日常生活の中には様々なストレス要因が潜んでおり、ストレスと上手く付き合っていかなければなりません。
しかし、ストレスは人により様々で、感じ方にも違いがあります。
また、社会や家庭、人間関係でストレスを感じる方の中には、ストレスが原因のストレス性胃腸炎の方も多いのではないでしょうか。
そこで、ストレス性胃腸炎に効く薬とストレス性胃腸炎についてご紹介します。
本記事では、ストレス性胃腸炎に効く薬とストレス性胃腸炎について以下の点を中心にご紹介します。
- ストレス性胃腸炎とは
- ストレス性胃腸炎の症状
- ストレス性胃腸炎に効く薬
ストレス性胃腸炎とストレス性胃腸炎に効く薬について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ストレス性胃腸炎とは
※画像はイメージです
ストレス性胃腸炎の症状について、以下の表にあらわしています。
腹痛 | 便秘 | 下痢 |
吐き気 | めまい | 疲労感 |
不安感 | 肩こり | 頭痛 |
ストレス性胃腸炎は、心因性のストレスや疲労、睡眠不足がきっかけで発症します。
誰でも発症する可能性がある疾患とされています。
主にストレスを感じやすい人に起こりやすい傾向があります。
ストレスを感じることで自律神経が乱れ、胃酸の分泌が過剰になります。
胃酸の分泌が過剰になることで、胃の運動機能が低下し、痛みやもたれなどの不快感があらわれます。
また、ストレス性胃腸炎とは、厳密な医学用語ではありません。
様々な胃腸の炎症疾患を包含する用語として使用されています。
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ストレス性胃腸炎の症状
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ストレス性胃腸炎は、炎症が起こることで胃や腸に様々な症状があらわれます。
では、主にストレス性胃腸炎はどの様な症状が起こるのでしょうか。
また、これから紹介する症状に当てはまらなくても、ストレス性胃腸炎の可能性がある場合もあるので、注意が必要です。
腹痛
ストレス性胃腸炎と聞くと胃の症状が主に想像できますが、腹痛もストレス性胃腸炎の症状の一つです。
市販薬で治まる場合もありますが、症状が長く続く場合や痛みが強い場合は、受診を検討しましょう。
下痢
下痢は水分・冷たいものの摂り過ぎなどによって主に起こりますが、ストレスが原因でも同じ症状が見られます。
一時的なことがほとんどで、腹痛と共にあらわれる症状です。
吐き気
ストレス性胃腸炎は、ストレスが影響して胃や腸に炎症が見られます。
胃や腸が炎症を起こすことで、運動機能が低下し、吐き気を催します。
症状の期間は1日~2日程度で治まる場合がほとんどですが、吐き気は長く続くこともあるようです。
胃もたれ
ストレス性胃腸炎の代表的な症状に胃もたれがあり、炎症を起こした胃の運動機能が低下することで起こります。
胃もたれは、食事や市販薬の服用で治る方がほとんどです。
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ストレス性胃腸炎が発症する原因
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ストレス性胃腸炎はストレスが原因で発症する疾患です。
では、ストレスがかかると体には何が悪いのでしょうか?
