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基礎代謝について
基礎代謝とは、生きていくために最低限必要なエネルギーのことをいいます。
基礎代謝は、どのように計算するのでしょうか?
基礎代謝が下がると、どのような影響があるのでしょうか?
本記事では、基礎代謝について以下の点を中心にご紹介します。
- 基礎代謝とは
- 基礎代謝の計算方法とは
- 基礎代謝が影響を与える要素とは
- 基礎代謝が下がる原因とは
基礎代謝について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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基礎代謝とは
基礎代謝とは、生きていくために最低限必要なエネルギーのことをいいます。
基礎代謝は、覚醒状態で心身共に安静にしているときに計測できます。
人間は、安静にしているときでも
- 心臓
- 内臓
- 脳
- 神経
- 呼吸
などが正常に働くためにエネルギーを必要としています。
基礎代謝は、1日の消費エネルギーの約60%を占めるといわれています。
基礎代謝は、一般成人男性で約1,500kcal、一般女性で約1,200kcalです。
基礎代謝を計算してみよう!
基礎代謝は、どのように計算するのでしょうか?
基礎代謝の計算方法や平均値、摂取カロリーとの関係について詳しく見てみましょう。
実際の計算方法
自身の基礎代謝を実際に計算してみましょう。
基礎代謝の計算方法として、大きく分けて以下の2種類があります。
- ハリス・べネディクトの式
- 国立健康・栄養研究所の式
まずは、医療機関などで良く用いられている「ハリス・ベネディクトの式」を見てみましょう。
男性:66.4730+13.7516×体重(kg)+5.0033×身長(cm)-6.7550×年齢(歳)
女性:665.0955+9.56334×体重(kg)+1.8496×身長(cm)-4.6756×年齢(歳)
国立健康・栄養研究所で開発された基礎代謝の計算式を見てみましょう。
男性:(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-0.4235)×1.000 / 4.186
女性:(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-0.9708)×1.000 / 4.186
ハリス・べネディクトの式と国立健康・栄養研究所の式で計算した基礎代謝は、同じ値ではありません。
ハリス・べネディクトの式は、欧米人を基準として作られた式になります。
一方、国立健康・栄養研究所の式は、日本人のデータをもとに開発された式になります。
いずれの式でも表された基礎代謝は、推定値であり目安となります。
自身の身体の状態を知る指標として利用しましょう。
基礎代謝の平均値
厚生労働省の日本人の食事摂取基準に示されている各年代の基礎代謝の平均値について、詳しく見てみましょう。
性別・年齢別に基礎代謝の目安が表されていますが、体格によって個人差があります。
性別 | 男性 | 女性 |
年齢(歳) | 基礎代謝(kcal / 日) | 基礎代謝(kcal / 日) |
1~2 | 730 | 660 |
3~5 | 920 | 840 |
6~7 | 1020 | 910 |
8~9 | 1140 | 1040 |
10~11 | 1330 | 1240 |
12~14 | 1550 | 1350 |
15~17 | 1570 | 1270 |
18~29 | 1520 | 1180 |
30~49 | 1520 | 1140 |
50~69 | 1380 | 1100 |
70以上 | 1230 | 1030 |
基礎代謝量以下のカロリー量で過ごすことは、身体に支障をきたす可能性があります。
摂取カロリーとの関連は?
厚生労働省の日本人の食事摂取基準に示されている各年代の1日当たりの摂取カロリーについて、詳しく見てみましょう。
年齢・性別別に基礎代謝の目安が表されていますが、体格によって個人差があります。
性別 | 男性 | 女性 |
年齢(歳) | 摂取カロリー(kcal / 日) | 摂取カロリー(kcal / 日) |
12~14 | 2,600 | 2,400 |
15~17 | 2,850 | 2,300 |
18~29 | 2,650 | 1,950 |
30~49 | 2,650 | 2,000 |
50~69 | 2,450 | 1,900 |
1日の摂取カロリーよりもカロリーを上回って摂取してしまうと、体内に脂肪が蓄積されてしまいます。
基礎代謝が影響を与える要素
基礎代謝は、常に一定ではありません。
基礎代謝が身体に影響を与える要素には、以下のようなものがあります。
- 体表面積:身体の面積の広さに比例して、放散される熱量が増すため、基礎代謝が高くなります。
- 年齢:年齢が若いほど、代謝が活発なため、基礎代謝は高くなります。
- 性別:男性のほうが女性より筋肉量が多いため、基礎代謝が高くなります。
- 体格:肥満気味の人よりも筋肉質の人のほうが、基礎代謝が高くなります。
- 体温:体温が高い人のほうが放散される熱量が増すため、基礎代謝が高くなります。(体温が1度上昇すると、基礎代謝は13%上昇するといわれています)
- ホルモン:甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌量が多い人は、代謝が活発なため、基礎代謝が高くなります。
- 月経周期:女性は月経周期に伴い、女性ホルモンの分泌量や体温が変動します。基礎代謝は、月経2〜3日前に最も高くなり、月経中最低になります。
- 季節:基礎代謝は夏に低くなり、冬に高くなります。
一般的に基礎代謝は、年齢が高くなるほど低下していきます。
基礎代謝が下がるとどうなるか?
基礎代謝が下がると、どのような影響があるのでしょうか?
