ソイミルクは日本だけでなく、海外でも健康志向の方に人気がある飲料です。
コーヒーショップのメニューでは、ソイミルクを見かけることも多いのではないでしょうか。
ではソイミルクとはどのような飲み物なのでしょうか?
ソイミルクが健康に良いといわれているのはなぜなのでしょうか?
本記事ではソイミルクについて以下の点を中心にご紹介します。
- ソイミルクとは何か
- ソイミルクにはどんな栄養素が含まれているのか
- ソイミルクを飲むとどんなメリットがあるのか
ソイミルクについて理解するためにも、参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ソイミルクとは?
ソイミルクとは豆乳のことです。
ソイミルクの特徴や原料、種類についてお伝えします。
ソイミルクの特徴
ソイミルクは、健康や美容に良い成分がいろいろ含まれている飲料です。
ソイミルクに期待できる効果には、以下のようなものがあります。
- ダイエットのサポート
- 美肌維持
- 抜け毛の予防
- コレステロール値の改善
- 女性ホルモンの増加
- 貧血予防
- 腸内環境の改善
日本ではおなじみの飲み物ですが、栄養価の高いソイミルクは海外でも人気があります。
ソイミルクには、牛乳と同じくたんぱく質が多く含まれています。
牛乳は動物性たんぱく質ですが、ソイミルクは植物性たんぱく質です。
牛乳アレルギーなどで牛乳が飲めない人の代替品として、料理などでも活用されています。
ソイミルクの原料
ソイミルクは大豆が原料で、豆腐として固める前の乳液状のものです。
大豆を水に浸してすりつぶし、水を加えて煮詰めた汁を濾して作られます。
無調整のソイミルクの他に、飲みやすくなるよう加工した調製豆乳や豆乳飲料もあります。
ソイミルクの種類
ソイミルクには、さまざまな種類があります。
以下で詳しくご紹介します。
無調整豆乳
無調整豆乳は、豆乳に何も味付けされていないものです。
JAS規格では、大豆固形分が8%以上(大豆たんぱく質換算3.5%以上)と定義されています。
大豆固形分とは、製品から水分を取り除いて残る大豆の成分量のことです。
大豆固形分が多いほど、たんぱく質やイソフラボンの含有量も多くなります。
味付けされていない豆乳は、大豆そのものの風味を味わえます。
糖質や脂質が抑えられているので、ダイエットや糖質制限中の方にも向いています。
しかし豆の青臭さや苦味が気になる方には、飲みにくさを感じるかもしれません。
調製豆乳
調製豆乳は、豆乳に砂糖や塩などの調味料、油脂、香料などを加えたものです。
JAS規格では、大豆固形分が6%以上(大豆たんぱく質換算2.8%以上)のものになります。
そのままでも飲みやすいので、大豆の風味が苦手な方や子供にも好まれています。
豆乳を料理やお菓子作りで使用したいと思うこともあるでしょう。
無調整豆乳は、加熱すると分離しやすくなります。
そのため、料理に使用するときには調製豆乳を使うのがおすすめです。
豆乳飲料
豆乳飲料は、調製豆乳に果汁やコーヒーなどのフレーバーを加えた飲料です。
JAS規格では以下のように定義されています。
- 果汁入り:大豆固形分2%以上(大豆たんぱく質換算0.9%以上)
- その他:大豆固形分4%以上(大豆たんぱく質換算1.8%以上)
フルーツなどのいろいろな味が楽しめる豆乳飲料は、おやつにもぴったりです。
ただし甘い豆乳飲料は無調整豆乳よりもカロリーが高くなります。
ダイエット中には豆乳飲料を控え、カロリーオフの商品を選ぶようにしましょう。
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ソイミルクに含まれる栄養素は?
