「亜鉛の1日の推奨摂取量について知りたい」
「亜鉛を摂取するメリットやその他の栄養素の重要性についても理解したい」
普段から亜鉛の摂取を心がけている方、あるいは栄養を意識した食事をとっている方の中には、このように考えている方も多いのではないでしょうか。
亜鉛はタンパク質や炭水化物と同様、私たちの体に不可欠な栄養素の1つですが、日常的に意識して摂取している方は少ないのではないでしょうか。
本記事では、亜鉛の1日の摂取量について以下の項目を中心に解説します。
- 亜鉛の1日の推奨摂取量
- 亜鉛を摂取するメリット
- 亜鉛が含まれる食べ物
日常的に亜鉛をしっかりと摂取したいと考えている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
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亜鉛とは?
※画像はイメージです
はじめに、亜鉛についてご紹介します。
亜鉛とは、私たちの体にとって欠かせない栄養素の1つで、300以上の酵素の働きに関与しています。
(酵素:たんぱく質の1種で、体内で起こる消化や吸収などの働きを促進する物質)
代表的な例としては、タンパク質合成やDNA合成/修復、細胞分裂、免疫機能の維持などに関わっており、筋肉や骨に蓄えられます。
そんな亜鉛は、
- 牡蠣やレバーなどの動物性食品
- カボチャの種やナッツ類などの植物性食品
に含まれているものの、一般的な食生活では日常的に十分に摂取できないのが通常です。
そのため、日常的に適切な量の亜鉛を摂取するためには、サプリメントなどを摂取することで足りない分を補うことをおすすめします。
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亜鉛の1日の推奨摂取量は?
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本項目では、亜鉛の1日の推奨摂取量についてご紹介します。
亜鉛の摂取量は、年齢や性別によって多少異なり、おおよその値は以下の通りです。
【亜鉛の推奨摂取量(男性)】
・1〜2歳: 3mg/日
・3〜5歳: 4mg/日
・6〜7歳: 5mg/日
・8〜9歳: 6mg/日
・10〜11歳: 7mg/日
・12〜14歳: 10mg/日
・15〜17歳: 12mg/日
・18〜74歳: 11mg/日
・75歳以上: 10mg/日
【亜鉛の推奨摂取量(女性)】
・1〜2歳: 3mg/日
・3〜5歳: 3mg/日
・6〜7歳: 4mg/日
・8〜9歳: 5mg/日
・10〜11歳: 6mg/日
・12〜74歳: 8mg/日
・75歳以上: 8mg/日
・妊婦の場合: +2mg/日
・授乳婦の場合: +4mg/日
亜鉛に限った話ではありませんが、食事やサプリメントから摂取する栄養素は、摂取した量がそのまま体に吸収される訳ではありません。
亜鉛の場合、摂取した量のおよそ3〜4割程度が体に吸収されるといわれており、上記の数字は体への吸収率を考慮して算出された数字です。
とは言え、亜鉛をはじめとするあらゆる栄養素の吸収率は、食品の種類や個人の体質、同時に吸収する他の栄養素などに応じて変化するため、その点はあらかじめ覚えておく必要があるでしょう。
いずれにせよ、健康的な体の状態を保つためには、日常的なバランスの取れた食事に加え、適度な運用や睡眠、ストレス管理などが重要と言えるでしょう。
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亜鉛を摂取するメリット
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本項目では、亜鉛を摂取するメリットについて、以下の7つをご紹介します。
- 免疫力が上がる
- 傷や病気の治りが早くなる
- 体の成長や発達に寄与する
- 生殖機能の正常な働きを促進する
- 肌や髪質が良くなる
- 味覚の正常な働きを促進する
- 神経細胞の刺激伝達に寄与する
免疫力が上がる
亜鉛を摂取するメリットの1つ目は「免疫力が上がること」です。
亜鉛には、T細胞やナチュラルキラー細胞などの免疫細胞の生成と活性化を促進し、体内の病原体に対する防御力を高める効果があるとされています。
また、亜鉛は抗炎症作用も持ち合わせており、過剰な炎症反応を抑制し、免疫系のバランスを整える効果もあるといわれています。
傷や病気の治りが早くなる
2つ目は「傷や病気の治りが早くなること」です。
過度な炎症反応を抑制するという内容とも重複しますが、亜鉛は、細胞の分裂と増殖を促進し、コラーゲンの合成を促進させることで、傷や病気の回復を早める効果があるとされています。
