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健達ねっと>専門家から学ぶ>達人インタビュー>【動画あり】【国際災害レスキューナース  辻直美①】自分が助かる防災から人を守る防災へ

【動画あり】【国際災害レスキューナース  辻直美①】自分が助かる防災から人を守る防災へ

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辻先生から学ぶ自宅の防災対策

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防災教育をはじめたきっかけ

おかげさまで、27年間看護師をやっていますが、被災地に関しては全国で29箇所、海外では2箇所、行っております。
災害が起きたら72時間以内に現地に入って支援活動をしています。

長年災害支援のプロを養成する仕事をしていましたが、働いている中で思ったのは、いくら私たちプロがナースとしてスキルを上げてもなかなか被災者を助けられない。
なんでかなって思ったときに、やはり皆さん自分で自分のことを助けるというスキルを持ってないからだなと思いました。

それで相談したんです。「こういう災害教育とか防災教育はやらないんですか?」と。
そしたら、「レスキューナースはそれ仕事ちゃう」と、私たちは助けに行くことが仕事であって、防災教育は別だと言われました。

しかし、被災地に行くたびに「最初からやっておけば良かった、もっと勉強しておけば良かった」という声を聞きました。
だから、自分で会社を立ち上げてコツコツ、防災教育、防災講演会をしておりました。

今はメディアに出演したり、書籍を出させていただいたり、講演をしたり、あとは企業のコンサルとかもさせていただいていて、いろんな所で防災教育を発信させていただいております。

自宅は対策していますか?

今日は皆さん防災に興味があるから来てくださってると思いますが、自宅は対策されてますか?
やらなきゃいけないとは思っていても、子育てが忙しい、おうちのこといつも大変、お金もない、わざわざできない。皆さんおっしゃいます。
しかし、対策しないとやはり助からないんです。

今日は被災の実際をお写真でお見せしたいと思います。
何年か前にありました、阪北部地震では、被災しております。

震源地から3キロしか離れてないマンションに住んでおりました。
15階建ての12階に住んでいて、防災対策はばっちりしているマンションに住んでいます。
今日はそのときのお写真を持ってまいりました。

なぜこんな写真を持っているかと言いますと、お隣はご高齢のご夫婦なのですが、挨拶をして段々仲良くなって、その時に「被災した時になんかあったら助けてね」って言われていたんです。

実際、その日も私は名古屋に講演会に行く予定で、家で準備をしておりました。
そんな時にぐらっと揺れて、グチャグチャガシャガシャといろんな所で音がしました。
私は出動要請がかかるだろうと思ったので、家の中と外の確認をしておりました。
そしたら、お隣から「辻さん、助けて!」って声が聞こえたんです。
「どないしたん!?」って言ったら、「ばあさんが埋まってる」って言われたんです。
「埋まってる?どうしたん?」って「テレビボードが倒れてきて本棚が倒れてきてそこに埋まってる、だけど何もできへん、助けてほしい」「わかった、助けるわ。じゃあ玄関から回るね」「玄関まで行かれへん」て言われました。

皆さんイメージつきますか?

リビングの、いろんなものが全部倒れてしまって、リビングから玄関まで行けない状況だったんです。
とりあえず玄関の方から回って、窓ガラスちょっと割らせてもらって中に入りました。
せっかくだから写真撮らしてもらおうと思って。
「すいません、私こういう仕事してるんですいませんけど写真撮ってもいいですか?」って「いいですよ」っておっしゃったので講演会でつかわせてもらう写真として撮りました。

お隣の寝室

左がお隣の寝室です。
この窓ガラスの向こうが共用廊下になっておりまして、私の家はこれと真逆になっております。

こんな場所で寝てたらどうですか。
いろんなものが倒れて落ちてきてます。

右の写真が私の部屋です。
汚いですけども何も落ちてはいません。
起きてすぐの状態でした。

左がご夫婦のリビングです。
こちらのご夫婦、他から引っ越して来られたので、荷物はかなり減らしてきてらっしゃいます。
ということは、皆さんのお家はこの10倍ぐらいの荷物が落ちるってことなんです。

この手前側にテレビボードがあり、そこにおばあちゃんが埋まってました。
大腿骨骨折してましたが、当然救急車なんてすぐ来てくれないのは分かってたので、新聞と傘とサランラップを使ってギプスを作り、応急処置をしました。
そして、救急車連絡してから私はすぐレスキューの方に入りました。

一方で、右の写真が初災して1時間後の私のリビングです。
何も触ってない状態です。キャットタワーも倒れていません。
何かをしているからこの状態なんです。この手前に書斎みたいなのがあります。

お隣の部屋の書斎は左です。
これ片づけないといけないんですよ、皆さん。
大掃除と違って被災すると全部の部屋がこうなります。

大掃除なら何かを別の所に除けることができるんですが、地震が起きたり災害が起きると、これが全部なんで、避ける場所もなくなって片づけられなくなっちゃうんです。

私の部屋は右です。
本が前に出てきてますし、パソコンも前に出てきてますけれども、何も落ちては来ませんでした。
対策をしてるからなんです。

最も如実だったのが、キッチンです。
お隣はコーヒーとお酒とみりんと醤油がこぼれてグチャグチャになってました。

我が家を見てください。
ごみ箱は移動してます。
倒れているのは、シンクの上に乗せてたゆず茶とエナジードリンクと、とんこつスープの素とペットボトルの4本、これだけです。
ということは、この4本を起こせば復旧終了なんです。

お隣さんはこの状態で片づけられませんでした。
なので1ヶ月半近く、近くの親戚のお家に避難されてました。

そうなると、お醤油・お酒・みりん・コーヒーが床で腐ってました。
復旧に70万近くお金もかかって、時間もかかってました。

一体、何をどう備えていたのか?