ソイミルクには健康や美容に良い栄養素が含まれています。
ソイミルクの栄養素について詳しく見ていきましょう。
大豆たんぱく質
大豆には、植物性たんぱく質が約30%含まれています。
大豆たんぱく質のほとんどは水溶性で、ソイミルクにはたんぱく質が多く含まれます。
大豆たんぱく質は吸収率が高く、吸収や分解に時間がかかるのが特徴です。
そのため満腹感が得やすいので、ダイエット中に間食を予防するのに役立ちます。
また、大豆たんぱく質は全身の血流を改善します。
血清コレステロールを低下したり、血小板の凝集性を抑制したりなどの作用が期待できます。
イソフラボン
イソフラボンはポリフェノールの一種で、女性ホルモンと似た構造をしている栄養素です。
女性ホルモンは加齢と共に減少しますが、イソフラボンは代替ホルモンとして働きます。
女性ホルモンは骨にカルシウムを届け、骨を丈夫にする役割があります。
そのため、女性ホルモンが不足すると、骨粗しょう症になりやすくなってしまいます。
イソフラボンの代替ホルモンとしての働きで、骨粗しょう症も予防できるのです。
また、イソフラボンは女性ホルモンが足りなければ補い、多すぎる場合は働きを抑えます。
そのため、女性ホルモンの過剰な働きで起きるとされる乳がんの予防効果が期待できます。
サポニン
サポニンは大豆に多く含まれており、ソイミルクからも摂取できます。
サポニンには抗酸化作用が期待でき、活性酸素を除去して脂肪が酸化するのを防ぎます。
悪玉コレステロールの蓄積を抑えて、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを予防するのです。
またサポニンには、免疫機能を司るナチュラルキラー細胞を活性化させる働きもあります。
免疫力がアップして、ウイルスや細菌から身体を守ってくれます。
さらに、サポニンには肥満を予防する効果も期待できます。
サポニンには余分な脂肪の蓄積を抑制したり、脂肪の燃焼を促進したりする働きもあるからです。
他にも、血流改善や肝機能の向上などにも効果が期待できるといわれています。
レシチン
ソイミルクに含まれるレシチンも、生活習慣病を予防する効果が期待できます。
レシチンは、悪玉コレステロールを減少したり、血中コレステロールを低下させたりします。
加えて、乳化作用により血流の流れを良くすることで、生活習慣病を予防できるのです。
また、レシチンには神経伝達物質を生成する働きもあります。
そのため脳の情報伝達がスムーズになり、脳が活性化されて老化予防につながります。
レシチンは、記憶力や集中力を高めてくれる栄養成分です。
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ソイミルクは何カロリーなのか?
植物性のソイミルクはヘルシーなイメージがあるでしょう。
牛乳よりも低カロリーなのではと考えて、ソイミルクを選ぶこともあるかもしれません。
では実際にはどれくらいのカロリーがあるのでしょうか。
牛乳と無調整豆乳、調製豆乳の100㎖あたりのカロリーは以下の通りです。
- 牛乳:67kcal
- 無調整豆乳:44kcal
- 調製豆乳:63kcal
牛乳と調製豆乳は、ほぼ同じくらいのカロリーです。
無調整豆乳は、3つの中ではやや低カロリーになっています。
調製豆乳は砂糖などが添加されているので、無調整豆乳よりもカロリーが高くなります。
牛乳も豆乳もカロリーの点から見れば、それほど違いはないようです。
ソイミルクも飲みすぎるとカロリーオーバーになるので注意しましょう。
ソイミルクから得られる健康効果とメリット
ソイミルクには、さまざまな病気を予防する効果が期待できます。
大豆イソフラボンには、骨粗しょう症の予防効果があるとされています。
また、女性ホルモンが不足することで起きるがんを予防する働きもあります。
サポニンは、血液に含まれる余分な脂質を洗い流し、脂肪の蓄積を抑制する栄養素です。
またサポニンは、脂肪燃焼を促進するアディポネクチンの分泌を促進します。
アディポネクチンは、糖尿病や動脈硬化を予防し、生活習慣病予防にもなります。
レシチンは悪玉コレステロールを減らし、血中コレステロールを低下させます。
血流が改善されることで、高血圧や認知症予防の効果も期待できます。
健康効果に加えて、ダイエットや美肌維持にも役立つのがソイミルクのメリットです。
ソイミルクと他のミルクの違いは?
