とろろご飯やマグロの山かけなど、山芋は身近な食材です。
山芋には、どのような栄養が含まれているのでしょうか。
また、山芋の栄養素は何に効くのでしょうか。
本記事では山芋の栄養について以下の点を中心にご紹介します。
- 山芋に含まれる栄養素とは
- 山芋の栄養素の効能とは
- 山芋の上手な食べ方とは
山芋の栄養について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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山芋とは
山芋とは、古くから日本で食されている「ヤマノイモ科」の多年草です。
私たちがスーパーなどで手に入れることができる山芋は主に3種類です。
粘り気の少ない「ナガイモ」、粘り気が強い「ヤマトイモ」や「チョウイモ」です。
山芋は、芋の中では数少ない生で食べられる芋です。
すりおろして生のまま食べれば、粘り気と甘味が味わえます。
また、加熱すればホクホクの食感が楽しめます。
お好み焼きのつなぎとして使うことも多く、さまざまな料理に使われます。
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山芋に多く含まれる栄養素
山芋は、滋養強壮に良いとされています。
山芋にはどのような栄養素があって、何に効くのでしょうか。
以下の表は、「ナガイモ」「ヤマトイモ」「チョウイモ」の栄養素についてです。
ナガイモ | ヤマトイモ | チョウイモ | |
エネルギー(Kcal) | 64 | 119 | 108 |
食物繊維(g) | 1.0 | 2.5 | 1.4 |
ビタミンB1(mg) | 0.1 | 0.13 | 0.15 |
ビタミンB2(mg) | 0.02 | 0.02 | 0.05 |
ビタミンB6(mg) | 0.09 | 0.14 | 0.11 |
葉酸(μg) | 8 | 13 | 6 |
パントテン酸(mg) | 0.61 | 0.54 | 0.85 |
ビタミンC(mg) | 6 | 5 | 7 |
ビオチン(μg) | 2.2 | 2.6 | 4.0 |
カリウム(mg) | 430 | 590 | 590 |
カルシウム(mg) | 17 | 16 | 12 |
鉄(mg) | 0.4 | 0.5 | 0.6 |
亜鉛(mg) | 0.3 | 0.6 | 0.2 |
銅(mg) | 0.10 | 0.16 | 0.20 |
出典:文部科学省【食品データベース】/文部科学省【日本食品標準成分表2020年版(八訂)】
食物繊維
食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。
水溶性食物繊維はコレステロールの排出、血糖値の急激な上昇を防ぐ働きがあります。
不溶性食物繊維は腸の働きを促して、体の老廃物を排出する働きがあります。
山芋には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランス良く含まれています。
腸内でゲル状になり、善玉菌のエサになって腸内環境を整えます。
血糖値の急激な上昇を抑える効果もあるため、生活習慣病の予防にもなります。
ガラクタン
山芋のネバネバは「ガラクタン」という成分によるものです。
ガラクタンは、免疫効果を高めたり、血糖値・コレステロール値を抑えたりする働きがあります。
さらに、動脈硬化や高血圧も予防する働きがあります。
生活習慣病が心配な方に、積極的に食べてもらいたいのが山芋です。
ジアスターゼ
ジアスターゼは、酵素の仲間で消化吸収を助ける働きをします。
山芋には、ジアスターゼをはじめ、アミラーゼ、カタラーゼなどを多く含みます。
ジアスターゼの働きによって、新陳代謝を活発にし、滋養強壮に役立ちます。
山芋は、すりおろすことによってジアスターゼが活性化し、デンプンの消化を促します。
また、山芋と炭水化物を一緒にとることで、効率良くエネルギーを作ることができます。
そのため山芋は、疲労回復やスタミナ回復に良いといわれています。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質に対して効率的にエネルギー代謝を行うときに欠かせない栄養素です。
