春〜夏にかけて注意したい病気の1つが「水虫」です。
水虫は、男性や高齢者に多いイメージがありますが、近年は女性や若年者の発症も増えています。
どのような症状が出たら水虫を疑うべきでしょうか。
また、水虫はなにが原因で起こるのでしょうか。
本記事では、水虫について、以下の点を中心にご紹介します。
- 水虫の主な症状
- 水虫の種類
- 水虫の主な原因
水虫について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
水虫の予防方法についても説明していますので、ぜひ最後までお読みください。
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水虫とは
「水虫」とは、白癬菌(はくせんきん)というカビが引き起こす感染症で、白癬菌が皮膚の角質層に寄生して起こる皮膚病の一種です。
医学的には「白癬」といいます。
水虫の好発部位は、足です。
ただし、水虫は手・指・頭・胴体に発生することもあります。
発症は特に男性に目立つイメージがありますが、性別でかかりやすさに違いはありません。
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水虫の症状はかゆみだけではない
水虫といえば「かゆみ」が出るイメージがあります。
しかし実は、水虫の症状はかゆみ以外にも多岐にわたります。
まずは、水虫の代表的な症状を紹介していきます。
心当たりの症状がないか、ぜひチェックしてみてください。
足の指の股がジュクジュクになる
水虫では、足の指の間がジュクジュクと湿り気を帯びます。
皮膚が湿ってふやけたようになることもあります。
ジュクジュクの症状が特に起こりやすいのは中指・薬指と薬指・小指の間です。
炎症を起こして赤くなる
水虫では、皮膚が炎症を起こして赤くなることがあります。
赤みの症状が起こりやすいのは足の指の間です。
ジュクジュクした部位の皮がめくれ、その下が赤くなるケースが代表的です。
皮が剥ける
水虫では、皮がむけることがよくあります。
むけやすいのは、ジュクジュクしていた部位・赤くなった部位などです。
皮むけは、かゆみを伴うこともあります。
白くふやける
水虫では、皮膚が白くふやけたようになることもあります。
ジュクジュクした水虫に目立つ症状です。
ふやけの症状が起こりやすいのは、足の指の間です。
かゆみが強い
水虫を代表する症状が、強いかゆみです。
かゆみは、ジュクジュクした水虫・乾燥型の水虫の両方に起こります。
かゆみが出やすいのは足の指の間・かかと・足の縁などです。
足の裏とかかとが乾燥する
乾燥も、水虫で起こりやすい症状です。
皮膚がカサカサになるケースが代表的です。
特に、土踏まずやかかとに目立つ症状です。
悪化すると白い粉を吹くこともあります。
角質が固くなる
水虫では、足の裏やかかとの角質が硬化することがあります。
乾燥型の水虫に目立つ症状です。
皮膚がひび割れる
皮膚のヒビ割れは、乾燥型の水虫に起こりやすい症状です。
角質の硬化が進むと、次第に角質全体が分厚くなってヒビや亀裂が入ります。
爪に縦ジワができる
爪の水虫では、爪に白い縦ジワができることがあります。
起こりやすいのは足の親指です。
爪の水虫は、多くの場合、指の間の水虫から発展します。
爪が白っぽくなる
爪水虫が進行すると、爪が濁って白っぽく変色します。
黄色に変色することもあります。
さらに症状が悪化すると、爪がボロボロになって欠けていきます。
小さな赤い丘疹ができる
水虫では、赤い小さなブツブツや水ぶくれが起こることもあります。
起こりやすいのは足の裏・足の縁や指の付け根です。
水ぶくれが破れると汁が出ます。
破れた水ぶくれの下は乾燥し、皮がむけやすくなります。
水虫の種類と特徴
水虫にはさまざまな種類があり、症状や発生場所が異なります。
ここからは代表的な水虫の種類と特徴を紹介していきます。