ストレスと自律神経、その他のストレス要因についてご紹介します。
ストレッサーはストレスの原因を指す
ストレッサ―とは、ストレスの原因となる「もの」や「こと」の刺激を総称したものです。
ストレッサーがあることで体内でストレスホルモンが分泌され、ストレス反応が起こります。
このことから、ストレッサーによる心身の影響を「ストレス反応」と呼びます。
ストレスがかかると自律神経が乱れる
ストレスを過剰に感じると交感神経と副交感神経のバランスが乱れます。
自律神経のバランスが乱れると、心や体に不調があらわれます。
身体的なストレスの主な原因は、
- 人間関係や仕事の悩みや不安による精神的なストレス
- 過労
- 事故
- 怪我
などが挙げられます。
ピロリ菌への感染
ストレス性胃腸炎と同じ症状が見られる病気に、ピロリ菌感染があります。
ピロリ菌に感染したほとんどの方が胃炎を発症します。
ピロリ菌を除菌しない限り、胃の中に住み続け、慢性的な炎症が続く病気です。
ピロリ菌が住み続けることで、胃の粘膜を防御する力が弱まり、ストレスや塩分、発癌物質などの攻撃を受けやすい状態になります。
従って、ピロリ菌に感染すると、胃が無防備な状態になり、ストレスなどの影響でストレス性胃腸炎と同じ症状があらわれます。
寄生虫や青魚へのアレルギー反応
寄生虫や青魚へのアレルギー反応が原因で胃腸炎を引き起こすことがあります。
寄生虫や青魚へのアレルギーは医師の診断なしには分からないので、病院の受診が必要不可欠です。
薬の副作用
抗菌剤、制酸剤、緩下剤などの薬の副作用で胃腸炎が発症することがあります。
副作用が原因の胃腸炎は、薬の服用を控えたり、胃腸を守る薬を同時に服用することで治ることがほとんどです。
薬の副作用による胃腸炎と考えられる方は、薬を処方した医師に相談してみると良いでしょう。
アルコールやカフェインの摂りすぎ
カフェインやアルコールの過度な摂取でも、胃腸炎は起こります。
カフェインは、コーヒー、ココア、コーラ、チョコレートなどに含まれています。
アルコール同様に、過剰に摂取することで胃腸炎の症状を悪化させる恐れがあります。
タバコの吸いすぎ
タバコの吸いすぎで胃腸炎症状があらわれるケースがあります。
タバコを吸うと、血行が悪くなり、胃粘膜に張り巡らされている毛細血管でも同じことが起きます。
従って、血流量が減り、酸素を送り込む量も減少するため、機能低下や胃粘膜の抵抗力の低下に繋がります。
すると、胃腸炎の症状の一つである胃のもたれなどの不快感があらわれます。
不規則な生活習慣
ストレス性胃腸炎は、不規則な生活をすることでも発症します。
睡眠不足や激辛カレーなどの胃へ刺激のある食べ物、暴飲暴食が主な原因です。
不規則な生活習慣からくるストレス性胃腸炎は、生活習慣を改善することで治まる場合が多いです。
そのため、生活習慣を一度見直してみると良いでしょう。
職場や家庭でのストレス
職場や家庭でのストレスもストレス性胃腸炎の原因です。
職場や家庭でのストレスをまったく無いものにするのは難しいでしょう。
しかし、上手く付き合う方法が分れば、改善されていきます。
ゆっくりと休む時間を作ったり、リラックスできることを行ったりするのがおすすめです。
また、趣味などを見つけることも、ストレスと付き合っていくには必要です。
ストレス性胃腸炎に処方される薬
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ストレス胃腸炎は様々な症状があるため、症状により処方される薬に違いがあります。
そこで、ストレス性胃腸炎に処方される薬、市販薬についてご紹介します。
しかし、ストレスを取り除く薬はないので、対症療法として薬を使うということです。
吐き気を抑える薬
ストレス性胃腸炎からくる吐き気は、ストレスや不規則な食生活などで胃粘膜の防御機能が低下して、起こります。
そのため、
- 胃粘膜を修復する「アズレンスルホン酸ナトリウム」「L-グルタミン」
- 胃に膜をつくる「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」
などの成分が効果的です。
このことから、荒れた胃粘膜の防御力をアップすることで、吐き気を抑えることに繋がります。
下痢を止める薬
ストレスにより下痢が起こっている場合は、
- 「ベルベリン(ベルベリン塩化物水和物やタンニン酸ベルベリンなど)」
- 「ゲンノショウコ」
などの成分が有効です。
ベルベリンとゲンノショウコの成分が配合されている薬を服用することで、相乗効果が起こります。