ビタミンB1が不足すると、体内でエネルギーを作ることができません。
その結果、疲労感や倦怠感、食欲不振などの症状があらわれます。
ビタミンB1は、熱に弱い栄養素です。
山芋であれば、生のまま食べられるので、効率良くビタミンB1を摂取することができます。
ビタミンB6
ビタミンB6は、アミノ酸の代謝を促す栄養素です。
脂質の代謝にも関わっており、エネルギーを作り出しています。
さらに、神経伝達物質を作る働きもあり、神経を正常に保ちます。
ビタミンB6が不足すると、皮膚や粘膜にトラブルが発生します。
また、動脈硬化や脂肪肝の要因になります。
神経に異常が起こり、就寝中に足がつったり、精神状態が不安定になったりします。
葉酸
葉酸は、DNAの合成に深く関わっており、胎児の成長に大量に必要とされている栄養素です。
そのため、妊娠前後の女性には、積極的にとってもらいたい栄養素といえます。
赤血球やヘモグロビンの合成にも関わっているので、貧血の予防にもなります。
パントテン酸
パントテン酸は糖質や脂質を代謝する際に、重要な働きをする栄養素です。
また、抗体を合成する働きがあるので、免疫効果を高めます。
さらに、腸内の善玉菌を増やして、悪玉菌を減らす働きがあるので便秘を予防します。
パントテン酸が不足すると免疫力が落ちて、風邪などを引きやすくなります。
また、エネルギー代謝がうまく行われず、疲労・倦怠感が増すこともあります。
ビオチン
ビオチンは、ビタミンB群の一種で水溶性です。
糖質の代謝に関わっており、効率的にエネルギー交換する働きがあります。
ビオチンは、アミノ酸がたんぱく質に変換されるときにも必要になります。
そのほか、皮膚の炎症を抑える働きもあります。
ビタミンC
ビタミンCは、老化やがんの原因となる活性酸素を抑制する働きがあります。
また、美肌の元であるコラーゲンの生成に欠かせない栄養素です。
ビタミンCには、免疫力を高める働きもあるので抵抗力が高まります。
さらに、貧血を予防するための鉄分の吸収を助ける働きもあります。
ビタミンCが不足すると、免疫力が弱まり、肌荒れやシミができやすくなります。
さらに、ビタミンC不足が進むと壊血病にかかることもあります。
カリウム
カリウムには、細胞の浸透圧を調整する働きがあり、生命維持に欠かせない栄養素です。
具体的には、余分なナトリウムの排出を促して、血圧を安定させる働きがあります。
カリウムには、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
カリウムが不足すると、高血圧やむくみの原因になります。
夏バテの原因は、カリウム不足といわれています。
山芋は失われたカリウムを補給できるので、夏バテに良いとされています。
鉄
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、酸素を体全体に運ぶ働きがあります。
鉄分が不足すると、赤血球中のヘモグロビンも減少してしまいます。
ヘモグロビンが減少すると、細胞に酸素が供給されなくなり、酸欠になります。
これが「貧血」の症状です。
貧血になると、立ちくらみ、めまい、疲労感などさまざまな体調不良が起こります。
日常生活に悪影響を及ぼすため、鉄を補うことが必要となります。
亜鉛
亜鉛の働きで重要なのが、味覚に関連するものです。
味を感じる「味蕾」という器官は新陳代謝が活発で、亜鉛が大きく関係しています。
亜鉛不足になると、味を感じにくくなります。
また、亜鉛は成長に欠かせない栄養素です。
人間の組織や器官の細胞を作り出すのに必要です。
とくに、胎児、乳児、小児期の子どもの成長には必要不可欠といえます。
銅
鉄と同じように、銅も貧血を予防する効果があります。
また、骨や血管壁を強化する働きがあるので、動脈硬化や骨粗しょう症の予防にもなります。
また、老化の原因となる活性酸素を分解する作用があります。
ストレスで活性酸素が多く発生したときなど、悪影響を抑えることができます。
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山芋と相性が良い食べ物とレシピ
山芋は、いろいろな食材と組み合わせることができます。
なかでも、とくに相性の良い食べ物とレシピをご紹介します。
うなぎと山芋|滋養強壮うな重