足にできる水虫
水虫が起こりやすいのは、特に「足」です。
足の水虫は、医学的には「足白癬」と呼ばれます。
足白癬には次の3つのタイプがあります。
- 趾間(しかん)型
- 小水疱(しょうすいほう)型
- 角質増殖型
それぞれの好発部位・特徴を解説していきます。
足指の間にできる水虫
足の指の間にできるのは、趾間型足白癬です。
趾間型は、次の2つのタイプに分かれます。
- 浸潤型・湿潤型:指の間がジュクジュクする・皮膚が白くふやける
- 乾燥型:足の指の間が乾燥してカサカサになる
趾間型は、多くの場合かゆみを伴います。
かゆみは、乾燥型よりも浸潤型に目立つ傾向があります。
小さな水疱ができる水虫
小さな水ぶくれができるのは小水疱型足白癬です。
好発部位は、以下のような場所です。
- 指の付け根
- 足の裏
- 足の縁
小水疱型は、かゆみを伴うこともあります。
症状が進行すると水ぶくれが破れ、下の皮膚が乾燥してカサカサになることもあります。
足裏やかかとにできる水虫
足の裏・かかとの水虫の多くは、角質増殖型足白癬です。
角質が乾燥し、次第に硬化するのが特徴です。
足の裏・かかとが乾燥してガサガサしている場合は、角質増殖型の水虫が疑われます。
症状が進行すると、角質が分厚くなり、ヒビ割れ・亀裂が起こります。
個人差はありますが、かゆみ・痛みなどの症状はあまり出ません。
手にできる水虫
稀に、手に水虫ができることもあります。
医学的には、「手白癬」と呼ばれています。
手の水虫の多くは、足の水虫からの感染です。
たとえば、患部に手で触れた際に水虫菌が乗り移り、感染するケースが代表的です。
手の水虫が起こりやすいのは、指の間・手の平・指先です。
爪に起こることもあります。
爪にできる水虫
爪にできる水虫は「爪白癬」と呼ばれます。
爪白癬の多くは、足指・足の水虫からの感染です。
爪白癬では次のような症状があらわれます。
- 爪が白・黄色に濁る
- 爪がボロボロになる
多くの場合、初期では痛み・かゆみなどの症状はあらわれません。
しかし、症状が進行するにつれ、痛みが出やすくなります。
重症化すると痛みのために靴が履けなくなったり、歩けなくなったりすることもあります。
体のいたるところにできる水虫
水虫は、足・手以外の全身にあらわれます。
全身にできる水虫は、総称して体部白癬と呼ばれています。
「ぜにたむし」という俗称でも有名です。
体部白癬は、あらわれる場所によって名称が変わります。
代表的な種類は次の通りです。
- 股部白癬
- 頭部白癬
- トリコフィトン・トンズランス感染症
太ももの内側にできる水虫
太ももの内側にできる水虫は、股部白癬です。
「いんきんたむし」という俗称で知られています。
主な症状は次の通りです。
- 赤い発疹
- 痛み
- かゆみ
頭部にできる水虫
頭部の水虫は、医学的には頭部白癬と呼ばれます。
俗称は「しらくも」です。
主な症状は次の通りです。
- 脱毛
- 頭皮の赤み
- 乾燥・かさぶた
個人差はありますが、痛み・かゆみはあまり起こりません。
首から上半身にできる水虫
上半身の水虫は、トリコフィトン・トンズランス感染症と呼ばれます。
いわゆる「ぜにたむし」に該当します。
頭部白癬もトリコフィトン・トンズランス感染症の1種です。
しかし頭部と頭部以外ではトリコフィトン・トンズランス感染症の症状が異なります。
そのため一般的には、頭部のトリコフィトン・トンズランス感染症は、頭部白癬と呼び分けられています。
頭部以外のトリコフィトン・トンズランス感染症の主な症状は次の通りです。
- 赤い発疹
- 痛み
- かゆみ
トリコフィトン・トンズランス感染症の感染は、菌の保有者との身体的接触で起こります。
代表的なのはレスリング・柔道のような格闘技です。
菌の保有者が使ったタオル・マットなどに触れて感染する場合もあります。
水虫の原因となる病原体は白癬菌
水虫の原因は、白癬菌というカビ(真菌)への感染です。
