「関節リウマチってどんな病気?」
「関節リウマチの初期症状はどんな症状なの?」
関節に痛みや違和感がある人の中には、関節リウマチを疑う人もいるのではないでしょうか。
関節リウマチは、関節に痛みや腫れなどが生じる自己免疫疾患です。
本記事では、関節リウマチについて以下の点を中心に解説します。
- 関節リウマチの症状や治療法
- 関節リウマチを疑うときの受診の目安
- 発症後の注意点と予防策
関節リウマチの詳細や発症後の対応などについてご興味のある方はご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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関節リウマチの詳細
まず、関節リウマチの詳細について、以下の4つのテーマに分けてご紹介します。
- 初期症状と主な症状
- 発症の原因
- 検査方法
- 治療法
①初期症状と主な症状
関節リウマチの詳細の1つ目は「初期症状と主な症状」です。
関節リウマチとは、免疫異常によって関節に炎症が生じ、痛みや腫れなどの症状があらわれる病気です。
関節リウマチの初期症状には、以下の症状があります。
- 朝起きた後の手のこわばり
- 手の指/手首/ひざの痛みや腫れ
- 微熱が続く
- だるさや疲れがやすさが残る
- 食欲がない
- 体重が減少する
- 貧血気味
また、関節リウマチの進行度は4段階のステージに分けられ、症状が進行すると、関節の炎症が全身に
広がったり、関節が変形したりして日常生活に支障をきたす可能性があります。
末期の場合では、関節が動かなくなり、寝たきりの状態になることもあるため、早期の治療が大切です。
②発症の原因
2つ目は「発症の原因」です。
関節リウマチの発症の原因は、いまだにわかっていない部分があるものの、以下の要因が影響していると考えられています。
- 遺伝
- 喫煙
- 過労
- ストレス
- ウイルスや細菌の感染
発症には体質的な要因や環境要因などがあり、明確な原因を探ることは難しいのが現状です。
関節リウマチの発症を抑えるためには、生活習慣の見直しや感染症予防など、日頃の対策が必要です。
③検査方法
3つ目は「検査方法」です。
関節リウマチの検査には、以下の6つの検査方法があります。
- 血液検査
- 尿検査
- X線検査
- 超音波検査
- MRI
- 関節液検査
関節リウマチの確定診断は、血液検査やX線などの複数の方法を用いて行います。
また、関節リウマチは進行の早い病気ですが、検査結果が出るまでには1週間~10日ほど時間を要するため、
医療機関への受診を先延ばしにすると、症状の悪化を招く恐れがあります。
④治療法
4つ目は「治療法」です。
関節リウマチは、完治が難しい病気のため、痛みなどの症状が改善する寛解状態を目指して治療します。
関節リウマチの治療には、以下の4つの方法があります。
- 薬物療法
- 手術療法
- 基礎療法
- リハビリテーション
治療は主に、抗リウマチ薬による薬物療法と基礎療法と呼ばれるセルフケアの2つを用いて行いますが、
病気の進行度や症状によっては、手術療法やリハビリテーションを組み合わせることもあります。
専門家の指導のもと早期に適切な治療をすることで、発症から2年以内に寛解状態までの症状改善が期待できるため、疑わしい症状がある人は早めに専門機関を受診しましょう。
更年期とリウマチの関節痛の違いについてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
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関節リウマチを疑うときの受診の目安
次に、関節リウマチを疑うときの受診の目安をご紹介します。
関節リウマチの患者は、初診時に関節痛や手足の動きの悪さを訴えるケースが多いです。
そのため、以下の症状がある人は、医療機関を受診すると良いでしょう。
- 朝起きたら手や関節がこわばっている
- 手/ひざ/足が痛い
- 歩くと関節が痛む
- 関節が腫れあがっている
- 物が持ちにくい、服のボタンが外しにくいなど動作に違和感がある
関節リウマチは、朝に症状が出やすいため、身支度や朝食時の動作で初期症状に気づきやすいとされています。
また、関節の腫れや痛みなどの症状が1ヶ月以上続く場合は、関節リウマチの可能性が高いため、
早めに医療機関を受診してください。
関節リウマチを発症しやすい人の特徴
ここでは、関節リウマチを発症しやすい人の特徴をご紹介します。