基礎代謝は、一般的には年齢が高くなるほど低下していきます。
年齢を重ねるとともに痩せにくくなったり、太りやすくなったりするのは基礎代謝が関係しています。
基礎代謝が下がると体温が維持しにくくなり、血管が収縮するため血流が低下します。
体温が下がると熱を放散しないため、体内に脂肪を蓄積しようとするため、太りやすくなります。
太りにくい身体づくりのためには、基礎代謝を下げないようにしなければなりません。
基礎代謝が下がると以下のような症状がみられる場合があります。
- 肌荒れ
- 冷え性
- 低血圧
- 低体温
- 顔色不良(顔色が悪い)
- 疲れやすい
- 生理不順
- 便秘
基礎代謝が下がる原因
基礎代謝は、なぜ下がるのでしょうか?
基礎代謝が下がる原因について、詳しく見てみましょう。
①筋肉量の減少
基礎代謝の量は、骨格筋が全体の2割、次いで肝臓、脳が占めています。
骨格筋とは、骨格についている筋肉のことをいいます。
年齢が上がるにつれて基礎代謝が下がるというのは、筋肉量が減少するためです。
また、女性のほうが男性よりも骨格筋が少ないため、基礎代謝が低くなります。
その他の臓器の重量は、基礎代謝にはそれほど影響しないといわれています。
②加齢
基礎代謝は、成長期といわれる10代前半から半ばで最も高くなります。
その後、年齢を重ねるごとに基礎代謝は低下していきます。
厚生労働省の性別・年齢別の基礎代謝の目安を見ても10代で高くなり、年齢とともに低下しています。
③食事によっても下がってしまう
基礎代謝は、食事によっても下がってしまいます。
食事を摂取すると身体が温かくなるのは、食事誘導性熱産生が関係しています。
内臓が摂取したものを消化するためにエネルギーを燃やし、体温を上げます。
食事を減らしたり、栄養バランスが悪い食生活、無理なダイエットは、基礎代謝を下げる原因になります。
基礎代謝を上げる方法は?
基礎代謝を上げるには、どのような方法があるのでしょうか?
基礎代謝を上げる方法について、詳しく見てみましょう。
運動して筋肉量を増やす
基礎代謝を上げるためには、筋肉量を維持することが大切です。
基礎代謝は、筋肉量が減少すると下がります。
筋肉量は20代以降徐々に落ち、脂肪が増加するといわれています。
基礎代謝を維持させるためには、筋肉量が減少しないように筋トレをするなど運動習慣をつけることが必要です。
負荷がかかる運動は苦手という人は、ウォーキングなどの有酸素運動も効果的です。
運動することで血流が良くなると、基礎代謝を上げることができます。
運動をなかなか取り入れにくい人は、以下のようなことを意識して生活すると良いでしょう。
- エスカレーターやエレベーターは使用せず、階段を使う
- 電車やバスで座らずに立つようにする
- 近隣の場合は、歩いていくようにする
食生活によって改善も!
基礎代謝は、食生活によっても改善できます。
基礎代謝を上げるための食生活は、水分を多めにとり、身体を温めたり、筋肉を作る食べ物を摂取する必要があります。
身体を温める食べ物には、以下のようなものがあります。
- しょうが(ショウガオール)
- 唐辛子やチリペッパー(カプサイシン)
- ねぎ、玉ねぎ、にんにく、ニラなど(硫化アリル)
- さつまいも、かぼちゃ、アーモンド、ゴマなど(ビタミンE)
筋肉を作る食べ物には、以下のようなものがあります。
- 魚類、肉類、レバー、牛乳、チーズ、大豆など(リジン)
- 鶏肉、豚肉、カツオ、大豆、落花生など(アルギニン)
- 鶏肉、しじみ、ほたて、イカ、しらすなど(アラニン)
- 豚肉、カツオ、チーズ、ゼラチンなど(プロリン)
筋肉のもとになるタンパク質はアミノ酸から作られます。
そのため、上記のようなアミノ酸を摂取することで、脂肪が燃焼され、筋肉が作られます。
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基礎代謝と病気のかかわりとは?
基礎代謝に関連する病気には、どのようなものがあるのでしょうか?
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、身体の基礎代謝を調節するホルモンになります。
そのため、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、基礎代謝が増える甲状腺機能亢進症になります。
甲状腺機能亢進症の症状は、以下のようなものがあります。
- 動悸
- 発汗
- 振戦
- 体重減少
一方、甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、基礎代謝が減る甲状腺機能低下症になります。
甲状腺機能低下症の症状は、以下のようなものがあります。
- 倦怠感
- 眠気
- 物忘れ
- 便秘
自分自身で基礎代謝を計算した結果、目安の値よりも異常に低く出た場合は、医療機関を受診してみましょう。
また、基礎代謝を上げる方法を生活に取り入れてみるのも良いでしょう。
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基礎代謝のまとめ
ここまで基礎代謝についてお伝えしてきました。
基礎代謝についての要点を以下にまとめます。
- 基礎代謝とは、生きていくために最低限必要なエネルギーのことをいう
- 基礎代謝の計算方法には、2種類の方法がある
- 基礎代謝が影響を与える要素には、体表面積、年齢、性別などがある
- 基礎代謝が下がる原因には、筋肉量の減少、加齢、食生活などがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。