白癬菌は皮膚糸状菌の1種で、名前の通り糸状の見た目をしています。
水虫を引き起こす白癬菌には、主に次の4種類があります。
- トリコフィトン・ルブルム
- トリコフィトン・メンタグロフィテス
- トリコフィトン・トンスランス
- ミクロスポルム・カニス
それぞれの特徴を紹介していきます。
トリコフィトン・ルブルム
「トリコフィトン・ルブルム」は、足の水虫の代表的な原因菌です。
主に、角質増殖型の水虫を引き起こします。
足以外では、爪水虫・ぜにたむしの原因としても知られています。
トリコフィトン・ルブルムは、ヒトへの寄生を好む性質があります。
そのため一度感染すると、治療しても再発しやすいとされています。
トリコフィトン・メンタグロフィテス
「トリコフィトン・メンタグロフィテス」も、足の水虫の多くを占める原因菌です。
主に、小水疱型の水虫やぜにたむし・いんきんたむしを引き起こします。
トリコフィトン・メンタグロフィテスの感染が目立つのは若年者です。
トリコフィトン・トンスランス
「トリコフィトン・トンスランス」は、海外から持ち込まれた新しい白癬菌です。
そのため「新型水虫」とも呼ばれています。
感染好発部位は、頭部を含む上半身です。
トリコフィトン・トンズランスは、主に菌の保有者との皮膚の接触で起こるためです。
代表的なのはレスリング・柔道などの格闘技です。
実際に日本国内では、2001年に、中高生の柔道部・レスリング部員の間で集団感染が確認されました。
トリコフィトン・トンズランスは感染しても症状があらわれないこともあります。
そのため保菌者が感染に気付かず、他者に感染を拡大させることも少なくありません。
ミクロスポルム・カニス
「ミクロスポルム・カニス」は、動物への寄生を好む白癬菌です。
代表的なのは、猫・犬・うさぎ・ハムスターです。
ミクロスポルム・カニスを保有している動物に触れると、人間にも感染します。
ミクロスポルム・カニスは、主にぜにたむし・いんきんたむしを引き起こします。
ペットからミクロスポルム・カニスに感染した場合は、ペットの治療も必要です。
水虫にかかるきっかけで多いのは?
水虫の、主なきっかけを紹介します。
予防のためにもぜひ参考にしてください。
長時間靴を履く
水虫は、長時間靴を履くことで起こりやすくなります。
靴を履きっぱなしでいると、靴の中が蒸れやすくなるためです。
水虫は、高温多湿の場所を好みます。
通気性が悪く、蒸れやすい靴の中は、水虫にとって増殖に適した環境なのです。
特に革靴・ブーツは密閉性が高いため、履き続けると水虫のリスクが上がります。
毎日同じ靴を履く
毎日同じ靴を履くと水虫になりやすくなります。
靴の中を乾かす時間が取れないためです。
1日履いた靴の中は想像以上に蒸れているものです。
蒸れを解消するには、靴を休ませてしっかり乾かすことが大切です。
次の日も続けて同じ靴を履くと、しっかり乾く前に再び蒸れることになります。
つまり靴の内部が蒸れっぱなしになるため、高温多湿を好む水虫菌にとって絶好の環境が整うのです。
足拭きマット
多くの場合、足の水虫菌は、菌の保有者がばらまいた菌に素足で触れることで起こります。
代表的なのが、共有の足ふきマットです。
たとえばプール・公衆浴場の足ふきマットを介して水虫に感染するのは、非常に多いケースです。
家庭内に菌保有者がいる場合は、バスマットの使いまわしで水虫になることもあります。
スリッパ
スリッパを介して、菌保有者がばらまいた水虫菌に感染することもあります。
たとえば公民館・温泉旅館などのスリッパは不特定多数が利用するため、注意しましょう。
試着室の床
水虫菌の感染は、床を介して起こることもあります。
たとえば試着室の床は、不特定多数が素足で上がる頻度が高い場所です。
菌の保有者が試着室の床に菌をばらまき、次の利用者が素足で菌を踏むと水虫への感染が起こります。
