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健達ねっと>健康お役立ち記事>女性の健康>子宮内膜症の治療方法と費用|薬物療法から自然療法まで徹底解説!

子宮内膜症の治療方法と費用|薬物療法から自然療法まで徹底解説!

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子宮内膜症治療について

子宮内膜症は多くの女性に影響を及ぼす疾患ですが、適切な治療法でその負担を軽減することができます。
では、子宮内膜症の治療にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、子宮内膜症の治療にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?
本記事では、子宮内膜症の治療について以下の点を中心にご紹介します。

  • 子宮内膜症の症状
  • 子宮内膜症の治療法
  • 子宮内膜症治療の費用と保険

子宮内膜症の治療について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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子宮内膜症とは

子宮内膜症とは、本質的には子宮の内部にのみ存在するはずの子宮内膜組織が、子宮外の場所(例えば卵巣や腹膜)で増大し、剥がれ落ちるという病態を繰り返す疾患です。

子宮の内部から剥がれ落ちた子宮内膜組織は、月経血として膣から体外に排出されますが、子宮外で増大した子宮内膜組織は腹腔内に留まり、炎症や痛み、また癒着の原因となります。
さらに、これが不妊の一因となることもあります。

子宮内膜症は女性ホルモンの影響を受けて月経周期に応じて増大し、月経時に血液が排泄されずに溜まったり、周囲の組織と癒着して様々な痛みを引き起こします。

特に、子宮内膜症が発生しやすい場所としては、卵巣や卵管、ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)や膀胱子宮窩(子宮と膀胱の間のくぼみ)、仙骨子宮靭帯(子宮を後方から支える靭帯)などが挙げられます。
稀に、肺や腸にも発生することがあります。

子宮内膜症は良性の疾患で、生命に直接的な危険はありませんが、痛みなどの症状を管理しながら、閉経まで長い間付き合っていく必要がある病気です。
そのため、長期的な経過観察が必要とされています。

子宮内膜症の症状

子宮内膜症は、子宮の内側を覆う組織が子宮外に存在する疾患で、その症状は多様です。

子宮内膜症の主要な症状を月経関連、生殖器、全身的な症状の3つのカテゴリーに分けて詳細に解説します。

子宮内膜症の症状|月経関連の症状

子宮内膜症の最も一般的な症状は、月経痛です。
子宮内膜症は、子宮内膜から分泌される痛みを引き起こす物質(プロスタグランジン)が、子宮内膜症の存在する場所からも分泌されるため、月経痛が増強することがあります。

さらに、子宮内膜症は月経が繰り返されるごとに進行し、症状も悪化するため、早期の治療開始が重要です。

子宮内膜症の症状|生殖器の症状

子宮内膜症は、卵巣内に子宮内膜症が形成され、古い血液が蓄積する状態を「卵巣チョコレート嚢胞」と呼びます。
卵巣チョコレート嚢胞による排卵障害や、卵管の癒着などが不妊の原因となることもあります。

また、卵巣チョコレート嚢胞が存在すると、「卵巣がん」の発生リスクが増えるため、定期的な健康チェックが必要となります。

子宮内膜症の症状|全身的な症状

子宮内膜症は、炎症や癒着により、月経期間以外でも下腹部痛腰痛排便時の痛み性交時の痛みなどが生じます。
これらの症状は、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。

また、閉経後は女性ホルモンの分泌が減少するため、症状は軽減します。

子宮内膜症の症状は患者ごとに異なり、症状の重度が必ずしも疾患の進行度を反映しないこともあります。
そのため、症状が現れた場合は早期に医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

子宮内膜症の重症度分類

子宮内膜症は、その病状や進行具合により、いくつかのカテゴリーに分けられます。
これらのカテゴリーは、疾患の理解や治療戦略の決定に重要な役割を果たします。

特に、米国生殖医学会(ASRM)による分類(r-AFS分類)は、腹腔鏡検査や開腹手術の結果を基に、子宮内膜症の“部位ごと”の症状を評価し、その合計得点により症状の深刻度を4段階に分けます。
これにより、疾患の詳細な理解と、適切な治療法の選択が可能となります。

ASRMによるステージ分類と各ステージの特性について説明します。

具体的には、以下のような分類となります。

  • ステージⅠ:1~5ポイント(微症)
  • ステージⅡ:6~15ポイント(軽症)
  • ステージⅢ:16~40ポイント(中等症)
  • ステージⅣ:41ポイント以上(重症)

この分類により、疾患の詳細な理解と、適切な治療法の選択が可能となります。

例えば、「左の卵巣の半分が強固に癒着=3ポイント」というように、部位ごとに症状の深刻度をポイント化します。
このポイント化により、患者自身も自身の病状を理解しやすくなります。

また、この分類は不妊症の方にとっても有用で、今後の妊娠の可能性をよく反映すると考えられています。

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子宮内膜症の治療法

子宮内膜症は、痛みを伴う困難な疾患であり、その対策は患者の年齢、症状の深刻さ、将来の妊娠の計画などを考慮して決定されます。
治療法は主に薬物治療と手術治療の2つに分けられます。

これらの治療法について詳しく解説します。

子宮内膜症の治療法|薬物治療

薬物治療は、痛みを緩和するための対症療法と、子宮内膜症の進行を防ぎ、病変を小さくするホルモン療法に分けられます。
対症療法では、抗炎症鎮痛薬を使用します。
症状は緩和されますが、疾患の進行を防ぐ効果はありません

