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健達ねっと>介護お役立ち記事>介護施設>新型老健って何?サービス内容や従来型老健との違いを解説!

新型老健って何?サービス内容や従来型老健との違いを解説!

介護老人保健施設(老健)は、高齢者の在宅復帰を支援する施設としてよく知られています。
老健は、提供サービスに応じて「従来型」と「新型」に分けられています。

新型老健のサービス内容はどのようなものなのでしょうか?
また、どの点が従来型と違うのでしょうか?

本記事では新型老健について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 新型老健とは
  • 新型老健と従来型老健との違い
  • 新型老健に入居している方とは

新型老健について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。

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新型老健とは

新型老健は、2008年に新設された介護保険の施設サービスで、正式名称は介護療養型老人保健施設といいます。

新型老健が誕生した背景には、「介護療養型医療施設」の廃止案があります。
介護療養型医療施設に、入所していた高齢者の受け入れ先として、新たに創設されました。

新型老健の位置づけは、従来型老健と介護療養型医療施設の中間といったところです。
対象者は、入院の必要はない介護を必要とする高齢者です。
新型老健は、利用者の方に日常生活のためのリハビリや介護・医療ケアを提供します。

基本的な提供サービスは、従来型老健と似ています。
従来型との違いは、新型老健はより医療ケアに特化しているという点です。

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新型老健のサービス内容は?

新型老健が提供するのは、従来の介護施設サービスだけではありません。
従来のサービス以上に充実した医療ケアのサービスも提供します。

充実した医療ケア

新型老健では、従来型老健や特養での対応が難しい高齢者に対しても、医療ケアを提供することが可能です。
たとえば、以下のような医療サービスがあります。

胃ろうのケア痰の吸引高度な血糖値の管理・ケア
インシュリン注射床ずれのケア気管切開のケア
ターミナルケア看取りケア経管栄養
尿管カテーテル酸素吸入

新型老健では、夜間の看護師設置が義務付けられています。
利用者100人に対し1人の割合で、医師の設置も義務付けられています。

看護師による医療提供体制が24時間整えられています。
医師の設置数は少ないものの、看護師の設置体制がより充実しています。

従来の介護施設サービス

新型老健では、身体介護や日常生活支援など、従来の介護施設サービスも提供しています。

老健はもともと高齢者の在宅復帰を支援するための施設でもあります。
新型老健では、在宅復帰にむけた日常生活を送るためのリハビリを行う施設もあります。

ただし、新型老健は、リハビリより高齢者の療養に重点を置きます。

介護施設サービスは以下の通りです。

身体介護(食事・入浴・排泄の介助など)医師・看護師による医療ケア(痰吸引・インシュリン注射・経管栄養など)
理学療法士・作業療法士によるリハビリ・機能訓練(歩行訓練など)生活援助(居室の清掃・シーツ交換・食事の提供など)
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従来型老健との違いは?

従来型老健とはどの点が違うのでしょうか?
従来型老健と新型老健の、主な違いを3つ解説します。

医療ケアの充実度

従来型老健と新型老健では医療ケアの充実度が異なります。
それぞれの医療ケアの充実度の違いをご紹介します。

従来型老健

従来型老健は、退院後の高齢者が療養しながら在宅復帰を目指す生活施設です。

そのため従来型老健でも、医師・看護師による医療ケアは提供されていました。
医療ケアの内容は、痰の吸引・経管栄養などです。

より高度な医療行為が必要な方については、施設によって対応が異なります。
実際に、高度な医療行為が必要な高齢者は、入居が断られる場合もあります。

また、従来型は主に在宅復帰を目指す方を対象としています。
そのため、ターミナルケアや看取りケアは十分とはいえませんでした。

新型老健

一方、新型老健では、退院後の高齢者の療養・医療ケアに重点をおいています。

そのため、人工呼吸器や気管切開をした方のケアも対応可能です。
また、高度な血糖値管理、尿管カテーテルの管理などにも対応可能です。

終身利用を前提とした施設も少なくありません。
実際に新型老健の中には、看取りケアやターミナルケアを充実させている施設が多いです。

夜間の看護師の設置義務について

従来型と新型の老健の看護師の配置についてもそれぞれ違いがあります。
それぞれの看護師の設置義務についてご紹介します。

従来型老健

従来型老健でも、看護師の設置が義務付けられています。
ただし、従来型老健の施設によって夜間の看護師の配置に関して差がありました。

実際のところ、夜間は看護師が不在という施設もあります。

新型老健

しかし、新型老健は、24時間体制で看護師の設置が義務付けられています。
そのため、夜間の看護師の配置が徹底されています。

24時間体制で看護師が常駐しています。
そのため、夜間の緊急対応時にもサービスを受けることができます。

医師の配置基準

医師の配置基準については従来型・新型で差はありません。

医師の配置は、利用者100人に対し1人の割合で設置が義務付けられています。
新型老健の創設前の「介護療養型医療施設」では、利用者100人に対し医師3人の設置が必要でした。