試着室以外では、飲食店の座敷・公民館などの公共施設の床にも注意しましょう。
水虫になりやすい人の特徴
水虫になりやすい方の特徴を、紹介します。
心当たりがないか、ぜひチェックしてみてください。
免疫機能が落ちている人
免疫機能が落ちている方は、水虫の感染リスクが高めです。
免疫機能が落ちると、水虫菌と戦う力が弱まるためです。
なお、免疫機能が低下しやすいのは次のような方です。
- 不規則な生活習慣
- 偏った食生活
- 睡眠不足
- 運動不足
- 生活習慣病
革靴で仕事をしている人
仕事などの関係で、長時間革靴を履く方は水虫にかかりやすくなります。
革靴は密閉性が高く、内部が蒸れやすいためです。
その他、ブーツ・ゴム長靴を長時間履く方も水虫には注意してください。
共用のバスマットやスリッパを使っている人
他者とバスマット・スリッパなどの履物を使い回しする方は、水虫の感染率が高めです。
菌の保有者が落とした菌を、素足で踏む確率が高いためです。
なお、他者には不特定多数の他人だけでなく、家族・同居人も含みます。
家族が水虫にかかっている人
家族内に水虫の患者がいる方は、感染リスクが高くなります。
家庭内で菌の保有者がばらまいた菌に触れる確率が高いためです。
水虫菌を介しやすいのは足ふきマット・スリッパ・タオルです。
床・ラグ・便座などを介して家庭内感染が起こることもあります。
足の臭いが強い人
足の臭いが強い方は、水虫が起こりやすいと指摘されています。
ただし、臭いそのものが水虫を引き起こすわけではありません。
臭いが強くなる環境が、水虫のリスクを高めるのです。
足の臭いは、次のような条件がそろうと強くなる傾向があります。
- 同じ靴を長時間履く
- 足が蒸れる
- 足に汗をかく
- 足を清潔にしていない
簡単に言えば、足を不潔にしている方が該当します。
高温多湿の不潔な環境は、水虫菌が好む環境でもあります。
つまり足の臭いと水虫は、発生しやすい条件が同じです。
よって、足の臭いが強い方は、同時に水虫を発症しやすいというわけです。
足に汗をかきやすい人
足に汗をかきやすい方は、水虫が起こりやすい方です。
汗をかくと足指の間が蒸れて、水虫が好む環境が整うためです。
さらに、汗・汚れは水虫の格好のエサでもあります。
足に汗をかきやすいのは、たとえば次のような方です。
- 長時間同じ靴を履く
- 革靴・ブーツ・ゴム長靴を長時間履く
- スポーツする
水虫の正しい予防方法9選
水虫の予防方法を紹介します。
ぜひ参考にしてください。
毎日足の裏と指の間を洗う
水虫を予防するには、足・足指を清潔に保つことが大切です。
具体的には、毎日お風呂できれいに洗いましょう。
足を清潔にすべき理由は主に2つあります。
1つ目は、感染する前に水虫菌を洗い流すためです。
水虫菌は、付着して、すぐ感染が起こるわけではありません。
一般的には、菌の付着から感染に至るまでは数時間かかります。
たとえ菌が付着しても、感染する前に洗い流せば水虫は予防できます。
そのため、水虫菌が付着しやすい足の裏・指の間は毎日洗浄する必要があるのです。
2つ目は、水虫菌のエサを増やさないためです。
水虫菌は、皮膚にたまった古い角質や汚れをエサに増殖します。
水虫菌にエサを与えないためには、毎日きれいに足を洗って古い角質・汚れをしっかり落とすことが大切です。
足を洗う際は、殺菌作用のある石鹸を使いましょう。
足の指の間は洗いにくいため、特に丁寧な洗浄を心がけてください。
足を乾燥させる
足は、常に乾燥した状態を保ちましょう。
水虫菌は湿気の多い場所を好むためです。
たとえば足が蒸れたときは、靴を脱いで風を通してください。
入浴後も、タオルを使って足の水気をしっかり拭きとってください。
足指の間は水気が残りやすいため、丁寧にぬぐいましょう。
掃除や洗濯をこまめにする
水虫を予防するには、水虫菌を家庭内でまん延させないことが大切です。
具体的には、水虫菌が落ちやすい床・マットはこまめな掃除・洗濯を心がけましょう。
