アボカドは、スーパーの店頭に一年中置かれる果物となりました。
アボカドは、サラダやハンバーガー、ディップなどで定番の食材です。
アボカドには、どのような効果や効能があるのでしょう。
本記事ではアボカドの効果について以下の点を中心にご紹介します。
- アボカドにはどのような効果があるのか
- アボカドのはどのような栄養素が多いのか
- アボカドの食べごろを見分ける方法とは
アボカドの効果について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
アボカドの栄養について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
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アボカドの効果
アボカドには、さまざまな効果があります。
具体的に見ていきましょう。
疲労回復
エネルギー代謝が悪くなると疲労物質がたまって、休息しても疲れやすくなります。
エネルギー代謝を助ける栄養素は、ビタミンB群です。
アボカドは、ビタミンB群の含有量がトップクラスの果物です。
とくに疲労回復に効果が期待できるビタミンは
- 運動したあとの疲労回復、集中力不足に効果が期待できるビタミンB1
- ストレスや生活習慣病の予防に効果が期待できるビタミンB2
- 炎症や倦怠感に効果が期待できるビタミンB6
これらの疲労回復効果が期待できるビタミンは水溶性です。
アボカドは生で食べられるので、調理せず手軽にビタミンB群を摂取できます。
健康
アボカドに含まれる栄養素は、健康にとっても効果が期待できます。
別名「森のバター」とも呼ばれるアボカドには多くの脂肪分が含まれています。
脂肪分のほとんどがオリーブオイルにも含まれるオレイン酸です。
コレステロールは酸化することによって血管内に付着し、動脈硬化などの原因になります。
オレイン酸は酸化されにくい性質があります。
そのため、アボカドは体内の悪玉コレステロール値を下げる働きがあります。
高血圧予防
高血圧の主な原因は、塩分の過剰摂取によるナトリウム量の増加にあります。
ナトリウムは、生命維持に欠かせない栄養素です。
カリウムとバランスを取りながら、細胞の機能を正常に保つ働きをしています。
アボカドに多く含まれるカリウムは、ナトリウムを体外に排出する働きがあります。
塩分の調整を行い、高血圧予防効果が期待できます。
生活習慣病の改善
病気の発症に毎日の習慣が関わっている生活習慣病には、次のようなものがあります。
- 高血圧
- 糖尿病
- 脳卒中
- 脂質異常
- 心臓病
- 肥満
アボカドは、不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
これらの栄養素が生活習慣病の予防につながります。
美容
アボカドには食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は腸内の水分を吸収し、老廃物を吸着しながら排出する働きがあります。
腸のぜん動運動を促すため、便秘の解消が期待できます。
便秘で老廃物が腸内に溜まると、肌荒れを引き起こし、ターンオーバーを乱します。
アボカドに多く含まれる食物繊維は、腸内を掃除し、腸内環境を整えます。
ダイエット
アボカドは、脂肪分が多く含まれているため、少しの量でも満腹感が高まります。
ダイエット中の大きな味方となるでしょう。
また、アボカドに含まれる消化酵素やオレイン酸には、脂肪の分解・燃焼効果が期待できます。
日中の活動量の多い時間帯にアボカドを食べることで、効率よく痩せられます。
アボカドの効果の中にあるビタミンB群、カリウムについて興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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アボカドに含まれる栄養素の効果
アボカドには、健康面において効果が期待できる栄養素が含まれています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
脂質(不飽和脂肪酸)
アボカドの脂質は100gあたり12gです。
アボカドに含まれる脂質の多くは「不飽和脂肪酸」です。
リノール酸、リノレン酸、オレイン酸といった脂肪酸を豊富に含みます。
不飽和脂肪酸は、魚や植物に多く含まれる栄養素です。
「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられます。
アボカドに多く含まれるオレイン酸は一価不飽和脂肪酸です。
また、リノール酸は多価不飽和脂肪酸です。
これらの不飽和脂肪酸は、血中の悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます。
さらに、血液をサラサラにして血栓を予防する効果も期待できます。
食物繊維
アボカドの食物繊維は100gあたり5.6gです。