介護療養型医療施設とくらべると、新型老健は医師の配置基準が緩和されています。
医師の配置基準の緩和のかわりに、看護師の設置体制が強化されています。
従来型の老健と比べ、手厚い医療ケアを期待することができます。

退所期限について

従来型老健では、3カ月ごとに入所のための審査が行われます。
在宅復帰できると判断された場合、本人の意思にかかわらず退所する必要があります。
なぜなら、老健はもともと在宅復帰を支援する生活施設だからです。

一方、新型老健では退所に対する期限やルールは設けられていません。
新型老健では、慢性的な症状を抱える高齢者の療養を目的とするためです。

長期利用を前提としいるため、終身利用が可能な場合もあります。

 

新型老健の対象者は?

新型老健の利用対象者は、以下の通りです。

  • 65歳以上の方
  • 要介護度1以上の方
  • 病により介護が必要な方
  • 急性期を過ぎ、慢性的な症状のケアや介護が必要な方

上記は、一般的な入居条件です。
施設によって、高度な医療ケアを必要とする方が優先的に入居できる場合もあります。

基本的に、入院は必要なく、日常的な介護・医療ケアを必要とする高齢者が利用対象者にあてはまります。

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どんな人が入居しているの?

実際に新型老健に入居している方の特徴を紹介します。
なお、以下は厚生労働省のデータを参照しています。

【年齢別】

40歳未満
40-64歳3.5%
65-69歳4.0%
70-74歳6.9%
75-79歳12.8%
80-84歳17.8%
85-89歳25.7%
90-94歳16.3%
95歳以上9.6%

年代別では、85~89歳の利用者の割合が最も多くなっています。
また、89歳以下に限ると、年齢が高くなるほど利用者が増加する傾向がみられます。

【性別】

男性33.1%
女性64.9%

性別でみると、男性よりも女性の方が圧倒的に利用者数が多いことが分かります。

【要介護度別】

要支援10.2%
要支援20.2%
要介護度14.2%
要介護度25.4%
要介護度312.6%
要介護度427.9%
要介護度548.4%

要介護度別に見ると、要介護5の方の割合が全体の利用者の約半数を占めています。

なお、従来型の老健の要介護度5の利用者は全体の21.8%でした。
従来型と比べると、新型はより重度の要介護者に利用されていることが分かります。

【認知症高齢者の日常生活自立度】

自立2.7%
4.7%
12.1%
Ⅲa 20.7%
Ⅲb6.9%
40.0%
12.6%

日常生活自立度とは、認知症高齢者が必要とする介護の度合いを表したものです。
数字が大きくなるほど、より手厚い介護を必要とします。

新型老健においては、「Ⅳ」の方の割合が40.0%で最大となっています。
ちなみに「Ⅳ」とは、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意志疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする状態です。

従来型老健では、「Ⅳ」の方の割合は11.7%でした。
割合が大きかったのは「Ⅱ」と「Ⅲa」の方で、あわせて60.5%を占めています。

新型老健は従来型の老健と比べると、より重度の認知症の方に利用されていることが分かります。

出典:厚生労働省【介護療養型老人保健施設について

薬の使い方

新型老健のまとめ

今回は新型老健についてお伝えしてきました。
新型老健についての要点を以下にまとめます。

  • 新型老健とは、入院の必要はないが日常的な介護や医療ケアを必要とする高齢者に、療養・医療サービスを提供するための生活施設
  • 新型老健と従来型老健との違いは、「医療ケアの充実度」「看護師の夜間体制」「退所期限のルール」
  • 新型老健に入居している方は80歳代で、要介護度が大きい方や、認知症の自立度が低い方が多い

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
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  • 介護付有料老人ホーム展開
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