床は掃き掃除だけでなく、水拭きもするのがベストです。
バスマットやラグは、できれば毎日洗いましょう。
難しい場合は、天日に干してしっかり乾燥させてください。
綿や麻の靴下を履く
靴下は、通気性・吸湿性の良い素材を選びましょう。
おすすめは綿・麻です。
反対に避けたほうがよいのは、ポリエステル・レーヨンなどの化学繊維の靴下です。
できれば5本指の靴下がおすすめです。
指を1本ずつ包むことで、指の間の蒸れを防いでくれるためです。
帰宅後すぐに靴下を脱ぐ
帰宅後はすぐ靴下を脱ぐと、足の蒸れを軽減できます。
足をしっかり乾燥させるためにも、帰宅後はできれば素足で過ごしましょう。
足に合った靴を履く
水虫を予防するには、足に負担のかからない靴を履くことも大切です。
たとえば踵が高い靴・爪先が狭い靴は、足指が縮こまって蒸れやすくなります。
革靴などの密閉性が高い靴も足蒸れの原因です。
水虫予防には、つま先が広々として、風を通しやすい靴がおすすめです。
代表的なのはスニーカー・サンダル・スリッパです。
靴を2〜3足ローテーションで履く
水虫を予防するには、同じ靴を毎日履かないようにしましょう。
1日中履いた靴は、中が蒸れているためです。
しっかり乾かすためにも、次の日は違う靴を履きましょう。
多数の人が素足で利用する場所では帰る前に足を洗う
不特定多数の人が素足で利用する場所を訪れた際は、できれば帰りに足を洗いましょう。
多くの方が素足で利用する場所には、菌の保有者が水虫菌を落としている可能性が高いためです。
代表的な場所は、公衆浴場・プール・ジムです。
その場で足を洗うのが難しい場合は、帰宅してすぐに足を洗いましょう。
帰宅時に着用した靴下・靴のケアも忘れないでください。
靴下を洗濯しましょう。
靴は、内部までしっかり乾かしてください。
素足で公共の場のスリッパを履かない
公共の場に備えつけられた履物は、素足で利用しないようにしましょう。
素足で履物の中に潜んだ水虫菌を踏むことで、水虫に感染しやすくなるためです。
代表的なのは飲食店・公衆浴場の脱衣所・ジムなどのスリッパです。
靴下を履くか、できれば自前の履物を使いましょう。
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水虫の治療方法で効果的なのは?
水虫の治療方法を紹介します。
ぜひ参考にしてください。
水虫を市販薬で治す
水虫は、市販の塗り薬で治療できることもあります。
市販薬は、次の有効成分が含まれているものを選びましょう。
- ラノコナゾール
- テルビナフィン
- ブテナフィン
- アモロルフィン
上記はいずれも抗真菌薬の成分です。
簡単に言えば、水虫菌(白癬菌)を駆除する作用がある成分です。
市販の塗り薬は、種類だけでなく、使い方にもポイントがあります。
具体的なポイントを紹介します。
軟膏やクリームがおすすめ
水虫の塗り薬には次のようなタイプがあります。
- クリーム
- 軟膏
- スプレー
- 液状
最もオーソドックスなのはクリーム・軟膏です。
種類にもよりますが、幅広いタイプの水虫に対応しています。
ベタベタした使用感が苦手な方は、液状タイプを選びましょう。
ただし液状タイプは刺激が強い傾向があり、痛み・ただれのひどい水虫には適しません。
患部の範囲が広い場合は、スプレータイプを利用すると効率的に塗布できます。
薬を塗っても2週間以上治らなければ受診すべき
市販薬を継続しても症状が改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。
目安は2週間です。
市販薬では対応できないほど、水虫が重症化しているおそれがあるためです。
あるいは、そもそも水虫でない可能性もあります。
水虫を処方された塗り薬で治す
病院で処方された塗り薬で、水虫を治すのも良い方法です。
処方薬の塗り薬を利用する際のポイントを、紹介します。
