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貧血の数値はどの程度で重症?基準値の見方について徹底解説!

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貧血の数値について

※画像はイメージです

「貧血」は、赤血球中のヘモグロビンが減少することで、めまいなど様々な症状が起こります。
貧血と診断されるには、明確な基準値が存在します。
ではその貧血の数値とはどれくらいなのでしょうか。

今回の記事では、「貧血の数値」について以下の点を中心にご紹介します。

  • 貧血の診断に必要な検査データ
  • 貧血となる基準値
  • 貧血状態で特に危険な数値

貧血の数値について理解するためにも参考にしていただければ幸いです。
最後には定期的に数値を確認することの重要性についてもお伝えします。
ぜひ最後までご覧ください。

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貧血とは?

※画像はイメージです

「貧血」とは、血液中のヘモグロビン濃度が低くなっている状態を指します。

ヘモグロビンは、「酸素」を運ぶ重要な働きをしています。
そのため、血液中のヘモグロビンが減ると、酸素の供給が滞り貧血状態になり様々な症状が起きるのです。

具体的な症状としては、「動悸」や「息切れ」、「めまい」などです。

貧血の原因もいろいろありますが、主に「造血機能の低下」や「鉄分不足」、「失血」などがあげられます。

貧血の種類

貧血の種類は大きく分けて以下の5つです。

  • 鉄欠乏性貧血
  • 再生不良性貧血
  • 溶血性貧血
  • 悪性貧血
  • 腎性貧血

代表的な貧血は、「鉄欠乏性貧血」です。
鉄分が不足して赤血球中のヘモグロビン濃度が減少することで起こります。

鉄分が不足する原因は鉄分の需要増加・鉄分の摂取不足・鉄分の喪失の3つです。
鉄分は体内で産生できないため、継続して摂取しなければなりません。

「再生不良性貧血」とは、骨髄の造血幹細胞の減少が原因で血液細胞全てが減少します。
そのため赤血球だけでなく、白血球、血小板の数も減少します。

「溶血性貧血」は赤血球の破壊(溶血)により起こる貧血です。
原因は先天性か後天性かに分けられます。

先天性は主に遺伝やヘモグロビン合成障害が原因です。
後天性は自己免疫性溶血性貧血など様々な病気の発症が原因で起こります。

「悪性貧血」はビタミンB12の欠乏が原因です。
ビタミンB12は様々な代謝に関わっているだけでなく、赤血球の産生にも関わっています。

「腎性貧血」は、腎臓から分泌される赤血球の産生を促す造血因子が減少した結果起こります。
腎性貧血は腎不全などの腎疾患が原因です。

上記であげた貧血だけでなく、「高齢者貧血」や「妊婦貧血」も存在します。
高齢者貧血は、様々な疾患や服用している薬の影響など様々です。
妊婦貧血は胎児の成長に鉄分の需要が増えるため起こります。

貧血の検査

貧血の診断は「血液検査」を通じて行われます。

検査で主に確認するのは以下の数値です。

  • 赤血球数
  • ヘモグロビン濃度
  • ヘマトクリット値

検査で貧血だと診断されたら、次は原因を探るために検査していきます。
骨髄が原因と考えられる場合は骨髄検査、腎臓が原因とされる場合は腎検査などです。

貧血の数値で必要な検査データ

※画像はイメージです

ここでは貧血を診断するために使用される「数値データ」を簡単に紹介します。

赤血球数

診断で使用される赤血球数は、血液1μℓ中の赤血球の数を数えるものです。
基準値より低い場合に、貧血と診断されます。
貧血の原因特定には他の検査データを調べることが必要です。

白血球数

診断で使用される白血球数は、血液1μℓ中の白血球の数を数えるものになります。

白血球が多すぎても、少なすぎても何かしらの疾患が原因として考えられます。
異常がみられた場合は、問診やスクーリングをし、詳細な検査を受けることが必要です。

血小板数

診断で使用される血小板数は、血液1μℓ中の血小板の数を数えるものになります。
血小板数検査の目的は、出血のしやすさや止血機能を確認することです。

血小板は出血した際に止血し修復する働きがあります。

ヘモグロビン

診断で使用されるヘモグロビン数の単位はg/dLで、血液1dL中に何グラム含まれるかという濃度で表されます。

ヘモグロビンの働きは全身に酸素を運ぶことです。
ヘモグロビン数は貧血を診断するための基本的な数値として最も重要なものです。

血清鉄

血清鉄(けっせいてつ)は、血液中に含まれているを指します。
鉄欠乏症や鉄過剰を確かめる目的や、貧血の原因を明らかにする目的で調べられます。

貧血を確かめるためには、血清鉄も重要な検査データです。
ヘモグロビンは鉄分から作られるためです。

ヘマトクリット

「ヘマトクリット」の「ヘマト」は血液、「クリット」は分離を意味します。

ヘマトクリック値は血液中の赤血球の割合を指し、言い換えると赤血球の容積です。
ヘマトクリットの検査は少し複雑で、採取した血液を分離器で血球と血漿に分ける必要があります。