関節リウマチを発症しやすい人には、次のような特徴があるといわれています。
- 家族に関節リウマチの患者がいる
- 30代~50代の女性
- 喫煙者
関節リウマチは、遺伝的要因が関係しているため、家族にリウマチ患者がいる人は、
家族にリウマチ患者がいない人と比べて、約3.6倍の確率で発症しやすくなります。
また、発症は30代~50代がピークとなり、男性よりも女性の方が、発症率が高いことや喫煙によって
発症のリスクが高まることも報告されています。
喫煙していなくても、たばこの煙や臭いを吸い込む受動喫煙でも発症のリスクが高まるので注意が必要です。
下記では、関節痛の原因と対策についても解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
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関節リウマチ発症後の注意点
次に関節リウマチ発症後の注意点を9つご紹介します。
- 激しい運動は避ける
- 関節を冷やさない
- 首への負担を避ける
- 体重や食事管理を行う
- 重い荷物は持たない
- 関節に負担がかかる姿勢を避ける
- ストレス管理を行う
- 喫煙は避ける
- サイズが合わない靴は履かない
①激しい運動は避ける
関節リウマチ発症後の注意点の1つ目は「激しい運動は避けること」です。
炎症が起きているときに激しい運動をすると、関節に負担がかかり、症状の悪化を招く恐れがあります。
特に、関節に強い衝撃を受けやすい以下の動作は、症状が改善するまでは控えた方が良いです。
- ジョギング
- ダンベルなどを用いた筋力トレーニング
- 階段の上り下り
- エアロビクス
適度な運動は骨を強くし、関節リウマチの発症予防になりますが、過度な運動は関節に負荷がかかるため、
かえって逆効果です。
運動方法については、医師の指導を仰ぎましょう。
②関節を冷やさない
2つ目は「関節を冷やさないこと」です。
関節リウマチは、冷えによって痛みが増し、関節の動きも悪くなります。
そのため、炎症が強くないときは、関節や身体を温めて血流を良くすることで、痛みが軽減する可能性があります。
ただし、関節に腫れや熱があるときに温めてしまうと、症状が強くなるなど逆効果となってしまいます。
炎症が強く出ているときは、患部を冷やすことで痛みや腫れなどの症状が緩和するため、
症状に合った適切な処置が必要です。
③首への負担を避ける
3つ目は「首への負担を避けること」です。
関節リウマチの進行によって、首の骨に炎症があらわれることがあります。
炎症がある状態で首に負担をかけてしまうと、首の骨が脱臼し、痺れや麻痺などの症状が出て日常生活が困難になる恐れがあります。
首に負担をかけないためにも、以下の3つは避けるようにしましょう。
- 首を回す運動
- ベッドから急に立ち上がる
- 高い枕は使わない
④体重や食事管理を行う
4つ目は「体重や食事管理を行うこと」です。
肥満だと関節に負担がかかってしまうため、痛みなどの症状を悪化させる可能性があります。
また、肥満の原因にもなる砂糖の過剰摂取は、関節リウマチの症状を促進することが報告されているため注意が必要です。
関節リウマチの患者は、カロリーの高い食べ物や糖類の摂取は控え、栄養のある食事と体重管理を心がけましょう。
関節リウマチの食餌療法で摂取が推奨されている栄養素は、以下の通りです。
- オメガ3不飽和脂肪酸(青魚に含まれる)
- カルシウムとビタミンD(乳製品に含まれる)
- 葉酸(ほうれん草やブロッコリーなどに含まれる)
- ビタミンC、E(緑黄色野菜などに含まれる)
⑤重い荷物は持たない
5つ目は「重い荷物は持たないこと」です。
重い荷物は関節に負担がかかるため、症状の悪化を招きます。
治療の効果が実感できるまでは、重い荷物を運ぶような重労働や日常の動作は避けるべきでしょう。
また、荷物を運ぶ必要があるときは、以下の3つを心がけ、関節の負担を緩和させることが大切です。
- キャスター付きのワゴンなどを使って運ぶ
- 周りの人に協力を仰ぐ
- 移動時間を短くする
⑥関節に負担がかかる姿勢を避ける
6つ目は「関節に負担がかかる姿勢を避けること」です。
関節に負担がかかる姿勢は日常の中で多々あるため、無意識のうちにやってしまい、
症状の改善を遅らせている可能性があります。
関節に負担がかかる姿勢には、以下のようなものがあります。
- 正座やあぐら
- うつむき状態
- 長時間立った状態
早期に症状を改善させるためにも、関節に負担がかかる姿勢は避けるようにしましょう。
