「眠ろうとしてもすぐに寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」といった経験がある方は多いのではないでしょうか。
日本人の5人に1人が不眠症である現代では、一般的かつ深刻な問題だと捉えられています。
不眠の原因は様々ですが、自律神経失調症によって引き起こされている可能性があります。
そこで今回は以下について解説していきます。
- 自律神経失調症が引き起こす不眠
- 自律神経失調症による不眠の治し方
ぜひ最後までお読みください。
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自律神経とは、内臓や代謝、体温といった体の機能を24時間体制でコントロールする神経のことです。心と体を活発にする交感神経と、休ませる副交感神経がバランスを取りながら、私たちの体を支えています。自律神経が不調をきたしたり乱れたりす[…]
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自律神経失調症とは
自律神経失調症とは、自律神経のバランスが崩れることで心身に起きる様々な不調の総称です。
自律神経は日中や活動時に優位になる交感神経と、夜間や睡眠時に優位になる副交感神経によって構成されています。
そして、双方がバランスを取りながら働くことで心身の健康を保っています。
しかし、ストレスや不規則な生活が原因で自律神経のバランスが乱れてしまいます。
その結果、頭痛やめまいなどの様々な症状が現れます。
自律神経失調症の原因や現れる症状は人によって様々ですが、いずれにしても快適な日々を送ることが難しくなってしまうのです。
自律神経失調症について詳しく知りたい方は下記の記事も合わせてお読みください。
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不眠の症状は何がある?
一口に不眠といっても症状はさまざまです。
代表的な不眠の症状をご紹介します。
入眠障害
寝つきが悪いタイプの不眠症です。
横になっても30分〜1時間以上眠れない場合は、入眠障害が疑われます。
不眠症の中でも、最も数が多いのが入眠障害です。
熟眠障害
眠りが浅いタイプです。
睡眠時間は十分に確保できているのが特徴です。
熟眠障害が起こると、よく寝たはずなのに、なんとなく寝た気がしません。
結果、朝になっても疲れが残っていることがしばしばです。
早期覚醒
起床時間よりかなり早めに目が覚めるタイプの不眠症です。
たとえば7時起床の予定が、朝5時ごろ目が覚めてしまう方が早期覚醒に該当します。
早期覚醒は、一度目が覚めると再び寝つけないのが特徴です。
高齢者のほか、うつ病の方にもしばしばみられます。
中途覚醒
眠りが浅く目が覚めやすいタイプです。
具体的には、寝ついても、夜中に何度も目を覚ます方があてはまります。
熟眠障害は、早期覚醒と同様に高齢者に目立ちます。
理由として、老化によって睡眠にメリハリがつきにくくなることが挙げられます。
中途覚醒は、夜間頻尿などが原因で発症することもしばしばです。
「何となく疲れやすく体調が悪い。」「イライラしたり、気持ちが落ち込んだりする。」気になって病院で検査しても異常がないと言われる。それはもしかすると、自律神経失調症かもしれません。ストレス社会では、自律神経失調[…]
不眠の原因は自律神経失調症かも
眠れない、何度も目が覚めるといった不眠の症状が現れた場合、自律神経が乱れている可能性があります。
自律神経には活動時に優位になる交感神経と睡眠時に優位になる副交感神経があり、バランスを取りながら働いているとお伝えしました。
しかし、自律神経が乱れると睡眠時に交感神経が優位になってしまい、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールは副腎皮質という組織から多く分泌され、血糖を上げたり身体の炎症やアレルギー反応を抑制したりする働きがあります。
コルチゾールが分泌されると交感神経が刺激されて脈拍や血圧が上昇するため、脳と体を覚醒状態に導きます。
朝はコルチゾールの分泌量が特に多く、夜になると減少することで身体のリズムを整えています。
しかし、自律神経が乱れると睡眠時にも多くのコルチゾールが分泌されてしまい、不眠を引き起こすのです。
また、自律神経の乱れは不眠の他に、便秘や頻尿、肩こり、気分の落ち込み、目や口の渇き、耳鳴りなどの様々な症状を引き起こします。
不眠に加えて上記の症状がみられた場合は、自律神経失調症の可能性が高いです。
自律神経失調症による不眠の治し方
十分に疲れが取れず日中に倦怠感が現れたり、集中力が低下したりするなど、不眠は日常生活に様々な支障をきたします。
では、不眠を治すためにはどうしたら良いのでしょうか。
ここからは、自律神経失調症による不眠の治し方をご紹介します。
不眠に効果のある漢方薬を使う
不眠に睡眠薬を使用するイメージを持っている方が多いかもしれませんが、漢方も効果を期待できます。
漢方は独特な味やにおいがあるため、人によっては飲みにくいと感じる場合があります。
一方で、副作用や依存症のリスクが低いというメリットが挙げられます。
不眠に効果的な漢方は以下の通りです。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
不眠、不安、イライラ、緊張などの精神症状に効果的です。
特に喉の異物感や圧迫感がある場合によく使用されます。
抑肝散(よくかんさん)
イライラや不眠に効果的です。
興奮やイライラ状態を抑え、気分を落ち着かせる作用があります。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
自律神経失調症による不眠や不安などに効果的です。
月経や妊娠、出産など女性ホルモンのバランスの乱れに伴う不安やイライラ、肩こり、冷えなどにもよく使用されます。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