また、亜鉛には抗酸化作用もあるため、外傷などに伴う肌周辺の炎症を抑制し、感染のリスクを抑える効果も期待できます。
加えて、内科的な観点からも、亜鉛は様々な酵素の働きを活性化し、体内の修復メカニズムを強化することで、病気からの回復を早める役割も果たしています。
体の成長や発達に寄与する
3つ目は「体の成長や発達に寄与すること」です。
前述したように、亜鉛は、体内のDNAやタンパク質の合成に不可欠であり、細胞分裂と成長においても欠かせない栄養素です。
特に成長期の子供たちにとって、亜鉛を適切に摂取することは、身長の伸びや筋肉の発達、骨の形成に大きく影響します。
また、脳の発達にも重要な役割を果たしており、認知機能や学習能力の向上にも効果的であるといわれています。
生殖機能の正常な働きを促進する
4つ目は「生殖機能の正常な働きを促進すること」です。
亜鉛の摂取は、男女ともに生殖機能の正常な働きに関わるとされています。
男性においては、亜鉛はテストステロン産生を促進し、精子の質と量を向上させる効果があるとされています。
一方女性においては、卵子の成熟や受精、着床にも影響し、妊娠中の胎児の正常な発達にも不可欠といわれています。
逆に言えば、亜鉛不足は不妊のリスクを高める可能性があるため、適切な摂取は生殖機能の健全性を維持する上で不可欠と言えます。
肌や髪質が良くなる
5つ目は「肌や髪質が良くなること」です。
亜鉛は、コラーゲンとケラチンの生成に影響しており、肌の弾力と質を維持するのに効果的なだけでなく、皮脂の分泌を適切に調整し、にきびやその他の肌トラブルの予防にも役立つといわれています。
また、亜鉛は髪の毛を生成するタンパク質の合成にも関わっており、質の良い髪の毛の生成だけでなく育毛サイクルを整えることにも影響しています。
味覚の正常な働きを促進する
6つ目は「味覚の正常な働きを促進すること」です。
私たちが普段味を感じる舌には、味蕾と呼ばれる機能が備わっており、味蕾が正常に機能するには、適切な亜鉛の摂取が欠かせません。
また、舌が感じた味を脳に正常に伝えるためにも、亜鉛が必要であるため、極度な亜鉛不足は味覚症状の異常やそれに伴う食欲の低下などにも影響します。
神経細胞の刺激伝達に寄与する
7つ目は「神経細胞の刺激伝達に寄与すること」です。
亜鉛は、私たちの体内に存在する神経細胞の刺激伝達にも影響するといわれています。
神経細胞の刺激伝達は、私たちの体や脳のあらゆる機能に影響しており、記憶力や学習能力、注意力、問題解決能力だけでなく、新しい情報の処理や保存、既存知識の想起などにも密接に関わっています。
また、視覚や聴覚、触覚、嗅覚、味覚といった5感情報も、神経細胞の刺激伝達を通じて脳に伝えられ、解釈されます。
つまり、体におけるあらゆる機能において、亜鉛は不可欠な栄養素なのです。
亜鉛は食事から十分に摂れる?
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そんな体に欠かせない亜鉛ですが、普段の食事から十分に摂取できるのでしょうか。
結論から述べると、亜鉛が多く含まれている食材はそこまで多いとは言えないため、日常的に十分な亜鉛を摂取し続けることは難しいと言えます。
以下は、私たちの身の回りの食材の中で亜鉛が多く含まれる食べ物を厳選し、100gあたりに含まれている亜鉛の量をまとめたものです。
牡蠣 | 13-14g |
牛肩ロース | 5-6g |
カシューナッツ | 5-6g |
アーモンド | 4-5g |
牛もも肉 | 4-5g |
牛レバー | 3-4g |
プロセスチーズ | 3-4g |
鶏レバー | 3-4g |
たらこ | 3-4g |
牛バラ肉 | 3-4g |
私たちの身の回りで最も亜鉛を含んでいるのは牡蠣といわれています。
しかし、牡蠣の場合でも1つあたりおよそ20gであるため、牡蠣だけで1日あたりの十分な亜鉛を摂取しようとしても、5個程度食べる必要がある計算になります。
そのため、食事の内容を意識しない状態では、1日あたりの十分な亜鉛の摂取は難しいかもしれません。
亜鉛が豊富な食べ物について、以下の記事でも詳しく解説しています。
亜鉛とは体内に存在する量が最も多いミネラルです。生命維持に欠かせない役割を担っている栄養素の1つでもあります。この記事では、亜鉛について解説しながら、亜鉛が多く含まれる食べ物や亜鉛を手軽に効率よく摂る方法などについてご紹介します[…]
亜鉛のサプリメントについて
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次に、亜鉛のサプリメントについてご紹介します。
前述したように、亜鉛は1日あたり8mg〜11mg程度摂取する必要がありますが、身の回りの食事だけで十分に摂取することは難しいと言えます。