⑦ストレス管理を行う
7つ目は「ストレス管理を行うこと」です。
ストレスは関節リウマチの症状を悪化させるだけでなく、うつ病などの病気を誘発させる可能性があります。
研究によると、関節リウマチの患者の中で、うつ病を併発した人が14%~48%いたことがわかっており、
関節リウマチの炎症が脳に悪影響を及ぼすことが原因とされています。
症状の悪化やうつ病の発症リスクを抑えるためにも、日頃のストレス管理が大切です。
⑧喫煙は避ける
8つ目は「喫煙を避けること」です。
先ほどもお伝えした通り、関節リウマチの発症の原因には喫煙が関係していると考えられています。
また、関節リウマチの治療薬である抗リウマチ薬は、たばこによって毒性が強くなるため、
肺炎や感染症などのリスクが高まります。
関節リウマチの患者は、禁煙し、治療に専念しましょう。
禁煙を試みても困難な場合は、禁煙外来のある医療機関への受診がおすすめです。
禁煙外来では、医師が禁煙をサポートし、条件によっては保険適用も可能です。
⑨サイズが合わない靴は履かない
9つ目は「サイズが合わない靴は履かないこと」です。
サイズの合わない靴やヒールは、足の形が変形するなど、
関節リウマチの症状を進行させてしまう恐れがあります。
足の変形などで靴が合わないときは、医師の診断のもとインソールや専用の靴を作成することが可能です。
また、医師の診断があれば保険適用ができるので、靴などの作成費用の一部は医療保険でカバーできます。
靴が合わないなどでお困りのときは、医師に相談しましょう。
関節リウマチの予防策
最後に、関節リウマチの予防策を3つご紹介します。
- 十分な睡眠を心がける
- 栄養のある食事をとる
- 口腔ケアを行う
①十分な睡眠を心がける
関節リウマチの予防策の1つ目は「十分な睡眠を心がけること」です。
疲労状態が続くと、関節リウマチの症状の悪化につながるため、疲労を残さないよう十分な休息が必要です。
十分な睡眠の目安は7時間程度ですが、まとまった時間での睡眠が困難な場合は、
積極的に昼寝を取り入れ、睡眠時間を補うようにしましょう。
また、関節の痛みが強くて寝られないときは、自分の体に合う寝具に変更することや、
患部を冷やす、温めるなどの処置が必要ですが、これらの対処法でも寝付けない場合は、
医師に相談して鎮痛剤を処方してもらうことも出来ます。
②栄養のある食事をとる
2つ目は「栄養のある食事をとること」です。
先ほどもお伝えした通り、関節リウマチの食餌療法には、ビタミンやカルシウムなどの栄養素の摂取が推奨
されています。
そのため、普段から栄養のある食事をとることで、症状の緩和や、発症予防が期待できます。
一方で、関節リウマチの症状を引き起こす食べ物もあるので注意が必要です。
関節リウマチの患者が避けるべき食べ物には、以下が挙げられます。
- 上白糖などの精製糖
- コーヒーなどのカフェイン
- ハムやベーコンなどの加工食品
- スナック菓子などの酸化した油分
予防のためにも、加工されていない生野菜などの食べ物を中心とした食生活を心がけましょう。
③口腔ケアを行う
3つ目は「口腔ケアを行うこと」です。
関節リウマチと歯周病には相互関係があるとされており、歯周病菌の一種である
ポルフィロモナス・ジンジバリス菌が、関節リウマチを引き起こす抗CCP抗体を生み出すことがわかっています。
口内のポルフィロモナス・ジンジバリス菌を減らすには、以下の口腔ケアが効果的とされます。
- 丁寧に歯磨きする
- フロスや歯間ブラシを使う
- 舌ブラシなどで舌苔を除去する
歯周病予防は関節リウマチの予防にもつながるため、日頃から口内を清潔に保ちましょう。
健康的な食事についてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
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関節リウマチ まとめ
ここまで関節リウマチについてご紹介してきました。
要点を以下にまとめます。
- 関節リウマチは、関節に痛みや腫れが生じる病気で、薬物療法/手術療法/基礎療法/リハビリテーションを組み合わせて治療する
- 受診の目安は、関節痛や手足の動きの悪さで判断し、症状が1ヶ月以上続く場合は、
早期に医療機関の受診が必要 - 関節リウマチの発症後の注意点と予防策には、関節に負担をかけないことや生活習慣の見直しが大切
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。