スマホやパソコンは、現代人には欠かせないツールですよね。
しかし、同時に「眼精疲労」の症状を感じている方も多くいらっしゃいます。
眼精疲労の症状はどのようなものか一度チェックしてみましょう。
本記事では眼精疲労の症状チェックについて以下の点を中心にご紹介します。
- 眼精疲労と疲れ目の違い
- なぜ眼精疲労は起こるのか
- 現代病と呼ばれるVDT症候群とは
眼精疲労の症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
後半には眼精疲労のセルフケアについてもまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
スポンサーリンク
眼精疲労とは
眼精疲労とは、目を酷使することで目だけでなく全身に変調があらわれる症状のことを指します。
眼精疲労がひどくなると、自律神経が乱れ、目だけでなく、首、肩、イライラ、吐き気などの症状が出ます。
また、眼精疲労は疲れ目と決定的に違う点があります。
疲れ目は、十分な休憩を取れば回復します。
眼精疲労は十分休息しても、症状がなかなか改善されません。
スポンサーリンク
眼精疲労の症状チェック
疲れ目と眼精疲労は、見分けがつかないことが多いです。
今ある不調が、単なる目の疲れなのか、眼精疲労なのかチェックしてみましょう。
以下の眼精疲労の症状をチェックして、自分の症状と比べてみましょう。
チェック | 症状 |
▢ | 目の奥が痛む |
▢ | 目の奥が熱い |
▢ | 目がかすむ |
▢ | 目の疲れを感じる |
▢ | まぶたがピクピクと痙攣することがある |
▢ | 目の乾きを感じる |
▢ | 涙がよく出る |
▢ | 最近視力が落ちた |
▢ | 頭痛がある |
▢ | ひどい肩こりに悩まされている |
▢ | 吐き気がする |
▢ | 目の中に異物が入っている感じがある |
▢ | まぶたが重い |
▢ | パソコンをほぼ毎日、4時間以上使う |
▢ | 目が赤くなる |
▢ | 寝不足気味だ |
▢ | 鼻の付け根や額にかけて不快感がある |
▢ | 頭全体に圧迫感のようなものがある |
チェック数が0〜1の方
目はあまり疲れていないようです。
目のケアを引き続きしていきましょう。
チェック数が2〜4の方
目の疲れを感じているようです。
深刻な症状ではありませんが、今の状態が続けば眼精疲労になる可能性があります。
チェック数が5〜9の方
目の疲れがあらわれており、眼精疲労といっていいでしょう。
早めのケアが必要です。
チェック数が10以上の方
眼精疲労の症状がかなり進行しています。
早めに病院で診断、治療する必要があります。
眼精疲労の原因
眼精疲労を引き起こす原因は主に3つあります。
目のピント合わせ「毛様体筋」の酷使
私たちの目は、水晶体の厚みを調節してピントを合わせます。
水晶体の厚みを調節しているのが「毛様体筋」という筋肉です。
毛様体筋は遠くを見るときに緊張が緩み、近くを見るときに緊張します。
パソコンやスマホは、長時間近くを見るため、毛様体筋は常に緊張状態にあります。
毛様体筋を酷使することで、大きな負担がかかり眼精疲労の原因となります。
自律神経障害
目のピントを合わせるためには、毛様体筋だけでなく自律神経も深く関係しています。
ストレス社会のなかで、自律神経が乱れてしまうことが多くあります。
自律神経が乱れると、涙の量、まばたきが減少して目に大きな負担をかけます。
また、交感神経の優位が続くことによって、筋肉の緊張、血流の滞りがおこります。
目の疲労だけでなく、肩こり、首こり、背中の痛みなど眼精疲労症状があらわれます。
合っていないメガネ・コンタクトの使用
何年も、同じメガネや同じ度数のコンタクトレンズを使用していませんか?
加齢などによって、視力は徐々に落ちていくものです。
度数の合っていないメガネやコンタクトレンズを使っていると、見えにくくなります。
見えにくい状態から、見やすくするため前かがみになれば、肩や背中のこりになります。
定期的に視力をチェックし、自分に合ったメガネやコンタクトの度数にしましょう。
VDT症候群における目の症状
VDTとは「Visual Display Terminals」の略です。
パソコン、スマホなどのディスプレイを長時間見続けることであらわれる症状です。
現代人特有の症候群といっていいでしょう。
VDT症候群では、以下のような目の症状があらわれます。
眼精疲労
VDT症候群のなかでも最もあらわれやすい症状が、眼精疲労です。
目の症状だけでなく、肩こりや背中の痛みなど全身に疲労を感じます。
眼精疲労の原因のひとつが、自律神経の乱れです。
食欲不振、イライラ、不眠といった心への影響も懸念されます。
ドライアイ
長時間パソコン作業していると、ディスプレイを凝視してしまいます。
当然、瞬きする回数が減りますから、目の表面が乾燥して、ドライアイを発症します。
とくにパソコンを使う職場ではエアコンが効いている場所が多く、ドライアイになりやすい環境です。
充血
長時間パソコンを使った仕事をしていると、目が充血してしまうことがあります。
目の充血は、目の疲れを回復させるための症状です。
目の疲れを回復させるため、目に酸素や栄養を供給しようとしているからです。
目の血流が増えることで目の充血症状が起こります。
視力低下
長い間、目を酷使してしまうと、目のピントを合わせる毛様体筋のダメージが大きくなります。
目のピントがスムーズに合わなくなるため、視力低下につながります。
最近、目がぼやける、字が読みにくいという場合は、視力低下を疑いましょう。
眼精疲労の治し方
眼精疲労は、我慢しているとどんどん症状が悪化してしまいます。
眼科を受診し、適切に治療しましょう。
また、普段から目をいたわるような生活習慣も大切です。