ソイミルクと他のミルクの違いは何なのでしょうか。
ここでは、ソイミルク以外のミルクについて詳しくご紹介します。
牛乳
牛乳には、たんぱく質やビタミンB群、カルシウムなどの栄養素がバランス良く含まれます。
ソイミルクのたんぱく質は植物性ですが、牛乳に含まれているのは動物性たんぱく質です。
牛乳に含まれるカルシウムは吸収率が高く、手軽に不足しがちなカルシウムを補えます。
牛乳は、ソイミルクよりも脂肪分が多く、コレステロールもあります。
カロリーオーバーにもなるので、飲みすぎには注意が必要です。
牛乳アレルギーや乳糖不耐症で牛乳が飲めない方もいます。
オーツミルク
オーツミルクとは、オーツ麦を原料とする飲料です。
オーツミルクは食物繊維が豊富で、ソイミルクよりも多く含まれています。
コレステロールがゼロで、カロリーが低いこともオーツミルクのメリットです。
低カロリーなオーツミルクですが、糖質はソイミルクよりも多く含まれています。
また、たんぱく質の量が少ないので、他の食品からたんぱく質を摂取する必要があります。
ソイミルクよりもくせがなく飲みやすいですが、砂糖などが添加されることも多いです。
アーモンドミルク
アーモンドを原料にしたアーモンドミルクは、香ばしい風味で飲みやすい飲料です。
ソイミルクよりも脂質や糖質、コレステロールが少なく、低カロリーです。
アーモンドには、抗酸化作用の高いビタミンEや食物繊維が豊富に含まれています。
アーモンドに含まれる栄養素は、アーモンドミルクで摂取した方が吸収率が高くなります。
ただし、アーモンドやナッツのアレルギーがある場合は飲めません。
たんぱく質量は少ないので、たんぱく質を摂りたい場合はソイミルクがおすすめです。
ココナッツミルク
ココナッツミルクにはカリウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
カリウムは体内の余分な塩分を排出し、マグネシウムは体内の酵素活性化に役立ちます。
食物繊維が豊富に含まれているのもメリットの1つです。
ココナッツミルクは脂質が多いですが、脂質を構成する成分に中鎖脂肪酸が含まれます。
中鎖脂肪酸は、速やかにエネルギーに変換され、脂肪として蓄積されにくいのが特徴です。
また、ココナッツミルクに含まれる中鎖脂肪酸のラウリン酸は、美容にも役立ちます。
ココナッツミルクのデメリットは、脂質量、カロリーが高いことです。
飲料用のココナッツミルクには、砂糖や他の添加物が含まれるものもあります。
そのため摂取量に注意して、飲むようにしましょう。
ソイミルクのアレンジ方法をご紹介
ソイミルクを飲みやすくしたり、効果をさらに高めたりするおすすめの飲み方をご紹介します。
いろいろなアレンジを試して、お気に入りの飲み方を見つけてみてください。
ホットソイミルク
寒い季節に冷たいソイミルクは飲む気にならないかもしれません。
ソイミルクは温めて飲むこともできます。
温めて飲めば身体を冷やすこともないので、冷え性の方にもおすすめです。
電子レンジを使えば、簡単に温められます。
ただし加熱しすぎると、表面に膜が張って飲みにくくなってしまいます。
膜が張らないように、様子を見ながら温めてください。
ソイミルクとコーヒー
コーヒーにソイミルクを加えたソイラテは、豆乳が苦手な方にも飲みやすいドリンクです。
毎日コーヒーを飲む習慣のある方は、ソイラテでソイミルクを摂取する習慣もつきます。
イソフラボンには、悪玉コレステロールを下げる働きがあります。
またコーヒーに含まれるポリフェノールは、悪玉コレステロールの酸化を防ぎます。
ソイミルクとコーヒーを同時に摂取することで、血管内を健康に保てます。
ソイミルクと青汁
青汁は水やお湯で溶かして飲むと、えぐみや青臭さが気になる場合があります。
青汁にソイミルクを加えると、まろやかになってよりおいしく飲めるようになります。
ソイミルクで作る青汁は、むくみが気になる方におすすめです。
青汁に含まれるカリウムは、体内の塩分を排出するよう促します。
また大豆に含まれるビタミンEは、血行を改善するのに役立ちます。
スムージーに入れる
水や牛乳の代わりに、ソイミルクでスムージーを作ってみましょう。
いろいろな野菜や果物の味で、ソイミルクのえぐみや豆臭さが気にならなくなります。
野菜や果物を変えれば、飽きずに続けられます。
スムージーには、野菜と果物のポリフェノールやビタミン、食物繊維が豊富に含まれます。
ソイミルクを加えることでさらにたんぱく質がプラスされ、満足感も高くなります。
ソイミルクの飲みすぎで起こるデメリット
さまざまな健康効果が期待できるソイミルクですが、デメリットもあります。
以下で詳しくご紹介します。
ソイミルク1日の摂取量目安
ソイミルクの1日の摂取量は、特に決められていません。
しかし、飲みすぎると身体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
1日に200㎖のコップで1〜2杯を目安に摂取するようにしましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ソイミルクを飲みすぎると、ホルモンバランスが乱れることがあります。
