく、気分安定剤や非定型抗精神病薬による治療が必要です。

出典:厚生労働省【双極性障害(躁うつ病)|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

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双極性障害が家族に遺伝する可能性はあるのか

双極性障害は、遺伝性のある疾患だということがわかってきています。
関係している遺伝子は8つで、複数の遺伝子が組みあわさり発病するといわれています。
しかし、必ず発病するわけではなくカリスマ性や高い創造性として現れることもあります。

自分がうつ症状で受診する際は、注意することがあります。
家族に双極性障害の方がいることを医師にしっかりと伝えてください。
双極性障害の治療に抗うつ病薬は逆効果のため、正しい治療の手がかりになります。

双極性障害はうつ病よりも遺伝しやすい

双極性障害は、うつ病より遺伝する可能性が高いといわれています。

双子の一方がうつ病、もしくは双極性障害になった場合を考えます。
うつ病、もしくは双極性障害が、もう一方に発症する確率は以下の通りです。

うつ病になる確率(%)双極性障害になる確率(%)
一卵性双生児3080
二卵性双生児3020

うつ病は、一卵性でも二卵性でも、発病する確率はほとんど変わらないことがわかります。

しかし双極性障害は、一卵性と二卵性では発病する確率が大きく違います。
そのため、発症の原因に、遺伝子が関係している可能性が高いと考えられるのです。

双極性障害の遺伝が原因の発症が増えた背景

2002年から2017年の15年間で、日本人の双極性障害の患者は2.5倍に増加しています。

双極性障害の発症が増加した原因として、食生活の変化があります。
青魚に含まれる「オメガ3」には、抗不安効果もあると研究でわかっています。

昔の食事では、青魚をよく食べていました。
そのため、青魚に含まれるオメガ3を多く摂取できていました。
しかし近年では、食の欧米化によりオメガ3の摂取量が減少しているのです。

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双極性障害の遺伝についての相談先

双極性障害になった場合や心配なことがあった場合、1人で悩むのはよくありません。
双極性障害について相談できる場所を紹介します。

医療機関の精神科

まずは、医療機関の精神科に相談しましょう。
精神障害者に対し、集中的な治療や看護、保護をし、社会復帰を促してくれます。

医療機関の精神科の目的は、以下の通りです。

  • 精神疾患の発生の防止
  • 国民の精神的な健康の保持
  • 国民の精神保健の向上

【夜間や休日に具合が悪くなったときの対応】

夜間や休日に具合が悪くなったときは、以下のように対応しましょう。

  • かかりつけの医療機関に電話
  • かかりつけの医療機関が利用できないときは、都道府県が設置している精神科救急情報センター等に相談する

【救急受診の注意点】

初対面の精神科医が対応することが多いため、有効な治療につながらないことがあります。
精神科の治療は問診を繰り返し、信頼関係を築くことが必要です。

【日々の生活で大事なこと】

状態を悪化させないよう、日々の生活の中で予防することが重要です。

  •  ライフチャートを書く:具合が悪くなるサインを知ることができる
  • 対処法を主治医と話しあう:頓服の薬の使用を検討できる

自分に合った対処方法を探し、無理せず早めに主治医に相談しましょう。

保健所

双極性障害の相談先として、保健所があります。

保健所の目的は以下の通りです。

  • こころの健康、保健、医療、福祉に関する相談
  • 未治療、医療中断の方の受診相談
  • 思春期問題
  • ひきこもり相談
  • アルコール・薬物依存症の家族相談

【相談方法】

保健所に相談する方法は、事前に電話予約し、面談や訪問の希望を伝えます。
電話相談や面談、家庭訪問(保健師)など、自分にあったものを選びましょう。
保健師や医師、精神保健福祉士などが対応してくれます。

市町村の保健センター

双極性障害は、市町村の保健センターでも相談できます。

「こころの健康センター」と呼ばれる場合もあります。

保健センターの役割は以下の通りです。

こころの健康についての相談精神科医療についての相談
社会復帰についての相談アルコール・薬物依存症の家族の相談
ひきこもりなど思春期・青年期問題の相談認知症高齢者相談
デイケア、家族会の運営など各種の事業