赤血球恒数(MCV、MCH、MCHC)

「赤血球恒数」は他の検査データから貧血と診断された場合に使われる数値です。

赤血球恒数では、MCV・MCH・MCHCといった様々な項目を検査し、どんな種類の貧血が疑われるかを判断します。
MCVは「平均赤血球容積」、MCHは「平均ヘモグロビン量」、MCHCは「平均赤血球ヘモグロビン濃度」です。

貧血の数値の基準値とは?

※画像はイメージです

実際に貧血と診断される「基準値」について解説していきます。

赤血球

赤血球数の基準値は、男女によって違います。

男性は435万〜555万個/μL女性は386万〜492万個/μLが基準値です。

基準値を下回っている場合、貧血の可能性が考えられますが、他の項目も測った上で総合的に見ていくことが重要です。
また男女関係なく、200万個/μLを下回った場合は、重度の貧血状態だとされています。
あまりに値が高い場合は、「多血症」を引き起こしている可能性も少なくありません。

白血球数

白血球数の基準値は3,300〜8,600個/μLです。
白血球数に関しては、男女とも同じ値です。

身体に外敵が入ってくると、白血球は対抗しようと数が増えます。
そのため、白血球が多いときには何かしら異常が起きている場合があります。

例えば、「膠原病」や「感染症」、「白血病」や「がん」などが疑われます。

しかし白血球数は個人差が大きく時間帯によって変化する方も少なくありません。
多少の多い少ないはあまり気にする必要はありません。

血小板数

血小板数は、男女とも基準値が15.8万~34.8万個/μLです。

基準値を大きく上回っている場合は、「赤血球増多症」や「原発性骨髄線維症」、「慢性骨髄性白血病」などが疑われます。
基準値を下回っている場合は、「再生不良性貧血」や「急性白血病」、「血小板減少性紫斑賞」などが疑われます。

しかし血小板数も個人差があります。
基準値の1割前後はあまり気にする必要はありません。

ただし、変動することは少ないため、自分の平常値から変化がある場合は注意が必要です。

ヘモグロビン

ヘモグロビンの基準値は男女によって違います。
男性は13.7〜16.8g/dLで、女性は11.6〜14.8g/dLが基準値です。

基準値を大きく上回っている場合は、「多血症」が疑われます。
基準値を下回っている場合は、「貧血」が疑われます。

基準値より1〜2g/dL低い程度では、症状があまり出ません。
しかし、男女とも10g/dL以下だと、めまいなどの症状があらわれ、中等度以上の貧血にあたります。

血清鉄

血清鉄数は、男女とも基準値が40~188μg/dLです。

基準値を大きく上回っている場合は、「再生不良性貧血」や「急性肝炎」が疑われます。
基準値を下回っている場合は、「鉄欠乏性貧血」や「がん」、「感染症」が疑われます。

基準値を少し下回る程度では症状が出ない方も多く、見過ごしやすくなります。
慢性的に疲れやすく、気分が良くない方は基準を下回っている可能性があります。

ヘマトクリット

ヘマトクリットの基準値は男女によって違います。
男性は40.7~50.1%で、女性は35.1〜44.4%が基準値です。

基準値を大きく上回っている場合は、「多血症」が疑われます。
基準値を下回っている場合は、「貧血」や「出血」が疑われます。
ヘマトクリットも、貧血を診断するために欠かせない項目です。

脱水を起こしていると、基準値より高くなり、妊娠中の方は低く出ることも少なくありません。

MCV(平均赤血球容積)

MCV(mean corpuscular volume)は「平均赤血球容積」で、赤血球の大きさをみるものです。

計算方法

計算方法は以下の通りです。

MCV(fL)=ヘマトクリット値(%)÷赤血球数(100万/μL)×10

基準値

MCV(平均赤血球容積)の基準値は男女によって差はありません。
83.6〜98.2fLが基準値です。

基準値を大きく上回っている場合は、「ビタミン欠乏症貧血」や「葉酸欠乏症貧血」、「過剰飲酒」が疑われます。
基準値を下回っている場合は、「鉄欠乏症貧血」や「慢性炎症」、「鉄芽球性貧血」が疑われます。