うなぎと山芋の組み合わせは、滋養強壮レシピともいえます。
うなぎと山芋の両方に含まれるビタミンB1は、疲労回復に効果があります。
また、山芋に含まれるアミラーゼには、消化吸収を良くしてくれる作用もあります。
<材料>
- うなぎ
- 山芋
- たれ
- 白飯
- 大葉
<作り方>
1. 丼にご飯を入れて、とろろをかけます
2. その上に、酒蒸ししたうなぎを乗せてタレをかけるだけです
3. お好みで大葉をトッピングすれば、でき上がりです
納豆と山芋|とろろ納豆
納豆と山芋のネバネバコンビは、栄養的に相性抜群といえます。
<材料>
- 納豆
- 山芋
- 塩少々
- 青のり
<作り方>
1. 山芋はすりおろして塩少々で味付けをします
2. 納豆にタレとわさびを入れてよく混ぜます
3. すりおろした山芋の上に納豆を乗せ、青のりを散らしてでき上がり
オクラと山芋|ネバネバ和え
オクラのネバネバと山芋のネバネバで、夏バテ解消におすすめの一品です。
<材料>
- オクラ8本
- 山芋150g
- ポン酢しょうゆ適量
- カツオ節適量
<作り方>
1. オクラは1㎝くらいの斜め切りにして、600Wのレンジで2分加熱します
2. 山芋は皮をむいて、ポリ袋に入れ、麺棒などで粗目にたたきます
3. オクラと山芋を合わせたら、器に盛りカツオ節をかけます
4. ポン酢しょうゆをかけたらでき上がり
卵と山芋|山芋の鉄板焼き
山芋は熱を加えると、ホクホクの食感が楽しめます。
<材料>
- 山芋200g
- 卵1個
- めんつゆ大さじ3
- 片栗粉大さじ3
- サラダ油大さじ1
- 刻みネギ、カツオ節、お好み焼きソース適量
<作り方>
1. 山芋は皮をむいてすりおろします
2. ボウルにすりおろした山芋、卵、めんつゆを入れてよくかき混ぜたら、片栗粉を入れてかき混ぜます
3. フライパンにサラダ油を入れて熱し、2を流し入れて中火で焼きます
4. 焼き色が付いたところでひっくり返し、弱火で5分焼きます
5. 細ネギ、カツオ節、お好みソースをかけてでき上がり
豆腐と山芋|ふわふわ山芋豆腐
カロリー控えめのお好み焼きです。
おかずだけでなく、お酒のおつまみにもピッタリです。
<材料(2人前)>
- 絹ごし豆腐150g
- 山芋100g
- 卵 1個
- (A)片栗粉大さじ2
- (A)白だし大さじ1/2
- (A)砂糖小さじ1
- サラダ油大さじ1
- お好み焼きソース
- カツオ節
- 青のり
<作り方>
1. 山芋は皮をむいてすりおろします
2. ボウルに絹ごし豆腐、卵、(A)を加えてよくかき混ぜます
3. フライパンにサラダ油を引き、2を流し入れます
4. フチが固まってきたらフタをして、弱火で8分ほど加熱します
5. トッピングを乗せたらでき上がり
山芋の栄養素を逃さず食べるコツ
山芋にはたくさんの栄養素が含まれています。
その栄養素をできるだけ効率的に食べる方法があります。
ジアスターゼをとるために生で食べる
芋類は、そのまま生で食べると消化吸収が悪く、下痢や胃もたれになってしまいます。
しかし、山芋にはデンプンを分解するジアスターゼがあり、消化吸収を助けます。
山芋に含まれるジアスターゼは、熱に弱い性質を持っています。
ジアスターゼの酵素パワーの効果を最大限に引き出すためには、生で食べることです。
加熱はできるだけ短時間にする
山芋は、加熱してもおいしくいただける食材です。
加熱すると、生とは違った食感が楽しめます。
ただし、栄養をしっかりとるなら、加熱し過ぎは禁物です。
山芋は生でも食べられるため、火をサッと通すだけで十分です。
酢水にはサッと漬けるだけにする
山芋は、皮をむくと酸化により色が変わってしまいます。
酸化を防ぐため、酢水にさらしてアク抜きをしましょう。
サッと漬けるだけで十分です。
すりおろして食べる
山芋をすりおろすことで、山芋の細胞を壊すことができます。
山芋の細胞が壊れると、分解酵素であるアミラーゼなどの働きが活発になります。
より消化吸収を高めたいときには、すりおろして食べると良いでしょう。
山芋とその他の芋の栄養価
芋の種類には、いろいろなものがあります。
以下に、日常的によく使う芋と山芋の栄養価について示します。
エネルギー (Kcal) | 食物繊維 (g) | ビタミンB1 (mg) | ビタミンC (mg) | カルシウム (mg) | カリウム (mg) | |
