「手足口病は軽症なら発疹もちょっとしかでないの?」
「手足口病の症状が軽く済むことはあるの?」
手足口病に感染したものの、発熱がなかった方や発疹症状があまり現れなかった方の中には、
このような疑問を抱く方もいるのではないでしょうか?
そこで本記事では、軽症な手足口病について以下の項目を中心に解説します。
- 手足口病は軽症で済むことがあるのか
- 手足口病の初期症状
- 手足口病にかかった時の注意点
手足口病に感染した方や周囲に感染者がいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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手足口病とは?
初めに、手足口病について解説します。
手足口病とは、口の中や手足などに水疱を伴う複数の発疹が出る感染症のことです。
原因となるウイルスは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどで、主に5歳以下の子供が多く感染しますが、大人も感染することがあります。
大人が手足口病に感染すると、子供よりも重症化するといわれています。
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手足口病は軽症で済む?
手足口病に感染した人の中には、軽症で済む方もいます。
手足口病の症状が軽症でも注意
子供は、発疹や水ぶくれの症状が出ますが、発熱や口腔内症状などの症状がでずに、軽症で済む場合もあります。
また、大人は手足口病に感染しても「不顕性感染(ふけんせいかんせん)」と言って、症状が現れず、
手足口病に感染していることに気づいていない場合もあるため、注意が必要です。
手足口病の症状が軽症でも、急に重症化したり他人に感染したりするため、感染症予防を行うと良いでしょう。
手足口病が重症化するとどうなる?
手足口病は通常、軽症で自然に治癒しますが、まれに重症化することがあります。
重症化した場合は、髄膜炎や脳炎、心肺機能への影響など合併症を引き起こす場合があります。
特に、乳幼児や高齢者、基礎疾患がある人は重症化しやすい傾向にあります。
高熱、嘔吐や激しい頭痛、意識が朦朧とするという症状がある場合は、すぐに医療機関を受診することをおすすめします。
手足口病に感染した方の中には、発疹など手足口病の典型的な症状が現れることなく、
重症化して死亡してしまった例も報告されています。
手足口病の初期症状
続いて、手足口病の初期症状について解説します。
手足口病の初期症状として、感染後3〜7日後に以下の症状が現れます。
- 発疹
- 発熱
- のどの痛み
発疹
発疹は、感染後3〜5日後に発症し、手のひらや足の裏、口の中などに2〜5mmの水泡性発疹が出現します。
水泡性発疹は痛みを感じるのが特徴的で、特に口の中にできた発疹は、痛みを感じることが多いです。
また、口の中にできた発疹は口内炎などに発展し、食事や水分を思うように摂ることが難しくなります。
また、発疹症状は、3日〜7日程度で消えますが、掻いたり、水ぶくれを潰してしまったりすると、
症状が悪化し、治りが遅くなる可能性もあります。
発疹ができた際には、あまり触らないように意識することをおすすめします。
ただし、感染者の中には、手や足にできた発疹は痛みやかゆみを感じない場合もあります。
発熱
手足口病の発熱症状の多くは、37度台の熱が出ますが、罹患者の約30%の方は高熱になることがあります。
発熱症状は、1週間ほどでおさまり、発熱の後に手のひらや足の裏、口の中に小さな水疱や発疹が現れる
傾向があります。
のどの痛み
手足口病では、のどの痛みもよく見られる症状の一つです。
特に口の中や喉に水疱ができると、食事や飲み物を飲む際に痛みを感じることがあります。
これにより、感染者が食欲を失ったり、水分補給が難しくなったりすることもあります。
のどの痛みは、手足口病の口内にできる潰瘍(口内炎)が原因で、通常は数日で自然に軽減しますが、
症状が重い場合や痛みが続く場合は、医師に相談することが重要です。
また、痛みが強いときは冷たい食べ物や飲み物が痛みを和らげるのに役立つことがあります。
症状の程度に合わせて、補給や食事をしましょう。
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手足口病が流行する時期と感染経路
手足口病は、主に夏から秋にかけて流行し、7月から9月頃がピークです。
手足口病の感染経路
手足口病はウイルスによる感染症であり、主に幼児や小児に多く見られますが、大人も感染することがあります。
また、手足口病の感染経路は、
- 飛沫感染
- 接触感染
- 糞口感染
の3つがあります。
例えば、唾液、鼻水、便などに触れた手を介して、口や目、鼻から感染したり、手洗いが不十分だと便を介して
感染したりします。
手足口病は非常に感染力が強く、特に幼稚園や保育園などでの集団生活において広がりやすくなります。
感染予防としては、手洗いやうがい、消毒などの衛生管理が重要です。
また、症状がある場合は、無理に外出せず安静に過ごすことをおすすめします。
手足口病を早めに治すための過ごし方
手足口病には、特効薬や決まった治療法はありません。
ウイルスによる感染症なので、基本的には症状に対する対症療法が中心となります。
手足口病を早めに治すための過ごし方としては、以下のようなものがあります。
- 安静にする
- 水分補給をする
- 痛みを緩和する
- 食事を工夫する
安静にする
まずは、体力を消耗しないよう、十分な休息をとることが大切です。
ゆっくり身体を休めることが、体力回復に一番効果的とされています。
また、感染拡大を防ぐために外出も控えましょう。
水分補給をする
口内や喉に痛みがある場合、水分摂取が難しくなることがありますが、脱水症状を防ぐためにこまめな水分補給が必要です。
冷たい飲み物やゼリーなどがのどを通りやすい場合もあるため、自分が水分を摂りやすい方法で