そのため、下痢を抑え、腸の粘膜をやさしく保護してくれます。
また、フェーカリス菌も腸内環境を整える効果が期待できます。
しかし、牛乳アレルギーの方は服用できないので注意が必要です。
ストレス性胃腸炎の市販薬
ストレスなどにより自律神経のバランスが乱れ、胃の筋肉を過剰に収縮させてしまいます。胃痛が起こる方には抗コリンが含まれている薬がおすすめです。
抗コリンは、胃の副交感神経の働きを抑制し、過剰な収縮を緩和させ、痛みを和らげる効果が期待できます。
ストレス性胃腸炎に対して病院で処方される薬
ストレス性胃腸炎に対して病院で処方される薬の成分は
- ブスコパン
- ブチルスコポラミン臭化物
などの、胃の過剰な収縮を緩和させ、痛みを和らげる効果が期待できる薬が処方されます。
また、症状により処方される薬に違いがありますが、漢方が処方されることもあるようです。
ストレス性胃腸炎に効く漢方薬
ストレス性胃腸炎には漢方薬が効くことがあります。
効果が期待できる漢方薬は「安中散加茯苓(あんちゅうさんかぶくりょう)」です。
安中散加茯苓は、
- 自律神経の乱れを改善する「安中散(あんちゅうさん)」
- 精神安定作用がある生薬「ブクリョウ」
が加えられている漢方薬です。
ストレスに対する効果をさらに高め、改善していきます。
ストレス性胃腸炎の症状を和らげる方法
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ストレス性胃腸炎の症状は長く続くととても辛い症状が多いです。
そこで、ストレス性胃腸炎の症状を和らげる、薬を飲みながらできるその他の対処法についてご紹介します。
薬を服用しても効果が見られない場合にもおすすめできるので、確認しておきましょう。
食事をしばらく摂らない
ストレス性胃腸炎で胃や腸に炎症がある場合は、食事をしばらく摂らないようにしてみましょう。
炎症を起こしている胃や腸には、普段の食事は負担になってしまうことがあります。
そのため、一定時間食事を摂らないようにすることで、胃と腸を休め、症状の改善に繋がります。
しかし、薬を服用する際は、食後の服用が義務付られていることもあるので、胃や腸に優しい、おかゆや雑炊を食べましょう。
室温から温かい温度の水分を摂る
水分摂取の際も、胃や腸に負担をかけないよう注意が必要です。
炎症を起こしている胃や腸には、水分の冷たい温度も負担になります。
薬を服用しているのに症状の改善が見られなかった場合は、まず水分の温度を変えてみましょう。
水分の温度は、室温から温かい温度であることが好ましいです。
刺激物を避ける
刺激物(辛いものや酸味の強いもの)や脂っこいものは胃や腸に負担をかけてしまいます。
ストレス性胃腸炎の際は、胃や腸が弱っている時期なので、刺激物や脂っこい食べ物は避けた方が良いでしょう。
安静にして体を休める
ストレス性胃腸炎は、ストレスや睡眠不足で自律神経のバランスが乱れ、起こります。
安静にして体を休めることや、しっかり睡眠を取ることで、自律神経のバランスを整え、症状の改善が期待できます。
点滴を受ける
ストレス性胃腸炎がひどくなると、下痢や嘔吐の他に発熱が見られる場合があります。
こういった場合は、薬の服用だけではどうにもならないことがあります。
その際は、病院で点滴を受けると良いでしょう。
点滴で薬剤を直接体に送り込むことで、薬の服用よりも早く効果が期待でき、症状の改善に繋がります。
症状がひどい方や、薬では改善が見られない方は、医師に相談してみても良いでしょう。
病院を受診する
市販薬を服用しても、なかなか効果が見られず、症状が改善されない方もいらっしゃると思います。
その際は、病院を受診することをおすすめします。
病院で処方される薬は、医師の処方箋が必要なため、市販薬よりも効果が期待できます。
従って、無理をして我慢をせず、病院に行くことも大切だということを覚えておきましょう。
ストレス性胃腸炎に効く薬まとめ
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今回は、ストレス性胃腸炎とストレス性胃腸炎に効く薬についてご紹介しました。
ストレス性胃腸炎とストレス性胃腸炎に効く薬についての要点を以下にまとめます。
- ストレス性胃腸炎は、ストレスや生活習慣の乱れが原因で起こる
- 主な症状は腹痛・下痢・吐き気・胃もたれがある
- ストレス性胃腸炎に効く薬は、症状により違う
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。