山芋 | 64 | 1 | 0.1 | 6 | 17 | 430 |
じゃがも | 59 | 8.9 | 0.09 | 28 | 4 | 410 |
さつまいも | 126 | 2.2 | 0.11 | 29 | 36 | 480 |
里芋 | 53 | 2.3 | 0.07 | 6 | 10 | 640 |
出典:文部科学省【食品データベース/文部科学省【日本食品標準成分表2020年版(八訂)】
じゃがいもは山芋よりビタミンCが多い
ビタミンCに着目すると、じゃがいもが28mgで山芋は6mgです。
ビタミンCに関しては、じゃがいもが多いといえます。
ビタミンCは熱に弱いので、じゃがいもに熱を加えるとビタミンCは減ってしまいます。
それでも、じゃがいもを蒸した場合のビタミンCは15mgと山芋を上回ります。
これは、じゃがいもに含まれるでんぷんがビタミンCを守るため、加熱しても失われにくいからです。
さつまいもは山芋よりカルシウムが多い
カルシウムに着目すると、さつまいもが36mgで山芋は17mgです。
カルシウムに関しては、さつまいもが多いといえます。
さつまいもは、芋類のなかでもカルシウムの含有率が最も多いのが特徴です。
とくに皮の部分には、実の部分より5倍のカルシウムが含まれています。
さつまいもは皮ごと食べると大切な栄養素を丸ごと摂取できます。
焼き芋や蒸かし芋は、皮を取らずに食べられるのでおすすめです。
里芋は山芋よりカリウムが多い
カリウムに着目すると、里芋が640mgで山芋は430mgです。
カリウムに関しては、里芋のほうが多いといえます。
カリウムはミネラルの一種です。
ナトリウムとともに細胞の浸透圧を調整する重要な働きをします。
カリウムが不足したり、塩分の過剰摂取が続くと、むくみや高血圧の原因になります。
血圧の高い方は、積極的に食べたい芋類といえます。
山芋に含まれる栄養素の効能
山芋に含まれる栄養素には、どのような効果や効能があるのでしょうか。
ここでは、山芋に含まれる栄養素の効能についてご紹介します。
整腸する
山芋には、食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
山芋には、両方の食物繊維がバランス良く含まれています。
食物繊維は、腸内環境に必要な善玉菌のエサになり、老廃物を排出する働きがあります。
そのほか、腸内環境を整えて便秘を改善する効果があります。
胃粘膜を保護する
山芋のネバネバ成分には、胃腸の粘膜を保護する働きがあります。
また、ストレスなどでダメージを受けた胃腸の粘膜の修復を助ける働きもあります。
夏バテで食欲がないときや、つわり中の妊婦さんなどにもおすすめです。
胃腸の働きを促す
山芋には、アミラーゼやジアスターゼなどが多く含まれています。
これらのデンプン分解酵素は、消化を促進し胃腸の働きを正常に戻す効果があります。
胃腸の働きが正常に戻れば、栄養の吸収率を高めます。
栄養の吸収率を高めることは、新陳代謝を活発にして疲労回復、滋養強壮に役立ちます。
血糖値の急上昇を抑制する
血糖値の急上昇を抑制する栄養素として、山芋に含まれる食物繊維と難消化性デンプンがあります。
難消化性デンプンとは炭水化物の一種で、ほとんど消化されずに大腸まで届きます。
食物繊維と難消化性デンプンは腸内を移動しながら、糖質などの消化吸収を緩やかにします。
そのため、食後の血糖値の急上昇を抑制し、糖尿病などの生活習慣病を予防します。
血糖値を下げて糖尿病を予防する
山芋には、血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防する働きがあります。
血中のコレステロールも抑えるため、高脂血症を予防する働きもあります。
また、山芋には、サポニンが多く含まれており、水に溶けると発泡作用がおこります。
サポニンの泡には、脂質を溶かし、余分な脂質の吸収を抑える働きがあります。
このようなことから、山芋は生活習慣病である糖尿病の予防に効果が期待できます。
動脈硬化を防ぐ
山芋の含まれるコリンは、血管を拡張させるアセチルコリン、細胞膜を作るレシチンの材料になります。
レシチンは血管壁にコレステロールが沈着することを防ぐため、動脈硬化の予防に効果が期待できます。
山芋はこんな人におすすめ!