イソフラボンは女性ホルモンと構造が似ています。
そのため、大量に摂取するとホルモンバランスに影響してしまうのです。
ホルモンバランスが乱れると生理周期が乱れたり、出血量が変化する可能性があります。
また、ホルモンバランスの乱れが原因で肌トラブルも起きやすくなります。
ニキビができやすくなったり、毛穴が詰まりやすくなったりします。
太りやすくなる
無調整豆乳のカロリーは、100㎖あたり44kcalです。
もし1日に1ℓ飲めば440kcalで、ラーメン1杯分程度のカロリーを摂取することになります。
調製豆乳や豆乳飲料には砂糖や油分などの添加物がある分、カロリーも高くなります。
毎日飲みたいソイミルクですが、飲みすぎると太りやすくなるので気をつけましょう。
下痢を引き起こす
ソイミルクには、マグネシウムが含まれています。
マグネシウムは便通改善ができ、便秘薬にもマグネシウムが配合されています。
そのため、ソイミルクを飲みすぎると下痢を引き起こす可能性があるので注意してください。
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ソイミルクによるアレルギー症状に注意
ソイミルクを飲むと、アレルギーを発症する可能性があります。
ソイミルクによるアレルギー症状は、
- 皮膚や粘膜のかゆみ
- 赤み
- 腫れ
- じんましん
- 呼吸困難
などです。
大豆や豆腐などの大豆製品を食べても大丈夫な方でも、アレルギーを発症することがあります。
これはカバノキ科花粉症の方が発症する口腔アレルギー症候群と考えられます。
カバノキ科の花粉と大豆に似たようなアレルゲンが含まれていることが影響するようです。
りんごやモモなどのバラ科の果物にも似たようなアレルゲンが含まれています。
ですからりんごやモモを食べてアレルギー症状が出る場合は、豆乳にも注意が必要です。
今後、豆乳で口腔アレルギーを発症する可能性もあります。
初めてソイミルクを飲む際には、まず少量から試してみるようにしましょう。
もしアレルギーのような症状が出たら、すぐに摂取をやめて医療機関を受診してください。
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ソイミルクの作り方と注意点
ソイミルクは自分で作れます。
自分で作れば、新鮮で大豆本来の風味を味わえるソイミルクが作れます。
ソイミルクの作り方と作る際の注意点をご紹介します。
ソイミルクの作り方
【材料】(作りやすい分量:でき上がりで700~750ml)
- 大豆 250g
- 水 900ml
- 浸漬用の水 1000mlくらい
【作り方】
- ゴミなどを取り除き、水を2~3回換えて大豆をしっかりと洗う
- 大きめのボウルに洗った大豆と浸漬用の水を入れて一晩くらい浸けておく
- 浸漬した大豆をザルにあげてしっかりと水気を切る
- ミキサーに大豆と半量の水を入れて、なめらかになるまでミキサーにかける
- すり潰した大豆を大きめの鍋に入れ、残りの半量の水を加えて火にかける
- 沸騰するまで焦げないようヘラで絶えず混ぜながら中火〜強火で加熱する
- 沸騰してきたら弱火にして、ヘラでかき混ぜながら約10分加熱を続ける
- 水に濡らして固く絞ったこし布をザルの上に敷く
- 煮上がった大豆のペーストを少しずつ入れてこしていく
- 木べらなどを押し付けて水分が出なくなるまでしっかりと絞り切る
ソイミルク作りの注意点
手作りのソイミルクはそれほど日持ちしません。
そのため、一度にたくさん作りすぎないようにしましょう。
使用する器具をしっかり洗浄し、雑菌が入らないようにするのも大切です。
手作りのソイミルクは特にえぐみが気になるかもしれません。
すりつぶした大豆を加熱するときに大量の泡が出てきます。
この泡は大豆サポニンで、えぐみの原因です。
そのため、加熱のときに出てくる泡を取り除けばえぐみが軽減されます。
しかし、大豆サポニンには活性酸素を除去し、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
えぐみのために泡を取り除くと、大豆サポニンの健康効果が得られなくなります。
手作りのソイミルクの材料は、大豆と水だけです。
おいしいソイミルクを作るには、水にもこだわってみましょう。
水道水でも構いませんが、できるだけ良質の水を使えばさらにおいしくなります。
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ソイミルクについてのまとめ
ここまでソイミルクについてお伝えしてきました。
ソイミルクについての要点を以下にまとめます。
- ソイミルクとは豆乳のことで、栄養価が高く牛乳の代替品としても活用されている
- ソイミルクには大豆たんぱく質、イソフラボン、サポニン、レシチンが含まれる
- ソイミルクを摂取すると病気の予防効果やダイエット効果、美肌維持が期待できる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。