「マイコプラズマはどんな検査をするの?」
「マイコプラズマの検査の種類を知りたい」
マイコプラズマの検査を検討している方や、マイコプラズマのような症状が出て不安に思っている方の中には、
このように考えている方も多いのではないでしょうか。
マイコプラズマの感染は、ここ数年、新型コロナウイルス感染症の流行や感染対策などにより、あまり報告されていませんでした。
しかし、2024年の春ごろから増加傾向にあるといわれています。
マイコプラズマの感染は、一般的に空気が乾燥する秋から冬の時期に増加する傾向にあるとされていますが、2024年は春ごろからマイコプラズマ感染症の増加が続いているといわれています。
本記事では、マイコプラズマの検査方法について以下の点を中心に詳しく解説します。
- マイコプラズマの検査方法
- マイコプラズマ検査の費用と時間
- マイコプラズマの予防と感染対策
マイコプラズマの検査方法にご興味のある方はご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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マイコプラズマとは
※画像はイメージです
はじめに、マイコプラズマについてご紹介します。
マイコプラズマとは、マイコプラズマ・ニューモニエという病原体で、風邪などを引き起こす細菌の一種です。
マイコプラズマ感染症は一年を通じてみられる病気ですが、特に11月〜12月など空気が乾燥する秋から冬の時期に増加する傾向があります。
またマイコプラズマは、子どもや若い人がかかりやすく、そのまま肺炎の原因につながることもあります。
実際に感染者として報告される方のうち、約80%は14歳以下といわれています。
マイコプラズマの病原体は、体のさまざまな箇所に感染し、風邪、肺炎、気管支炎など多様な症状をもたらします。
マイコプラズマの原因
ここでは、マイコプラズマの原因についてご紹介します。
マイコプラズマ感染症は、マイコプラズマの病原体に感染することが原因で発症します。
感染力はそれほど強くなく、感染拡大の速度も速くありませんが、人から人にうつる感染症のため、家庭や保育園/幼稚園、学校、職場などの集団生活の場でうつる可能性が高いのが特徴です。
マイコプラズマ感染症の主な感染経路は、以下の2つです。
- 飛沫感染
- 接触感染
飛沫感染とは、感染した人の咳やくしゃみの際に飛び散った飛沫を吸い込むことで感染するパターンです。
一方、接触感染とは、感染した人と近距離で会話する場合や、密な接触が避けられない家族間などで感染するパターンです。
マイコプラズマの特徴
次に、マイコプラズマ感染症の特徴についてご紹介します。
マイコプラズマは、感染してから発症するまでの期間が2〜3週間程度といわれており、潜伏期間が長いのが特徴です。
風邪やインフルエンザは、潜伏期間が3日程度のため、比較するとかなり潜伏期間が長いことが分かります。
感染してから発症までに時間がかかるため、感染に気づかずに外出したり、日常生活を送ったりしてしまうと、
本人も知らないうちに感染を拡大させているケースが多くあります。
このようなケースが、感染拡大の原因となっています。
マイコプラズマの症状
ここでは、マイコプラズマの症状についてご紹介します。
マイコプラズマ感染症の代表的な症状は、以下のとおりです。
- 発熱
- 頭痛
- 全身倦怠感
- 乾いた咳
感染初期に、発熱や頭痛が発症し、全身のだるさが出てきます。
特徴的なのは咳で、他の初期症状が出てから3〜5日後に遅れて出ることが多いとわれています。
最初は、痰が絡まない乾いた咳から始まり、次第にひどく、激しい咳に変わります。
大人の場合、乾いた咳から始まり、最後のほうは痰が絡んだような湿った咳になることもあります。
咳は、解熱後も3〜4週間と長期にわたり続くのが特徴です。
マイコプラズマ感染症は、感染しても軽症ですむ場合がほとんどですが、一部の方は肺炎になり、重症化する場合もあります。
また、以下のような合併症などを引き起こすケースもあります。
- 中耳炎
- 発疹
- 蕁麻疹
- 髄膜炎
- 胸膜炎
- 心筋炎
中耳炎は風邪でも引き起こすことがありますが、咳が長く続く場合や熱がなかなか下がらない場合は、マイコプラズマ感染症の可能性が考えられます。
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マイコプラズマの検査方法
※画像はイメージです
では、マイコプラズマの感染が疑われる場合は、どのような検査をするのでしょうか。
ここでは、マイコプラズマの検査について、以下の4つについて詳しく解説します。
- 血液検査
- DNA検査
- 迅速検査
- 画像検査
マイコプラズマの症状や特徴に心当たりのある方は、ぜひ参考にしてみてください。
血液検査