内容が異なることもあるので、直接電話するか、ホームページなどで情報を確かめましょう。

【相談方法】

保健センターは、電話や面接事前に予約で相談できます。

以下のような専門職が対応してくれます。

  • 医師
  • 看護師
  • 保健師
  • 精神保健福祉士
  • 公認心理士
  • 作業療法士など
薬の使い方

双極性障害の遺伝と他の精神疾患の遺伝との発症可能性の違い

双極性障害と他の疾患との、遺伝による発症の可能性は違うのでしょうか。
詳しく解説します。

うつ病

うつ病は、気持ちが落ち込み憂鬱になり、意欲の低下などの症状を引き起こす精神疾患です。
以下のような身体的な症状が現われることもあります。

  • 食欲や性欲の減退
  • 睡眠不足
  • 胃腸の不調

うつ病は抗うつ病薬で治療し、1〜2年で治癒することが多く再発のリスクも低い病気です。

うつ病の原因は、まだはっきりと解明されていません
しかし、精神的なストレスや身体的なストレスが関係していると考えられます。
辛い経験や環境変化によって、うつ病が引き起こされることも多い病気です。

統合失調症

統合失調症は、気持ちや考えがまとまりにくくなる病気です。
約100人に1人がかかるとされ、思春期から40歳くらいまでに発病しやすい病気です。
脳の機能や遺伝的要因も原因の1つだと考えられています。

脳の機能が原因でもあるため、気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。
しかし、薬や精神科リハビリテーションなどの治療によって、回復が見込まれる病気です。

統合失調症には、2つの症状があります。

  • 健康なときにはなかった状態が現われる陽性症状
  • 健康なときにあったものが失われる陰性症状

統合失調症の発症は、生活習慣やストレスといった後天的な要因でも発症します。
遺伝だけが原因ではないため、心配しすぎないようにしましょう。

てんかん

てんかんとは、突然意識を失ってしまう発作を繰り返す病気です。
繰り返す発作のことを、「てんかん発作」ともいいます。

脳の神経細胞が、異常な電気活動を起こすことによって発症します。
発作は一時的なもので、治まれば元通りの状態に回復する点が特徴的です。

てんかんには、以下の2つのものがあります。

  • 症候性てんかん:脳腫瘍や外傷後遺症等によって引き起こされるてんかん
  • 特発性てんかん:原因がわからないてんかん

てんかんは遺伝しないと考えられていますが、一部の遺伝子が関係していることもあります。
また、「発作の起こりやすい体質」を受け継ぐこともあるのです。

家族や自分が双極性障害を持っているときに遺伝について聞かれたらどのように対応する?

家族や自分が双極性障害だった場合、どのように伝えればいいのでしょうか。
それぞれ解説します。

家族が双極性障害のとき

双極性障害は、遺伝が原因の1つであると考えられています。
しかし、遺伝子がいくつも組みあわさり発症します。
そのため、必ずしも遺伝するものではありません

聞かれた場合は上記のように伝えてみましょう。

自分が双極性障害のとき

自分が双極性障害のときは、以下のことを伝えましょう。

  • 双極性障害の発症の原因ははっきりと解明されていない
  • 遺伝や環境、脳の状態など様々な要因が組みあわさり発症する

また、家族に双極性障害の方がいるか聞かれた場合は、無理に話す必要はありません。

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双極性障害の遺伝以外の原因

双極性障害の発症は、遺伝以外にも以下のものが挙げられます。

  • 成育歴
  • 性格

それぞれ解説します。

成育歴

双極性障害の原因として挙げられるのが、成育歴です。
幼児期に親からの虐待やネグレクトを受けると、以下のような精神障害の発病に関わるといわれています。

  • PTSD
  • パーソナリティ障害など

双極性障害と成育歴の関係については、まだ研究が十分ではありません。
しかし、なんらかの影響は受けていると考えられています。

双極性障害は脳の病気です。
今までは、アルツハイマーのような特徴的な変化はないとされてきました。
しかし研究が進み、神経細胞を弱める変化があることがわかっています。

神経細胞を弱める原因の1つは、抑制性の神経細胞の減少です。
双極性障害の方は、健常者にくらべて4割程少ないとされています。
また、神経細胞のカルシウム濃度が高くなり、細胞死を招きやすくなることもわかっています。

性格

双極性障害Ⅱ型の方の傾向として、循環気質があります。

循環気質とは以下のものです。

社交的善良
親切人情味
ユーモア活発
性急静か
穏やか気重
柔和

陽気な反面、気持ちが浮き沈みしやすい傾向があります。

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双極性障害の遺伝についてのまとめ

ここまで、双極性障害の遺伝についてお伝えしてきました。
双極性障害の遺伝についての要点をまとめると以下の通りです。

  • 双極性障害の原因は、遺伝子が関係している可能性が高い
  • 双極性障害の相談先は、医療機関の精神科や保健所、市町村の保健センターなど
  • 双極性障害の遺伝以外の要因は、成育歴や脳、性格が影響しているといわれている

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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  • 障がい者雇用

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