私の家は何が違うかというと、備えていたわけです。
でも、この備えは皆さん、モノだけ購入してないですか。
ついついモノを買って安心しがちですけど、使わないと意味がありません。

私は何をしていたのかというと、知識と経験を実践、備蓄したものを実践してきました。
基礎的なことを知っとかないと人、プロとして人のことは護れません。

これは全部百均で売っています。

こういうものを使って備えておくことで、元の生活に戻りやすくなるわけです。

私の部屋にたくさんのメディアが取材に来ますが、第一声必ず言われることがあります。
「先生の家、意外とかわいいね」って言われるんです。
どういうことでしょうか?なんか皆さん、基地みたいなのを想像しているみたいです。
鉄とかメタルとか。可愛げのない家だと思ってる方が多いんですね。

生活に潤いは必要じゃないですか?

ついつい皆さん、”防災”って聞くと、モノを飾っちゃいけない、潤いがない、と思うからやりたくないって気持ちもあると思います。

だけど、”インテリア”と”防災”は共存できるので、ご自分の飾りたいものが落ちてこないようにすればいいわけです。

そういうテクニック、知識を深め、実践していけば皆さんの生活も潤う、そして、いざという時に命が助かるんです。

本の下には滑り止めシートを適当に切って置いてるだけです。

たぶん皆さん私の性格もうお分かりになってると思いますが、ずぼらです。
ずぼらです。そんなきっちりきっちりできません。
測って切るとか苦手です。
適当に切って適当に置いてるだけです。

これだったら、お子さんにね、お手伝いしてもらって「ちょっと切っといて」て切ってもらったのを置くだけで大丈夫です。
そんなところから始めると、昨日のおうちよりも今日のおうちは助かります。

健達ねっとECサイト

今までの防災では大事な人は護れない

自分が助かるための防災話は今までたくさんあったと思います。
私もいろんなところで防災教育の話をしてきましたが、やはり最初は自分が助かる。
自分のための防災、こんな話を3年間近くやってきました。

でも、私は思うんです。
今までの防災では大事な人を守れないんじゃないか。
自分のことだけでは全然助けられない。

薬の使い方

災害は被災してからが長い道のり

被災っていうのはすごい長い道のりであり、立場が違うと大事なものも全部違うわけです。
そこにフォーカスした本を書きたいなと思ったところ、今回の本を作ることができました。

防災には、3つのタームがあります。
1つ目にあるのが、災害が起きるまでの「備えの時期」です。
この時期、どうしても皆さん、”防災グッズを買います”、″防災グッズを買って置いてます″と言われます。
だけど、それ開いたことありますか?

実は自分の使い勝手に合わないものだったり、気が付いたら賞味期限が切れていたりします。
1番多いのは、久しぶりに防災リュックを開けると、サイズがあわないTシャツとか、お子さんが大きくなっていて使わないオムツが入っていたみたいなこともあります。

必要な時にちゃんと見直しをしておかないと、使い勝手の悪い防災リュックを延々と置いてる可能性もあるわけです。

この備えの時期には買うだけじゃなくて使ってみる。
そして使ってみて、自分の使い勝手の良いものを探しておく。
そうすることによって実は、日常生活がすごく豊かになってきます。
災害の対策というのは、わざわざではなく、日常の生活にもっと組み込んでください。

普段の生活の延長にある防災

いま、”フェーズ・フリー”という分け目を付けない。
いつもおうちで使っているものをそのまま防災の時にも使いましょという考え方が広まってきています。
私も災害用の食品と備蓄はほとんど買っていなくて、普段自分が食べてる好きなものをちょっと多めに買ってます。

私が1番備蓄しているのは、塩ラーメンです。
味がシンプルなのでアレンジが効きやすい。
そして、ラーメンをラーメンとして食べません。
今回の書籍にも書いてるんですけど、ラーメンをカルボナーラにしてみました。

それもスナック菓子をつかって味付けをしました。
家のなかで転がってるものを使って全然違う料理を作る。
これももしかしたら子供が留守番してるときに、出来る料理かもしれない。
今日はしんどいからね、もう手抜きにしよって時に食べれる料理かもしれません。

そう考えると、じつは”防災飯”というのは”時短料理”であって、育児中に使ってほしいし、単身赴任の旦那様にもぜひやってもらいたい。
そんな風に思って今回メニューもたくさん書いていますので、ぜひ読んでみてください。

発災してから72時間は飲み食いをしなくても生きていけるデッドラインの時間帯です。
ここで、豊かな避難生活をするためには、皆さんが買ってきたものをしっかり使うときなんです。

その時に元気がなかったら片づけできないですよね?
最低限・質素・我慢。そういうのじゃなくて、もっとあったかくっておいしくって豊かなものを食べていいし、自分たちが寝るスペースだって、いろいろ考えて、段ボールベッドを作って豊かにしてもいいと思うんです。

これだけ災害が増えてきたということは、皆さんの災害の意識もちょっとステップアップして、しょぼい防災はやめましょう。
もっと自分たちにとって楽しい豊かな生活に変えてってほしい。そう思ってこの本を書きました。

続きを読みたい方は以下からお読みください!

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監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
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