神経質で思い悩んでしまう方におすすめの漢方です。
不眠、動悸、便秘、神経症などに効果があります。
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
不眠症に使用される代表的な漢方です。
気持ちを落ち着かせ、自然な眠りへと導きます。
体力の低下により心身共に疲れていて眠れない方や、自律神経失調症による不眠によく使用されます。
漢方薬について興味がある方は下記の記事も合わせてお読みください。
生活習慣の改善
生活習慣の改善は自律神経の乱れを整え、不眠を解消する効果が期待できます。
中でも食事と睡眠は不眠を治すために欠かせないものです。
食生活
忙しい、時間がない、などの理由からコンビニ弁当やジャンクフードなどの食事で済ませたり、朝食を抜いたりする場合があります。
しかし、コンビニ弁当などに含まれる食品添加物は身体にストレスを与え、自律神経を乱すリスクがあります。
そのため、毎日食べることは極力控え、野菜や肉、果物などをバランス良く摂ることが大切です。
また、朝食をしっかり摂ることは身体を目覚めさせ、体内時計のリズムを調える効果があります。
その結果、良い睡眠に繋がります。
就寝前の習慣
就寝前にスマホやパソコンなどの電子機器を触らないようにするのも不眠を治すために欠かせないことです。
スマホやパソコンの画面から出るブルーライトは脳を覚醒させ、眠気が生じにくくなったり寝つきが悪くなったりします。
そのため、就寝前にスマホやパソコンを触らないようにしましょう。
また、週末の夜更かしや昼寝のしすぎは体内時計を乱してしまうため、毎日同じ時間に起床・就寝することが大切です。
どうしても日中に眠気が生じた場合は、30分以内の仮眠をとることをおすすめします。
その他にも、起床後すぐに太陽の光を浴びることは体内時計の調節に繋がります。
朝に太陽の光を浴びると身体が起床時間を覚えるため、就寝時間が早くなり朝も早く起床できます。
自律神経を整える呼吸法
自律神経を整えるのに効果的な呼吸法は腹式呼吸です。
腹式呼吸は副交感神経を刺激し、身体をリラックス状態へと導く効果があります。
一方で、交感神経が優位になる日中に行うと活動モードと回復モードのリズムが崩れ、自律神経が乱れる可能性があります。
そのため、腹式呼吸を行うタイミングとしては就寝前がベストです。
腹式呼吸のやり方は以下の通りです。
- 背筋を伸ばし、鼻からゆっくり息を吸い込みます
- 肩の力を抜き、空気を全て出すイメージでお腹がへこむまで吐き切ります
- 10~20回ほど繰り返します
適度な運動をする
適度な運動を行うことも自律神経を整える効果があります。
一方で、就寝2〜3時間前の運動や激しい運動は覚醒状態に陥ってしまうため、かえって寝つきが悪くなるリスクがあります。
そのため、就寝4時間前までに軽く汗が出る程度の運動を行うのが効果的です。
中でも、ウォーキングや水泳、ヨガなどの有酸素運動をおすすめします。
運動は継続することが大切なので、自分が続けやすいものを取り入れると良いです。
その他
その他の治し方として効果的なのは、ストレスを発散することです。
強いストレスがかかり続けると交感神経が過剰に働き、結果的に自律神経に乱れが生じます。
そのため、音楽や映画鑑賞、旅行、買い物などのストレス発散方法を見つけ、定期的に気分転換を行いましょう。
また、眠りに入りやすくするためには就寝前に副交感神経を活発にすることが大切です。
入浴や読書、ストレッチなどは心身をリラックス状態へと導きます。
中でも半身浴は副交感神経を優位にして、睡眠の質をアップさせるため、おすすめです。
アロマ機能付き布団乾燥機「FLEURISTE-フルリスト-」
良質な睡眠をとるためには、そのための環境を整える必要があります。
良質な睡眠環境を構築するためには、アロマがおすすめです。
こちらの記事では、アロマと自律神経の関係について解説しているので、気になる方は併せてお読みください。
またここで紹介する「FLEURISTE-フルリスト-」という商品は、アロマ機能がついた布団乾燥機です。
内装されたアロマカートリッジにより、香りのついた風を送りながら布団を乾燥させることができます。
不眠の他の原因と治し方
自律神経失調症の他に、不眠を引き起こす原因があります。
ここからは、不眠の他の原因と治し方をご紹介します。
身体的原因
身体的原因とは、病気や症状などによって起こる不眠です。
たとえば、痛みを伴う骨折や関節リウマチ、痒みを伴う蕁麻疹、風邪や腹痛などです。
身体的原因によって不眠が生じている場合は、病気や症状を治療することで改善する可能性があります。
精神医学的原因
精神医学的原因として挙げられるのはうつ病です。
不安や緊張、イライラなどの症状によって眠れなくなるケースがあります。
うつ病を発症している方のほとんどに不眠の症状が現れます。
精神医学的原因による不眠の治し方は、心療内科や精神科などの専門機関を受診して適切な治療を受けることです。
生理学的原因
生理学的原因とは環境が影響して起こる不眠を指します。
たとえば、海外旅行や出張による時差ボケ、勤務シフトによる昼夜逆転、工事の音、部屋の明るさや暑さなどです。
生理学的原因による不眠の場合、光や温度を調節するなど眠りやすい住宅環境にすると改善する可能性があります。
また、音楽や読書などでリラックスする時間を作るのも効果を期待できます。
不眠と自律神経失調症のまとめ
今回は、不眠と自律神経失調症についてご紹介しました。
要点は以下の通りです。
- 自律神経が乱れるとストレスホルモンであるコルチゾールが睡眠時にも多く分泌され、不眠を引き起こす
- 生活習慣を改善したり、不眠に効果のある漢方や呼吸法を用いたりすることが不眠の改善に繋がる
これらの情報が皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。