鼻づまりをよくするために使っている点鼻薬が実は新たな病気の引き金になる可能性があることを知っていますか?
薬剤性鼻炎にならないようにこの記事を読んで、気をつけましょう。
ここでは下記の点を中心にご説明します。
- 薬剤性鼻炎とは
- 薬剤性鼻炎の原因
- 薬剤性鼻炎の治療法
是非最後までお読みください。
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薬剤性鼻炎とは
薬剤性鼻炎とは鼻閉を主な症状とする鼻炎のことです。
鼻づまりで悩む患者が、さらに酷い鼻づまりに悩むのがこの薬剤性鼻炎の症状です。
主に、市販の点鼻薬を長期に渡って使用したことによって生じます。
患者の多くは成人ですが、中高生にも時々見られる鼻炎です。
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点鼻薬が原因で薬剤性鼻炎が起こる理由
薬剤性鼻炎が起こる理由として、点鼻薬に含まれるある成分が挙げられます。
どのような成分で何故引き起こされるのかを下記でご説明します。
点鼻薬に含まれる成分
点鼻薬の主成分は血管収縮剤といわれる薬剤です。
血管収縮剤は鼻の粘膜の豊富な血管が収縮して細くなることで、空気の通りがよくなり、鼻づまりを改善させます。
鼻づまりに効果は抜群です。
3分程度で効き始め、約3時間ほど効果が持続します。
血管収縮剤の危険性
点鼻薬は市販で簡単に手に入れられます。
そのため、使い方さえ誤らなければ、全く問題はありません。
薬剤性鼻炎になった方の理由の多くは使用回数が原因です。
血管収縮剤入りの点鼻薬を使いすぎると、リバウンド現象が起こり、鼻の中の血管は薬剤に反応しづらくなります。
すると血管周囲の粘膜が虚血状態となって反応性の組織の増殖を起こしてきます。
血管収縮作用が切れると、逆に鼻づまりが強くなることにより薬剤性鼻炎となります。
必ず使用方法と使用回数を守るようにしましょう。
薬剤性鼻炎の治療方法
薬剤性鼻炎の治療方法は下記の通りです。
点鼻液の使用中止
まず行うべきことは、原因の元となっている血管収縮剤入りの点鼻液を断つことです。
最初は鼻づまりに苦しむでしょうが、ここが辛抱のしどころです。
2〜3日は辛いですが、1週間でかなり楽になり、2週間経つとほとんど元の状態に戻り、血管自体への直接的な悪影響は消失します。
ですが、点鼻液の使用が長く、クセになってしまっている方であると自分の意志で使用をやめるのは難しいかもしれません。
点鼻ステロイド
点鼻薬をどうしても使ってしまう方は医者に相談して点鼻ステロイド薬を処方してもらいましょう。
血管収縮剤の即効性には劣りますが、粘膜の抗炎症作用による鼻閉の改善が期待できるので、結果的に血管収縮剤使用の使用頻度を減らすことにつながります。
なお、ステロイド自体には血管拡張作用がありますが、点鼻に限れば、連用による鼻閉の悪化や鼻出血を誘発する例はまれです。
薬剤性鼻炎の手術方法
上記の治療法でも回復が難しかった場合は手術が必要になります。
内服での治療は行っていても、手術はできないクリニックもあります。
事前に確認しましょう。
粘膜下下甲介切除術
薬剤性鼻炎の手術方法でよく行われるのが粘膜下下鼻甲介骨切除術です。
鼻の穴から器具を出し入れしながら行う手術ですが、麻酔を塗布、粘膜内に局所麻酔を注射するため、痛みの心配はありません。
また、穴の中で施術を行うため、表面に傷が残ることはありません。
鼻通りに関係する「下鼻甲介」という組織の粘膜または骨だけを取り除くことによって下鼻甲介のボリュームを減らし、鼻通りをよくします。
レーザー治療を行わない理由
鼻の治療というと、レーザー治療やラジオ波の鼻粘膜焼灼が一般的ですが、薬剤性鼻炎の手術ではそれらは適しません。
3ヶ月〜1年後には粘膜が再生してしまったり、鼻中隔湾曲症があると粘膜を十分に焼けなかったりするためです。
よくある質問
薬剤性鼻炎についてよくある質問に答えていきます。
点鼻薬の正しい使い方は?
市販の点鼻薬には必ず使用方法が書かれています。
基本的にはその説明通り使えば問題ありません。
一般的に1日に3〜4回以上、1か月以上点鼻薬を使用している場合は使いすぎなため、薬剤性鼻炎の可能性があります。
血管収縮剤に当てはまる成分は?
トラマゾリン、ナファゾリン・テトラヒドロゾリン・オキシメタゾリンなどがあります。
薬剤性鼻炎になりやすい方は?
花粉症などアレルギー性鼻炎の方は薬剤性鼻炎を誘発しやすいです。
アレルギー性鼻炎の方は鼻づまりに悩まされる期間が長いため、長らく鼻薬を使用していると、薬剤性鼻炎になりやすいです。
薬剤性鼻炎のまとめ
ここまで薬剤性鼻炎についてご説明しました。
以下に要点をまとめます。
- 薬剤性鼻炎とは鼻閉を主な症状とする鼻炎のこと
- 市販の点鼻薬を長期にわたっての使用が薬剤性鼻炎の主な原因
- 点鼻薬の使用中止で基本的には治まるが、中毒になっている方は手術が必要
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。