食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、体内での栄養吸収を緩やかにする働きがあります。
また、血糖値の急激な上昇を抑えます。
このほかにも、余分な脂質、糖質、塩分、老廃物を排出する働きがあります。
腸内細菌のエサとなって、腸内環境を整える効果も期待できます。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は便のカサを増して大腸を刺激し、スムーズな便通を促します。
ビタミンE
アボカドのビタミンEは100gあたり2mgです。
アボカドには、脂溶性のビタミンEが多く含まれています。
ビタミンEは免疫力を高めます。
外部からの細菌やウイルスに対して、体を守る働きに欠かせない栄養素です。
また、ビタミンEには強い抗酸化作用が期待できます。
老化や病気の原因となる活性酸素の働きを抑え、皮膚の新陳代謝を高めます。
別名「若返りのビタミン」とも呼ばれています。
老化現象のひとつであるシミやシワを防ぐ効果が期待できます。
カリウム
アボカドのカリウムは100gあたり590mgです。
カリウムは生命に欠かせないミネラルの一種です。
過剰摂取した塩分であるナトリウムを排出し、体液のバランスを整える働きがあります。
カリウムを積極的に摂取することで、むくみや高血圧の予防に効果が期待できます。
日本人は、他の国に比べて塩分摂取量が高い傾向にあります。
塩分摂取量を控えるとともに、排出に役立つカリウムの摂取が大切です。
また、筋肉の収縮にも関わっています。
就寝中や運動中に足がつるという方は、カリウム不足かもしれません。
葉酸
アボカドの葉酸は100gあたり83㎍です。
葉酸は赤血球を作るのに欠かせない栄養素です。
ビタミンB群の一種で、別名「造血ビタミン」とも呼ばれています。
貧血に効果が期待でき、免疫力を高める働きもあります。
とくに妊活中や妊娠中の女性に推奨される栄養素です。
葉酸は細胞分裂や成長に大きく関わっている栄養素です。
細胞分裂が盛んな妊娠初期では、十分な葉酸の摂取が必要になります。
妊娠中に葉酸を十分に摂取すると、先天性異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らせます。
アボカドに含まれる脂質の不飽和脂肪酸ついて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
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アボカドを摂るのに適したタイミング
アボカドは「森のバター」とも呼ばれ、カロリーの高い果物です。
できるだけ、活動量が多い朝や昼に食べるのがおすすめです。
活動量の少なくなる夜に食べてしまうと、そのまま脂肪になってしまうリスクがあります。
アボカドには、水溶性食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維は、糖質の吸収を抑え、血糖値の急激な上昇を防ぎます。
食前にアボカドを食べる、あるいは食事の最初にアボカドを食べるのがおすすめです。
アボカドの食べごろを見分けるコツ
アボカドはカットしてみなければ良し悪しがわからないと思っている方もいるでしょう。
しかし、外見からもある程度食べごろを見分けられます。
そのコツは「色」「ヘタ」「固さ」です。
アボカドの色は成熟が進むにつれて緑から黒色に変化していきます。
全体が黒くなっていたら食べごろと見て良いでしょう。
ヘタにも注目しましょう。
アボカドは成熟が進むと水分が抜けてきます。
水分が抜けると、ヘタのまわりが沈み込んでいきます。
ヘタと果肉の間に隙間があるアボカドが食べごろです。
固さもチェックしてみましょう。
適度な柔らかさや弾力が食べごろです。
逆に、指が沈み込んでしまうくらいの柔らかさだと、成熟が進み過ぎています。
成熟が進んでしまったアボカドはディップにして食べると良いでしょう。
アボカドを長持ちさせる保存方法
アボカドの保存方法は、アボカドの成熟度によっても違ってきます。
アボカドがあまり熟していない場合は、15℃以上の常温保存をして追熟をします。
日が当たらない風通しの良い場所で保存しましょう。
熟したアボカドの保存方法は、冷蔵庫に入れて追熟を遅らせることです。
冷蔵庫で保存する場合は、低温障害に注意しなければなりません。
冷蔵室ではなく野菜室で、乾燥を防ぐためにビニール袋に入れて保存しましょう。
カットされたアボカドを保存するときには、そのままでは酸化で色が変わってしまいます。
レモンのしぼり汁やお酢を塗っておくと変色を防げます。
冷凍するときには、冷凍保存用袋に入れて空気をしっかりと抜きます。
冷凍で1ヶ月ほど保存できます。
食べるときには、自然解凍してできるだけ早く食べましょう。
アボカドの1日の摂取量の目安
アボカドは栄養豊富で、健康にも良いとされる果物です。
栄養価が高いと同時に、カロリーが高いという特徴があります。