まず1つ目は「血液検査」です。
血液検査は、体内にあるマイコプラズマの抗体を調べる方法です。
マイコプラズマに感染すると、体内でマイコプラズマの抗体がつくられるため、この抗体の数を調べるほか、
病原体を排除するために増える、白血球なども調べたうえで、診断します。
感染の初期段階では、陽性反応が出ることが少なく、初期(急性期)と後期(回復期)の2回にわたって検査するのが理想的とされています。
初期と後期の間の期間は、2週間程度です。
2回の検査結果を比較し、2週間後の結果のほうが抗体の値が上昇していれば陽性という判断になります。
2回にわたり採血することで、より正確な診断が可能ですが、症状が治ったあとに受診する方はあまりおらず、
1回の採血のみで診察を終えてしまう方が多いのが現状です。
DNA検査
2つ目は「DNA検査」です。
現在は、マイコプラズマの特徴的なDNAを直接検出する、LAMP法という遺伝子検査が、最も精度が高い検査方法とされています。
LAMP法は、咽頭の粘膜についているウイルスを綿棒でぬぐいとる方法で検査します。
マイコプラズマ感染症では、病原体が発症初期から気道粘膜に出現し、数週間にわたって菌を排出します。
このLAMP法では、発症初期から菌の検出が可能となり、ほかの検査では難しかった初期段階での診断ができるのが特徴です。
精度の高い検査方法ですが、検査結果が出るまでに数日かかるため、すぐに判定ができないのがデメリットです。
迅速検査
3つ目は「迅速検査」です。
プライムチェックというマイコプラズマ抗原を調べる検査で、LAMP法同様、咽頭の粘膜を綿棒でぬぐいとって行います。
専用キットで検査する方法で、15〜30分ほどで結果が出るので、その場で判定が可能です。
簡単に検査でき、その場で判定できるというメリットがありますが、上記のLAMP法と比べるとやや精度は劣ります。
そのため、その他の検査結果や症状も参考にしながら診断されるのが一般的です。
画像検査
4つ目は「画像検査」です。
マイコプラズマ感染症の一つの症状として、肺炎があるかどうかを調べるための検査で、胸部レントゲン検査やCT検査により行われます。
発症初期は、レントゲンに肺炎像が映らない場合があるため、咳がひどくなってから検査したほうが良いとされます。
マイコプラズマ肺炎の場合は、すりガラス陰影と呼ばれる薄い影が見られることがあります。
しかし、画像検査だけでは、マイコプラズマによるものかどうかの確定診断はできないため、
他の検査と組み合わせて診断されます。
マイコプラズマ肺炎の検査キットの入手方法
新型コロナウイルス感染症が流行した際、薬局やドラッグストアなどで、自宅用の検査キットを購入して、
自分で抗原検査をした方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
同様に、マイコプラズマ肺炎も自宅で手軽にできる検査キットなどがあるのかな?と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、マイコプラズマ肺炎の検査キットは市販されておらず、個人で入手できるものはありません。
インターネット上にある検査キットについての情報は、製薬会社などの製品情報にとどまっており、
多くは病院などの施設で使用されるものです。
そのため、マイコプラズマ感染症の症状が気になる場合や、マイコプラズマの感染が疑われる場合は、
病院で診察を受けることをおすすめします。
早めに受診をすることで、マイコプラズマ感染症の早期発見や早期の治療開始に繋がります。
以下の記事では、感染症の種類について詳しく紹介しています。
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マイコプラズマ検査の費用と時間
※画像はイメージです
ここでは、マイコプラズマ検査の費用と時間についてご紹介します。
前述のとおり、マイコプラズマ感染症の検査方法にはいくつか種類があります。
マイコプラズマ感染症の検査費用については、医師により検査が必要と判断された場合は、健康保険が適用されます。
信頼性の高いLAMP法や迅速検査も、2011年10月から保険適用となりました。
病院によって費用は変わりますが、3割負担の場合の検査費用は約500円〜2,000円程度です。
また、検査の時間については、その場で診断が可能なものと、そうでないものがあります。
その場で診断が可能なものは、画像検査と迅速検査です。
画像検査と迅速検査は、15〜30分程度で結果が出るため、当日中に判断が可能です。
血液検査とLAMP法は、結果が出るまでに3〜6日程度かかります。
検査結果が出る頃に、もう一度病院へ行くなどの必要が出てくるでしょう。
マイコプラズマ検査のタイミング
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ここでは、マイコプラズマ検査のタイミングについてご紹介します。