そのため、日常的に十分な亜鉛を摂取したいという方は、食事だけでなくサプリメントなどで補う方法も検討してみると良いかと思います。
世の中には、亜鉛を含む様々な栄養素を含むサプリメントが販売されており、大手企業の商品であればスーパーや薬局などでも気軽に購入できます。
もちろん、亜鉛を含むサプリメントなども数多く販売されているので、必要に応じてそれらを購入してみるのも良いでしょう。
また、実際にサプリメントを購入する際には、価格や栄養素、利用者の口コミなどを総合的に判断した上で摂取することをおすすめします。
人体に欠かせない5大栄養素について
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最後に、人体に欠かせない5大栄養素について、それぞれの役割や体に与える影響などをご紹介します。
- タンパク質
- 炭水化物
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
タンパク質
タンパク質は、筋肉や皮膚、髪の毛、爪などの体組織の主要な構成要素として欠かせない栄養素であり、常に体の中で分解と合成に使用されています。
そんなタンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されており、そのうち9種類は必須アミノ酸として体外から摂取する必要があるため、バランスが良いかつ栄養素の高い食事を摂ることが何よりも重要です。
タンパク質を含む食材は様々ですが、
- 肉類や魚介類
- 卵
- 乳製品
- 大豆製品
- 豆類
などの食品が代表的です。
炭水化物
炭水化物は、主にパンやご飯、麺類などの食べ物に含まれており、人体のエネルギー源として最も重要な栄養素の1つです。
炭水化物は
- 単糖類
- 二糖類
- 多糖類
の3種類に分類され、それぞれ消化吸収の速度が異なります。
そんな炭水化物は、すぐにエネルギーを得ることができるというメリットがある一方で、過剰摂取は肥満や糖尿病のリスクを高める可能性があるため、注意が必要です。
脂質
一般的に食べ過ぎはよくないというイメージがある脂質ですが、エネルギー源としての役割に加え、細胞膜の構成要素、ホルモンの前駆体、脂溶性ビタミンの吸収促進剤としても機能します。
また、脂質は1グラムあたり9キロカロリーのエネルギーが含まれているため、炭水化物やタンパク質の約2倍のエネルギー密度を持ちます。
よく脂質を摂りすぎると太りやすいと言われる理由はこれです。
ビタミン
ビタミンは、補酵素として様々な代謝反応に関わっており、体内の化学反応を促進させる効果があるとされています。
また、ビタミンは合計13種類に分けることができ、それぞれ役割が異なります。
例えば、ビタミンAは視覚や免疫機能、ビタミンDはカルシウム代謝と骨の健康、ビタミンEは抗酸化作用、ビタミンKは血液凝固に影響するといった具合です。
そんなビタミンは、バランスの取れた食事から摂取できますが、全てのビタミンを適切な量に沿って摂取することは難しいので、サプリメントなどに頼って摂取することも視野に入れると良いでしょう。
ミネラル
ミネラルは、生体内で様々な生理機能を担う栄養素で、亜鉛もミネラルの1種です。
ビタミンと同様に数多くの種類に分けることができ、体内の電解質バランスの維持や酵素活性の調節、骨や歯の形成、筋肉と神経の機能など、幅広い役割を果たしています。
ミネラルは体内で合成できないため、食事から摂取する必要がありますが、ビタミンと同様に全てのミネラルを食事からバランスよく摂取することは難しいため、サプリメントなどの摂取も検討することをおすすめします。
タンパク質やビタミンなど、亜鉛以外の栄養素について興味がある方はこちらをご覧ください。
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まとめ
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ここまで、亜鉛の1日の摂取量について解説しました。
要点を以下にまとめます。
- 亜鉛の1日の推奨摂取量は年齢や性別にもよるが、一般的には3mg〜10mg程度とされている
- 亜鉛を摂取するメリットとして、免疫力が上がる、傷や病気の治りが早くなる、体の成長や発達に寄与する、生殖機能の正常な働きを促進する、肌や髪質が良くなる、味覚の正常な働きを促進する、神経細胞の刺激伝達に寄与するなどが挙げられる
- 亜鉛が多く含まれる食べ物は、牡蠣、牛肩ロース、カシューナッツ、アーモンド、牛もも肉などがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。