一方、ホルモン療法では、低用量のエストロゲン・プロゲスチン配合剤やプロゲスチン製剤を用いて、病巣の成長を抑制します。

また、GnRHアゴニストというホルモン剤で、一時的に閉経状態を作り出す、偽閉経療法もあります。
ただし、骨粗鬆症のリスクが増加するため、半年間しか治療ができません。

また、治療を停止すると卵巣嚢腫は元の大きさに戻ってしまう可能性があり、手術前や閉経までの間の治療として行われます。

子宮内膜症の治療法|手術治療

手術は開腹手術と腹腔鏡手術がありますが、近年は侵襲が少ない腹腔鏡手術がほとんど選ばれます。
どちらの場合も、病変部を除去することが目的です。
ただし、将来的に妊娠を望まない場合には、再発のリスクをさらに低減するため、子宮・卵巣・卵管も除去することがあります。

子宮内膜症の治療法|自然療法

自然療法としては、食事の改善や適度な運動が推奨されます。
特に、食物繊維が豊富な食事や、抗酸化物質が多い食事は、子宮内膜症の症状を和らげる可能性があります。

また、定期的な運動は血流を良くし、炎症を抑える効果があるとされています。
これらの生活習慣の改善は、薬物治療や手術治療と併用することで、より効果的な治療となる可能性があります。

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子宮内膜症治療の費用と保険

子宮内膜症の治療には、それなりの費用がかかることが一般的です。
しかし、その費用は何によって決まるのでしょうか?

また、医療保険はどのように適用され、どのような対応策があるのでしょうか?
これらの疑問について詳しく解説します。

子宮内膜症の治療費用の要因と概要

子宮内膜症の治療費用は、治療方法によって大きく変わります。

例えば、手術の場合、腹腔鏡手術は入院費用込みで約20万円、開腹手術は約30万円が必要とされています。
これらの費用は保険が適用される場合のもので、認可されていない先進治療を用いた場合はさらに高額な費用が必要となります。

また、薬物療法の場合、保険が適用されるかどうかは使用する薬の種類によります。
一部の薬は保険適用外となり、全額自己負担となる可能性があります。

医療保険の適用と対応策

子宮内膜症の患者が医療保険に加入することは可能ですが、一部の条件があります。

例えば、既往歴がある場合、保険料が高くなるか、保険加入が断られることがあります。
しかし、「引受基準緩和型医療保険」に加入すれば、子宮内膜症を患っている人でも保険に加入することが可能です。

また、高額な医療費を負担する場合、「高額医療費制度」を利用することで、一部の費用を補填することが可能です。
ただし、この制度は保険適用範囲内の医療費負担が対象となり、保険適用外の医療費や入院に付随する食事療養費などは対象外となります。

子宮内膜症治療をしない場合のリスクと影響

子宮内膜症は、女性の生活を大きく左右する可能性がある病気です。
そのため、治療を選択しない場合のリスクと影響を理解することは非常に重要です。
特に、痛みや不妊などの問題だけでなく、卵巣がんのリスクも考慮に入れる必要があります。

無治療のリスクと合併症

子宮内膜症を放置すると、病巣は次第に広がり、痛みが強くなるだけでなく、不妊の確率も高まります。
鎮痛剤は痛みを和らげる効果があるとされていますが、子宮内膜症の進行を防ぐことはできません。

また、卵巣に「チョコレート嚢胞」が形成されると、卵巣がんのリスクが高まることが知られています。
過去に、手術が行われた子宮内膜症患者の全体の3.4%に卵巣がんが合併していました。
特に40歳以上で嚢胞の大きさが10cm以上の場合、がんの合併率が高くなるため、精密検査や手術療法が必要となることがあります。

子宮内膜症の健康への影響と生活に与える影響

子宮内膜症は、生理痛、腰痛、慢性骨盤痛、性交痛、排便痛、排尿時痛などの痛みを引き起こす可能性があります。

また、妊娠を希望する場合でも、不妊症に苦しむ可能性があります。
さらに、卵巣がんのリスクも高まります。
子宮内膜症の初期症状である月経痛が強くなった場合、我慢せずに婦人科を受診することが重要です。

子宮内膜症は、早期に発見し、適切な治療を開始することで、これらのリスクを軽減することが可能です。

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子宮内膜症治療に関するよくある質問|Q&A

子宮内膜症の治療に関するよくある質問には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、よくある質問に答えていきます。

子宮内膜症どうやって治す?

子宮内膜症の治療法は、症状や患者の希望によります。
薬物療法(ホルモン療法や鎮痛剤)や手術療法(内視鏡手術や開腹手術)が主な治療法です。

また、食生活の改善や適度な運動も補助的な治療として有効です。

子宮内膜症は治る病気ですか?

子宮内膜症は完全に治る病気ではありませんが、適切な治療により症状を大幅に軽減し、日常生活を送ることが可能です。
治療法は個々の症状や生活状況によります。

子宮内膜症を治療しないとどうなりますか?

子宮内膜症を放置すると、痛みが増大し、不妊のリスクが高まる可能性があります。

また、卵巣に「チョコレート嚢胞」が形成されると、卵巣がんのリスクも高まります。

子宮内膜症の治療選択は?

子宮内膜症の治療選択は、症状の重さ、年齢、妊娠の希望、病状の進行度などによります。
薬物療法や手術療法が一般的ですが、適切な治療法は医師との相談により決定されます。

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子宮内膜症治療まとめ

今回は子宮内膜症の治療についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。

  • 子宮内膜症の主要な症状には月経関連、生殖器、全身的な症状がある
  • 子宮内膜症の治療法は薬物治療と手術治療が主である
  • 子宮内膜症の治療費用は、治療方法によって大きく変わる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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