症状が治まっても1~2ヶ月は塗り続ける
塗り薬は、症状が治まってもしばらく塗り続けてください。
症状の消失後も、水虫菌はしばらく生き残っている可能性があるためです。
水虫菌が残存している状態で薬を中断すると、水虫が再発するおそれがあります。
塗り薬の利用期間の目安は、症状の消失後1ヶ月〜2ヶ月です。
具体的な期間は、かかりつけ医の指示に従ってください。
お風呂上りに塗布がおすすめ
処方薬に限らず、塗り薬は入浴直後に塗布しましょう。
入浴後は角質がふやけて、薬の成分が深部にまで浸透しやすくなっているためです。
水虫を処方された内服薬で治す
水虫の治療には、内服薬が処方されることもあります。
内服薬は処方のみで、市販はされていません。
一般的に内服薬は、爪水虫の治療に用いられます。
爪の水虫は飲み薬で治す
爪水虫に塗り薬を塗布しても、固い爪に阻まれて、薬が患部に十分に浸透しません。
そこで、内服薬を使って、身体の内側から患部に薬効成分を届けるというわけです。
日本で承認されている水虫用の内服薬は次の通りです。
- イトラコナゾール
- ラミシール
- ネイリン
上記の薬剤にはそれぞれ副作用のリスクがあります。
そのため内服薬を選ぶ際は、持病の有無や常用薬との飲み合わせに注意しなければなりません。
内服期間は1年の長期に渡ることもあ
爪水虫の治療は、原則として新しい爪が生え変わるまで続きます。
個人差はありますが、内服薬による治療期間は短くて3~6ヶ月ほどです。
長い場合は1〜1年半ほどかかることもあります。
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水虫と似た症状が出る他の病気
水虫だと思っていたら別の皮膚病だった…というケースはよく見られます。
ここからは、水虫と間違えやすい病気・症状を紹介していきます。
細菌感染症
「細菌感染症」とは、皮膚の傷・湿疹から細菌に感染して炎症を起こした状態です。
いわゆる化膿にあたります。
細菌感染症の主な症状は次の通りです。
- 痛み
- 赤み
- 腫れ
- 膿がたまる
基本的に細菌感染症は、特に治療しなくとも時間の経過とともに軽快します。
一方、水虫は時間が経っても自然治癒はしません。
汗が原因の湿疹
汗が原因の湿疹も、水虫とよく間違われます。
いわゆる「あせも(汗疱性湿疹)」にあたります。
あせもの主な症状は次の通りです。
- 小さなブツブツ
- 痛み
- かゆみ
あせもは、身体に左右対称にあらわれることが一般的です。
対して水虫は、左右どちらかにのみあらわれます。
物理的な接触によるかぶれ
かぶれ・アレルギーも水虫と間違われやすい症状です。
かぶれは、医学的には「接触皮膚炎」とよばれます。
かぶれの代表的な原因は、漆・花粉・化学物質(化粧品や洗剤)です。
主な症状は次の通りです。
- 腫れ
- 赤み
- みずぶくれ
- 強いかゆみ
皮膚カンジダ症
「皮膚カンジダ症」は、カンジダ菌という真菌(カビ)が原因で起こる感染症です。
カンジダ菌は、もともと人間の体に住んでいる常在菌です。
普段は眠っていますが、免疫力が低下すると活性化してカンジダ症を引き起こします。
皮膚カンジダ症の主な症状は次の通りです。
- 赤いブツブツ
- 強いかゆみ
- 痛み
- 膿が出る
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水虫まとめ
ここまで、水虫についてお伝えしてきました。
水虫の要点を以下にまとめます。
- 水虫の主な症状は、足の指のジュクジュク・乾燥・皮むけ・かゆみなど
- 水虫の種類は足白癬・手白癬・爪白癬・体部白癬など
- 水虫の主な原因は、同じ靴の長時間の着用や、不特定多数とのマットや履物の共有で菌保有者がばらまいた水虫菌に感染する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。