山芋は栄養素がたっぷりと詰まった食材です。
毎日の食事に積極的にとり入れたい食材ですが、とくにおすすめしたい人がいます。
夏バテ中の人
気候の急な変化に対して自律神経が乱れると、食欲不振、胃腸の不調になります。
これが夏バテといわれる季節的疲労です。
夏バテになると、食欲がなくなります。
食欲がなくなると、栄養が行き届かなくなって、ますますバテることになります。
山芋に含まれるでんぷん粉分解酵素であるアミラーゼは、消化を助けてくれます。
さらに、栄養素の吸収率を高めるため、夏バテしたときの滋養強壮におすすめです。
妊娠中の人
妊娠中は、ホルモンの急激な変化により便秘になりやすい状態です。
山芋は、食物繊維が豊富で妊娠中の便秘改善に役立ちます。
また、つわりがひどくて胎児への影響が心配だという方もいます。
山芋はすりおろして食べると、口ざわりも滑らかで、スルッと食べられます。
しかも栄養満点なので、妊娠中には積極的に食べるといいでしょう。
体をよく動かす人
体をよく動かす人は、筋肉疲労を起こしやすい人です。
筋肉疲労を早く回復させるためには、新陳代謝をスムーズにする必要があります。
新陳代謝をスムーズにするためには、糖質を効率良くエネルギーに変えることが近道です。
山芋には、糖質の代謝をよくするビタミンB1が多く含まれています。
今日はよく動いたと感じた日には、山芋を食べるようにしましょう。
疲労が溜まっている人
山芋には、疲労回復を促す栄養素がたっぷりと含まれています。
たとえばアミノ酸の一種であるアルギニンや、エネルギー代謝をよくするビタミンB群などです。
消化吸収を促進させるジアスターゼも、栄養が体内に効率良く吸収され疲労回復に役立ちます。
血圧が高い人
山芋には、体内の水分量を調節するカリウムが豊富に含まれています。
塩分摂取が過剰になると、ナトリウムが増え、水分を抱え込んでしまいます。
すると、むくみだけでなく血圧の上昇にもつながります。
カリウムはナトリウムの排出に効果のある栄養素です。
体内の水分バランスを調整して、血圧の上昇を抑える効果があります。
血圧の高めな人は、味付けを薄めにした山芋を食べましょう。
血中脂質が多い人
血中脂質が多いと、脂肪が血管内壁にたまって動脈硬化になる可能性が高くなります。
また、動脈硬化により心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こします。
こうした命に係わる病気を予防するためにも、血中脂肪のコントロールは必要です。
山芋には、サポニンという成分が多く含まれています。
サポニンはコレステロールの除去、動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑える効果が期待できます。
ダイエットをしたい人
ダイエットをしたい方にとって、山芋は積極的に食べてもらいたい食材です。
山芋は低カロリーであるとともに、ダイエットに効果のある栄養素がたくさん含まれています。
山芋に含まれているビタミンB群は、糖質をエネルギーに変える働きをします。
糖質制限などのダイエットをされている方にもおすすめの食材です。
ただし、ダイエット中は、山芋とご飯の組み合わせには注意しましょう。
相性がとてもいいだけに、ご飯が進んでしまう危険性があります。
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山芋の上手な選び方と保存方法
どのような食材にも共通していますが、山芋も新鮮なものの方が栄養価が高いものです。
上手な山芋の選び方と保存方法をご紹介します。
皮が薄い
山芋の選び方として、皮が薄いものを選ぶことをおすすめします。
皮が薄いと、皮ごとすりおろしたり、焼いたりして調理することができます。
また、皮が薄ければ、ピーラーで皮をむくことができます。
そのため、包丁で皮をむくよりも可食部分が多くなります。
表面にハリがある
山芋は、表面にハリのあるものを選びましょう。
表面にハリのない山芋は、収穫してから日にちが経っている可能性があります。
また、保存状態があまり良くなかったのかもしれません。
こうした山芋は栄養価が下がってしまっている可能性があります。
傷や斑点が無い