またMCVが正常値でも、何かしら異常が起きている可能性も否定できません。
そもそもの赤血球数が少ないと貧血状態にあたるためです。

MCH(平均ヘモグロビン量)

MCH(mean corpuscular hemoglobin)は「平均ヘモグロビン量」で、赤血球1個あたりの平均ヘモグロビン量をみるものです。

計算方法

計算方法は以下の通りです。

MCH(pg)=ヘモグロビン(g/dL)÷赤血球数(100万/μL)×10

基準値

平均赤血球色素量の基準値は男女によって差はありません。
27.5~33.2pgが基準値です。

基準値を大きく上回っている場合は、「溶血性貧血」、「鉄芽球性貧血」が疑われます。
基準値を下回っている場合は、「鉄欠乏症貧血」や「慢性炎症」が疑われます。

平均赤血球色素量に関しても、他の検査項目と合わせて総合的に貧血かどうか判断する必要があります。

MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)

MCHC(mean corpuscular hemoglobin concentration)は「平均赤血球ヘモグロビン濃度」で、赤血球1個あたりの平均したヘモグロビン濃度をみるものです。

計算方法

計算方法は以下の通りです。

MCHC(%)=ヘモグロビン(g/dL)÷ヘマトクリット値(%)×100

上記の2つの計算方法と違い、最後に×100する必要があります。
求めたいのは濃度(%)であるためです。

基準値

平均赤血球色素量の基準値は男女によって差はありません。
31.7~35.3%が基準値です。

基準値を下回っている場合は、「鉄欠乏症貧血」や「慢性炎症」、「鉄芽球性貧血」が疑われます。
またMCHCが正常でもMCVが高ければ、「ビタミン欠乏性貧血」や「葉酸欠乏性貧血」、「過剰飲酒」が疑われます。

さらにMCV・MCHCともに正常でも「再生不良性貧血」や「腎性貧血」、「溶血性腎血」を起こしている可能性が否定できません。

MCHCが基準値であることに越したことはありませんが、正常でも安心しないほうが良いでしょう。

貧血で危険な数値は?

※画像はイメージです

ここでは、貧血で特に危険な状態で起こる症状や治療について解説していきます。
普段貧血を起こしやすい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

症状

重度の貧血で起こる症状は以下の通りです。

  • 頭痛
  • めまい
  • 動悸・息切れ
  • 倦怠感・疲れが取れにくい

酸素を運ぶ働きがあるヘモグロビンが減少することで、脳が酸素不足となり上記のような症状が生じるのです。

貧血には「急性」のものと「慢性」のものがあります。
急に動悸や息切れなどの症状が発生した場合は、急性貧血が疑われるため早期の受診が必要です。

慢性貧血の場合は、軽度の場合自覚症状がないことも少なくありません。

意識がない場合には輸血や入院が必要な事もある

前述の症状は中等度の症状ですが、より重度になると失神などの症状があらわれることがあります。

「意識がない」、「朦朧としている」場合には、すぐに入院が必要とされるほどの重症状態です。
また意識が朦朧としている状態は、すぐに輸血する必要があります。

重度の貧血を起こしている場合、貧血以外の病気があることも考えられます。
そのためにも検査して、原因を特定することが重要です。

貧血の数値8や貧血数値9が重度と中程度の境目

貧血の数値は、ヘモグロビン値を指します。
男性は14〜18g/dLで、女性は12〜16g/dLが基準値です。

男女ともヘモグロビン8〜9/dLが中程度〜重度の境目になります。

しかし人によって個人差があります。
ヘモグロビン8g/dLで中程度症状の人もいれば、ヘモグロビン9g/dLでも重度の貧血の場合もあるのです。

人の身体には順応性が備わっています。
貧血の自覚症状がなく、いきなり中程度〜重度の症状があらわれることも少なくありません。

貧血の数値が9、10や11の中軽度の場合

※画像はイメージです

ここでは貧血の数値が91011など中継度の場合について解説していきます。

貧血数値9でよく見られる症状

ヘモグロビン9g/dLでは、貧血の一般的症状がでてきます。
貧血の一般的症状は、「めまい」や「立ち眩み」などがあります。

貧血軽度や中軽度の場合、自覚症状があまり出ません。
自覚症状が出なくとも、激しい運動をした際などのみに「息切れ」や「動悸」を起こすというケースがあります。

また「鉄欠乏性貧血」の場合は、氷が食べたくなるという(異食性)症状があらわれることも少なくありません。

原因に子宮筋腫の可能性がある

ヘモグロビン9〜10g/dLほどの貧血では、原因が子宮筋腫の場合があります。
子宮筋腫は子宮の壁にできる良性の腫瘍です。
小さいものも含むと、女性の2〜3割の方が存在します。