眼科受診
眼精疲労がなかなか治らないという場合には、眼科で検査してもらいましょう。
もしかすると眼精疲労以外の原因があるかもしれません。
検査方法
眼科では以下の検査をします。
- 視力検査
- 眼圧検査
- 眼底検査
- 調節検査
- 毛様体筋の疲労度を調べる
治療方法
治療方法としては、適切な矯正器具が処方されます。
矯正器具で代表されるのがメガネです。
VDT症候群では、コンタクトレンズはドライアイの原因となるので適していません。
適切な度数のメガネを作り、治療します。
その他、毛様体筋の緊張をほぐすための点眼や漢方薬などが処方されます。
セルフケア
眼精疲労度をチェックして「要注意」であった場合、生活習慣にも注意しましょう。
普段から酷使している目をいたわる方法を紹介しましょう。
パソコンとの距離を保つ
パソコンとの距離を適切に保つことで、目の疲れを軽減できます。
目とモニターの距離は50〜70㎝が理想的な距離です。
椅子の背もたれに背中を付けて、猫背にならないことも大切です。
ブルーライトをカット
パソコンやスマホのディスプレイから発せられるブルーライトは、交感神経を刺激します。
自律神経の乱れの原因となるため、ブルーライトをカットすることが大切です。
ブルーライトをカットする方法として専用メガネをかける、フィルターを導入するなどがあります。
まぶたを温める
パソコンで作業していると、毛様体筋を始めとする、目のまわりの筋肉が緊張します。
まぶたの血行をよくするため、温かいタオルを乗せましょう。
濡らしたタオルをレンジでチンするだけで、簡単に蒸しタオルの用意ができます。
市販のホットアイマスクを使ってもいいでしょう。
目のツボ押し
目のまわりには、目の疲れを取るためのツボが集中しています。
押し込むとやや痛みを感じるのがツボです。
目の疲れや痛みを取るツボには、以下のようなものがあります。
- 目のかすみに効く「太陽」
- 目の奥が痛んだときに効く「清明」
- 目の疲労感や痛みに効く「攅竹(さんちく)」
酸化物質に注意
網膜には、血管が集中しています。
とくに活性酸素によるダメージを受けやすいので、酸化物質には注意が必要です。
酸化物質を中和、排出できるポリフェノールなどの抗酸化物質の摂取を心がけましょう。
禁煙
眼精疲労と禁煙には、あまりつながりがないように思えます。
実際は、喫煙によって目の疲れが増長されてしまいます。
タバコを吸うことにより、血管が収縮して血流が悪くなってしまいます。
目のまわりには毛細血管が集中しているので、血流が悪くなると目が疲れやすくなります。
また、タバコは涙の分泌を抑えてしまうため、ドライアイになりやすい傾向があります。
紫外線防止
紫外線は目に悪影響を及ぼします。
白内障の原因の多くは、紫外線によるものです。
また、目から入った紫外線によって脳から疲労物質が大量に分泌されます。
外出時には、できるだけサングラスをかけ、紫外線から目を守るようにしましょう。
睡眠時間の確保
十分な睡眠をとっていても回復しないのが眼精疲労です。
しかし、予防するためには十分な睡眠時間を確保しなければなりません。
眠っている間に眼球や毛様体筋は緊張が和らぎます。
最低でも、睡眠時間は6〜7時間は確保しましょう。
目に良い栄養
目に良いとされる栄養を積極的に摂るように心がけましょう。
目に良い栄養素には、以下のようなものがあります。
- ビタミンA
- ビタミンB群
- ビタミンC
- ビタミンD
- ビタミンE
- DHA
- アントシアニン
- ルテイン
ビタミンAは、目の粘膜を保護して、網膜の状態をよくする働きがあります。
レバーや緑黄色野菜に多く含まれます。
ビタミンB群は、目薬の成分としても使われている栄養素です。
目の疲れを取る働きがあります。
ビタミンC・Eは、抗酸化作用によって、水晶体の老化を予防します。
ビタミンDは、目の機能を活性化する働きがあります。
DHAは、ドライアイや目の疲労、視力に効果が期待されています。
青魚・赤身の魚に多く含まれています。
アントシアニンは、脳の神経伝達をよくする働きがあります。
また、光を感じる物質の再合成を促す働きもあります。
代表的な食べ物にはブルーベリーがあり、とくにブルーベリーの皮に多く含まれています。
ルテインは、カロテノイド色素の一種です。
抗酸化作用が強く、老化の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。
VDT作業の実態
VDT作業とは、液晶画面表示、キーボードなど入力機器端末を使用する作業のことです。
最近では、急速なIT化、オンラインによるIoT化が進んでいます。
さらに、スマホやタブレットの普及も加わります。
VDT作業は、すでに一般化しており、現代の仕事には欠かせないツールとなっています。
このような流れのなかで、VDTでの作業時間は年々増加傾向にあります。
その結果、VDT作業が原因と思われるさまざまな変調が報告されています。
最も多いのが「目の疲れ」「目の痛み」で90%以上の人が感じています。
続いて肩や首のこりや傷みとなっており、VDT作業が6時間以上の人では80%が感じています。
VDT作業が長ければ長いほど、眼精疲労などの体調不良を感じることが多くなることがわかっています。
眼精疲労の症状チェックまとめ
ここでは、眼精疲労の症状チェックについて紹介してきました。
眼精疲労の症状チェックの要点を以下にまとめます。
- 眼精疲労と疲れ目の違いは、すぐに症状が回復するかどうか
- 眼精疲労の原因は、毛様体筋の酷使、自律神経障害、メガネ度数の不一致
- VDT症候群とはパソコン、タブレット等を長時間使用することで起こるさまざまな症状
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。