マイコプラズマ感染症のような症状が出たときに、いつ病院へ行けばよいのか迷う方もいらっしゃるかもしれません。
発熱や全身倦怠感などの初期症状が出始めた当日は、検査をしても細菌を検出できない可能性があります。
そのため、検査のタイミングは、症状が出始めた翌日以降に行うのがよいでしょう。
またマイコプラズマ感染症は、咳が長く続く特徴があるため、熱が下がっても咳が1週間以上続く場合は、
一度病院で検査することをおすすめします。
マイコプラズマの治療
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ここでは、マイコプラズマの治療法についてご紹介します。
マイコプラズマ感染症に有効とされるワクチンはなく、多くの場合は、抗菌薬で治療していきます。
治療しなくても自然に回復する場合もあるため、必ずしも抗菌薬による治療が必要というわけではありません。
成人の場合で、肺炎を伴わない気管支炎であれば、抗菌薬による治療を行わないことが推奨されています。
また、治療の間は、解熱剤や咳止め、点滴などの対症療法も併せて行われます。
軽症で済む人が多いマイコプラズマ感染症ですが、重症化して肺炎を起こした場合は、症状に合わせて入院が必要な場合もあります。
マイコプラズマの予防と感染対策
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ここでは、マイコプラズマの予防と感染対策について、以下の3つをご紹介します。
- 手洗い・うがい
- マスクの着用
- 衛生対策
マイコプラズマには、特別な予防法はありません。
風邪やインフルエンザと同様に、日常的に感染対策を意識することが大切です。
手洗い・うがい
感染対策の1つ目は「手洗い・うがい」です。
感染対策の基本ですが、マイコプラズマ感染症が流行する時期は、特にこまめな手洗い・うがいを意識して行いましょう。
また、マイコプラズマは熱やアルコールに弱く、アルコール消毒剤で手指を消毒するのも有効的です。
マスクの着用
2つ目は「マスクの着用」です。
咳の症状がある場合は、マスクを着用し咳エチケットに配慮しましょう。
また、飛沫感染を防ぐため、感染者だけでなく、看病にあたる人もマスクを着用することをおすすめします。
子どもが感染してしまい、適切にマスクが着用できない場合は、大人がマスクを着用するなどして、感染予防に努めましょう。
衛生対策
3つ目は「衛生対策」です。
家族のなかで感染者が出た場合は、タオルや食器の共有は避けましょう。
手を拭くタオルなどはペーパーナプキンに変更し、ドアノブや蛇口、手すりなど手に触れる機会が多い場所は、アルコール消毒などで消毒が有効とされます。
意外に忘れがちなのが、電気のスイッチ部分です。
家族全員が触る場所のため、こまめにアルコール消毒するとよいでしょう。
感染症の予防方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
感染症予防について感染症は、私たちの日常生活や社会活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。その影響を最小限に抑えるためには、感染症の予防が不可欠です。しかし、具体的にどのような予防方法があるのか分からない場合は対応が難しいです[…]
マイコプラズマ感染症かなと思ったら!
※画像はイメージです
マイコプラズマ感染症は、風邪と似たような症状が多く、感染しても軽症ですむ場合がほとんどで、自然に回復する場合もあります。
しかし、場合によっては重症化し、肺炎を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
マイコプラズマ感染症かなと思ったら、早めの受診をおすすめします。
受診の場合は、小児科、内科、呼吸器科を受診しましょう。
また、咳がつらいことが多いので、できるだけ無理をせず安静に過ごすことも大切です。
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マイコプラズマの検査方法まとめ
ここまでマイコプラズマの検査方法についてご紹介してきました。
要点を以下にまとめます。
- マイコプラズマの検査方法には、血液検査、DNA検査、迅速検査、画像検査があり、複数の検査を組み合わせて診断する
- マイコプラズマ検査の費用は保険適用で約500〜2,000円であり、迅速検査と画像検査は15〜30分で結果が出るが、血液検査やLAMP法は3〜6日程度かかる
- マイコプラズマの予防と感染対策には、手洗い・うがいやアルコール消毒、マスクの着用、タオルや食器の共有を避けることが重要
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。