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健達ねっと>介護お役立ち記事>介護保険>成年後見制度のデメリットとは?どんな人が成年後見人になれるの?

成年後見制度のデメリットとは?どんな人が成年後見人になれるの?

ある人が、病気や障害で適切な判断能力を失ってしまった場合、その人を社会的に守るための制度として存在するのが成年後見制度です。

社会的な弱者を守るこの制度に、知っておくべきデメリットがあることをご存じでしょうか。
今回は、成年後見制度について以下の内容を中心に解説していきます。

  • 成年後見制度とは何か
  • 成年後見制度にはどのようなデメリットがあるのか
  • 成年後見人にはどのような人がなれるのか
  • 成年後見人は親族以外が多い理由とは

 ご両親や自分の「老い支度」として成年後見制度について、またそのメリットやデメリットを理解するためにもぜひ最後までご覧ください。

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成年後見制度とは

疑問

ここでは、成年後見制度の概要を解説していきます。

成年後見制度の目的と役割

成年後見とは、認知症や精神疾患、知的障がいなどで判断能力が十分でない方を守る目的で設立された制度です。

社会で生活していくためには、さまざまな判断が必要になります。
とくに法律的行為に関して適切な判断ができなければ、売買契約をともなう「買い物」といった日常的な行為さえも制限されてしまいます。
法律的行為が行えないことは、ただ単に、不便になるというだけではありません。
判断能力が十分でないことで、財産を奪われたり、着服されてしまったりするといったデメリットが生じるのです。

成年後見制度を利用することで、法律的行為が可能となり、そして財産を管理することによって、被害を受けることのないように保護されるのです。

成年後見制度の利用が必要な人

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障がいなどによって、適切な判断ができない方たちのために必要な制度です。
具体的には、以下のケースが考えられます。

  • 病院での治療や介護などのサービスを受ける必要がある方
  • 相応の財産を持っており、財産管理が必要な方
  • 財産相続をすることになり、その相続手続きを行う必要のある方
  • 身寄りがなく、判断能力が不十分であることにつけこんで財産が不当に害される危険がある方

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成年後見制度のデメリットとは

成年後見制度は、判断能力が不十分な方たちを守る制度です。
一方で現在の成年後見制度にはいくつかのデメリットがあり、改善も望まれています。

手続きに手間と費用がかかる

成年後見制度を利用するためには、本人か配偶者、子どもなどの四親等内の親族から家庭裁判所に申立を行う必要があります。
家庭裁判所によって審判が行われ、適切であることが認められれば成年後見人となることができます。
申立てを行うのにあたり、「本人の戸籍謄本」「本人の住民票」「本人の診断書」などさまざまな書類の貼付が求められるというデメリットがあります。

また「申立費用」「登記費用」「送達費用」などお金がかかるというデメリットがあります。
もし鑑定が必要となったときには、さらに鑑定料も加わるでしょう。

成年後見制度を利用するためには、手続きに手間と費用がかかるので、経済的に余裕がない場合には躊躇してしまう場合も多いようです。

後見人へ報酬を支払う必要がある

身内であれば、報酬を支払う必要はないかもしれません。
しかし、弁護士や司法書士などの専門家に後見人を依頼する場合は、報酬を支払わなくてはならないというデメリットが存在します。
報酬は管理財産額がどれくらいかで変わってきますが、最低でも月々2万円の報酬が必要になります。

自由に財産が使えなくなる

成年後見制度は、あくまでも判断能力が十分でない方の財産を維持・管理するためのものです。
今の財産の維持が目的ですから、投資や投信などの財産が減るかもしれない運用は認められておらず、自由に財産が使えなくなるデメリットがあります。

簡単に利用をやめられない

家庭裁判所で後見人が指定された場合、簡単に後見人を変えたり、辞めさせたりすることはできません。
基本的に後見人は、後見される方が亡くなるまで後見人を続けることになります。

弁護士や司法書士の報酬を払いたくないからといって、途中で利用をやめるということはできないというデメリットがあります。

相続税対策が制限される

成年後見人制度を利用することで、生前贈与といった相続対策ができなくなるというデメリットがあります。
成年後見制度では本人の財産が減ることは、たとえ相続税が軽減するメリットがあったとしても認められていません。

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誰が成年後見人になれるのか?

成年後見制度における後見人は、誰でもなることができるのでしょうか。
詳しく解説していきます。

特別な資格が必要なのか

成年後見人になるために資格などは必要ありません。
法律で決められているのは「成年後見人になれない人」のみですから、それ以外の人であれば誰でも成年後見人になれます。

成年後見人になれないケース

成年後見人になれない人は以下の通りです。

  • 未成年者
  • 破産者
  • 過去に成年後見人をしていたが、家庭裁判所から解任された者
  • 過去に後見される人に対して訴訟を起こした者やその家族
  • 行方不明者

親族後見人のメリット

自分のことや家庭内のことをよく知っている親族が成年後見人になってくれれば、安心して財産管理を任せることができます。
人によっては、他人が自分の財産について管理することに不安を感じることも多いので、身近な親族に後見人になってもらいたいという方は多いものです。

また、専門家に後見人になってもらうためには、月々報酬を支払わなくてはなりません。
管理財産が多ければ多いほど高い報酬になります。
親族なら無報酬、あるいは少ない報酬で後見人を引き受けてくれる可能性があります。

親族後見人のデメリット

後見人としての仕事は、意外と大変です。
毎日のお金の出入りなど財産管理と身上監護を行わなくてはなりません。

さらに、定期的に家庭裁判所への報告も行う必要があるので、大きな負担に感じるかもしれません。
また、親の後見人を子どもがする場合、財産の管理方法を巡って親族間でトラブルになる可能性もあります。

成年後見制度のメリットとは

成年後見制度のメリットは以下の通りです。

  • 成年後見人が被後見人の預貯金や不動産を動かすことができる
  • 被後見人が行った不利益な契約などを解約することができる
  • 親族などの使い込みや不正を阻止することができる

被後見人の預貯金を動かす場合、成年後見人名義のキャッシュカードを発行する銀行もあり、お金の管理などがスムーズに行えます。
また、訪問販売などで契約した内容や支払った金額が不利益な場合、本人に代わって契約を取り消したり、返還請求することができます。
さらに、親族が被後見人の預貯金を勝手に使いこむことを阻止することができます。

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成年後見人は親族以外が多い?

厚生労働省によると、親族は全体の約26.2%、親族以外の第三者は約73.8%となっています。
第三者の中でも多いのが「弁護士」「司法書士」「社会福祉士」です。

なぜ親族以外の成年後見人が多いのかというと、家庭裁判所が「不正防止」のため親族が後見人になることを嫌う傾向があるからです。
そのほかにも、不動産などの財産を多く持っている方は、財産管理が複雑で専門知識も必要です。

親族が適正に財産管理ができない場合などは、専門家に成年後見人を依頼するケースが多くなります。

薬の使い方

成年後見制度のデメリットのまとめ

ここでは、成年後見制度のデメリットについてを中心に紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。

  •  成年後見制度には、手続きや費用がかかる、自由に財産が使えない、節税対策ができないなどの制限がある
  • 成年後見人は、成人であれば基本的に誰でもなれる
  • 成年後見人に親族以外が多い理由は、財産管理には専門知識が必要だから

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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