食べ過ぎるとカロリーオーバーになる可能性もあります。
アボカド1個(可食部で150g)の脂質は、約26.3g、カロリーは267kcalもあります。
カロリーが気になる、ダイエット中という方は、1日半分程度を目安にすると良いでしょう。
アボカドのカロリーについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
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アボカドを使ったかんたんレシピ
アボカドはさまざまな料理に使えます。
ここでは、アボカドを使ったかんたんなレシピをご紹介します。
【アボカドとトマトのツナ入りサラダ】
【材料】
- アボカド:1個
- トマト:中1個
- ツナの水煮缶:1缶
- レモン汁:小さじ1/2
- マヨネーズ:大さじ2
- 醤油:小さじ1/2
- 黒こしょう:少々
【作り方】
1. アボカドを包丁で縦半分に切り種を取り除きます。
2. スプーンで皮から果肉を外して、1.5cm角に切ります。
3. アボカドの変色を防ぐため、レモン汁をかけ回します。
4. トマトも1.5cm角に切ります。
5. ツナは水を切っておきます。
6. ツナ、マヨネーズ、醤油、黒コショウをボールに入れて混ぜ合わせます。
7. アボカドとトマトを入れて軽く混ぜ合わせたら完成です。
【アボカドのおつまみ醤油漬け】
【材料】
- アボカド:1個
- つけ汁
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 白だし:小さじ1
- レモン汁:小さじ1
- 白いりごま:適量
【作り方】
1. アボカドは半分に切って種と皮を取り除きます。
2. みりんは加熱してアルコールを飛ばしておきます。
3. 保存袋に調味料とアボカドを入れ、空気を抜き、冷蔵庫で2時間ほど置きます。
4. アボカドを1㎝幅に切って器に盛り付け、白ごまを振り、出来上がりです。
【アボカド&カニカマの和風ユッケ】
【材料】
- アボカド:1/2個
- レモン汁:小さじ1
- カニカマ:8本
- 調味料
- めんつゆ (2倍濃縮):大さじ1/2
- ごま油小さじ:1/2
- すりおろしニンニク:小さじ1/4
- わさび小さじ:1/4
- 卵黄:1個分
- 白いりごま:適量
【作り方】
1. アボカドは皮を剥いて種を取ります。
2. カニカマは4等分、アボカドは1.5cm角に切ってレモン汁をふりかけておきます。
3. ボウルに調味料を入れ、アボカドとカニカマを入れてザックリと合わせます。
4. 器に盛り付け、最後に卵黄と白いりごまをトッピングしてでき上がりです。
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アボカドの輸入量と検査の実施について
日本で消費されるアボカドのほとんどは輸入品です。
輸入量の移り変わりと検査についてご紹介します。
アボカドの輸入動向
アボカドの輸入量は、1988年では3,370トンでした。
2000年代以前は、お寿司でカルフォルニアロールがちょっとしたブームになりました。
当時は栄養価も知られておらず、なじみのない果物でした。
それが2020年になると、23.6倍の79,560トンの輸入量に伸びています。
実際、ひと昔前よりもアボカドを見る機会、買う機会、食べる機会が多くなっています。
高い栄養価で、健康や美容に良い食材であることが女性の興味をひいたのも大きな要因です。
アボカドの原産国
日本で流通しているアボカドのほとんどは海外からの輸入です。
とくにメキシコからの輸入が多く、全体の約80%を占めています。
メキシコでは、一年中アボカドを収穫できるからです。
そのほかは、ペルー、アメリカ、コロンビアなどです。
アボカドの検査の実施
日本に輸入される農産物は、厳しい検査が行われます。
アボカドも例外ではなく、とくに生鮮アボカドでは農薬の種類や量などが検査されます。
輸入届出ごとのすべてのロットに対して検査が義務づけられています。
アボカドは殺虫剤である「ビフェントリン」の残留に対して検査が行われます。
しかし、アボカドから検出されるビフェントリン量は、許容一日摂取量において問題はないとされています。
出典:厚生労働省【輸入食品に対する検査命令の実施 |報道発表資料|厚生労働省】
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アボカドの効果まとめ
ここでは、アボカドの効果について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。
- アボカドに期待できる効果は、疲労回復、健康、美容、ダイエットなど
- アボカドの栄養素は、脂質、食物繊維、ビタミンE、カリウム、葉酸など
- アボカドの食べごろを見分ける方法は「色」「ヘタ」「固さ」のチェック
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。