山芋は、傷や斑点が無いものを選ぶと良いでしょう。
傷があると、そこから腐りやすくなります。
また、斑点や白い粒のようなものがあると、新芽の可能性があります。
食べられないわけではありませんが、鮮度が落ちている証拠です。
ひげ根が多い
山芋は、ひげ根が多いほど、粘り気が強いといわれています。
粘り気が強ければ、栄養価も高くなります。
そのため、できるだけひげ根の多い山芋を選びましょう。
ひげ根は、ガスコンロの火などで炙れば、すぐに取り除くことができます。
切り口が変色していない
切り口が変色している場合、カビが原因かもしれません。
アオカビ、赤カビ、コウジカビなど、山芋の切り口にはカビが繁殖しやすいです。
切り口が変色しており、さらにフワフワとした綿状になっていたら、廃棄するのが賢明です。
断面がみずみずしい
カットされた山芋は、断面をチェックしましょう。
カットされたばかりの山芋は、断面がみずみずしいものです。
しかし、時間が経ったものは、水分が断面から飛んで、ボコボコした感じになります。
切り口の色が白い
山芋は1本のままではなく、カットされた状態で小売りされていることが多い食材です。
カットされている山芋の上手な選び方としては、切り口の色をチェックしましょう。
切り口が白く、みずみずしい山芋をおすすめします。
切り口が茶色く変色している場合は、ポリフェノールの酸化が疑われます。
酸化が進んでいるということは、カットして時間が経っているという証拠です。
鮮度に問題があるので選ばないようにしましょう。
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山芋を長く美味しく保存する方法
山芋を買ってきても、一度に使い切れないこともあります。
山芋の栄養価を損なわずに保存する方法をご紹介します。
キッチンペーパーと新聞紙で包む
山芋を丸ごと保存するときには、先にキッチンペーパーで包み、さらに新聞紙で包みます。
こうしておけば、冷暗所で約1ヶ月ほど常温保存することが可能です。
ポリ袋に入れる
使いきれなかった山芋の保存方法は、切り口をキッチンペーパーで包み、輪ゴムでとめます。
ポリ袋に入れて野菜室で保存しましょう。
カットされた山芋は、傷みやすいので2〜3日で使いきることです。
乾燥と光への曝露を避ける
山芋は乾燥と光に弱い食材です。
乾燥を防ぐため、新聞紙などを使って包みましょう。
また、冷暗所あるいは段ボールなどに入れて、光が入らないようにしましょう。
冬は冷暗所で常温保存
まるまる1本の山芋は、冬場であれば冷暗所で常温保存ができます。
このときも、乾燥を防ぐためにキッチンペーパーや新聞紙に包むことが大切です。
冬以外は冷蔵庫の野菜室に入れる
山芋は1年中出回っています。
夏場は山芋も傷みやすく、とくにカットされた山芋は冷蔵庫の野菜室に入れて保存しましょう。
皮を剥いて丸ごと冷凍する
皮を剥いてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍することができます。
丸ごと冷凍しておけば、後でどんな料理にも使うことができます。
また、凍ったままですりおろすこともできます。
凍ったままの山芋は、ヌメリでかゆくなることはありません。
千切りにして冷凍する
千切りで使うことが多い家庭では、山芋を千切りにしてから冷凍するといいでしょう。
使うときには、解凍すればいいだけです。
調理の時短にもなります。
すりおろして冷凍する
皮を剥いてすりおろしたら、冷凍保存袋に入れて平らにして冷凍保存します。
使うときは自然解凍か、凍ったままでも大丈夫です。
すりおろして冷凍した山芋は、食感も滑らかに仕上がります。
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山芋の栄養まとめ
ここまで、山芋の栄養についてご紹介しました。
その要点を以下にまとめます。
- 山芋に含まれる栄養素は、食物繊維、ジアスターゼ、ビタミンB群など
- 山芋の栄養素の効能は、整腸作用、血糖値の抑制、動脈硬化の予防など
- 山芋の上手な食べ方は、生のまま食べる、すりおろして食べるなど
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。