少しでも水分補給しましょう。
痛みを緩和する
のどや口内の痛みがひどい場合、医師から鎮痛薬が処方されることがあります。
市販の痛み止めを使用することもありますが、特に子供に使う場合は、医師に相談してから使用すると
良いでしょう。
食事を工夫する
痛みがある場合、刺激が少なく、飲み込みやすい食べ物を選びましょう。
冷たいものや、柔らかい食事(プリン、ヨーグルトなど)がおすすめです。
のどの痛みや体調に合わせて食事を選ぶことが大切です。
手足口病の感染予防
次に、手足口病の感染予防について、以下の4つをご紹介します。
- 正しい手洗いをする
- こまめに消毒する
- 排せつ物を適切に処理する
- タオルや食器の共有に注意する
正しい手洗い
外出から帰った後や、食事前、トイレの後などに石鹸を使ってしっかり手を洗うことが大切です。
特に、保育園や幼稚園では、子どもたちに手洗いの習慣を身につけさせましょう。
また、手洗いは少なくとも20秒以上かけて丁寧に洗うことがおすすめです。
指と指の間や手首などを忘れがちのため、しっかり石鹸で洗いましょう。
正しい手洗い方法を習慣化することで、ウイルスや細菌の感染リスクを大幅に減らすことが可能となります。
こまめに消毒する
手足口病の感染者が触れたおもちゃやドアノブ、テーブルなどを定期的に消毒しましょう。
特に、乳児は口におもちゃなどを入れるため、こまめに消毒することで感染拡大を防ぐことができます。
排せつ物を適切に処理する
ウイルスは便中にも含まれているため、オムツ交換後は特にしっかり手を洗い、使用したオムツは速やかに捨てましょう。
オムツを捨てる時には、ビニール袋に入れて捨てると感染拡大を防ぐことが可能です。
タオルや食器の共有に注意する
基本的に、手足口病の感染者と食器やタオルの共有は避けることをおすすめします。
タオルの共有を防ぐために、ペーパータオルなどを使うといいでしょう。
可能であれば、手足口病の感染者と食器を別で洗うなど工夫すると感染拡大を防ぐことができるでしょう。
手足口病にかかった時の注意点
本項目では、手足口病にかかった時の注意点について、以下の3つをご紹介します。
- 脱水症状に注意する
- プールやお風呂は控える
- 水ぶくれは潰さないようにする
脱水症状に注意する
手足口病に感染した際、特に注意すべきなのが脱水症状です。
口内や喉に水疱や潰瘍ができると、痛みから食事や水分を摂るのが困難になり、脱水症状を引き起こす可能性があります。
脱水症状にならないために、食事や水分は無理に摂らず、飲みやすい形でこまめに補給することが大切です。
脱水症状が疑われる場合は、早めに医療機関を受診してください。
プールやお風呂は控える
手足口病は非常に感染力が強いため、プールに入ることで他の人にウイルスが広がるリスクがあります。
特に、ウイルスは水を介して広がることがあるため、集団で利用するプールは注意が必要です。
また、お風呂に入ることで水疱が刺激され、痛みが増したり、悪化したりすることがあり、感染を広げる可能性があります。
お風呂に入る場合は、シャワーで短時間の入浴を行ったり、身体を優しく拭いたりしましょう。
水ぶくれは潰さないようにする
水ぶくれを潰すことで、手足口病の原因となるウイルスをまき散らし、他の人にうつす恐れがあるほか、
傷口から細菌が入り手足口病以外に感染し、皮膚症状の治りが遅くなる場合があります。
また、水ぶくれが破れると、その部分の皮膚が直接刺激されるため、痛みが増す可能性があります。
水ぶくれをそのままにしておくことで、痛みを最小限に抑えることができるでしょう。
脱水症状について、以下の記事で詳しく解説しています。
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手足口病の感染について
手足口病には何度もかかることがある?
手足口病は、いくつかの異なるウイルスによって引き起こされるため、
同じ人が何度もかかる可能性があります。
一度感染しても、他のウイルス株には免疫が効かないため、再度感染することがあります。
また、手足口病に対する免疫は比較的短期間であり、感染から時間が経つと免疫が弱まることがあるため、
何度も手足口病にかかる方もいるでしょう。
基本的な衛生管理を徹底することで、感染のリスクを減らすことができます。
手足口病の感染に注意が必要な人の特徴
手足口病は、一般的には幼児や小児に多く見られますが、感染に特に注意が必要な人には以下のような特徴が
あります。
- 乳幼児(特に1歳未満)
- 妊婦
- 免疫力が低下している人
- 高齢者
- 集団生活をしている人
- 慢性的な皮膚疾患を持つ人
特に、高齢者や慢性疾患のある人、妊婦は感染に注意が必要です。
高齢者や慢性疾患のある人は、免疫力が低下しており、感染症に対する抵抗力が弱くなります。
手足口病も重症化する可能性があるでしょう。
また妊娠中に手足口病にかかると、母体の健康や胎児に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
感染が疑われる場合は、すぐに医師に相談することが重要です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、軽症の手足口病について解説してきました。
要点を以下にまとめます。
- 手足口病に子供が感染した場合、発熱や口腔内症状などの症状がでずに軽症で済む場合もある
大人の場合は手足口病に感染しても症状が現れず、手足口病に感染していることに気づいていない場合もあるため、注意が必要 - 手足口病の初期症状として、感染後3〜7日後に発疹、発熱、のどの痛みなどが現れる
- 手足口病にかかったは、脱水症状にならないように注意し、プールやお風呂は控え、水ぶくれは潰さないように注意するようにしましょう
手足口病の症状が悪化したり、水分や食事を摂ることが難しい場合は、医師に相談することをおすすめします。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。