主な症状は月経量が多くなることや月経痛です。
失血量が多くなることで、貧血を起こしてしまうのです。

慢性的な貧血に悩んでいる女性の方は、まず婦人科を受診することをおすすめします。

妊婦や幼児の場合は貧血数値11でも貧血

妊婦や幼児の場合は、ヘモグロビン11g/dL程度であっても中程度の貧血となることがあります。

胎児の成長のためには、鉄分は欠かせません。
鉄分を自分の身体から供給する必要があるため、妊娠中は貧血になりやすくなります。

とくに、妊娠後期は21.5mgの鉄分を摂取する必要があります。
18歳以上の女性の鉄分摂取基準量が6.5mgであるため、3倍以上の鉄分が必要です。

生後7〜8ヶ月は体内で鉄を貯蔵していますが、生後9ヶ月から鉄が不足し始め貧血を起こしやすくなります。

また生後9ヶ月後ほどから離乳食の量が増えます。
離乳食だけだと鉄分が足りなくなることが多く、貧血を起こしやすくなります。

赤血球恒数の基準値からわかる貧血の種類

※画像はイメージです

ここでは赤血球恒数の基準値から疑われる貧血の種類を紹介いたします。

MCV、MCH、MCHCが全て基準値より低い場合

MCV、MCH、MCHCが全て基準値より低い場合は、まず「鉄欠乏性貧血」が疑われます。

特に慢性的に貧血を起こしている方は、MCHC(ヘモグロビン濃度)が低くなることがあります。

鉄分はヘモグロビンに多く存在していることから、鉄の欠乏がヘモグロビン濃度低下をもたらします。

他にも「鉄芽球性貧血」の可能性も考えられます。
鉄芽球性貧血は、指定難病の1つです。

遺伝性のものと後天性のものがありますが、多くの場合が後天性です。

MCV、MCH、MCHCが全て基準値範囲内である場合

MCVやMCH、MCHCが全て基準範囲内でも、「再生不良性貧血」や「溶血性貧血」が疑われます。

再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞の減少が原因で血液細胞全てが減少します。
赤血球の数自体が少なくなるため、ヘモグロビンや赤血球の大きさに異常はありません。

溶血性貧血は赤血球の破壊(溶血)により起こる貧血です。
赤血球の寿命は通常4ヶ月ほどですが、溶血性貧血はそれより早く壊されます。

こちらも赤血球の数自体少なくなるため、ヘモグロビンや赤血球の大きさに異常はありません。

MCV、MCHが基準値より高くMCHCが基準以内の場合

MCV、MCHが基準値より高く、MCHCが基準以内の場合「溶血性貧血」や「巨赤芽球性貧血」が疑われます。

巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の不足により起こる貧血です。
どちらのビタミンも血液を造るためには、欠かせません。
摂取不足だけでなく、吸収障害などで発症することがあります。

診断のためには、血液検査でビタミンB12と葉酸の値を調べることが必要です。

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貧血は数値を定期的に確認することが大事

※画像はイメージです

貧血は急激に症状が進行することが少なく、慢性的に進行します。
そのため定期的にヘモグロビンの数値を確認し、把握しておくことが重要です。

定期的な確認を怠ると、症状があらわれ、治療や最悪の場合入院が必要になることもあります。

またヘモグロビン値は個人差が大きいため、自分の平常値も併せて把握しておきましょう。

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貧血の数値まとめ

 

今回は貧血の数値についてお伝えしてきました。
解説した中で特に重要な点は以下の通りです。

  • 貧血の診断には赤血球やヘモグロビン数が重要
  • 貧血の原因を特定するためには、他の検査データも必要
  • ヘモグロビン10g/dL以下でめまいや頭痛などの貧血症状を起こす可能性がある
  • 貧血は慢性的に進行することが多く、定期的に貧血の数値を確認することが必要

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

出典:国立がん研究センター「臨床検査基準値一覧

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
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  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
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